転生魔法伝記〜魔法を極めたいと思いますが、それを邪魔する者は排除しておきます〜

凛 伊緒

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4章 災厄日

第53話 二手に

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数日後、私は森の異変に気付き、瞬間移動テレポートにて転移した。
厄災、『災厄日モンスター・ディザスター』が起こる、国の東側に位置する森だ。
ミアスを連れ、転移した先で待っていた光景は……


「ねぇミアス……これはもう…。」

「ああ……始まったな…。」


魔物が以前よりも増えていた。
さらに、驚くべきスピードで次々と魔物が出現していく。
急いで、父であり国王のヴィライユの元へと転移する。


「……!?リアラ…?どうしたんだい、そんなに慌てて。」


父は書斎にて仕事をしていた様だ。
忙しそうに動かしていた手を止め、私を見るなりそう言ってきた。


「国王陛下。緊急事態の為、無礼をお許し下さい。」

「緊急事態だと…?」

「はい。東側の森にて、『災厄日』の始まりを確認しました。急ぎ報告をと参った次第です。」

「なっ…!?それは真か!?」

「実際に様子を見てきました。『異魔眼ファイレアイ』の名に誓って、真実です。」

「……分かった。マーリルク。急ぎ、兵を集めよ!ヴェルガに指揮を執らせる。護衛として近衛騎士団を数名つけろ。」

「かしこまりました。」

「陛下。念の為、ミアスをお兄様の護衛としてお連れください。」

「それではリアラが危険だろう。」

「私は問題ありません。ミアスの師でもあるのですから。それに、ミアスがお兄様についているのであれば、私も遠慮なく戦えます。」

「…では、ミアスをヴィルガの護衛としてつけよ。ただし、リアラ。無理はしないように。」

「はい。心得ております。」

「行動を開始せよ!」

「「はっ。」」


そして私は書斎を出ると、瞬間移動にて森へと戻る。
待機させていたミアスと合流した。
そして先程の会話を伝える。


「ミアス。貴方にはヴィルガお兄様の護衛をお願いすることになったの。頼まれてくれるかしら?」

「勿論だ。ヴェルガ殿下の近く……つまりは二手に別れる、そういうことだろう?」

「ええ。分かってくれていたようでなによりだわ。」


ミアスは私の意図を理解してくれていたようだ。
罠を仕掛けた場所は私とミアスのみが知っている。
つまり、発動する際に巻き込まれないよう、教える必要があった。
それを遠回しにミアスに頼んだのだ。
理解してくれていたので、説明が省ける。


「私はここで、時が来たら罠を発動させていくわ。ミアスは王城に戻り、お兄様と合流して。」

「了解だ。じゃあ行ってくる。」

「ええ。頼んだわ。」


そうして、私達は別行動を取る。
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