転生魔法伝記〜魔法を極めたいと思いますが、それを邪魔する者は排除しておきます〜

凛 伊緒

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3章 異魔眼と瞬滅

第39話 魔物の殲滅完了と──

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私は上空から見える、ありとあらゆる形の魔物を、魔法具体『魔刃眼ブレードアイ』で消滅させていった。
そして一際大きな魔物が、建物を踏み潰しながら、王城の方へと向かっている。


「あれは『魔刃眼』では厳しいわね。仕方ない、直接行くとしましょうか。」


私は地上へと降り立ち、対魔物の魔法を放つ。


「消えなさい。『滅殺の双光ライトリッシュ』!!」


その瞬間、巨大な魔物は一瞬の内に消滅した。
しかし、魔物に反応する探知系魔法が、まだ沢山の魔物が王都内に存在している事を告げてくる。
しかし私は冷静だ。
何故なら、頼れる側近が動いているからだった。


「この数なら、ミアスと騎士達で対処可能でしょう。私はもう1つの戦場へと行かないといけない。後は彼らに任せましょうか。」


そう、私にはもう1つしなければならない事がある。
そうして向かった先に居たのは──


「久しぶりだな、リアラ王女殿下。」

「えぇ。元気そうで何よりね、バジュス。それに魔法使いさんも。」

「私の『不可視化インビジブル』を見破るとは。驚きました。」

「最初から私が気付いていると分かっていた様だけど、よくもまぁ。」


バジュスと以前バジュスと共に逃亡した魔法使いが、王都内の高い時計台の上にいた。
何も無い所から現れる魔法使い。
更には宙に浮いていた。



「そろそろ名前を言ってもらえるかしら?」

「そうですね……言っても良いでしょう。改めまして、私の名はザージュ。王家ならば、聞いた事があるのでは?」

「まさか……『禁忌術者デッド・ザージュ』?」

「やはり知っていましたか。……その通りですよ。私は『禁忌術者』のザージュ。」


10年前、王国内で禁忌魔法を極めている者が現れ、それを知った国民が混乱する事を恐れた国王は、極秘に処刑しようとした。
しかし、禁忌魔法の力は強大であり、逃げられてしまった。


「禁忌魔法を使っていると知られた後、暗部が動き出したのを確認したので、認識阻害の魔法を自身にかけながら過ごしたものですよ。本当に大変でしたね……。それにしても、王女殿下の歳で私の事を知っているとは。」

「『禁忌術者』の事は、王家ならば必ず聞く話。私は早めに聞かされただけ。」

「……そうですか。」

「貴方の正体を知った今、尚更逃がしはしないわ。覚悟なさい。」

「覚悟すべきはどちらでしょうね?」


不敵な笑みを浮かべるザージュ。
そうして、リアラと禁忌術者デッド・ザージュの戦いが、幕を上げたのだった。
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