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2章 王と陰謀
第7話 王子と王女
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「おはよう、リアラ。」
「おはようございます、ヴィア兄様。」
「朝から呼び出してすまないね。」
「お気になさらず。それで、用件とは何でしょうか?」
計画実行当日の朝、私はレヴィーアに呼び出された。
急用ではないが、頼みがあるとの事だった。
「最近王国内で噂になっている『黄金の花』を、ぜひリアラに摘んできてもらいと思ってね。」
「『黄金の花』、ですか…。」
リアラがいる王城から、馬車で1日ほど走った所にあるという花畑。
噂の『黄金の花』は、その場所の中央に咲いているらしいのだ。
だがその花畑に入るには、試練を通過する必要があった。
その試練とは、騎士を象った魔物を100体倒すことだ。
通称「魔騎士100殲滅」と呼ばれている。
その試練に合格すると、花畑へと精霊達に迎え入れられるという。
『黄金の花』を手に持ち自分の願いを1つだけいうと、花が消えていき、願いが叶うと言われていた。
………所詮、噂なのだが。
「そうだよ。噂だけど、本当だったら凄くないかい?もちろん、『黄金の花』はリアラが使うといい。苦労して採ったのに、僕が使うなんて事はおかしいからね。だけど、見せるだけ見せて欲しいな。」
「ですが兄様。それは私に死んでこいとでも言っているのと、同じだと思うのですが…。」
『黄金の花』は、採るのに命をかけると言っても過言ではない。
「魔騎士100殲滅」は失敗すると、最悪死に至るのだ。
「そんな顔しないでくれ。可愛い妹を、死地に送り出すと思うか?僕はリアラの腕を信じているだけだよ。」
「本当にそうでしょうか…。」
「僕を信じてくれ。」
私は内心でため息を吐いた。
(どうしても、私を王城から遠ざけたいのね。)
そう思った。
私が王城にいない間に、計画を進める気だ。
ならば私が取るべき行動は1つ。
「分かりました。噂ですので、期待はしませんが…。魔法を教えてくれたお返しです。兄様の頼みを聞きます。ですが、色々と期待はしないことですよ。」
「ありがとう。『黄金の花』が存在する事を祈っているよ。場所が遠いから、向こうで2日ほど泊まってくるといい。」
「そうですね。少しだけ滞在してきましょうか。では、行ってきますね。」
「ああ。気を付けてね。」
「はい。」
そう言って、私はその場を去った。
こそっと後ろを見ると、レヴィーアが薄い笑いを浮かべていた。
(まぁそうよね。私がレヴィーアにとって1番の邪魔者だもの。だけど、王城から私を簡単に遠ざけられるとは思わない事ね。)
私はこの後のことを思い、改めて気を引き締めるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レヴィーアは笑う。
所詮は子供だなと。
乗り気ではなかったようだが、魔法を教えたのが吉と出たようだ。
(リアラには悪いけど、遠くへ行っておいてもらうよ。僕の計画を邪魔されては困るからね。帰ってきた時には、沢山可愛がってあげようじゃないか。)
レヴィーアは計画が上手くいっていることに喜んだ。
今夜の計画が成功した暁には、自分が王になれるのだから。
本来なら後10年ほど待たなければならなかったが、そんなにも待っていられない。
「僕は僕が正しいと思った事をするだけだ。」
まるで自分に言い聞かせるようにレヴィーアは言った。
そして、計画の仕上げをすべく動き出すのだった──
「おはようございます、ヴィア兄様。」
「朝から呼び出してすまないね。」
「お気になさらず。それで、用件とは何でしょうか?」
計画実行当日の朝、私はレヴィーアに呼び出された。
急用ではないが、頼みがあるとの事だった。
「最近王国内で噂になっている『黄金の花』を、ぜひリアラに摘んできてもらいと思ってね。」
「『黄金の花』、ですか…。」
リアラがいる王城から、馬車で1日ほど走った所にあるという花畑。
噂の『黄金の花』は、その場所の中央に咲いているらしいのだ。
だがその花畑に入るには、試練を通過する必要があった。
その試練とは、騎士を象った魔物を100体倒すことだ。
通称「魔騎士100殲滅」と呼ばれている。
その試練に合格すると、花畑へと精霊達に迎え入れられるという。
『黄金の花』を手に持ち自分の願いを1つだけいうと、花が消えていき、願いが叶うと言われていた。
………所詮、噂なのだが。
「そうだよ。噂だけど、本当だったら凄くないかい?もちろん、『黄金の花』はリアラが使うといい。苦労して採ったのに、僕が使うなんて事はおかしいからね。だけど、見せるだけ見せて欲しいな。」
「ですが兄様。それは私に死んでこいとでも言っているのと、同じだと思うのですが…。」
『黄金の花』は、採るのに命をかけると言っても過言ではない。
「魔騎士100殲滅」は失敗すると、最悪死に至るのだ。
「そんな顔しないでくれ。可愛い妹を、死地に送り出すと思うか?僕はリアラの腕を信じているだけだよ。」
「本当にそうでしょうか…。」
「僕を信じてくれ。」
私は内心でため息を吐いた。
(どうしても、私を王城から遠ざけたいのね。)
そう思った。
私が王城にいない間に、計画を進める気だ。
ならば私が取るべき行動は1つ。
「分かりました。噂ですので、期待はしませんが…。魔法を教えてくれたお返しです。兄様の頼みを聞きます。ですが、色々と期待はしないことですよ。」
「ありがとう。『黄金の花』が存在する事を祈っているよ。場所が遠いから、向こうで2日ほど泊まってくるといい。」
「そうですね。少しだけ滞在してきましょうか。では、行ってきますね。」
「ああ。気を付けてね。」
「はい。」
そう言って、私はその場を去った。
こそっと後ろを見ると、レヴィーアが薄い笑いを浮かべていた。
(まぁそうよね。私がレヴィーアにとって1番の邪魔者だもの。だけど、王城から私を簡単に遠ざけられるとは思わない事ね。)
私はこの後のことを思い、改めて気を引き締めるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レヴィーアは笑う。
所詮は子供だなと。
乗り気ではなかったようだが、魔法を教えたのが吉と出たようだ。
(リアラには悪いけど、遠くへ行っておいてもらうよ。僕の計画を邪魔されては困るからね。帰ってきた時には、沢山可愛がってあげようじゃないか。)
レヴィーアは計画が上手くいっていることに喜んだ。
今夜の計画が成功した暁には、自分が王になれるのだから。
本来なら後10年ほど待たなければならなかったが、そんなにも待っていられない。
「僕は僕が正しいと思った事をするだけだ。」
まるで自分に言い聞かせるようにレヴィーアは言った。
そして、計画の仕上げをすべく動き出すのだった──
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