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第78章 奇妙な戦争
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宮衛党に大勝した獣王隊は基地へ戻り数日休むとある知らせが届いた。
それは皇太子の白斗が妻を連れて戻ってきたという知らせだ。
「わあ! 良かったなあ白斗。 奥さん見つけたんだ!」
当然だが私兵の獣王隊も婚姻の式典に招集された。
普段の戦闘服とは異なり白陸軍の礼服を着ている。
このめでたい行事は白陸全土で祝われた。
英雄鞍馬虎白のご子息の結婚。
次の白陸を担う若き夫婦の誕生。
ペップも着慣れない礼服を着て会場へ行った。
そこは華やかな催しが施されている。
初めての経験にペップは高揚している。
「すげえ!! これ好きなだけ食べて良いのかなあ!!」
「凄いねー! お肉食べに行こうよ!!」
ペップとルルは会場に並べられるご馳走を夢中になって食べ始めた。
夜叉子や大将軍達も楽しげに食事をしている。
なんて幸せな日なのか。
ペップは友人でもあり、殿下でもある白斗の結婚を心から祝っていた。
しばらく宴が行われるといよいよ新郎新婦が登場した。
そこには美しい純白の服を着た白斗と妻のメリッサが現れた。
ペップはメリッサの美貌に唖然としている。
「こ、これは・・・お頭に負けてねえ・・・」
メリッサの美貌は大将軍に引けを取らなかった。
ウエディングドレスが更にメリッサの美貌を輝かせている。
ペップは開いた口が塞がらない。
そして式典が行われてその後は宴が何日も続いた。
ペップはお酒も飲んでたくさん食べた。
「ヒックッ。 あーずっとこんな時間が続けばいいのになあ・・・」
「ほんとだねえー。 もう食べれないよおー。」
だが幸せな時間は終わりを迎える。
タイロンが近づいてくるとペップ達に囁いた。
周囲の私兵の動きがおかしい。
祝っている様だが兵士達が会場から抜けている。
それと同時に国民が会場へと入ってくる。
「あんたら。 戦闘準備しな。 これは訓練じゃないよ。」
「タイロンの姉貴。 敵ですか?」
「そうだよ。 気合入れな。」
突然の敵襲。
しかし式典をぶち壊すわけにはいかなかった。
ペップ達は国民と入れ替わる様に会場を出た。
帝都の国民達は白斗を祝うために集まっていた。
「こんな時に敵が来るなんて。」
「はあーもっと式典にいたかったねえ。」
「ああ。 現実は甘くないな・・・」
「殿下のために早く敵をやっつけよう。」
しばらくすると式典は終わり、白陸には非常事態宣言が出された。
敵接近の知らせだ。
白陸を出ての旅行などの規制がかけられた。
そしてペップ達は完全武装で天上門を目指した。
彼にとって初めての冥府軍との対峙だ。
「初めて見るなあ・・・」
その時手が震えている事に気がついた。
まだ見ぬ冥府軍。
今までの模擬演習とは違う。
これは実戦だ。
天上門を越えて中間地点へと出るとペップは初めて見る冥府軍を目にした。
黒い旗が風になびき、ただならぬ雰囲気が出ている。
そして左右に分かれる冥府軍だったが黒い旗とは別に白と紫色の旗が見える。
天上軍は挟撃されかけていた。
「挟撃だ!」
「おーよく出来たな。」
「サガミ中尉!!」
「落ち着け・・・」
サガミはペップを落ち着かせているが冷や汗をかいてじっと戦場を見ている。
このままでは挟撃されてしまうのに動く様子がない。
しばらくすると白陸軍の本陣の旗が揺れていた。
ざわめく様な声が聞こえている。
本陣で何かが起きている様だ。
「この戦いは不気味だな・・・」
「そうなんですか?」
「ああ。 いつもの白陸軍の動きじゃない。 お頭は何しているんだろう・・・」
不気味な沈黙が続いている。
静寂する戦場で静かに睨み合う白陸軍と冥府軍。
肉眼で見える冥府兵の異様さはサガミやペップ達の背筋を凍らせた。
黒い体毛で覆われて長い角が生えている。
背中には羽も生えている。
不気味に笑いながらこちらを見ている。
サガミは今回の冥府軍が普通の部隊じゃない事にも気がついていた。
「今回は人間や半獣族の兵士じゃない・・・あの恐ろしい見た目。 敵の精鋭かな・・・」
「俺達の様な私兵ですかね?」
「だとしたらあの兵力は・・・一体何万いるんだ・・・」
ただ睨み合い、戦闘が起きない状態が何時間も続いた。
次第に兵士達の動揺が広がりだした。
私兵であるペップ達まで動揺していた。
だが突如として撤退命令が出た。
「え? て、撤退? 背後から攻撃されてしまう!!」
何が起きているのかわからない。
すると夜叉子が本陣から戻ってきた。
表情は暗く、眉間にシワが寄っていた。
「お頭!!」
「撤退だよ。」
「で、でも・・・」
「大丈夫だよ。 敵は攻撃してこないよ。」
そしてペップ達は撤退した。
だが中間地点に残る部隊もいた。
竹子の白神隊や第1軍の砲兵隊は残った。
ペップにはまるで理解できない状況だった。
隣を見るとサガミ中尉も困惑していた。
夜叉子は煙管を吸いながら馬に乗って戻っていく。
「さあ帰るよ。 あんたらは基地でゆっくりしてな。」
そしてペップ達は白陸へと戻っていった。
第4都市に戻って数日。
中間地点での戦闘がどうなっているのか気になって仕方ない。
夜叉子から何か言われるわけでもなくただ時間がすぎていた。
だが夜叉子は第4都市にほとんど現れなかった。
「あーあ。 味方は前線にいるのに俺達は非番かよお。」
「そうだねー。 グルルルルル。」
寝そべって日光浴をしている。
ルルは気持ちよさそうにしているがペップは落ち着きがない。
基地の中をウロウロ歩いて独り言をずっと話している。
「もー静かにしてよー。」
「だってよお。 味方が前線に行ってるのによお。」
落ち着きがないペップに苛立つルルは背後から飛びかかってペップの耳に甘噛している。
仲良くじゃれ合いだすペップとルル。
しばらくじゃれ合うと食堂に行ってお腹いっぱい食事を取った。
そして射撃訓練などを軽く行うと一日が終わり眠りにつく。
朝になるとまた暇な一日が始まる。
タイロンもクロフォードも何処かへ行って現れない。
全体演習も他の私兵との模擬演習もできない状況だった。
コカやリークが指示を出すが各小隊ごとに最低限の訓練をして待機としか命令されていなかった。
サガミ中尉が歩いてくるとペップは飛びつく様に近づいてきた。
「何かありましたか!!」
「いいや。 全く報告がない。 ところでお前ら。 外出するか?」
「ええ?」
「たまには帝都にでも行って遊んできてもいいぞ。」
「本当ですかあ!?」
「構わないぞ。 ただ何があるかわからないからな。 帝都の白王隊の動きには注意しておけよ。 慌ただしく動き出したら声でもかけて状況を聞け。」
状況のわからないままの待機。
緊張感だけが続いても士気の低下は否めない。
コカとリークの決定で小隊ごとに外出許可が与えられた。
ペップは飛び跳ねて喜んだ。
「白斗に会いに行こう!!」
「帝都には美味しいお肉たくさんあるのかなあ!?」
「さあ行こうぜ!!」
「うん!!」
戦況は誰にもわからない。
なら緊張していても仕方ない。
一度息抜きでもさせるべきだと。
各私兵の大尉達が決定した事だった。
そしてペップは帝都に着くとその美しさに目を疑った。
「す、すっげええ!!!」
「ペップ行った事あったんじゃないのー?」
「お頭の護衛で一回だけな。 でもあの時は夜だったし直ぐに城の中に入ったからよくわからなかった。」
栄華を極めている白陸の帝都。
街には店が数え切れないほど並び、道路が4車線もある。
広い道路を走る車の数々。
歩道も広く、馬車や自転車も走っている。
白王隊が警備しながらも歩いている。
そして白王隊とは別に憲兵がいる。
「あの兵士はお頭の領土じゃ見ないな。」
「ほんとだあ。」
白い制服を着たエルフの憲兵達だ。
ペップが近づいて敬礼すると憲兵は笑顔で応えた。
獣王隊の手帳を見せると憲兵はまたも笑顔で応えた。
「戦況を聞いていますか?」
「ごめんなさい。 獣王隊。 守秘義務です。」
「あ、ああ。」
何やら憲兵は状況を知っている様だった。
それは皇太子の白斗が妻を連れて戻ってきたという知らせだ。
「わあ! 良かったなあ白斗。 奥さん見つけたんだ!」
当然だが私兵の獣王隊も婚姻の式典に招集された。
普段の戦闘服とは異なり白陸軍の礼服を着ている。
このめでたい行事は白陸全土で祝われた。
英雄鞍馬虎白のご子息の結婚。
次の白陸を担う若き夫婦の誕生。
ペップも着慣れない礼服を着て会場へ行った。
そこは華やかな催しが施されている。
初めての経験にペップは高揚している。
「すげえ!! これ好きなだけ食べて良いのかなあ!!」
「凄いねー! お肉食べに行こうよ!!」
ペップとルルは会場に並べられるご馳走を夢中になって食べ始めた。
夜叉子や大将軍達も楽しげに食事をしている。
なんて幸せな日なのか。
ペップは友人でもあり、殿下でもある白斗の結婚を心から祝っていた。
しばらく宴が行われるといよいよ新郎新婦が登場した。
そこには美しい純白の服を着た白斗と妻のメリッサが現れた。
ペップはメリッサの美貌に唖然としている。
「こ、これは・・・お頭に負けてねえ・・・」
メリッサの美貌は大将軍に引けを取らなかった。
ウエディングドレスが更にメリッサの美貌を輝かせている。
ペップは開いた口が塞がらない。
そして式典が行われてその後は宴が何日も続いた。
ペップはお酒も飲んでたくさん食べた。
「ヒックッ。 あーずっとこんな時間が続けばいいのになあ・・・」
「ほんとだねえー。 もう食べれないよおー。」
だが幸せな時間は終わりを迎える。
タイロンが近づいてくるとペップ達に囁いた。
周囲の私兵の動きがおかしい。
祝っている様だが兵士達が会場から抜けている。
それと同時に国民が会場へと入ってくる。
「あんたら。 戦闘準備しな。 これは訓練じゃないよ。」
「タイロンの姉貴。 敵ですか?」
「そうだよ。 気合入れな。」
突然の敵襲。
しかし式典をぶち壊すわけにはいかなかった。
ペップ達は国民と入れ替わる様に会場を出た。
帝都の国民達は白斗を祝うために集まっていた。
「こんな時に敵が来るなんて。」
「はあーもっと式典にいたかったねえ。」
「ああ。 現実は甘くないな・・・」
「殿下のために早く敵をやっつけよう。」
しばらくすると式典は終わり、白陸には非常事態宣言が出された。
敵接近の知らせだ。
白陸を出ての旅行などの規制がかけられた。
そしてペップ達は完全武装で天上門を目指した。
彼にとって初めての冥府軍との対峙だ。
「初めて見るなあ・・・」
その時手が震えている事に気がついた。
まだ見ぬ冥府軍。
今までの模擬演習とは違う。
これは実戦だ。
天上門を越えて中間地点へと出るとペップは初めて見る冥府軍を目にした。
黒い旗が風になびき、ただならぬ雰囲気が出ている。
そして左右に分かれる冥府軍だったが黒い旗とは別に白と紫色の旗が見える。
天上軍は挟撃されかけていた。
「挟撃だ!」
「おーよく出来たな。」
「サガミ中尉!!」
「落ち着け・・・」
サガミはペップを落ち着かせているが冷や汗をかいてじっと戦場を見ている。
このままでは挟撃されてしまうのに動く様子がない。
しばらくすると白陸軍の本陣の旗が揺れていた。
ざわめく様な声が聞こえている。
本陣で何かが起きている様だ。
「この戦いは不気味だな・・・」
「そうなんですか?」
「ああ。 いつもの白陸軍の動きじゃない。 お頭は何しているんだろう・・・」
不気味な沈黙が続いている。
静寂する戦場で静かに睨み合う白陸軍と冥府軍。
肉眼で見える冥府兵の異様さはサガミやペップ達の背筋を凍らせた。
黒い体毛で覆われて長い角が生えている。
背中には羽も生えている。
不気味に笑いながらこちらを見ている。
サガミは今回の冥府軍が普通の部隊じゃない事にも気がついていた。
「今回は人間や半獣族の兵士じゃない・・・あの恐ろしい見た目。 敵の精鋭かな・・・」
「俺達の様な私兵ですかね?」
「だとしたらあの兵力は・・・一体何万いるんだ・・・」
ただ睨み合い、戦闘が起きない状態が何時間も続いた。
次第に兵士達の動揺が広がりだした。
私兵であるペップ達まで動揺していた。
だが突如として撤退命令が出た。
「え? て、撤退? 背後から攻撃されてしまう!!」
何が起きているのかわからない。
すると夜叉子が本陣から戻ってきた。
表情は暗く、眉間にシワが寄っていた。
「お頭!!」
「撤退だよ。」
「で、でも・・・」
「大丈夫だよ。 敵は攻撃してこないよ。」
そしてペップ達は撤退した。
だが中間地点に残る部隊もいた。
竹子の白神隊や第1軍の砲兵隊は残った。
ペップにはまるで理解できない状況だった。
隣を見るとサガミ中尉も困惑していた。
夜叉子は煙管を吸いながら馬に乗って戻っていく。
「さあ帰るよ。 あんたらは基地でゆっくりしてな。」
そしてペップ達は白陸へと戻っていった。
第4都市に戻って数日。
中間地点での戦闘がどうなっているのか気になって仕方ない。
夜叉子から何か言われるわけでもなくただ時間がすぎていた。
だが夜叉子は第4都市にほとんど現れなかった。
「あーあ。 味方は前線にいるのに俺達は非番かよお。」
「そうだねー。 グルルルルル。」
寝そべって日光浴をしている。
ルルは気持ちよさそうにしているがペップは落ち着きがない。
基地の中をウロウロ歩いて独り言をずっと話している。
「もー静かにしてよー。」
「だってよお。 味方が前線に行ってるのによお。」
落ち着きがないペップに苛立つルルは背後から飛びかかってペップの耳に甘噛している。
仲良くじゃれ合いだすペップとルル。
しばらくじゃれ合うと食堂に行ってお腹いっぱい食事を取った。
そして射撃訓練などを軽く行うと一日が終わり眠りにつく。
朝になるとまた暇な一日が始まる。
タイロンもクロフォードも何処かへ行って現れない。
全体演習も他の私兵との模擬演習もできない状況だった。
コカやリークが指示を出すが各小隊ごとに最低限の訓練をして待機としか命令されていなかった。
サガミ中尉が歩いてくるとペップは飛びつく様に近づいてきた。
「何かありましたか!!」
「いいや。 全く報告がない。 ところでお前ら。 外出するか?」
「ええ?」
「たまには帝都にでも行って遊んできてもいいぞ。」
「本当ですかあ!?」
「構わないぞ。 ただ何があるかわからないからな。 帝都の白王隊の動きには注意しておけよ。 慌ただしく動き出したら声でもかけて状況を聞け。」
状況のわからないままの待機。
緊張感だけが続いても士気の低下は否めない。
コカとリークの決定で小隊ごとに外出許可が与えられた。
ペップは飛び跳ねて喜んだ。
「白斗に会いに行こう!!」
「帝都には美味しいお肉たくさんあるのかなあ!?」
「さあ行こうぜ!!」
「うん!!」
戦況は誰にもわからない。
なら緊張していても仕方ない。
一度息抜きでもさせるべきだと。
各私兵の大尉達が決定した事だった。
そしてペップは帝都に着くとその美しさに目を疑った。
「す、すっげええ!!!」
「ペップ行った事あったんじゃないのー?」
「お頭の護衛で一回だけな。 でもあの時は夜だったし直ぐに城の中に入ったからよくわからなかった。」
栄華を極めている白陸の帝都。
街には店が数え切れないほど並び、道路が4車線もある。
広い道路を走る車の数々。
歩道も広く、馬車や自転車も走っている。
白王隊が警備しながらも歩いている。
そして白王隊とは別に憲兵がいる。
「あの兵士はお頭の領土じゃ見ないな。」
「ほんとだあ。」
白い制服を着たエルフの憲兵達だ。
ペップが近づいて敬礼すると憲兵は笑顔で応えた。
獣王隊の手帳を見せると憲兵はまたも笑顔で応えた。
「戦況を聞いていますか?」
「ごめんなさい。 獣王隊。 守秘義務です。」
「あ、ああ。」
何やら憲兵は状況を知っている様だった。
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