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4章 災厄日
第51話 家族想い
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「リアラ、これからどうするんだ?」
「『災厄日』を止めに行く……なんて言えたら、どれほど楽なのでしょうね。」
「リアラでも無理なのか?」
「ええ。あれは私でも無理があるわ。ある種の自然現象とも呼ぶべきものを、無理矢理にでも止めようとすれば、違う災害が起きかねない。『災厄日』と同等の災害……考えたくもないわ。」
自然現象は、抑えることが出来るとしても、止めてはならない。
仮に止めてしまえば、より大きな災厄を呼びかねないからだ。
魔物の数が2倍以上となって襲いかかってこられては、面倒極まりない。
「確かにな……。とはいえ、何もしないというわけではないんだろう?」
「無論よ。何時でも発動出来る、魔法の罠を張っておくわ。」
「『何時でも』ということは、発動するタイミングは使用者が念じた時……ということか?」
「そうよ。発動するだけの状態にしておけば、魔力の消耗を減らすことが出来る。始まった際に、数は減らしておくに越したことはないもの。」
「先手必勝…だな。」
「その通り。早速行きましょうか。」
「了解だ。とりあえず国王陛下に許可をいただいておこう。国の脅威となる『災厄日』の対策を勝手にしていては、さすがに怒られるだろう。」
「……それもそうね。」
「まさか、報告せずに行くつもりだったのか?」
「い、いいえ?そんなことはないわよ。お父様への謁見、私も行くわ。」
「はぁ……。考えているようで、考えていないよな。」
「酷いわね。」
そうして、私とミアスは国王ヴィライユの書斎へと『瞬間移動』で向かう。
扉前にいた護衛の騎士が驚いて固まった。
仕方がないので、自ら名乗る事にした。
「国王陛下!リアラ・フィールア並びに、ミアス・コーリトラントです。謁見をお許し下さい!」
「入れ。」
扉を開き、一礼をしてからヴィライユの近くまで歩いていく。
斜め右後ろに、ミアスもついている。
「急な謁見願い、申し訳ございません。」
「構わない。今は私とマーリルクしか居ないのだから、楽にしてくれていいよ。」
「感謝致します、お父様。」
「それで、何用かな?」
「『災厄日』。」
「…!」
「それが近いことを、お父様はご存知だと思います。」
「流石だな…。」
「既に、いつ起こってもおかしくはない状況です。」
「やはりそうか…。」
「そこで、今の間に対策をしておこうかと。」
「対策?」
「はい。あの森の周囲に、魔法による罠を設置したいのです。発動は私やミアスが直接行うので、自動的に発動することはありませんが、近くの住人が驚かぬよう許可をいただいておきたくて。」
「なるほどな。」
罠の魔法が誤作動して近くの住人を傷付けてしまう可能性もあるので、国王の手を借りて話しておいてもらいたいのだ。
おそらく、その住人達も『災厄日』が近いことに勘づいているだろう。
「分かった。罠の設置を許可する。近くに住まう民達には、私から近付かないように忠告しておこう。」
「感謝致します。」
「リアラ、一つ頼みを聞いてくれないか?」
「…?私でよろしければ。」
「ヴェルガに出来る限り協力してやってくれ。」
「何故でしょうか…?」
「ヴィルガは凄く頑張っているのだが、1人では解決できないことがある。その助けになってほしいんだ。」
「……。」
「…断る……か…?」
「ふふっ。」
「ど、どうした…?」
「申し訳ございません。お父様のお気持ちを笑ったわけではありません。」
「?」
「もとより、私はヴェルガお兄様に協力するつもりです。お兄様ほど、家族と民想いな方はおりません。それに、私はお兄様が家族として好きですから。」
「っ…!そうか!ありがとう……本当にありがとう。」
「私からの用件は以上です。陛下は…。」
「何もない。行って良いぞ。」
「はい。失礼致します。」
そして書斎を出てすぐ、『瞬間移動』にて東側にある森へと転移したのだった。
「『災厄日』を止めに行く……なんて言えたら、どれほど楽なのでしょうね。」
「リアラでも無理なのか?」
「ええ。あれは私でも無理があるわ。ある種の自然現象とも呼ぶべきものを、無理矢理にでも止めようとすれば、違う災害が起きかねない。『災厄日』と同等の災害……考えたくもないわ。」
自然現象は、抑えることが出来るとしても、止めてはならない。
仮に止めてしまえば、より大きな災厄を呼びかねないからだ。
魔物の数が2倍以上となって襲いかかってこられては、面倒極まりない。
「確かにな……。とはいえ、何もしないというわけではないんだろう?」
「無論よ。何時でも発動出来る、魔法の罠を張っておくわ。」
「『何時でも』ということは、発動するタイミングは使用者が念じた時……ということか?」
「そうよ。発動するだけの状態にしておけば、魔力の消耗を減らすことが出来る。始まった際に、数は減らしておくに越したことはないもの。」
「先手必勝…だな。」
「その通り。早速行きましょうか。」
「了解だ。とりあえず国王陛下に許可をいただいておこう。国の脅威となる『災厄日』の対策を勝手にしていては、さすがに怒られるだろう。」
「……それもそうね。」
「まさか、報告せずに行くつもりだったのか?」
「い、いいえ?そんなことはないわよ。お父様への謁見、私も行くわ。」
「はぁ……。考えているようで、考えていないよな。」
「酷いわね。」
そうして、私とミアスは国王ヴィライユの書斎へと『瞬間移動』で向かう。
扉前にいた護衛の騎士が驚いて固まった。
仕方がないので、自ら名乗る事にした。
「国王陛下!リアラ・フィールア並びに、ミアス・コーリトラントです。謁見をお許し下さい!」
「入れ。」
扉を開き、一礼をしてからヴィライユの近くまで歩いていく。
斜め右後ろに、ミアスもついている。
「急な謁見願い、申し訳ございません。」
「構わない。今は私とマーリルクしか居ないのだから、楽にしてくれていいよ。」
「感謝致します、お父様。」
「それで、何用かな?」
「『災厄日』。」
「…!」
「それが近いことを、お父様はご存知だと思います。」
「流石だな…。」
「既に、いつ起こってもおかしくはない状況です。」
「やはりそうか…。」
「そこで、今の間に対策をしておこうかと。」
「対策?」
「はい。あの森の周囲に、魔法による罠を設置したいのです。発動は私やミアスが直接行うので、自動的に発動することはありませんが、近くの住人が驚かぬよう許可をいただいておきたくて。」
「なるほどな。」
罠の魔法が誤作動して近くの住人を傷付けてしまう可能性もあるので、国王の手を借りて話しておいてもらいたいのだ。
おそらく、その住人達も『災厄日』が近いことに勘づいているだろう。
「分かった。罠の設置を許可する。近くに住まう民達には、私から近付かないように忠告しておこう。」
「感謝致します。」
「リアラ、一つ頼みを聞いてくれないか?」
「…?私でよろしければ。」
「ヴェルガに出来る限り協力してやってくれ。」
「何故でしょうか…?」
「ヴィルガは凄く頑張っているのだが、1人では解決できないことがある。その助けになってほしいんだ。」
「……。」
「…断る……か…?」
「ふふっ。」
「ど、どうした…?」
「申し訳ございません。お父様のお気持ちを笑ったわけではありません。」
「?」
「もとより、私はヴェルガお兄様に協力するつもりです。お兄様ほど、家族と民想いな方はおりません。それに、私はお兄様が家族として好きですから。」
「っ…!そうか!ありがとう……本当にありがとう。」
「私からの用件は以上です。陛下は…。」
「何もない。行って良いぞ。」
「はい。失礼致します。」
そして書斎を出てすぐ、『瞬間移動』にて東側にある森へと転移したのだった。
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