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6章 始まりの魔法
第85話 属性
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「待っていたよ。」
「こんなにも部屋が遠いとは思わなかったわ。次からは要件があったら《連絡蝶》で知らせて欲しいわね。直接部屋の前に転移するから。」
「ならそうするとしよう。」
他人に見られることもなくここまで来れるのだから、歩かなくていいかつグランドマスターの部屋も知られずに済んで一石二鳥だ。
王都では、私が昨日ドラゴンと上空で戦っていたことが、既に新聞となって広まっていた。
ギルド本部に来るまでにも、
『王女殿下とドラゴンの王都上空決戦!!』
『ミアス様の華麗なる王城守護!』
という見出しの新聞をいくつか見た。
ジルディガーと戦ったことについて書かれていないのは、読者へのインパクトが『ドラゴン』の方が強いからだと推察できる。
私とミアスはフードを被って行動していたので、民達に見つかることはなかったが、暫くは王都をまともに歩くことは出来ないだろう。
レイがこちらを嫌味っぽく見てきた。
「王都で普通に歩けないだろう?」
「そうね…。でも仕方ないわ。被害の大きい王都の人々には、心の拠り所となる希望が必要。その希望に王女である私がなれるのならば、いくらでも持ち上げれば良いわ。」
「それだけの覚悟があるのなら、Sランク冒険者になっても何も問題は無さそうだ。現に、リアラがいるおかげで人々はゆっくりと眠れていた。」
「……それは良かったわ。」
ミアスが倒した2体目のドラゴンの事を、私達が忘れている思っている様子。
私の偽りの魔力量を見て、《忘却》の魔法が有効だと判断しての行動だったのだろう。
もし本当の魔力量を知っていれば、レイは忘却をかけること諦める或いはより強力にかけたはず。
念の為にも、次からはもっと強固な結界を張っておくとしよう。
「早速Sランク冒険者の手続きを済ませようと思うのだが、その前にミアスの実力が見たい。」
「と言うと?」
「リアラの実力はある程度国王から聞いている。ジルディガーやあのドラゴンもそうだが、『災厄日』での活躍や黒魔法の連中を単独で無力化できる程だと。だがミアスは、魔物の討伐と今回報告にあった教会での治癒魔法の使用、それくらいしか分かっていない。実力を直にこの目で確かめたくてな。」
レイはミアスとの模擬戦を望んでいる様子。
その必要は無いと思うが、レイの実力を知ることができる良い機会だ。
ミアスには少し頑張ってもらおう。
「闘技場に……と言いたいが、生憎とアタシは姿をあまり見せたくないのでね。リアラ、異空間系魔法は使えるかい?」
「無論よ。闘技場と似た場所でいいかしら。」
「構わない。」
私は闘技場に似た異空間を生み出し、私を含めミアス、レイ共に《瞬間移動》でその空間に移動した。
『創作魔法』に分類される『異空間系魔法』。
《異空間収納》もこの系統の魔法だ。
現実と少し異なった異空間を生み出すこれらの魔法は、その全てが超級魔法以上に属している。
異空間系魔法には魔法属性が無く、魔力と技量さえあれば扱える。
そして今使用した魔法、《異空間創造》が伝説級魔法だということは、言うまでもない。
「これだけの異空間を作れることには驚きだな。そういえば、2人は何属性持ちだ?」
「そうね…、全属性持ち、とでも言っておきましょうか。」
「……2人は『属性』の正しい意味を理解しているようだな。ならば愚問だった。」
これは魔法を研究したことで分かった事実なのだが、どのような魔法であろうとも『創作魔法』として作ってしまえば、属性に関係なく魔法の使用が可能だった。
つまり明確なイメージが出来るのなら、魔法は何でもありだということだ。
この発見は人々にとってあまりに衝撃的過ぎるので、私とミアス以外は知らず、今後公表するつもりもない。
レイの反応からして、彼女もまた知っているが公言はしないようにしているのだろう。
「能力測定の水晶に『適正属性』という項目がなかったのは、わざとなのね。」
「その通りだ。使える属性を決めつける要因はいらないだろう?」
「そうね。」
この世界の人々は、適正属性というものに縛られている。
人は基本的に全ての属性が使える。
だが生まれつきの魔力の質により『相性』が存在し、魔法に影響を与えているのだ。
その相性が、魔力の色という形で精霊達に見えているのだろう。
属性は魔法の効果を上げる1つの要素に過ぎない。
得意不得意に関わるのは事実だが、適正のない属性でも魔力さえあれば補えるのである。
禁忌魔法とて同じ原理だ。
『黒魔法の儀式者』が使う《魔物召喚》、その魔法を元に生み出されたのが《魔の大軍》だ。
供物を捧げなくとも魔物を召喚できるが、召喚された魔物は弱く、凶暴ではあるが《魔物召喚》により呼び出された魔物よりは何もかもが劣る。
魔物は通常、一定の攻撃を与えれば魔石を残して消滅するが、稀に体の一部が残ることがある。
原理は詳しく分かっていないが、魔力により物質化された部分が残るようだ。
ゲームで言うドロップアイテムのような扱いで、魔物から取れた素材は魔石よりも高値で取引される。
今回召喚されていたドラゴンは、倒しても身体の全てが残っていた。
ジルディガーも『《魔物召喚》で召喚される魔物が1匹になるよう調整した』と言っていたので、おそらくその際に何らかのイレギュラーが発生し、あれほどの巨体の全てが完全に物質化されたのだろう。
ミアスが倒したドラゴンも消滅することはなかったので、ジルディガーの際と同じ状況だったのかもしれない。
何が起こっていたのか気になるところだが、Sランク冒険者の手続きを終えた後に、ギルドにドラゴンを売らなければならない。
素材は貴重だからだ。
(ドラゴンを異空間収納に入れた状態での模擬戦だけれど……、問題無さそうね。)
魔力消費が少し上がっているはずだが、ミアスの魔力が乱れる様子はなく、普段と変わらなさそうだ。
《忘却》をかけられたとしても、《異空間収納》にドラゴンの死体が入っていれば、記憶がなくなっていることには必ず気付く。
さすがの賢者でも、異空間収納はどうしようもなかったのだろう。
私とミアスに対するあの《忘却》は、時間稼ぎ程度のものだったということだ。
「さて、私が模擬戦の立会人ということでいいかしら。」
「無論だ。」
「危険と判断したら迷わず止めに入るから、そのつもりで。」
ミアスとレイは頷き、互いに10mほど離れた位置まで移動する。
「準備はいいかしら。──始めっ!」
そうして、ミアス対レイの模擬戦が始まった。
「こんなにも部屋が遠いとは思わなかったわ。次からは要件があったら《連絡蝶》で知らせて欲しいわね。直接部屋の前に転移するから。」
「ならそうするとしよう。」
他人に見られることもなくここまで来れるのだから、歩かなくていいかつグランドマスターの部屋も知られずに済んで一石二鳥だ。
王都では、私が昨日ドラゴンと上空で戦っていたことが、既に新聞となって広まっていた。
ギルド本部に来るまでにも、
『王女殿下とドラゴンの王都上空決戦!!』
『ミアス様の華麗なる王城守護!』
という見出しの新聞をいくつか見た。
ジルディガーと戦ったことについて書かれていないのは、読者へのインパクトが『ドラゴン』の方が強いからだと推察できる。
私とミアスはフードを被って行動していたので、民達に見つかることはなかったが、暫くは王都をまともに歩くことは出来ないだろう。
レイがこちらを嫌味っぽく見てきた。
「王都で普通に歩けないだろう?」
「そうね…。でも仕方ないわ。被害の大きい王都の人々には、心の拠り所となる希望が必要。その希望に王女である私がなれるのならば、いくらでも持ち上げれば良いわ。」
「それだけの覚悟があるのなら、Sランク冒険者になっても何も問題は無さそうだ。現に、リアラがいるおかげで人々はゆっくりと眠れていた。」
「……それは良かったわ。」
ミアスが倒した2体目のドラゴンの事を、私達が忘れている思っている様子。
私の偽りの魔力量を見て、《忘却》の魔法が有効だと判断しての行動だったのだろう。
もし本当の魔力量を知っていれば、レイは忘却をかけること諦める或いはより強力にかけたはず。
念の為にも、次からはもっと強固な結界を張っておくとしよう。
「早速Sランク冒険者の手続きを済ませようと思うのだが、その前にミアスの実力が見たい。」
「と言うと?」
「リアラの実力はある程度国王から聞いている。ジルディガーやあのドラゴンもそうだが、『災厄日』での活躍や黒魔法の連中を単独で無力化できる程だと。だがミアスは、魔物の討伐と今回報告にあった教会での治癒魔法の使用、それくらいしか分かっていない。実力を直にこの目で確かめたくてな。」
レイはミアスとの模擬戦を望んでいる様子。
その必要は無いと思うが、レイの実力を知ることができる良い機会だ。
ミアスには少し頑張ってもらおう。
「闘技場に……と言いたいが、生憎とアタシは姿をあまり見せたくないのでね。リアラ、異空間系魔法は使えるかい?」
「無論よ。闘技場と似た場所でいいかしら。」
「構わない。」
私は闘技場に似た異空間を生み出し、私を含めミアス、レイ共に《瞬間移動》でその空間に移動した。
『創作魔法』に分類される『異空間系魔法』。
《異空間収納》もこの系統の魔法だ。
現実と少し異なった異空間を生み出すこれらの魔法は、その全てが超級魔法以上に属している。
異空間系魔法には魔法属性が無く、魔力と技量さえあれば扱える。
そして今使用した魔法、《異空間創造》が伝説級魔法だということは、言うまでもない。
「これだけの異空間を作れることには驚きだな。そういえば、2人は何属性持ちだ?」
「そうね…、全属性持ち、とでも言っておきましょうか。」
「……2人は『属性』の正しい意味を理解しているようだな。ならば愚問だった。」
これは魔法を研究したことで分かった事実なのだが、どのような魔法であろうとも『創作魔法』として作ってしまえば、属性に関係なく魔法の使用が可能だった。
つまり明確なイメージが出来るのなら、魔法は何でもありだということだ。
この発見は人々にとってあまりに衝撃的過ぎるので、私とミアス以外は知らず、今後公表するつもりもない。
レイの反応からして、彼女もまた知っているが公言はしないようにしているのだろう。
「能力測定の水晶に『適正属性』という項目がなかったのは、わざとなのね。」
「その通りだ。使える属性を決めつける要因はいらないだろう?」
「そうね。」
この世界の人々は、適正属性というものに縛られている。
人は基本的に全ての属性が使える。
だが生まれつきの魔力の質により『相性』が存在し、魔法に影響を与えているのだ。
その相性が、魔力の色という形で精霊達に見えているのだろう。
属性は魔法の効果を上げる1つの要素に過ぎない。
得意不得意に関わるのは事実だが、適正のない属性でも魔力さえあれば補えるのである。
禁忌魔法とて同じ原理だ。
『黒魔法の儀式者』が使う《魔物召喚》、その魔法を元に生み出されたのが《魔の大軍》だ。
供物を捧げなくとも魔物を召喚できるが、召喚された魔物は弱く、凶暴ではあるが《魔物召喚》により呼び出された魔物よりは何もかもが劣る。
魔物は通常、一定の攻撃を与えれば魔石を残して消滅するが、稀に体の一部が残ることがある。
原理は詳しく分かっていないが、魔力により物質化された部分が残るようだ。
ゲームで言うドロップアイテムのような扱いで、魔物から取れた素材は魔石よりも高値で取引される。
今回召喚されていたドラゴンは、倒しても身体の全てが残っていた。
ジルディガーも『《魔物召喚》で召喚される魔物が1匹になるよう調整した』と言っていたので、おそらくその際に何らかのイレギュラーが発生し、あれほどの巨体の全てが完全に物質化されたのだろう。
ミアスが倒したドラゴンも消滅することはなかったので、ジルディガーの際と同じ状況だったのかもしれない。
何が起こっていたのか気になるところだが、Sランク冒険者の手続きを終えた後に、ギルドにドラゴンを売らなければならない。
素材は貴重だからだ。
(ドラゴンを異空間収納に入れた状態での模擬戦だけれど……、問題無さそうね。)
魔力消費が少し上がっているはずだが、ミアスの魔力が乱れる様子はなく、普段と変わらなさそうだ。
《忘却》をかけられたとしても、《異空間収納》にドラゴンの死体が入っていれば、記憶がなくなっていることには必ず気付く。
さすがの賢者でも、異空間収納はどうしようもなかったのだろう。
私とミアスに対するあの《忘却》は、時間稼ぎ程度のものだったということだ。
「さて、私が模擬戦の立会人ということでいいかしら。」
「無論だ。」
「危険と判断したら迷わず止めに入るから、そのつもりで。」
ミアスとレイは頷き、互いに10mほど離れた位置まで移動する。
「準備はいいかしら。──始めっ!」
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