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第127話 卒業が迫る冬
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アヤノともけんせーとも疎遠になった祐輝の学校生活は完全に孤独となっていた。
授業中も会話をする事なくただ1人で席に座っているだけだった。
休み時間でも誰とも話す事はなかった。
学校生活はやがて進路相談となり、生徒達は今後の進路を決めていた。
祐輝にはやりたい事があった。
(キックボクシングやるか)
最近の祐輝は家に変えると新宿の街を歩き回って格闘技ジムを探していた。
昔から喧嘩がとてつもなく強かった祐輝は本格的に格闘技の世界へ入ろうとしていた。
学校を終えて家に帰ると進路の事は考えもせずにキックボクシングのジムへ入ろうとチラシを眺めていた。
そんな祐輝の前に驚く者が現れた。
「随分大人になったな。」
その者はずっと家の上の階にいた。
6年もの間我が子を放置していた祐一だ。
驚いた祐輝は言葉を詰まらせたが、冷静な表情のまま会釈をした。
親子とは思えないほどに距離感のある会釈だった。
「仕事どうするんだ?」
「さあ。」
祐一は息子の就職が気になる様だ。
しかし目も合わせない祐輝はキックボクシングのチラシを眺めていた。
祐一はチラシを見ると「それで食っていけるのか?」と尋ねていた。
睨みつける祐輝は「好きな事やるから」と目を合わせずに話した。
「大人になるんだから食っていけないと意味がないぞ。」
「金だけ稼げばいいってわけじゃないから。 男としての強さも必要だよね。」
「甘いな。 そんなんじゃ生きていけないぞ。」
「あんたにそんな事を言われる筋合いはない。 何があっても頼らないから。」
祐輝は部屋の扉を閉めると眠りについた。
そして次の日にはキックボクシングジムに入会をした。
プロの格闘家を目指して練習を行い始めた。
それから祐一に食事などを誘われていたが全て断っていた。
すると祐一はジムの会費を出すとまで言ってきた。
関係修復を図っているのだろうが既に祐輝は父親とは思っていなかった。
「でもバイトでもしないと会費払えないな・・・」
そうして困っているとジムの会長から提案をされた。
ジムと提携しているトレーナーの仕事をしてみないかと。
若い祐輝にとってそれは夢の広がる話しだった。
ジムの中でバンテージを巻いている祐輝は会長と話していた。
「格闘技やりながらトレーナーの勉強もしていればどんな仕事だってできるよ。」
「本当ですか!?」
「そうだよ。 やってみるか?」
「はい!!」
そして翌週にはトレーナーアルバイトを始めた。
ジムの会費は給料から天引きされた。
トレーナーといってもいきなりは現場に立てない。
3ヶ月の研修をするためにキックボクシングと平行して研修所にも通い始めた。
それ以来祐輝は高校には最低限しか通わなくなった。
進路の決まった生徒から自由登校となっていた。
祐輝は担任教師に進路が決まったと話すと学校へは行かなくなった。
授業中も会話をする事なくただ1人で席に座っているだけだった。
休み時間でも誰とも話す事はなかった。
学校生活はやがて進路相談となり、生徒達は今後の進路を決めていた。
祐輝にはやりたい事があった。
(キックボクシングやるか)
最近の祐輝は家に変えると新宿の街を歩き回って格闘技ジムを探していた。
昔から喧嘩がとてつもなく強かった祐輝は本格的に格闘技の世界へ入ろうとしていた。
学校を終えて家に帰ると進路の事は考えもせずにキックボクシングのジムへ入ろうとチラシを眺めていた。
そんな祐輝の前に驚く者が現れた。
「随分大人になったな。」
その者はずっと家の上の階にいた。
6年もの間我が子を放置していた祐一だ。
驚いた祐輝は言葉を詰まらせたが、冷静な表情のまま会釈をした。
親子とは思えないほどに距離感のある会釈だった。
「仕事どうするんだ?」
「さあ。」
祐一は息子の就職が気になる様だ。
しかし目も合わせない祐輝はキックボクシングのチラシを眺めていた。
祐一はチラシを見ると「それで食っていけるのか?」と尋ねていた。
睨みつける祐輝は「好きな事やるから」と目を合わせずに話した。
「大人になるんだから食っていけないと意味がないぞ。」
「金だけ稼げばいいってわけじゃないから。 男としての強さも必要だよね。」
「甘いな。 そんなんじゃ生きていけないぞ。」
「あんたにそんな事を言われる筋合いはない。 何があっても頼らないから。」
祐輝は部屋の扉を閉めると眠りについた。
そして次の日にはキックボクシングジムに入会をした。
プロの格闘家を目指して練習を行い始めた。
それから祐一に食事などを誘われていたが全て断っていた。
すると祐一はジムの会費を出すとまで言ってきた。
関係修復を図っているのだろうが既に祐輝は父親とは思っていなかった。
「でもバイトでもしないと会費払えないな・・・」
そうして困っているとジムの会長から提案をされた。
ジムと提携しているトレーナーの仕事をしてみないかと。
若い祐輝にとってそれは夢の広がる話しだった。
ジムの中でバンテージを巻いている祐輝は会長と話していた。
「格闘技やりながらトレーナーの勉強もしていればどんな仕事だってできるよ。」
「本当ですか!?」
「そうだよ。 やってみるか?」
「はい!!」
そして翌週にはトレーナーアルバイトを始めた。
ジムの会費は給料から天引きされた。
トレーナーといってもいきなりは現場に立てない。
3ヶ月の研修をするためにキックボクシングと平行して研修所にも通い始めた。
それ以来祐輝は高校には最低限しか通わなくなった。
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祐輝は担任教師に進路が決まったと話すと学校へは行かなくなった。
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