3 / 7
3.婚約《ゼルディア視点》
しおりを挟む
私はゼルディア・フォン・ラージエルス。
ラージエルス王国の第二王子だ。
今、私は上機嫌だった。
目障りだった女との婚約破棄が出来たからだ。
どれほど嬉しいことか。
これでレーアとの婚約が出来る。
そもそも婚約は1人までという決まりなど無いので、エリスと婚約を続けていようが関係なかった。
しかしエリスとの結婚など嫌だった。
だから婚約破棄したまでのこと。
わざとらしいあの振る舞いは、きっと私に好かれる為の偽りの性格だろう。
気持ちが悪く、もう我慢ならなかった。
だから言ってやった。
大勢の前で、
「貴様との婚約を破棄する!」
と。
奴なら泣き崩れ、私に縋り寄ってくると思っていた。
いたのだが……
「……ゼルディア様。理由をお伺いしても?」
少し驚いた表情をした後、すぐにそう訊いてきた。
その様子に少し違和感を覚えたが、気にせず本心を声にする。
私の言葉に続き、レーアも発言をした。
するとエリスは驚くべき言葉を口にしたのだ。
「貴女は誰ですか?」
……これには私も驚いた。
レーアはエリスと話したことがなかったのだろう。
確かに2人が話している所を、私も見たことがない。
だがエリスの狙いは、別にあったのだ--
レーアが名を名乗ると、奴は…
「レーアさん、ですか。初めてお話ししますわね~!」
笑顔でそう言った。
いつものわざとらしい態度で。
怒りを覚えたが、続くエリスの言葉で、私は気付いた。
「うふふっ、可愛い方ですのね。」
貴族達の注目が集まる中での、先程と今の言葉。
これにより周囲はざわつき始めたのだ。
レーアはエリスと初めて話すにも関わらず、許可もなく親しく呼んでいる…。
それが意味することは……、『マナー知らず』。
この他にない。
私は焦った。
これでは奴の狙い通りになってしまっていると。
流れを変えるべく、とりあえずエリスを会場から出ていかせようと思った。
「おいっ!それ以上喋ることは許さん!さっさとこの場を立ち去れ!」
「………分かりました、ゼルディア様……いえ、ゼルディア殿下。」
「…!?」
急に雰囲気が変わった。
いつものエリスが纏う空気感とは、欠片も違っていた。
私の知っている、ふわふわとまとわりついてくるような嫌いな感じではなく、キリッとした気品溢れる私の知らないエリスだ。
一瞬で雰囲気を変えられるのかと驚いたが、私の気を引く為の作戦だろう。
そう思うことにした。
しかし…、やはり何か引っかかる。
もしや、演技をしていたのか…?
何の為に?
この私の嫌がる事をして、婚約破棄に持っていかせる為?
……いいや、それはないな。
王子である私との婚約を破棄したがるなど、王国貴族として有り得ない。
なら何故…?
…考えても仕方がない。
奴との婚約を破棄することが出来る、そのことに今は喜ぼう。
それで十分だ。
レーアを幸せにすることが出来るのだ。
これより喜ばしいことはないだろう。
--その後の舞踏会は無事に終わり、翌日になった。
私は昨日伝えていなかったことを国王陛下、つまりは父上に伝える為、会いに行った。
父上は誰かと話しているようで、使用人達が必死に止めにくるのだが…これは最優先事項が故に、客人がいることなどは関係ないだろう。
そして入って少し経ってから知った。
と言うより直接見た。
「…エリス!?」
奴がここに居たのだ…。
何の話をしていたのかは分からないが、父上はエリスとの婚約破棄は認めてくれた。
ひとまず安心だ。
しかしレーアとの婚約は少し待てと言われた。
『王族の婚約は、そうおいそれと出来るものではない』という父上の言葉は理解出来る。
それに父上の『少し』は、本当に少しだ。
今日中にも呼び出しされて、婚約を認めてくれるはずだ。
仮に認めてくれずとも、煩く言えば問題ないだろう。
そう思い、その場は去ることにした。
そして数時間後--
父上に私一人だけが呼び出しされた。
執務室に入った私は、エリスやヘーレイシア公爵が居ないことを確認する。
きっと婚約の件だ。
それ以外にないだろう。
「ゼルディアよ。レーア・ルネイアルトとの婚約は認めるが、条件がある。」
「条件…ですか?」
「そうだ。お前には仕事を手伝ってくれる存在が必要だ。常ならば、婚約者がその立場をしている。私も結婚する前、婚約者同士の頃から妻でありお前の母であるシティーレに助手をしてもらっていた。」
「そう…ですか……。それはレーアにしてもらえば…」
「いいや、彼女には務まらないだろう。実はレーア・ルネイアルトについて調べさせてもらった。言い方は悪いが、彼女はエリスにかなり劣っている。」
「そんなことは!」
「お前も分かっているだろう。お前の目にエリスがどのように映っていたかは知らんが、王族の仕事を1人で片付けていたのだぞ。そのようなことがレーアに出来るとでも?」
「くっ…。」
悔しいが、父上の仰ることは正論だ。
レーアにエリスにさせていた私の仕事を行えるとは思えない。
ならば他の者を代わりに助手にさせるべきだろう。
「条件とは、助手の存在を自ら見つけてくることだ。ただし助手はあくまで助手でしかない。己の仕事はしっかりとするように。」
「…分かりました。」
「ちなみにだが、助手は婚約者となる者、或いは信頼出来る者でも構わないぞ。前者の場合は、レーア・ルネイアルト以外の新たな婚約者…となるがな。」
そんな父上の言葉に、私はあることを思いついた。
奴に戻ってきてもらえば良いのだ…。
レーアを正妻、そして奴を側妻にでもすれば、父上も文句は無いだろう。
一応確認はしておこう。
「……それは、エリスをもう一度婚約者にすることでもよろしいのですか?」
「…はははっ!それは面白いな。出来るものならやってみろ。既に婚約破棄はされているが、彼女に戻ってきてもらえると思うのなら試してみるといい。」
挑発とも取れる言葉を発した父上。
無理だと言われているようなものだ。
だがエリスは『お慕いしている』と言っていた。
つまりはまだ私のことが好きな可能性がある。
いいや、その可能性の方が高いだろう。
私は王子なのだ。
その妻という地位は、貴族ならば誰もが欲しがるものである。
「分かりました。」
「話は以上だ。行って良いぞ。」
「失礼します。」
部屋を出て、レーアの待つ自室へと向かう。
エリスの事は、明日から動けば十分だ。
これでレーアとの婚約は確定したも同然。
ならば今日の残りの時間は、遊ぶ為に使おう。
仕事は明日に回せば問題ない。
明日になればエリスが片付けてくれるのだから--
ラージエルス王国の第二王子だ。
今、私は上機嫌だった。
目障りだった女との婚約破棄が出来たからだ。
どれほど嬉しいことか。
これでレーアとの婚約が出来る。
そもそも婚約は1人までという決まりなど無いので、エリスと婚約を続けていようが関係なかった。
しかしエリスとの結婚など嫌だった。
だから婚約破棄したまでのこと。
わざとらしいあの振る舞いは、きっと私に好かれる為の偽りの性格だろう。
気持ちが悪く、もう我慢ならなかった。
だから言ってやった。
大勢の前で、
「貴様との婚約を破棄する!」
と。
奴なら泣き崩れ、私に縋り寄ってくると思っていた。
いたのだが……
「……ゼルディア様。理由をお伺いしても?」
少し驚いた表情をした後、すぐにそう訊いてきた。
その様子に少し違和感を覚えたが、気にせず本心を声にする。
私の言葉に続き、レーアも発言をした。
するとエリスは驚くべき言葉を口にしたのだ。
「貴女は誰ですか?」
……これには私も驚いた。
レーアはエリスと話したことがなかったのだろう。
確かに2人が話している所を、私も見たことがない。
だがエリスの狙いは、別にあったのだ--
レーアが名を名乗ると、奴は…
「レーアさん、ですか。初めてお話ししますわね~!」
笑顔でそう言った。
いつものわざとらしい態度で。
怒りを覚えたが、続くエリスの言葉で、私は気付いた。
「うふふっ、可愛い方ですのね。」
貴族達の注目が集まる中での、先程と今の言葉。
これにより周囲はざわつき始めたのだ。
レーアはエリスと初めて話すにも関わらず、許可もなく親しく呼んでいる…。
それが意味することは……、『マナー知らず』。
この他にない。
私は焦った。
これでは奴の狙い通りになってしまっていると。
流れを変えるべく、とりあえずエリスを会場から出ていかせようと思った。
「おいっ!それ以上喋ることは許さん!さっさとこの場を立ち去れ!」
「………分かりました、ゼルディア様……いえ、ゼルディア殿下。」
「…!?」
急に雰囲気が変わった。
いつものエリスが纏う空気感とは、欠片も違っていた。
私の知っている、ふわふわとまとわりついてくるような嫌いな感じではなく、キリッとした気品溢れる私の知らないエリスだ。
一瞬で雰囲気を変えられるのかと驚いたが、私の気を引く為の作戦だろう。
そう思うことにした。
しかし…、やはり何か引っかかる。
もしや、演技をしていたのか…?
何の為に?
この私の嫌がる事をして、婚約破棄に持っていかせる為?
……いいや、それはないな。
王子である私との婚約を破棄したがるなど、王国貴族として有り得ない。
なら何故…?
…考えても仕方がない。
奴との婚約を破棄することが出来る、そのことに今は喜ぼう。
それで十分だ。
レーアを幸せにすることが出来るのだ。
これより喜ばしいことはないだろう。
--その後の舞踏会は無事に終わり、翌日になった。
私は昨日伝えていなかったことを国王陛下、つまりは父上に伝える為、会いに行った。
父上は誰かと話しているようで、使用人達が必死に止めにくるのだが…これは最優先事項が故に、客人がいることなどは関係ないだろう。
そして入って少し経ってから知った。
と言うより直接見た。
「…エリス!?」
奴がここに居たのだ…。
何の話をしていたのかは分からないが、父上はエリスとの婚約破棄は認めてくれた。
ひとまず安心だ。
しかしレーアとの婚約は少し待てと言われた。
『王族の婚約は、そうおいそれと出来るものではない』という父上の言葉は理解出来る。
それに父上の『少し』は、本当に少しだ。
今日中にも呼び出しされて、婚約を認めてくれるはずだ。
仮に認めてくれずとも、煩く言えば問題ないだろう。
そう思い、その場は去ることにした。
そして数時間後--
父上に私一人だけが呼び出しされた。
執務室に入った私は、エリスやヘーレイシア公爵が居ないことを確認する。
きっと婚約の件だ。
それ以外にないだろう。
「ゼルディアよ。レーア・ルネイアルトとの婚約は認めるが、条件がある。」
「条件…ですか?」
「そうだ。お前には仕事を手伝ってくれる存在が必要だ。常ならば、婚約者がその立場をしている。私も結婚する前、婚約者同士の頃から妻でありお前の母であるシティーレに助手をしてもらっていた。」
「そう…ですか……。それはレーアにしてもらえば…」
「いいや、彼女には務まらないだろう。実はレーア・ルネイアルトについて調べさせてもらった。言い方は悪いが、彼女はエリスにかなり劣っている。」
「そんなことは!」
「お前も分かっているだろう。お前の目にエリスがどのように映っていたかは知らんが、王族の仕事を1人で片付けていたのだぞ。そのようなことがレーアに出来るとでも?」
「くっ…。」
悔しいが、父上の仰ることは正論だ。
レーアにエリスにさせていた私の仕事を行えるとは思えない。
ならば他の者を代わりに助手にさせるべきだろう。
「条件とは、助手の存在を自ら見つけてくることだ。ただし助手はあくまで助手でしかない。己の仕事はしっかりとするように。」
「…分かりました。」
「ちなみにだが、助手は婚約者となる者、或いは信頼出来る者でも構わないぞ。前者の場合は、レーア・ルネイアルト以外の新たな婚約者…となるがな。」
そんな父上の言葉に、私はあることを思いついた。
奴に戻ってきてもらえば良いのだ…。
レーアを正妻、そして奴を側妻にでもすれば、父上も文句は無いだろう。
一応確認はしておこう。
「……それは、エリスをもう一度婚約者にすることでもよろしいのですか?」
「…はははっ!それは面白いな。出来るものならやってみろ。既に婚約破棄はされているが、彼女に戻ってきてもらえると思うのなら試してみるといい。」
挑発とも取れる言葉を発した父上。
無理だと言われているようなものだ。
だがエリスは『お慕いしている』と言っていた。
つまりはまだ私のことが好きな可能性がある。
いいや、その可能性の方が高いだろう。
私は王子なのだ。
その妻という地位は、貴族ならば誰もが欲しがるものである。
「分かりました。」
「話は以上だ。行って良いぞ。」
「失礼します。」
部屋を出て、レーアの待つ自室へと向かう。
エリスの事は、明日から動けば十分だ。
これでレーアとの婚約は確定したも同然。
ならば今日の残りの時間は、遊ぶ為に使おう。
仕事は明日に回せば問題ない。
明日になればエリスが片付けてくれるのだから--
34
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
【短編】王子のために薬を処方しましたが、毒を盛られたと婚約破棄されました! ~捨てられた薬師の公爵令嬢は、騎士に溺愛される毎日を過ごします~
上下左右
恋愛
「毒を飲ませるような悪女とは一緒にいられない。婚約を破棄させてもらう!」
公爵令嬢のマリアは薬を煎じるのが趣味だった。王子のために薬を処方するが、彼はそれを毒殺しようとしたのだと疑いをかけ、一方的に婚約破棄を宣言する。
さらに王子は毒殺の危機から救ってくれた命の恩人として新たな婚約者を紹介する。その人物とはマリアの妹のメアリーであった。
糾弾され、マリアは絶望に泣き崩れる。そんな彼女を救うべく王国騎士団の団長が立ち上がった。彼女の無実を主張すると、王子から「ならば毒殺女と結婚してみろ」と挑発される。
団長は王子からの挑発を受け入れ、マリアとの婚約を宣言する。彼は長らくマリアに片思いしており、その提案は渡りに船だったのだ。
それから半年の時が過ぎ、王子はマリアから処方されていた薬の提供が止まったことが原因で、能力が低下し、容姿も豚のように醜くなってしまう。メアリーからも捨てられ、婚約破棄したことを後悔するのだった。
一方、マリアは団長に溺愛される毎日を過ごす。この物語は誠実に生きてきた薬師の公爵令嬢が価値を認められ、ハッピーエンドを迎えるまでのお話である。
妹に醜くなったと婚約者を押し付けられたのに、今さら返せと言われても
亜綺羅もも
恋愛
クリスティーナ・デロリアスは妹のエルリーン・デロリアスに辛い目に遭わされ続けてきた。
両親もエルリーンに同調し、クリスティーナをぞんざいな扱いをしてきた。
ある日、エルリーンの婚約者であるヴァンニール・ルズウェアーが大火傷を負い、醜い姿となってしまったらしく、エルリーンはその事実に彼を捨てることを決める。
代わりにクリスティーナを押し付ける形で婚約を無かったことにしようとする。
そしてクリスティーナとヴァンニールは出逢い、お互いに惹かれていくのであった。
婚約破棄された令嬢は変人公爵に嫁がされる ~新婚生活を嘲笑いにきた? 夫がかわゆすぎて今それどころじゃないんですが!!
杓子ねこ
恋愛
侯爵令嬢テオドシーネは、王太子の婚約者として花嫁修業に励んできた。
しかしその努力が裏目に出てしまい、王太子ピエトロに浮気され、浮気相手への嫌がらせを理由に婚約破棄された挙句、変人と名高いクイア公爵のもとへ嫁がされることに。
対面した当主シエルフィリードは馬のかぶりものをして、噂どおりの奇人……と思ったら、馬の下から出てきたのは超絶美少年?
でもあなたかなり年上のはずですよね? 年下にしか見えませんが? どうして涙ぐんでるんですか?
え、王太子殿下が新婚生活を嘲笑いにきた? 公爵様がかわゆすぎていまそれどころじゃないんですが!!
恋を知らなかった生真面目令嬢がきゅんきゅんしながら引きこもり公爵を育成するお話です。
本編11話+番外編。
※「小説家になろう」でも掲載しています。
無実の罪で投獄されました。が、そこで王子に見初められました。
百谷シカ
恋愛
伯爵令嬢シエラだったのは今朝までの話。
継母アレハンドリナに無実の罪を着せられて、今は無力な囚人となった。
婚約関係にあるベナビデス伯爵家から、宝石を盗んだんですって。私。
そんなわけないのに、問答無用で婚約破棄されてしまうし。
「お父様、早く帰ってきて……」
母の死後、すっかり旅行という名の現実逃避に嵌って留守がちな父。
年頃の私には女親が必要だって言って再婚して、その結果がこれ。
「ん? ちょっとそこのお嬢さん、顔を見せなさい」
牢獄で檻の向こうから話しかけてきた相手。
それは王位継承者である第一王子エミリオ殿下だった。
「君が盗みを? そんなはずない。出て来なさい」
少し高圧的な、強面のエミリオ殿下。
だけど、そこから私への溺愛ライフが始まった……
ざまぁを回避したい王子は婚約者を溺愛しています
宇水涼麻
恋愛
春の学生食堂で、可愛らしい女の子とその取り巻きたちは、一つのテーブルに向かった。
そこには、ファリアリス公爵令嬢がいた。
「ファリアリス様、ディック様との婚約を破棄してください!」
いきなりの横暴な要求に、ファリアリスは訝しみながらも、淑女として、可憐に凛々しく対応していく。
ダンスパーティーで婚約者から断罪された挙句に婚約破棄された私に、奇跡が起きた。
ねお
恋愛
ブランス侯爵家で開催されたダンスパーティー。
そこで、クリスティーナ・ヤーロイ伯爵令嬢は、婚約者であるグスタフ・ブランス侯爵令息によって、貴族子女の出揃っている前で、身に覚えのない罪を、公開で断罪されてしまう。
「そんなこと、私はしておりません!」
そう口にしようとするも、まったく相手にされないどころか、悪の化身のごとく非難を浴びて、婚約破棄まで言い渡されてしまう。
そして、グスタフの横には小さく可憐な令嬢が歩いてきて・・・。グスタフは、その令嬢との結婚を高らかに宣言する。
そんな、クリスティーナにとって絶望しかない状況の中、一人の貴公子が、その舞台に歩み出てくるのであった。
文句しか言わない(言えない)婚約者。自分から言い出したのに婚約破棄にも文句言ってます
リオール
恋愛
公爵令嬢エレナの婚約者は、王太子のデニス王子。
この王子、とにかく文句しか言わない。いつもいつも会えばまずは文句。文句を言うなら会いに来なければ良いものを、なぜか頻繁に会いにくる。会いに来ては文句をいうものだから、エレナのストレスは爆発寸前だった。
ところがその日は違った。会いにはきたけれど、出た言葉が「婚約解消する」というものだったのだ。
それを聞いて大喜びするエレナだったが、なぜかその話は無かった事に!?
ふざけないでください、一度言ったことを取り消すなんて、許されると思うのですか?
そんないい加減な人と結婚なんて出来ません。婚約破棄させていただきます!
文句を言われても知りません!
切れたエレナは絶縁宣言をするのだった。
=====
ギャグ寄りのお話です。
主人公の本性は口が悪いです。それが駄目な方はUターンでお願いします。
何でも許せるというかた向け。
お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?
朱音ゆうひ
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。
何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!
と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど?
別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる