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第22話 中二病への誘惑
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学校生活を送りながら、祐輝はエースへの階段も上がっていた。
約束されたエースという地位。
しかしエースとは絶え間ぬ努力の先に1人だけが掴み取れる地位だ。
ナインズの同学年はたったの3人。
後輩にエースを奪われる可能性だって当然ある。
努力してエースに相応しいピッチャーになる必要があるが新宿西中学はそれを邪魔する誘惑が多すぎた。
いつもの様に授業を受けようと祐輝はトイレに行って席に戻ろうとしていた。
するとトイレから香るタバコの香り。
「おー祐輝! タバコ吸う?」
「いや。 俺は野球やってるから。」
「そんなもん続けても仕方ないでしょー。 どうせプロになんかなれないし。」
「・・・・・・」
同級生の不良がヘラヘラと笑っている。
祐輝はタバコをじっと見ている。
興味はあった。
恩師の佐藤コーチだって吸っている。
そんなに美味しいのか。
「吸う? 別に1本ぐらい平気っしょ!」
「・・・いや。 吸わない。」
「お! じゃあ授業サボろうぜ! 次は理科だしダルくね?」
「サボるって何処へ?」
「いい場所があんだよー。」
理科は嫌いだった。
植物や実験の様な授業には興味がなかった。
祐輝は静かにうなずき不良に連れられて体育館へと向かった。
体育の授業がないはずなのに体育館からは人の声が聞こえる。
女性の声か。
祐輝は不思議そうに近づいていく。
「翔太入ります。」
「はあ・・・はあっ! おお。 もう終わる。」
女性の喘ぎ声と男性の激しい息遣い。
祐輝は眉をしかめている。
不良少年の翔太はニヤニヤとしている。
すると体育倉庫から汗をかいた上裸の男が出てくる。
「お前誰?」
「1年の祐輝です。 授業サボりに来ました。」
「1年のわりにはデカイな。」
「まあ。 野球やってますんで。」
「野球か・・・」
上裸の先輩は汗を拭きながら野球という言葉に黙り込む。
不思議そうにしていると下着姿の女が覗かせる。
祐輝を見ると手招きしていた。
驚いた祐輝は先輩を見る。
「ヤッてくか? いいぞこいつとヤッて。」
「彼女じゃないんですか?」
「んなもんいらねえよ。 ヤりてえ女とヤりまくる。 それがいいんだよ。」
「1年生ちゃんおいでー。 先輩が相手してあげるよー。」
下着姿の先輩は確かに可愛らしかった。
中学生にしては体つきも魅力的だった。
思春期の祐輝はドキドキしていた。
こんな機会はないかもしれない。
黙り込んだ祐輝は顔を上げて先輩女子の元へ行った。
両手を広げて祐輝に抱かれる姿勢で待つ先輩に脱ぐ捨ててある制服を羽織らせた。
「何してんの?」
「体大事にしてください。」
「はあ? おいこらっ! 翔太なんだこいつ。」
先輩男子が祐輝の胸ぐらを掴んで物凄い表情で睨んでいる。
しかし動じる事もなくじっと先輩を睨んでいると先輩は目をそらした。
生まれつき目つきの鋭い祐輝は人を睨むと怖がられる事が多かった。
先輩男子は手を離すとタバコを吸い始めた。
祐輝を連れてきた翔太は先輩女子と行為を始めた。
「じゃあ俺はこれで。」
「待てよ。」
「なんすか?」
「お前野球楽しいのか?」
「最近楽しくなりました。」
「そうか。」
そして祐輝は体育館を出ていった。
授業が終わるチャイムが鳴り響き、休み時間となった校舎は生徒達の声が響く。
するとミズキが祐輝を見つけて走ってきた。
「何処行ってたの?」
「別に。」
「サボってたの?」
「いや。」
「もー。 ちゃんと授業出ないとダメだよー。」
ミズキは祐輝の制服の袖を掴んで教室へ引っ張っていった。
すると先生が祐輝を見つけて怒鳴りながら近づいてきた。
祐輝はミズキの手を振り払い、先生に連れられて職員室へ行った。
「お前何してたんだ?」
「サボってました。」
「1人でか?」
「はい。」
「何処行ってた?」
「校舎裏です。」
先生は疑いの目で見ている。
それでも祐輝は表情を変える事なく黙っている。
先生はため息をついて窓から見える体育館を見ている。
「お前は野球を真剣にやれば高校だって推薦で入れるぞ。」
「わかってます。」
「本当に体育館へ行ってないんだな?」
「はい。」
反省文を書かされてその日は終わった。
祐輝の中である2つの感情。
エースとして活躍するか。
不良となって生きるか。
初めて見た母親以外の女性の体は祐輝の脳裏に焼き付いた。
約束されたエースという地位。
しかしエースとは絶え間ぬ努力の先に1人だけが掴み取れる地位だ。
ナインズの同学年はたったの3人。
後輩にエースを奪われる可能性だって当然ある。
努力してエースに相応しいピッチャーになる必要があるが新宿西中学はそれを邪魔する誘惑が多すぎた。
いつもの様に授業を受けようと祐輝はトイレに行って席に戻ろうとしていた。
するとトイレから香るタバコの香り。
「おー祐輝! タバコ吸う?」
「いや。 俺は野球やってるから。」
「そんなもん続けても仕方ないでしょー。 どうせプロになんかなれないし。」
「・・・・・・」
同級生の不良がヘラヘラと笑っている。
祐輝はタバコをじっと見ている。
興味はあった。
恩師の佐藤コーチだって吸っている。
そんなに美味しいのか。
「吸う? 別に1本ぐらい平気っしょ!」
「・・・いや。 吸わない。」
「お! じゃあ授業サボろうぜ! 次は理科だしダルくね?」
「サボるって何処へ?」
「いい場所があんだよー。」
理科は嫌いだった。
植物や実験の様な授業には興味がなかった。
祐輝は静かにうなずき不良に連れられて体育館へと向かった。
体育の授業がないはずなのに体育館からは人の声が聞こえる。
女性の声か。
祐輝は不思議そうに近づいていく。
「翔太入ります。」
「はあ・・・はあっ! おお。 もう終わる。」
女性の喘ぎ声と男性の激しい息遣い。
祐輝は眉をしかめている。
不良少年の翔太はニヤニヤとしている。
すると体育倉庫から汗をかいた上裸の男が出てくる。
「お前誰?」
「1年の祐輝です。 授業サボりに来ました。」
「1年のわりにはデカイな。」
「まあ。 野球やってますんで。」
「野球か・・・」
上裸の先輩は汗を拭きながら野球という言葉に黙り込む。
不思議そうにしていると下着姿の女が覗かせる。
祐輝を見ると手招きしていた。
驚いた祐輝は先輩を見る。
「ヤッてくか? いいぞこいつとヤッて。」
「彼女じゃないんですか?」
「んなもんいらねえよ。 ヤりてえ女とヤりまくる。 それがいいんだよ。」
「1年生ちゃんおいでー。 先輩が相手してあげるよー。」
下着姿の先輩は確かに可愛らしかった。
中学生にしては体つきも魅力的だった。
思春期の祐輝はドキドキしていた。
こんな機会はないかもしれない。
黙り込んだ祐輝は顔を上げて先輩女子の元へ行った。
両手を広げて祐輝に抱かれる姿勢で待つ先輩に脱ぐ捨ててある制服を羽織らせた。
「何してんの?」
「体大事にしてください。」
「はあ? おいこらっ! 翔太なんだこいつ。」
先輩男子が祐輝の胸ぐらを掴んで物凄い表情で睨んでいる。
しかし動じる事もなくじっと先輩を睨んでいると先輩は目をそらした。
生まれつき目つきの鋭い祐輝は人を睨むと怖がられる事が多かった。
先輩男子は手を離すとタバコを吸い始めた。
祐輝を連れてきた翔太は先輩女子と行為を始めた。
「じゃあ俺はこれで。」
「待てよ。」
「なんすか?」
「お前野球楽しいのか?」
「最近楽しくなりました。」
「そうか。」
そして祐輝は体育館を出ていった。
授業が終わるチャイムが鳴り響き、休み時間となった校舎は生徒達の声が響く。
するとミズキが祐輝を見つけて走ってきた。
「何処行ってたの?」
「別に。」
「サボってたの?」
「いや。」
「もー。 ちゃんと授業出ないとダメだよー。」
ミズキは祐輝の制服の袖を掴んで教室へ引っ張っていった。
すると先生が祐輝を見つけて怒鳴りながら近づいてきた。
祐輝はミズキの手を振り払い、先生に連れられて職員室へ行った。
「お前何してたんだ?」
「サボってました。」
「1人でか?」
「はい。」
「何処行ってた?」
「校舎裏です。」
先生は疑いの目で見ている。
それでも祐輝は表情を変える事なく黙っている。
先生はため息をついて窓から見える体育館を見ている。
「お前は野球を真剣にやれば高校だって推薦で入れるぞ。」
「わかってます。」
「本当に体育館へ行ってないんだな?」
「はい。」
反省文を書かされてその日は終わった。
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