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3章 異魔眼と瞬滅
第25話 途中報告
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レアルの報告を聞いてから、3時間が経った。
コン、コンと扉を叩く音がし、ミアスが開け、女性を中へ通した。
言うまでもなく、レアルだった。
「時間通りね。では早速、陛下の御前へ行きましょうか。」
「はい。」
「承知致しました。」
「2人とも、私の近くへ来て頂戴。」
「はい……?」
ミアスは何の躊躇いもなく私の方へ向かってきた。
だがレアルは一瞬不思議そうな顔をしてから、ミアスの行動を見て急いで寄ってきた。
「な、何をするのでしょうか…?」
「動かないで。じっとしていて。」
私は魔法を発動させる。
その瞬間、目の前が真っ白に包まれていき、目を開けると扉の前に居た。
「ここは?」
「陛下の自室前よ。」
「えっ!?では、上位魔法《瞬間移動》を無詠唱で発動したと言うのですか…?!」
魔法の腕が立つレアルだからこそ、私が無詠唱で魔法を発動させたことに驚いているのだろう。
これが剣士や騎士ならば、凄いという感想だけで終わっていたはずだ。
(有り得ない…。有り得る訳が無い。
上位魔法を無詠唱で発動する人なんて、この国で超級魔法が扱えるたったの2人しかいないのに……。)
そんな事を考えていたレアルは、不意に声をかけられ少しビクッとした。
「レアルさん?ぼうっとしているわよ。今から中に入るのだから、しっかりしてね。」
「は、はいっ!申し訳ありません。」
そして、私は国王ヴィライユの自室の扉を叩く。
「誰だ?」
中から、威厳のある声が聞こえてきた。
国王としての、ヴィライユの声だった。
「リアラ・フィールアです。側近のミアス、並びに侯爵の秘書であるレアルを同伴させています。」
「入るが良い。」
「失礼致します。」
扉を開け、3人は中に入った。
レアルだけが、少し緊張している様子だった。
「今回は例の件について、ご報告に参りました。」
「うむ。聞こう。」
「はい。先ずはレアルが集めた証拠書類を見て下さい。」
最初に渡したのは、国への申請額と、実際に使われた使用額の書類だ。
「これは!」
「はい。およそ半分が、何処かへと消えているのが分かります。レアルが受け取り使用していると、明らかに額が多いにも関わらず、綺麗に全て無くなるそうです。
故に、届けられている途中で何者かに抜かれている可能性があります。」
「そうなるな…。」
「そして、バジュス侯がこの問題を指摘しない点から、あえて嘘の申告をし、協力者に抜かせていると私達は考えました。」
「私もその考えに同意しよう。こちらでも、この件については秘密裏に確認をしておく。」
「よろしくお願い致します。」
そして続けざまに、私達が調査した内容についての報告が始まった。
「次に、私とミアスで調査した事についての途中報告です。」
「ああ。」
「2日間の監視を致しましたが、今のところ目立った動きはありません。」
「そうか…。」
「ですが、明後日変化があるかと。」
「それは真か?!」
「はい。怪しげな男どもと会うようです。
休暇初日の事です。黒服の男と会話しているところを捉えました。
その内容は、次に会う場所や休暇の間に何をするか等の簡単な打ち合わせでした。
計画を立て、いつ実行するかの確定を明後日にし、行動を開始するようです。
私達は明後日の計画を立てている際の言葉、一語一句聞き逃さないようにし、その計画の全てを録音機にて残す予定です。」
「明後日になれば、彼らがどう動くのかが分かるということか。」
「はい。」
「承知した。ご苦労だったな。引き続き、調査を任せる。」
「「「はっ。」」」
そうして、国王ヴィライユへの報告は終わったのだった──
コン、コンと扉を叩く音がし、ミアスが開け、女性を中へ通した。
言うまでもなく、レアルだった。
「時間通りね。では早速、陛下の御前へ行きましょうか。」
「はい。」
「承知致しました。」
「2人とも、私の近くへ来て頂戴。」
「はい……?」
ミアスは何の躊躇いもなく私の方へ向かってきた。
だがレアルは一瞬不思議そうな顔をしてから、ミアスの行動を見て急いで寄ってきた。
「な、何をするのでしょうか…?」
「動かないで。じっとしていて。」
私は魔法を発動させる。
その瞬間、目の前が真っ白に包まれていき、目を開けると扉の前に居た。
「ここは?」
「陛下の自室前よ。」
「えっ!?では、上位魔法《瞬間移動》を無詠唱で発動したと言うのですか…?!」
魔法の腕が立つレアルだからこそ、私が無詠唱で魔法を発動させたことに驚いているのだろう。
これが剣士や騎士ならば、凄いという感想だけで終わっていたはずだ。
(有り得ない…。有り得る訳が無い。
上位魔法を無詠唱で発動する人なんて、この国で超級魔法が扱えるたったの2人しかいないのに……。)
そんな事を考えていたレアルは、不意に声をかけられ少しビクッとした。
「レアルさん?ぼうっとしているわよ。今から中に入るのだから、しっかりしてね。」
「は、はいっ!申し訳ありません。」
そして、私は国王ヴィライユの自室の扉を叩く。
「誰だ?」
中から、威厳のある声が聞こえてきた。
国王としての、ヴィライユの声だった。
「リアラ・フィールアです。側近のミアス、並びに侯爵の秘書であるレアルを同伴させています。」
「入るが良い。」
「失礼致します。」
扉を開け、3人は中に入った。
レアルだけが、少し緊張している様子だった。
「今回は例の件について、ご報告に参りました。」
「うむ。聞こう。」
「はい。先ずはレアルが集めた証拠書類を見て下さい。」
最初に渡したのは、国への申請額と、実際に使われた使用額の書類だ。
「これは!」
「はい。およそ半分が、何処かへと消えているのが分かります。レアルが受け取り使用していると、明らかに額が多いにも関わらず、綺麗に全て無くなるそうです。
故に、届けられている途中で何者かに抜かれている可能性があります。」
「そうなるな…。」
「そして、バジュス侯がこの問題を指摘しない点から、あえて嘘の申告をし、協力者に抜かせていると私達は考えました。」
「私もその考えに同意しよう。こちらでも、この件については秘密裏に確認をしておく。」
「よろしくお願い致します。」
そして続けざまに、私達が調査した内容についての報告が始まった。
「次に、私とミアスで調査した事についての途中報告です。」
「ああ。」
「2日間の監視を致しましたが、今のところ目立った動きはありません。」
「そうか…。」
「ですが、明後日変化があるかと。」
「それは真か?!」
「はい。怪しげな男どもと会うようです。
休暇初日の事です。黒服の男と会話しているところを捉えました。
その内容は、次に会う場所や休暇の間に何をするか等の簡単な打ち合わせでした。
計画を立て、いつ実行するかの確定を明後日にし、行動を開始するようです。
私達は明後日の計画を立てている際の言葉、一語一句聞き逃さないようにし、その計画の全てを録音機にて残す予定です。」
「明後日になれば、彼らがどう動くのかが分かるということか。」
「はい。」
「承知した。ご苦労だったな。引き続き、調査を任せる。」
「「「はっ。」」」
そうして、国王ヴィライユへの報告は終わったのだった──
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