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5話 兄妹
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ギルマスと話した後、日が変わった頃。
私は影を通してゼンキースア公爵家へと来ていた。目的はとある人物だ。彼が居る部屋は既に分かっている。
私が部屋の窓から入ると、彼は読んでいた本をパタンと閉じた。
「……そろそろ来る頃だと思っていたよ、ラリエット。…いや、今はリエラか?」
「…やはりディル兄様には、全てお見通しでしたか。」
私の目的の人物、それは兄であるディールト兄様だ。公爵家を出る前にやり取りをしていたのは、皆が寝静まった後に会おうという約束だった。
しかし私は、兄様に『冒険者リエラ』であることを話していない。どうやって知ったのだろうか?…そう思ったが、兄様であれば知っていても不思議ではないので、気にしないことにしよう。
あらゆる知識と情報を常に頭に入れ、どのような事でも完璧にこなしてしまう、自慢の兄なのだ。姿や声を変えようと、兄様ならば見破れてしまうのだろう。
「今ここにいるのは私とリエだけだ。父上の目も無いから、堅苦しいのは無しで構わない。」
「…分かったわ。」
「2時間ほど前、ギルドから知らせがあったよ。『新たなSランク冒険者が生まれた』ってね。ラリエットだと気付かれることはないと思うけど、貴族の前では用心するに越したことはないだろう。」
「そうね。とはいえ面倒事はギルドマスターに任せているから、基本的には大丈夫なはずよ。実際に会うことになるのは、ごく一部の貴族のみでしょう。」
「それならば良いが…。王族に呼ばれた場合はどうするんだい?」
「……王族の味方をするつもりはないわ。でももし何かあれば、兄様にも報告するわね。」
「ああ、そうしてくれ。」
そうして話した後、ディールト兄様は私に服や日持ちのする食料、金貨数十枚などを持たせてくれた。Sランク冒険者であればお金に困ることはないが、もしもの貯金にでもしてくれと引き下がらなかったので、ありがたく貰ったのだ。
兄様は私や妹エリルの事となると、かなり心配性だ。心配し過ぎて、何度も説得した思い出がある…。それだけ私達を想ってくれているのだろう。そんな兄様が私も好きだ。
今回の追放にあたって、兄様は様々な物を用意してくれていた。荷物にならないかと心配してくれたが、魔法で影に収納出来るので何も問題はない。収納できる容量は私の魔力量に比例する。故に公爵家が丸々入る程の広さがあり、余裕があり過ぎて容量オーバーになることがあるのだろうかとすら思ってしまう。
一通り影に収納した時、ディールト兄様が改まった様子で私に向き直った
「…リエ。婚約破棄のこと、父上に言ってしまってすまなかった。私があの時話さなければ……。」
「ディル兄様の所為じゃないわ。王太子との婚約破棄、そして公爵家からの追放。いずれはこうなると分かっていたことよ。だから気にしないで。」
「…そうか……。何か私に出来ることがあれば、遠慮なく知らせて欲しい。」
「ありがとう。…そういえば、私からも兄様に渡したい物があるの。」
私は魔法でペンダントを二つ生み出した。
そしてその内の一つを、ディールト兄様に渡した。
「これは…?」
「私との連絡を取るための魔道具よ。魔力を込めれば、互いの声が聞こえるようにしているわ。」
「この魔道具を使えば、会わずとも話が出来るということか…!」
「ええ。出来れば、肌身離さず持っていて欲しいわ。」
「分かった。ありがとう!」
「こちらこそ、今まで色々とありがとう、ディールト兄様。」
そう言うと、兄様は今にも泣き出しそうな表情を隠しつつ、強い意思の感じられる瞳で私を見た。そして窓から出ていく私に笑いかける。
兄様の優しげな笑顔を目に焼けつけ、私は部屋を出た。
次に向かったのは、妹エリルの部屋だ。こちらも窓からそっと入る。
寝ているエリルを起こさないように気を付けていたつもりだが、エリルが目を覚ましてしまった。
最初は警戒してこちらを見ていたが、入ってきていたのが私だと気付くと、途端に表情を変えた。
「……リエ姉様…?」
「エル…。ごめんなさい、起こしてしまったわね。」
「…っ……。」
「え、エル…?」
「っ…もう……会えないのかと……思っていました……っ…。」
エリルは泣き出してしまった。
私が追放された時、エリルは自身の部屋に居た為、何が起きていたのか知らなかったはず。そして私が公爵家を去った後に、兄様から追放されたことを聞かされたのだろう。
私はエリルの頭を優しく撫で、落ち着いてきたのを確認してから声をかけた。
「急にいなくなってしまって、ごめんなさいね…。」
「…っ……。…良かったです。リエ姉様なら大丈夫だと分かっていましたが、それでも心配で…。」
「心配してくれてありがとう。私は平民でも問題無く生きていけるわ。それに数ヶ月に一度だけれど、こうしてエルとディル兄様に会いに来るわね。」
「はいっ…!Sランク冒険者になったリエ姉様ほどの実力者であれば、平民でも王族と同程度の贅沢な暮らしが出来るでしょうから、私の心配など杞憂ですよね!」
エリルは私に純粋な笑顔を向けてそう言った。
私も天使のようなエリルの表情を見て、同じように笑顔を返そうと思ったのだが……
「…?今Sランク冒険者って…?」
「リエ姉様はSランク冒険者、『闇黒麗裂』のリエラでしょう?」
「えぇっと……ディル兄様から聞いたの…?」
「いえ、冒険者リエラの『仮面、黒髪、闇魔法使い』という情報と、活動時間や『リエラ』という名前から予想はしていたのですが、一番の理由は魔力ですね。」
「魔力…。」
「リエ姉様は纏っている魔力の質を常に変えていたので、疑問に思っていました。と言っても、魔力の変化に気付けるのは、幼い頃から姉様を見ている私かディル兄様くらいでしょう。偽装が完璧すぎて誰も気付きませんから。」
私が纏う魔力を偽り始めたのは、魔力制御が安定してきた五歳の頃。周囲に気付かれないよう少しずつ、成長に合わせて質が変化していると見せかけた。
魔力の質が身体の成長によって変わることは稀にある。故に気付かれることはないと思っていた。だがやはり兄様とエリルには見破られていたようだ。
「それに寝ている間も質を変えた状態で保つなんて、普通はできないのですよ?寝たまま魔法を発動しているのと同じなのですから。」
「質を変えた状態が普通になるようにしていれば、慣れてくるものよ。それほど苦ではないわ。」
「それがおかしいのですよ…。何はともあれ、最強の姉様ならば今後について憂う必要はありませんね。」
エリルは私に笑顔を向けて再度そう言った。その愛らしさに、思わずぎゅっと抱いてしまう。
「り、リエ姉様…?」
「…私はね、エルやディル兄様が笑っている姿を見るだけで幸せなの。私が冒険者として名を上げようと考えたのも、全ては二人の為。公爵家から追放されて平民になったとしても、二人をどこかで支えられたらって思ったのよ。」
「姉様……。」
私がこの公爵領で冒険者として活動していた理由は、ただ追放された後の稼ぎ場として選んだ、という訳だけではない。魔物による公爵領への被害を少しでも減らし、兄様の悩みの種を増やさないようにしたかったからだ。
そして魔物の被害を減らすことによって、エリルの身の安全も確保できる。その他もあるが、色々と考えての行動だった。
「エル、これを受け取ってくれるかしら。」
「これは……魔道具ですか?」
「ええ。相手に直接声を届けることが出来る魔道具よ。と言っても、私にしか繋がらないわ。」
「直接声を…。」
「闇属性である私の魔力から作っているのだけれど、エルの光の魔力でも大丈夫かしら…?」
「一度魔力を込めてみますね。──問題なく使えます!姉様凄いですっ!!」
光と闇は相反する属性だ。故に私の作った魔道具は、エリルの魔力を込めた場合にのみ壊れてしまう。ただ壊れるだけならば良い方で、大抵は跡形もなく破壊されてしまった。
そこで、纏っている魔力の質を変える方法と同じ要領で、極限まで闇属性を下げた状態の魔力で作った。狙い通り、エリルが魔力を込めても壊れなかったようだ。
「何かあった時は、迷わず連絡して欲しいわ。」
「はいっ!何か無くとも連絡します!」
「それは良いわね。何時でも待っているわ。」
私は窓辺へと歩いて行く。
そして窓から部屋を出る前に、エリルの方を振り返った。
「また来るわね。いつになるか分からないけれど…。」
「私やディル兄様の方から会いに行くかも知れませんよ?」
「ふふっ、依頼をしてくれるなら、格安でお受けするわ。」
エリルに「またね。」と言い残し、私はギルドへと戻ったのだった。
私は影を通してゼンキースア公爵家へと来ていた。目的はとある人物だ。彼が居る部屋は既に分かっている。
私が部屋の窓から入ると、彼は読んでいた本をパタンと閉じた。
「……そろそろ来る頃だと思っていたよ、ラリエット。…いや、今はリエラか?」
「…やはりディル兄様には、全てお見通しでしたか。」
私の目的の人物、それは兄であるディールト兄様だ。公爵家を出る前にやり取りをしていたのは、皆が寝静まった後に会おうという約束だった。
しかし私は、兄様に『冒険者リエラ』であることを話していない。どうやって知ったのだろうか?…そう思ったが、兄様であれば知っていても不思議ではないので、気にしないことにしよう。
あらゆる知識と情報を常に頭に入れ、どのような事でも完璧にこなしてしまう、自慢の兄なのだ。姿や声を変えようと、兄様ならば見破れてしまうのだろう。
「今ここにいるのは私とリエだけだ。父上の目も無いから、堅苦しいのは無しで構わない。」
「…分かったわ。」
「2時間ほど前、ギルドから知らせがあったよ。『新たなSランク冒険者が生まれた』ってね。ラリエットだと気付かれることはないと思うけど、貴族の前では用心するに越したことはないだろう。」
「そうね。とはいえ面倒事はギルドマスターに任せているから、基本的には大丈夫なはずよ。実際に会うことになるのは、ごく一部の貴族のみでしょう。」
「それならば良いが…。王族に呼ばれた場合はどうするんだい?」
「……王族の味方をするつもりはないわ。でももし何かあれば、兄様にも報告するわね。」
「ああ、そうしてくれ。」
そうして話した後、ディールト兄様は私に服や日持ちのする食料、金貨数十枚などを持たせてくれた。Sランク冒険者であればお金に困ることはないが、もしもの貯金にでもしてくれと引き下がらなかったので、ありがたく貰ったのだ。
兄様は私や妹エリルの事となると、かなり心配性だ。心配し過ぎて、何度も説得した思い出がある…。それだけ私達を想ってくれているのだろう。そんな兄様が私も好きだ。
今回の追放にあたって、兄様は様々な物を用意してくれていた。荷物にならないかと心配してくれたが、魔法で影に収納出来るので何も問題はない。収納できる容量は私の魔力量に比例する。故に公爵家が丸々入る程の広さがあり、余裕があり過ぎて容量オーバーになることがあるのだろうかとすら思ってしまう。
一通り影に収納した時、ディールト兄様が改まった様子で私に向き直った
「…リエ。婚約破棄のこと、父上に言ってしまってすまなかった。私があの時話さなければ……。」
「ディル兄様の所為じゃないわ。王太子との婚約破棄、そして公爵家からの追放。いずれはこうなると分かっていたことよ。だから気にしないで。」
「…そうか……。何か私に出来ることがあれば、遠慮なく知らせて欲しい。」
「ありがとう。…そういえば、私からも兄様に渡したい物があるの。」
私は魔法でペンダントを二つ生み出した。
そしてその内の一つを、ディールト兄様に渡した。
「これは…?」
「私との連絡を取るための魔道具よ。魔力を込めれば、互いの声が聞こえるようにしているわ。」
「この魔道具を使えば、会わずとも話が出来るということか…!」
「ええ。出来れば、肌身離さず持っていて欲しいわ。」
「分かった。ありがとう!」
「こちらこそ、今まで色々とありがとう、ディールト兄様。」
そう言うと、兄様は今にも泣き出しそうな表情を隠しつつ、強い意思の感じられる瞳で私を見た。そして窓から出ていく私に笑いかける。
兄様の優しげな笑顔を目に焼けつけ、私は部屋を出た。
次に向かったのは、妹エリルの部屋だ。こちらも窓からそっと入る。
寝ているエリルを起こさないように気を付けていたつもりだが、エリルが目を覚ましてしまった。
最初は警戒してこちらを見ていたが、入ってきていたのが私だと気付くと、途端に表情を変えた。
「……リエ姉様…?」
「エル…。ごめんなさい、起こしてしまったわね。」
「…っ……。」
「え、エル…?」
「っ…もう……会えないのかと……思っていました……っ…。」
エリルは泣き出してしまった。
私が追放された時、エリルは自身の部屋に居た為、何が起きていたのか知らなかったはず。そして私が公爵家を去った後に、兄様から追放されたことを聞かされたのだろう。
私はエリルの頭を優しく撫で、落ち着いてきたのを確認してから声をかけた。
「急にいなくなってしまって、ごめんなさいね…。」
「…っ……。…良かったです。リエ姉様なら大丈夫だと分かっていましたが、それでも心配で…。」
「心配してくれてありがとう。私は平民でも問題無く生きていけるわ。それに数ヶ月に一度だけれど、こうしてエルとディル兄様に会いに来るわね。」
「はいっ…!Sランク冒険者になったリエ姉様ほどの実力者であれば、平民でも王族と同程度の贅沢な暮らしが出来るでしょうから、私の心配など杞憂ですよね!」
エリルは私に純粋な笑顔を向けてそう言った。
私も天使のようなエリルの表情を見て、同じように笑顔を返そうと思ったのだが……
「…?今Sランク冒険者って…?」
「リエ姉様はSランク冒険者、『闇黒麗裂』のリエラでしょう?」
「えぇっと……ディル兄様から聞いたの…?」
「いえ、冒険者リエラの『仮面、黒髪、闇魔法使い』という情報と、活動時間や『リエラ』という名前から予想はしていたのですが、一番の理由は魔力ですね。」
「魔力…。」
「リエ姉様は纏っている魔力の質を常に変えていたので、疑問に思っていました。と言っても、魔力の変化に気付けるのは、幼い頃から姉様を見ている私かディル兄様くらいでしょう。偽装が完璧すぎて誰も気付きませんから。」
私が纏う魔力を偽り始めたのは、魔力制御が安定してきた五歳の頃。周囲に気付かれないよう少しずつ、成長に合わせて質が変化していると見せかけた。
魔力の質が身体の成長によって変わることは稀にある。故に気付かれることはないと思っていた。だがやはり兄様とエリルには見破られていたようだ。
「それに寝ている間も質を変えた状態で保つなんて、普通はできないのですよ?寝たまま魔法を発動しているのと同じなのですから。」
「質を変えた状態が普通になるようにしていれば、慣れてくるものよ。それほど苦ではないわ。」
「それがおかしいのですよ…。何はともあれ、最強の姉様ならば今後について憂う必要はありませんね。」
エリルは私に笑顔を向けて再度そう言った。その愛らしさに、思わずぎゅっと抱いてしまう。
「り、リエ姉様…?」
「…私はね、エルやディル兄様が笑っている姿を見るだけで幸せなの。私が冒険者として名を上げようと考えたのも、全ては二人の為。公爵家から追放されて平民になったとしても、二人をどこかで支えられたらって思ったのよ。」
「姉様……。」
私がこの公爵領で冒険者として活動していた理由は、ただ追放された後の稼ぎ場として選んだ、という訳だけではない。魔物による公爵領への被害を少しでも減らし、兄様の悩みの種を増やさないようにしたかったからだ。
そして魔物の被害を減らすことによって、エリルの身の安全も確保できる。その他もあるが、色々と考えての行動だった。
「エル、これを受け取ってくれるかしら。」
「これは……魔道具ですか?」
「ええ。相手に直接声を届けることが出来る魔道具よ。と言っても、私にしか繋がらないわ。」
「直接声を…。」
「闇属性である私の魔力から作っているのだけれど、エルの光の魔力でも大丈夫かしら…?」
「一度魔力を込めてみますね。──問題なく使えます!姉様凄いですっ!!」
光と闇は相反する属性だ。故に私の作った魔道具は、エリルの魔力を込めた場合にのみ壊れてしまう。ただ壊れるだけならば良い方で、大抵は跡形もなく破壊されてしまった。
そこで、纏っている魔力の質を変える方法と同じ要領で、極限まで闇属性を下げた状態の魔力で作った。狙い通り、エリルが魔力を込めても壊れなかったようだ。
「何かあった時は、迷わず連絡して欲しいわ。」
「はいっ!何か無くとも連絡します!」
「それは良いわね。何時でも待っているわ。」
私は窓辺へと歩いて行く。
そして窓から部屋を出る前に、エリルの方を振り返った。
「また来るわね。いつになるか分からないけれど…。」
「私やディル兄様の方から会いに行くかも知れませんよ?」
「ふふっ、依頼をしてくれるなら、格安でお受けするわ。」
エリルに「またね。」と言い残し、私はギルドへと戻ったのだった。
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