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第96話 学年一の・・・
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高校生活が始まって数日。
まだ1年生同士で知らない者が大勢いた。
同じクラスの者の顔と名前は大体、覚えてきたが教室から一歩出ると全く知らない同級生がウロウロしていた。
祐輝はけんせーと共に廊下を歩いていた。
各クラスに野球部が数人はいたので教室を覗くと手を振ってくる。
「可愛い子いた?」
「そうだ祐輝。 1人めっちゃ可愛い子いるらしいよ!」
「見に行こうぜ!」
可愛い女の子を探しに廊下を進みながら祐輝は電車で見かけた彼女かと考えたがけんせーが指差す先に座っていた女の子は違った。
だが確かに誰が見ても可愛いと思わず口にしてしまうほど整った容姿をしていた。
顔は小さく、目はくりっと大きかった。
子猫の様な童顔でショートカットが非常に良く似合う。
体型も小柄だが出る所はしっかり出ていた。
「おお。」
「めっちゃ可愛いじゃん! 祐輝ナンパしてきてよ。」
「俺? 無理だよお前行けよ。」
男同士でモジモジ突き合っていると可愛い彼女はスタスタと教室に入っていった。
すると野球部のヒロミというチームメイトと楽しげに話しているじゃないか。
祐輝とけんせーは顔を見合わせた。
「これは部活でヒロミに聞くしかないな。」
「あいつムカつくわー。」
放課後になって部活に行くとユニフォームに着替えるよりも先にヒロミを問い詰めた。
驚くヒロミは事情を聞くと得意げに「うちのアイドルだから」と笑っていた。
あんなに可愛い女の子がクラスにいるだけで教室は華やかに見える。
けんせーがヒロミにしがみついて「紹介しろ」と騒ぎ立てていた。
「お前らじゃ釣り合わないっしょ!」
「ヒロミには釣り合うのかよ?」
「まあクラスメイトだし?」
得意げに笑うヒロミに向かってけんせーがユニフォームを投げつけると後ろに座っていた京介の顔に当たった。
だが平然と購買で買ったパンをむしゃむしゃと食べていた。
興奮するけんせーは更にヒロミに掴みかかっていると着替え始めた祐輝にぶつかり、体勢を崩すとドミノ倒しの様に転がった。
下敷きになる祐輝は「早くどけ」と低い声で言うがケラケラと笑うけんせーは腰を振りながら更に興奮していた。
「キチガイかお前!」
「はははは!!! あーやりてえ!」
「マジでどけって!」
「はははははは!!!!!」
けんせーが高笑いをしながら興奮していると大熊が取り押さえたが結局大熊も転びチームメイトは全員で部室に転げていた。
すると部室の外から2年生の怒鳴り声が聞こえると慌てて着替え始めた。
練馬商業は不良学校だったが野球部はそれなりに強く、部室は各学年に一室あった。
といっても1年生の部室は倉庫の様な粗末な作りでパイプ椅子が置いてあるだけだった。
そんな狭い部室でけんせーが暴れるものだから全員がその場に転がった。
基本的に毎日、この様な取っ組み合いが何かしらの理由で発生してはグラウンドに行く事が遅れて2年生に怒鳴られる毎日だった。
そして1年生の代表として祐輝は千野に怒られる毎日だった。
「はあ・・・俺は舎弟なんだしお前ら勘弁しろよ・・・」
青春は始まったばかりだ。
まだ1年生同士で知らない者が大勢いた。
同じクラスの者の顔と名前は大体、覚えてきたが教室から一歩出ると全く知らない同級生がウロウロしていた。
祐輝はけんせーと共に廊下を歩いていた。
各クラスに野球部が数人はいたので教室を覗くと手を振ってくる。
「可愛い子いた?」
「そうだ祐輝。 1人めっちゃ可愛い子いるらしいよ!」
「見に行こうぜ!」
可愛い女の子を探しに廊下を進みながら祐輝は電車で見かけた彼女かと考えたがけんせーが指差す先に座っていた女の子は違った。
だが確かに誰が見ても可愛いと思わず口にしてしまうほど整った容姿をしていた。
顔は小さく、目はくりっと大きかった。
子猫の様な童顔でショートカットが非常に良く似合う。
体型も小柄だが出る所はしっかり出ていた。
「おお。」
「めっちゃ可愛いじゃん! 祐輝ナンパしてきてよ。」
「俺? 無理だよお前行けよ。」
男同士でモジモジ突き合っていると可愛い彼女はスタスタと教室に入っていった。
すると野球部のヒロミというチームメイトと楽しげに話しているじゃないか。
祐輝とけんせーは顔を見合わせた。
「これは部活でヒロミに聞くしかないな。」
「あいつムカつくわー。」
放課後になって部活に行くとユニフォームに着替えるよりも先にヒロミを問い詰めた。
驚くヒロミは事情を聞くと得意げに「うちのアイドルだから」と笑っていた。
あんなに可愛い女の子がクラスにいるだけで教室は華やかに見える。
けんせーがヒロミにしがみついて「紹介しろ」と騒ぎ立てていた。
「お前らじゃ釣り合わないっしょ!」
「ヒロミには釣り合うのかよ?」
「まあクラスメイトだし?」
得意げに笑うヒロミに向かってけんせーがユニフォームを投げつけると後ろに座っていた京介の顔に当たった。
だが平然と購買で買ったパンをむしゃむしゃと食べていた。
興奮するけんせーは更にヒロミに掴みかかっていると着替え始めた祐輝にぶつかり、体勢を崩すとドミノ倒しの様に転がった。
下敷きになる祐輝は「早くどけ」と低い声で言うがケラケラと笑うけんせーは腰を振りながら更に興奮していた。
「キチガイかお前!」
「はははは!!! あーやりてえ!」
「マジでどけって!」
「はははははは!!!!!」
けんせーが高笑いをしながら興奮していると大熊が取り押さえたが結局大熊も転びチームメイトは全員で部室に転げていた。
すると部室の外から2年生の怒鳴り声が聞こえると慌てて着替え始めた。
練馬商業は不良学校だったが野球部はそれなりに強く、部室は各学年に一室あった。
といっても1年生の部室は倉庫の様な粗末な作りでパイプ椅子が置いてあるだけだった。
そんな狭い部室でけんせーが暴れるものだから全員がその場に転がった。
基本的に毎日、この様な取っ組み合いが何かしらの理由で発生してはグラウンドに行く事が遅れて2年生に怒鳴られる毎日だった。
そして1年生の代表として祐輝は千野に怒られる毎日だった。
「はあ・・・俺は舎弟なんだしお前ら勘弁しろよ・・・」
青春は始まったばかりだ。
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