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第49話 Bチームのエース
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鈴木監督となったBチーム最初の練習。
「守備練習やんぞ。」
『はい!!』
そして祐輝達はポジションについて守備練習を行った。
鈴木監督はノックが非常に上手くいい練習となった。
中学生ではなかなか打てない様な鋭い打球だった。
だがきっと越田ならこれぐらいの打球を打てる。
祐輝は鈴木監督の打球を必死に捕ろうとした。
同じピッチャーのポジションに入った小学6年生は緊張していた。
「大丈夫。 普通にやればいいよ。」
「はい。」
「緊張しなくていい。」
「ありがとうございます。」
「名前は?」
「淳之介です。」
淳之介は体がかなり細かった。
蹴ったら折れてしまいそうな腕からどんな球を投げるのか祐輝は少し楽しみだった。
投球練習がいつになるのか楽しみにしていた。
だが午前の練習が終わるまでひたすら守備練習だった。
佐藤コーチは守備練習と攻撃練習の両方を午前中に行っていた。
監督が変わった事で少し違和感を覚えたが祐輝はお弁当を食べると直ぐに午後の練習の準備を行った。
鈴木監督の元へ行って午後の練習メニューを聞いた。
「午後はバッティング練習ですか?」
「そんなご褒美あげねえよ。 お前ら気合い足らねえよ。 午後も守備練習やんぞ。」
「は、はい。」
祐輝は困惑した。
ご褒美?
気合い?
まだ不慣れで正式入部していない小学生に気合いを強要するものなのかと。
「おい健太てめえちょっと来い!!」
「は、はい!」
「気合い足らねえだろ!!」
「すいません!」
「守備練習やんぞ。 気合い入れろよ!!」
そして午後も守備練習が始まった。
なんと丸一日守備練習で終わってしまった。
バットを振り続けてノックをできる鈴木監督の体力も凄かったが、せっかく一日の練習があったのに守備練習だけで終わるとは。
小学生達は集中力が切れてエラーが連発した。
祐輝達もくたくたになって後片付けをした。
鈴木監督は「気合いが足りねえ」と叫んで帰っていった。
殺伐とする空気の中、後片付けをしていると健太が祐輝の元へ走ってくる。
「これヤバいよ。 小6の後輩達が練習来なくなっちゃうよ。」
「まさか守備練習だけなんてね。」
「佐藤コーチの時とは違うね。」
「うん。 守備力強化が目的なのかな・・・」
1日の練習を効率良く回していた佐藤コーチとは異なりすぎた鈴木監督の練習。
監督といってもまだ20代の若者。
佐藤コーチの様な熟練した野球知識があるとは思えなかった。
社会に出れば鈴木監督は新入社員。
祐輝達の中で強い不信感が生まれた。
そしてその不安は的中する事になる。
数ヶ月して新学期になり、小学生達は晴れて中1になった。
いよいよナインズにも正式入部。
週末になり、練習に行くと祐輝の不安は的中して体験入部に来ていた小学生の半数が来ていなかった。
10人しかいなかった。
祐輝達を含めて13人。
野球は9人いれば試合ができるから13人いれば問題はなかったが、交代要員が足りないため選手が熱や怪我で休んだ場合、試合ができない恐れがあった。
祐輝は健太と1年生を見ている。
「やっぱり・・・半分しかいない・・・」
「まあ入ってくれた10人に感謝しよう。 試合できるじゃんこれで。」
鈴木監督は何食わぬ顔をしていた。
そして選手を集めると背番号を配り始めた。
最初に名前を呼ばれたのは祐輝だ。
それはエースを意味する事だった。
野球の世界で背番号1番とはそのチームのエースを意味する。
祐輝が絶対に手に入れたかった背番号だ。
鈴木監督はティッシュ配りでもするかの様にさっと渡すと背番号2番、3番と配り始めていた。
あまりに呆気ないエースの座。
手荷物1番を見て呆然としている。
「エースになった・・・」
そして10番という番号はチームのキャプテンを意味した。
健太は10番になった。
だがエルドだけは呼ばれていなかった。
そしてエルドは13番。
明らかに不満げだった。
「帰って背中につけてもらえ。 よし練習やんぞ。 守備練習な!!」
「守備練習やんぞ。」
『はい!!』
そして祐輝達はポジションについて守備練習を行った。
鈴木監督はノックが非常に上手くいい練習となった。
中学生ではなかなか打てない様な鋭い打球だった。
だがきっと越田ならこれぐらいの打球を打てる。
祐輝は鈴木監督の打球を必死に捕ろうとした。
同じピッチャーのポジションに入った小学6年生は緊張していた。
「大丈夫。 普通にやればいいよ。」
「はい。」
「緊張しなくていい。」
「ありがとうございます。」
「名前は?」
「淳之介です。」
淳之介は体がかなり細かった。
蹴ったら折れてしまいそうな腕からどんな球を投げるのか祐輝は少し楽しみだった。
投球練習がいつになるのか楽しみにしていた。
だが午前の練習が終わるまでひたすら守備練習だった。
佐藤コーチは守備練習と攻撃練習の両方を午前中に行っていた。
監督が変わった事で少し違和感を覚えたが祐輝はお弁当を食べると直ぐに午後の練習の準備を行った。
鈴木監督の元へ行って午後の練習メニューを聞いた。
「午後はバッティング練習ですか?」
「そんなご褒美あげねえよ。 お前ら気合い足らねえよ。 午後も守備練習やんぞ。」
「は、はい。」
祐輝は困惑した。
ご褒美?
気合い?
まだ不慣れで正式入部していない小学生に気合いを強要するものなのかと。
「おい健太てめえちょっと来い!!」
「は、はい!」
「気合い足らねえだろ!!」
「すいません!」
「守備練習やんぞ。 気合い入れろよ!!」
そして午後も守備練習が始まった。
なんと丸一日守備練習で終わってしまった。
バットを振り続けてノックをできる鈴木監督の体力も凄かったが、せっかく一日の練習があったのに守備練習だけで終わるとは。
小学生達は集中力が切れてエラーが連発した。
祐輝達もくたくたになって後片付けをした。
鈴木監督は「気合いが足りねえ」と叫んで帰っていった。
殺伐とする空気の中、後片付けをしていると健太が祐輝の元へ走ってくる。
「これヤバいよ。 小6の後輩達が練習来なくなっちゃうよ。」
「まさか守備練習だけなんてね。」
「佐藤コーチの時とは違うね。」
「うん。 守備力強化が目的なのかな・・・」
1日の練習を効率良く回していた佐藤コーチとは異なりすぎた鈴木監督の練習。
監督といってもまだ20代の若者。
佐藤コーチの様な熟練した野球知識があるとは思えなかった。
社会に出れば鈴木監督は新入社員。
祐輝達の中で強い不信感が生まれた。
そしてその不安は的中する事になる。
数ヶ月して新学期になり、小学生達は晴れて中1になった。
いよいよナインズにも正式入部。
週末になり、練習に行くと祐輝の不安は的中して体験入部に来ていた小学生の半数が来ていなかった。
10人しかいなかった。
祐輝達を含めて13人。
野球は9人いれば試合ができるから13人いれば問題はなかったが、交代要員が足りないため選手が熱や怪我で休んだ場合、試合ができない恐れがあった。
祐輝は健太と1年生を見ている。
「やっぱり・・・半分しかいない・・・」
「まあ入ってくれた10人に感謝しよう。 試合できるじゃんこれで。」
鈴木監督は何食わぬ顔をしていた。
そして選手を集めると背番号を配り始めた。
最初に名前を呼ばれたのは祐輝だ。
それはエースを意味する事だった。
野球の世界で背番号1番とはそのチームのエースを意味する。
祐輝が絶対に手に入れたかった背番号だ。
鈴木監督はティッシュ配りでもするかの様にさっと渡すと背番号2番、3番と配り始めていた。
あまりに呆気ないエースの座。
手荷物1番を見て呆然としている。
「エースになった・・・」
そして10番という番号はチームのキャプテンを意味した。
健太は10番になった。
だがエルドだけは呼ばれていなかった。
そしてエルドは13番。
明らかに不満げだった。
「帰って背中につけてもらえ。 よし練習やんぞ。 守備練習な!!」
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