転生魔法伝記〜魔法を極めたいと思いますが、それを邪魔する者は排除しておきます〜

凛 伊緒

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3章 異魔眼と瞬滅

第44話 予想外の行動

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陛下の書斎の前に着くと、護衛の騎士が伝える。


「陛下!リアラ第三王女殿下と、ミアス殿がご到着なされました!」

「入れ。」

「「失礼致します。」」


威厳のある声が聞こえてきた。
部屋の前に騎士がいるからだろう。

書斎には、国王ヴィライユと側近のマーリルクのみだった。
そして何故かヴィライユ父様はニヤニヤしている。


「さて、今日呼んだ理由は言うまでもないな?」

「はい……。最近噂に聞く、誰かの二つ名…でしょうか。」

「そうだ。しかし、『誰か』ではなくお前達2人なのだがな。」

(ですよね……。)


分かってはいたが、認めたくは無いものだ。
恥ずかしいので、本当にやめてもらいたい。


「今囁かれているものを、お前達2人の正式な二つ名にしようと思っている。」

「ですが……。」

「断る事は許されない。これは国王としての決定だ。今回の件に関して多大な貢献を成したのだ。そしてそれが事実であるという事を、王都の国民全てが知っている。」

「……。」

「気が進まないことは分かっている。だが、私に免じて許してくれないか?頼む。」


そう言うとヴィライユは立ち上がり、私達に頭を下げた。
その様子に、マーリルクも驚きを隠せないでいる。


「へ、陛下。どうか頭をお上げください。そうまでせずとも良いのです。ただの、私の……本当に私のわがままの様なものなのですから……。」

「二つ名を授けると言う事は、今後リアラの力を政治利用しようとする者が現れる…。私はそれが申し訳ないと思っている。」

「構いません、お気になさらずに。」

「何故だ?リアラはそういう事が嫌いだろう。」

「ええ。ですが、嫌いな事に関わるほど、私はお人好しではないのです。いざとなれば……。」

「その先は聞かないでおこう……。だがリアラの意思は分かった。は、私も全力で阻止しよう。」

「ありがとうございます。」


話が纏まり、私とミアスの二つ名が正式に決定する事となった。
謁見の間で授与する必要がある為、日時を伝えられた。
2日後、つまり明後日のようだ。

その後私は王室を出て、ミアスと共に自室へと向けて歩いていた。


「……。」

「……。」

「ねぇ……。」

「はい、何でしょう……?」

「気まづいのだけれど?」

「っ……。」


国王であるヴィライユ父様が頭を下げる姿を、初めて見たのだ。
空気がいつもと違うのは当然である。


「まさか、お父様が……。」

「ええ。私も驚きました。」

「そこまで私達を想ってくれているのね…。」

「……。」


少しうつむき加減で、リアラの自室へと戻って行くのだった。
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