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最終話 償いとその後
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──翌日。
玉座の間にて、馬鹿王子へ罰が下される日となった。
以前と同じように玉座には国王陛下が、その左隣には王妃陛下が、右隣にはゼーファ様が座っている。当然、私はゼーファ様の後方で控えていた。
玉座の階段下には、中央を避けて貴族達が左右に立っている。
「此度の罪人を入れよ。」
「はっ!」
陛下の命令で、馬鹿王子が玉座の間に入ってきた。俯き、ふらふらと前へ歩いてくる。満身創痍といった様子だ。おそらく私の魔法の影響だろう。
「罪人ジルファーよ。貴様は《悪魔族》を呼び出す召喚魔法を行わせた上、その罪をゼーファやリエラ殿に着せようとし、さらには逃亡を図った。……何か言うことはあるか?」
「と、逃亡は誰かが勝手に、私を転移させただけです…!」
「リエラ殿によれば、貴族が転移させたことを貴様は知っていたようだが?」
「っ……それは…、そのようなことを行う貴族に、心当たりがあっただけで……。」
馬鹿王子にしては見事な言い訳だ。陛下も逃亡までは罪に問うつもりはないだろう。
故にこの言い訳を認めることにしたようだ。
「……逃亡を図った事については、あの者が独断で行った可能性もあろう。だがそれ以外の罪については、言い逃れできぬぞ。」
「…っ……はい…。」
もう逃げることは叶わないと悟ってか、馬鹿王子はあっさりと罪を認めた。
抵抗する様子がないどころか、必死に苦痛に耐えているように見える。私の魔法で魔力回路を傷付けられた痛みを、周囲に気付かれまいと耐え隠しているのだろう。
外傷は何も無いにも拘わらず、激痛が続く。それが魔力回路損傷の影響だ。
約一日経ってようやく激痛から解放されたかと思えば、一時間後には再び魔法が発動されるようになっている。そして一年間はこのループから逃れられない。
「これより、ジルファー・アンドレイズに罰を言い渡す。証人はこの場にいる者全てだ。」
この言葉に、王妃陛下やゼーファ様含め貴族達が頷いた。
そして陛下が立ち上がり、馬鹿王子を見下ろす。
「ジルファー・アンドレイズを廃嫡とし、監視の下、辺境での強制労働とする。」
陛下のこの決定に、誰も異論は無い様子だった。息子に対する陛下のせめてもの情けだと、皆が理解していたからだ。
強制労働は死刑より軽く、終身刑よりも重い。奴隷のようにこき使われ、労働の場所によっては死に至る場合もある。さらに個人に対する監視を付けるとなれば、より辛いものとなるだろう。逃げ出す事など絶対にできないのだから。
そして馬鹿王子が不審な動きを見せればすぐ分かるように、ヴィーレに頼んで彼女の配下の《悪魔族》を、馬鹿王子に付けてもらった。
それから一年後──
私はゼーファ様の視察に同行し、とある辺境の村へと向かっていた。
そこは罪人達が罪を償う為の、強制労働の場としても知られている村だ。荒地の開墾や魔物討伐など、かなり過酷な肉体労働をさせられていると聞く。
馬車での移動は途中までしかできない為、村への移動は徒歩も必要となる。それほどまでに辺境の地なのだ。
視察は帰路を含めて一週間だった。ギルドマスターのエデスラードに『一週間ほど依頼を受けられない』と伝えたところ、かなり難しい顔をしていた。
とはいえ最近はSランク相当の依頼があまりない。あっても困るのだが、基本的にはエデスラードでも対処可能なので、何も問題は無いだろう。
「ゼーファ・アンドレイズ殿下、レワッド村へようこそお越しくださいました。村長のエメゾと申します。」
「其方がエメゾ村長か。今日はよろしく頼む。」
村長に付いて歩いていくと、罪人達の強制労働場所へと着いた。労働をしている全員が魔法使用不可となる、破壊不能な魔道具を手首に付けられている。
そして罪人達の他に、監視が十一名ほど居た。それぞれがかなりの実力者であると、見ただけで分かった。十名は強制労働に処された者達の監視をしているが、もう一名は馬鹿元王子付きの監視だ。
ゼーファ様はその中に見慣れた顔を見つけ、一直線に向かっていく。
「久しいな、ジルファーよ。」
「…何故姉上……ゼーファ殿下がこのような場所に?私の惨めな姿でも見に来たのですか?」
「ただの視察じゃ。陛下もお主の様子を気にされておった。廃嫡となれど、実の息子である事実は変わらぬ。故に一人の親として、心配なのじゃろう。」
「……ならばこんな場所に送らなければ良かったのでは?」
「それは無理よな。ここは己が罪を、一生をかけて償う場。それほどの重罪を犯したのじゃ。無かったことにはできぬ。」
ゼーファ様の言う通りだと、私も考える。
確かに、《悪魔族》召喚についての一件を隠蔽してしまう手段はあった。馬鹿元王子は廃嫡もされず、このような場所で強制労働させられることすらなかっただろう。
だがその場合、私とゼーファ様が馬鹿元王子に嵌められることになるのだ。それを防ぐ為に、あの場で捕らえた。
《悪魔族》召喚で私達を巻き込んだ時点で、王子としての命運は尽きていたという訳だ。
「妾は期待していたのじゃがな……。ラリエットに感化され、自らできることをしていってくれると…、そう思っていた。残念で他ならぬ…。」
「…私には私なりの考えがある。それは貴女が一番理解しているはずだ。だがそこに居る女の所為で、全てが無駄になった。貴様さえいなければ、私が王となれたものを……!」
拳を握りしめ、ゼーファ様の斜め後ろで控える私を、忌々しそうに見てきた。
私が以前かけた闇魔法の効果は既に消えており、強気な姿勢が戻っているように思える。もう一度魔法をかけようかとも考えたが、さすがにやめておいた。陛下の許可を得ていないからだ。
確かに私が仕組んだこともある。ゼーファ様が関わっている部分も少なからずあるのだ。
だが結局は、《悪魔族》の召喚を行わせたこの馬鹿が悪い。ある意味自爆してくれたので、私としては楽だったが。
私は溜息を吐いてから、目の前の馬鹿を睨んだ。
「あなたが堕ちたのは自分の所為よ。他人の所為にしないで欲しいわね。」
「っ……。」
「リエラの言う通りじゃな。ジルファーよ、これからもしっかりと働き、己の罪を贖うがよい。──罪人達の監視、よろしく頼むぞ。」
「「「はっ!」」」
その後、視察は順調に進み、翌日の昼過ぎには村を出た。
馬車まで徒歩で歩いていると、ゼーファ様が話しかけてきた。
「ジルファーが廃嫡となった時、リエラは冒険者としてだけの生活に戻るのかと思っていたぞ。」
「それは、ゼーファ様の元を去るということ?」
「そうじゃ。あやつへの復讐を果たし、妾が王となることが確定した今、妾に仕える意味など無くなったも同然であろう。命を狙われることも、もはや無いのじゃからな。」
ゼーファ様の言いたいことは分かる。私の最たる目的は既に果たされたのだ。故に客観的に見るならば、私がゼーファ様に仕えている意味など無いだろう。
だが……
「ゼーファ様にそう思われていたなんて心外ね。私はあの時誓ったはずよ。『王国のより良い未来の為に、この身を捧げる』…と。たとえ当初の目的を果たしたとしても、ゼーファ様の元を離れるつもりなんてなかったわ。」
「そうか…、そうだったな……。」
私の言葉に、ゼーファ様は俯きつつも嬉しそうな顔をしていた。
「それに、次期国王の傍にSランク冒険者が付いているとなれば、それだけで可能な事が増えるでしょう?王となった後も仕えて良いのならば、他国への抑止力として私を使っても構わないわ。当然、冒険者でもあるから戦争に参加する気は無いけれど。」
「……感謝する。必ずや、今より良い王国にして見せよう。」
ゼーファ様であれば、よい国になると確信できる。
そしてもし戦争が避けられないような状況に陥り、私の大切な者達に危害が加わりそうであれば、冒険者を辞めてでも戦争に参加するつもりだ。
とはいえ、できる限り人を救う側でいたいのも本音だった。ゼーファ様が間違った道に進まないよう傍で仕え、支え続けようと私は心の中で誓った。
私の元婚約者は、王子から罪人という真逆の地位へと堕ちた。そして現在も過酷な強制労働を強いられている。
婚約破棄され冤罪までかけられた事への復讐は、満足のいくものとなったのだ。これからはゼーファ様を全力で支えるのみ。
私は改まってゼーファ様を見る。
「ゼーファ様。私は貴女が民の為に行動する限り、傍で支え続けましょう。貴女の目となり耳となり、盾として仕えます。ですが剣となれないことはお許しを。」
「許す。お主の本職は冒険者であろう。民を救う側でいて欲しいと、妾も思っておる。そして妾が誤った選択をしそうになった時は、遠慮なく止めて欲しい。」
「無論です。それが側近としての務めであり、ゼーファ様が私に求めている事ですから。」
「うむ。これからもよろしく頼む。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
互いに笑顔でそう言い、明るい気持ちで馬車へと向かった。
ゼーファ様が国を豊かにしていく瞬間を、最も近い場所から見届けられるのだ。これ以上ないほどに嬉しいことであり、今後が益々楽しみになった。
──それから数ヶ月後、ゼーファ・アンドレイズは国王陛下からの試練を無事乗り越え、さらに数年後には王国初の女王に即位した。
アンドレイズ王国は黄金期を迎え、ゼーファは歴史に残る『賢王』と、リエラは『闇黒麗裂』または『闇黒英雄』とそれぞれ称えられたが、それはまた別の話である──
玉座の間にて、馬鹿王子へ罰が下される日となった。
以前と同じように玉座には国王陛下が、その左隣には王妃陛下が、右隣にはゼーファ様が座っている。当然、私はゼーファ様の後方で控えていた。
玉座の階段下には、中央を避けて貴族達が左右に立っている。
「此度の罪人を入れよ。」
「はっ!」
陛下の命令で、馬鹿王子が玉座の間に入ってきた。俯き、ふらふらと前へ歩いてくる。満身創痍といった様子だ。おそらく私の魔法の影響だろう。
「罪人ジルファーよ。貴様は《悪魔族》を呼び出す召喚魔法を行わせた上、その罪をゼーファやリエラ殿に着せようとし、さらには逃亡を図った。……何か言うことはあるか?」
「と、逃亡は誰かが勝手に、私を転移させただけです…!」
「リエラ殿によれば、貴族が転移させたことを貴様は知っていたようだが?」
「っ……それは…、そのようなことを行う貴族に、心当たりがあっただけで……。」
馬鹿王子にしては見事な言い訳だ。陛下も逃亡までは罪に問うつもりはないだろう。
故にこの言い訳を認めることにしたようだ。
「……逃亡を図った事については、あの者が独断で行った可能性もあろう。だがそれ以外の罪については、言い逃れできぬぞ。」
「…っ……はい…。」
もう逃げることは叶わないと悟ってか、馬鹿王子はあっさりと罪を認めた。
抵抗する様子がないどころか、必死に苦痛に耐えているように見える。私の魔法で魔力回路を傷付けられた痛みを、周囲に気付かれまいと耐え隠しているのだろう。
外傷は何も無いにも拘わらず、激痛が続く。それが魔力回路損傷の影響だ。
約一日経ってようやく激痛から解放されたかと思えば、一時間後には再び魔法が発動されるようになっている。そして一年間はこのループから逃れられない。
「これより、ジルファー・アンドレイズに罰を言い渡す。証人はこの場にいる者全てだ。」
この言葉に、王妃陛下やゼーファ様含め貴族達が頷いた。
そして陛下が立ち上がり、馬鹿王子を見下ろす。
「ジルファー・アンドレイズを廃嫡とし、監視の下、辺境での強制労働とする。」
陛下のこの決定に、誰も異論は無い様子だった。息子に対する陛下のせめてもの情けだと、皆が理解していたからだ。
強制労働は死刑より軽く、終身刑よりも重い。奴隷のようにこき使われ、労働の場所によっては死に至る場合もある。さらに個人に対する監視を付けるとなれば、より辛いものとなるだろう。逃げ出す事など絶対にできないのだから。
そして馬鹿王子が不審な動きを見せればすぐ分かるように、ヴィーレに頼んで彼女の配下の《悪魔族》を、馬鹿王子に付けてもらった。
それから一年後──
私はゼーファ様の視察に同行し、とある辺境の村へと向かっていた。
そこは罪人達が罪を償う為の、強制労働の場としても知られている村だ。荒地の開墾や魔物討伐など、かなり過酷な肉体労働をさせられていると聞く。
馬車での移動は途中までしかできない為、村への移動は徒歩も必要となる。それほどまでに辺境の地なのだ。
視察は帰路を含めて一週間だった。ギルドマスターのエデスラードに『一週間ほど依頼を受けられない』と伝えたところ、かなり難しい顔をしていた。
とはいえ最近はSランク相当の依頼があまりない。あっても困るのだが、基本的にはエデスラードでも対処可能なので、何も問題は無いだろう。
「ゼーファ・アンドレイズ殿下、レワッド村へようこそお越しくださいました。村長のエメゾと申します。」
「其方がエメゾ村長か。今日はよろしく頼む。」
村長に付いて歩いていくと、罪人達の強制労働場所へと着いた。労働をしている全員が魔法使用不可となる、破壊不能な魔道具を手首に付けられている。
そして罪人達の他に、監視が十一名ほど居た。それぞれがかなりの実力者であると、見ただけで分かった。十名は強制労働に処された者達の監視をしているが、もう一名は馬鹿元王子付きの監視だ。
ゼーファ様はその中に見慣れた顔を見つけ、一直線に向かっていく。
「久しいな、ジルファーよ。」
「…何故姉上……ゼーファ殿下がこのような場所に?私の惨めな姿でも見に来たのですか?」
「ただの視察じゃ。陛下もお主の様子を気にされておった。廃嫡となれど、実の息子である事実は変わらぬ。故に一人の親として、心配なのじゃろう。」
「……ならばこんな場所に送らなければ良かったのでは?」
「それは無理よな。ここは己が罪を、一生をかけて償う場。それほどの重罪を犯したのじゃ。無かったことにはできぬ。」
ゼーファ様の言う通りだと、私も考える。
確かに、《悪魔族》召喚についての一件を隠蔽してしまう手段はあった。馬鹿元王子は廃嫡もされず、このような場所で強制労働させられることすらなかっただろう。
だがその場合、私とゼーファ様が馬鹿元王子に嵌められることになるのだ。それを防ぐ為に、あの場で捕らえた。
《悪魔族》召喚で私達を巻き込んだ時点で、王子としての命運は尽きていたという訳だ。
「妾は期待していたのじゃがな……。ラリエットに感化され、自らできることをしていってくれると…、そう思っていた。残念で他ならぬ…。」
「…私には私なりの考えがある。それは貴女が一番理解しているはずだ。だがそこに居る女の所為で、全てが無駄になった。貴様さえいなければ、私が王となれたものを……!」
拳を握りしめ、ゼーファ様の斜め後ろで控える私を、忌々しそうに見てきた。
私が以前かけた闇魔法の効果は既に消えており、強気な姿勢が戻っているように思える。もう一度魔法をかけようかとも考えたが、さすがにやめておいた。陛下の許可を得ていないからだ。
確かに私が仕組んだこともある。ゼーファ様が関わっている部分も少なからずあるのだ。
だが結局は、《悪魔族》の召喚を行わせたこの馬鹿が悪い。ある意味自爆してくれたので、私としては楽だったが。
私は溜息を吐いてから、目の前の馬鹿を睨んだ。
「あなたが堕ちたのは自分の所為よ。他人の所為にしないで欲しいわね。」
「っ……。」
「リエラの言う通りじゃな。ジルファーよ、これからもしっかりと働き、己の罪を贖うがよい。──罪人達の監視、よろしく頼むぞ。」
「「「はっ!」」」
その後、視察は順調に進み、翌日の昼過ぎには村を出た。
馬車まで徒歩で歩いていると、ゼーファ様が話しかけてきた。
「ジルファーが廃嫡となった時、リエラは冒険者としてだけの生活に戻るのかと思っていたぞ。」
「それは、ゼーファ様の元を去るということ?」
「そうじゃ。あやつへの復讐を果たし、妾が王となることが確定した今、妾に仕える意味など無くなったも同然であろう。命を狙われることも、もはや無いのじゃからな。」
ゼーファ様の言いたいことは分かる。私の最たる目的は既に果たされたのだ。故に客観的に見るならば、私がゼーファ様に仕えている意味など無いだろう。
だが……
「ゼーファ様にそう思われていたなんて心外ね。私はあの時誓ったはずよ。『王国のより良い未来の為に、この身を捧げる』…と。たとえ当初の目的を果たしたとしても、ゼーファ様の元を離れるつもりなんてなかったわ。」
「そうか…、そうだったな……。」
私の言葉に、ゼーファ様は俯きつつも嬉しそうな顔をしていた。
「それに、次期国王の傍にSランク冒険者が付いているとなれば、それだけで可能な事が増えるでしょう?王となった後も仕えて良いのならば、他国への抑止力として私を使っても構わないわ。当然、冒険者でもあるから戦争に参加する気は無いけれど。」
「……感謝する。必ずや、今より良い王国にして見せよう。」
ゼーファ様であれば、よい国になると確信できる。
そしてもし戦争が避けられないような状況に陥り、私の大切な者達に危害が加わりそうであれば、冒険者を辞めてでも戦争に参加するつもりだ。
とはいえ、できる限り人を救う側でいたいのも本音だった。ゼーファ様が間違った道に進まないよう傍で仕え、支え続けようと私は心の中で誓った。
私の元婚約者は、王子から罪人という真逆の地位へと堕ちた。そして現在も過酷な強制労働を強いられている。
婚約破棄され冤罪までかけられた事への復讐は、満足のいくものとなったのだ。これからはゼーファ様を全力で支えるのみ。
私は改まってゼーファ様を見る。
「ゼーファ様。私は貴女が民の為に行動する限り、傍で支え続けましょう。貴女の目となり耳となり、盾として仕えます。ですが剣となれないことはお許しを。」
「許す。お主の本職は冒険者であろう。民を救う側でいて欲しいと、妾も思っておる。そして妾が誤った選択をしそうになった時は、遠慮なく止めて欲しい。」
「無論です。それが側近としての務めであり、ゼーファ様が私に求めている事ですから。」
「うむ。これからもよろしく頼む。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
互いに笑顔でそう言い、明るい気持ちで馬車へと向かった。
ゼーファ様が国を豊かにしていく瞬間を、最も近い場所から見届けられるのだ。これ以上ないほどに嬉しいことであり、今後が益々楽しみになった。
──それから数ヶ月後、ゼーファ・アンドレイズは国王陛下からの試練を無事乗り越え、さらに数年後には王国初の女王に即位した。
アンドレイズ王国は黄金期を迎え、ゼーファは歴史に残る『賢王』と、リエラは『闇黒麗裂』または『闇黒英雄』とそれぞれ称えられたが、それはまた別の話である──
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10話におきまして、『両陛下』と書いていた所を『両殿下』に修正致しました。
完全に誤字です(><;)
引き続き、ご愛読いただけましたら幸いです。