6 / 13
怒れる母
しおりを挟む
家に入り靴を脱ぐなり、なぜか母が怒り出した。
「なんなの、あんたの先生!」
しかも怒り先は先生に対してだった。なぜ母が怒っているかさっぱりわからないけれど、私は制服を着たままの姿で母をなだめ始める。
「まぁまぁ、お母さん、落ち着いて……皺が増えるよ?」
「もう増えてる! まったく失礼な先生よね」
母はスーツを脱ぎ散らかし、アクセサリーをはずしながらぷりぷり怒っている。
「この歳で具体的に将来の夢が決まっている方がレアケースじゃないの。そんなことも知らないのかしら、教師のくせに。志望校なんて出願ぎりぎりで決めればいいじゃない!」
私は先生の言うことももっともだと思っていたのでなんとも思わなかったのだが、母は先生の言いぶりがいたく気に入らなかったようだ。
「今、将来の方向性が決まっていない若人が目の前にいるのなら、なじるでなく、相手の中にあるその人のやりたいことの種を探ればいいじゃない、聞き出せばいいじゃない。なんで叱られなきゃいけないのよ。しかも最後はこっちに丸投げしてるし!」
頭をがりがり掻いてイライラしたように歩き回る姿は熊のようだ。しかし、その様子を見ていたらこちらの方が落ち着いてきた。
「将来の夢が決まってないって……お母さんもそうだったの?」
「私の場合はもっとひどいわよ。高校が大学附属だったから成績で振り分けられた推薦枠で、なんとなく決めたんだもの。他の選択肢が情報工学部とか歯学部とかだったから、消去法で建築学部選んだだけ」
「うわぁ、将来建築家になりたいという子に言ったらダメな消極的な夢の選び方だね」
「世の中そんなもんよ」
てきぱきとジーンズとタートルネックのヒートテックとラフな格好に着替えた母は、今度は上着に丁寧にブラッシングをしたり、外したアクセサリーを磨いている。
この後で仕事があるとは言っていたけれど、どうやら今日は家で仕事を片付けるらしいとその様子を見てわかった。
「人間なんてできることしかできないの。知らないことはできないの。まだ生きてる時間短いのに、自分がやってきたことの中から、やりたいことを選び抜くって結構難しいことじゃない? そんなのほいほいできるもんじゃないじゃないわよ。それをなんでまだ時間ある二年の段階でやらせようとすんの? ギリギリまで悩めばいいじゃない。しかもあれ、貴方の希望を聞いているようでいて、大学に行かせる以外の選択肢出してなかったじゃない。それが腹立つのよぉ」
「はぁ……うち、進学校だからねえ……」
そのまま冷蔵庫まで歩いていくと麦茶を取り出している。そのまま私の方にも麦茶を注いでくれた。こういう娘を思いやる冷静な行動と怒りは別物のようだ。
「私は幸い、そういうことを許される環境と時代にいただけというのもあるけどね。ま、選択肢が多すぎると選べないこともあるから、あんまり深く悩まないようにね。人生の先輩から言えることなんてそれだけ」
「でも、みんなもう志望校決めて勉強してんだよね……」
アズサのように、早い段階でちゃんと将来を決めて走り出している人もいる。それが自分が望んだわけではないお仕着せの夢だとしても、それはそれで立派な彼女の夢で、私はそれでも羨ましいと思う時があるのに。
みんなに好きにしていいよ、と言われる度にどうしたらいいのかわからなくなる。
あんまり自由すぎるのは何も与えられていないのと同じ、なんて言ったら、贅沢だと笑われるだろう。
経済的に恵まれていて、親が身をもってやりたいことしかやらない人達で。
なのに自分は彼らのような明確な目標がない。
「祥ちゃん、いいこと教えてあげるわ」
「なに?」
「夢なんてね、大人になってからでも叶うのよ。大人になってからやりたいこと見つければいいの」
「はぁ……」
父はともかく、母の見つけたやりたいこととはなんだろうか。
適当に入ったはずの大学で、そこで得た資格でもって母は今、仕事をしている。それは決してそれしかないからというようなネガティブな発想で選んだわけではないだろうに。
「子供のうちに夢を決めていたら、その夢にやりたいことが引っ張られて、挫折した時になにも残らないわよ?」
「そうなの?」
「だって考えてもみてよ。野球選手になりたいと思ったら野球ばっかりしちゃうでしょ? もしかしたらゴルフの方に才能あったかもしれない。絵を描く方が向いていたかもしれないのに、そっちに視界も思考も行かなくなっちゃう。なんでもかんでも貪欲にやってみて、そして最後にやりたいことを選ぶ、でいいんじゃないの?」
「でもさ、それだとスタートダッシュ遅くて遠回りじゃない? 早い段階で見つけてそれに邁進した方が結局近道なのでは?」
「あのねえ……」
母はわかってないわねえ、といわんばかりに首を振る。その態度はなかなかに腹が立つが。
「遅くて何が悪いの? 若いうちにスタートして衰えたら引退するのが多いアスリートの例えだからわかりにくいだけかもしれないけど、野球で食ってくのは何もプロの野球選手だけじゃないじゃない。野球に使う道具を売るでもよし、バッティングセンターの経営者になるでもよし。職業なんて単なる食べてく手段じゃないの? なんでそんな限定した夢持つ必要あるのよ。自分が好きなことに触れて食べていけばよくない?」
麦茶を飲み干すと母はグラスを手早く洗って手を拭いた。
「怠惰に生きるもよし、強欲に生きるもよし。なーんか世の中他人が決めてる生き方をそんなもんだと受け止めてる人多くない? 要領よく生きるやり方ばかりが蔓延してるけど、私はそういうのがすごく嫌よ。それを子供達に当たり前だと言わんばかりに押し付けてのも許せない……まぁ、学校の先生なんて、大体、教育学部出て教職取って採用試験通って先生になってんでしょ? 他の生き方知らないから、一番ハズレがなさそうな道を勧めてくれるんだろうけどね……」
それはそれで間違ってはないのだけれど、それがみんなの正解になるわけじゃない。
確かに母の言い分は間違ってはないが、先生に求めすぎている気がして、気の毒にもなる。
「そうじゃなくても生きていけるって、我が家には枠にとらわれない前例がいるからね」
「お父さんか」
「正解」
もう顔も朧気になってしまった実父の顔を思い浮かべてため息をついた。
「お母さん、結婚してからお父さんみたいにあんな我儘に生きてても世の中なんとかなるんだなって知ったんだもの。大人になって、結婚という経験を得て、ようやく知ったことだってあるわけなんだから、二十年も生きてないあんたがわからなくてもいいんじゃない? もっとも、適当な大学に入って企業に勤めて~というルートも悪いわけではないんだから。ただし」
そういうと母は私の肩をぽんと叩き、晴れやかに笑って言った。「向いてるかどうかは別」と。
「……なんか向いてないとでもいいそうなんだけど」
私が苦虫をかみつぶしたような顔で言っているのに。
「諦めなさい。貴方は克哉さんの娘よ」
母はとてもいい笑顔だ。
血の繋がりがあるのは理解しているが、理解したくない感情が出てくる。
「私はこの家の良心のつもりなんだけどな。それにお母さんの娘でもあるんだよ?」
「ならますます、何かの歯車になるのって向いてないじゃない」
母はそう言うと、自分のことわかってないわね、とケタケタ笑いながら書斎に入っていってしまった。
「なんなの、あんたの先生!」
しかも怒り先は先生に対してだった。なぜ母が怒っているかさっぱりわからないけれど、私は制服を着たままの姿で母をなだめ始める。
「まぁまぁ、お母さん、落ち着いて……皺が増えるよ?」
「もう増えてる! まったく失礼な先生よね」
母はスーツを脱ぎ散らかし、アクセサリーをはずしながらぷりぷり怒っている。
「この歳で具体的に将来の夢が決まっている方がレアケースじゃないの。そんなことも知らないのかしら、教師のくせに。志望校なんて出願ぎりぎりで決めればいいじゃない!」
私は先生の言うことももっともだと思っていたのでなんとも思わなかったのだが、母は先生の言いぶりがいたく気に入らなかったようだ。
「今、将来の方向性が決まっていない若人が目の前にいるのなら、なじるでなく、相手の中にあるその人のやりたいことの種を探ればいいじゃない、聞き出せばいいじゃない。なんで叱られなきゃいけないのよ。しかも最後はこっちに丸投げしてるし!」
頭をがりがり掻いてイライラしたように歩き回る姿は熊のようだ。しかし、その様子を見ていたらこちらの方が落ち着いてきた。
「将来の夢が決まってないって……お母さんもそうだったの?」
「私の場合はもっとひどいわよ。高校が大学附属だったから成績で振り分けられた推薦枠で、なんとなく決めたんだもの。他の選択肢が情報工学部とか歯学部とかだったから、消去法で建築学部選んだだけ」
「うわぁ、将来建築家になりたいという子に言ったらダメな消極的な夢の選び方だね」
「世の中そんなもんよ」
てきぱきとジーンズとタートルネックのヒートテックとラフな格好に着替えた母は、今度は上着に丁寧にブラッシングをしたり、外したアクセサリーを磨いている。
この後で仕事があるとは言っていたけれど、どうやら今日は家で仕事を片付けるらしいとその様子を見てわかった。
「人間なんてできることしかできないの。知らないことはできないの。まだ生きてる時間短いのに、自分がやってきたことの中から、やりたいことを選び抜くって結構難しいことじゃない? そんなのほいほいできるもんじゃないじゃないわよ。それをなんでまだ時間ある二年の段階でやらせようとすんの? ギリギリまで悩めばいいじゃない。しかもあれ、貴方の希望を聞いているようでいて、大学に行かせる以外の選択肢出してなかったじゃない。それが腹立つのよぉ」
「はぁ……うち、進学校だからねえ……」
そのまま冷蔵庫まで歩いていくと麦茶を取り出している。そのまま私の方にも麦茶を注いでくれた。こういう娘を思いやる冷静な行動と怒りは別物のようだ。
「私は幸い、そういうことを許される環境と時代にいただけというのもあるけどね。ま、選択肢が多すぎると選べないこともあるから、あんまり深く悩まないようにね。人生の先輩から言えることなんてそれだけ」
「でも、みんなもう志望校決めて勉強してんだよね……」
アズサのように、早い段階でちゃんと将来を決めて走り出している人もいる。それが自分が望んだわけではないお仕着せの夢だとしても、それはそれで立派な彼女の夢で、私はそれでも羨ましいと思う時があるのに。
みんなに好きにしていいよ、と言われる度にどうしたらいいのかわからなくなる。
あんまり自由すぎるのは何も与えられていないのと同じ、なんて言ったら、贅沢だと笑われるだろう。
経済的に恵まれていて、親が身をもってやりたいことしかやらない人達で。
なのに自分は彼らのような明確な目標がない。
「祥ちゃん、いいこと教えてあげるわ」
「なに?」
「夢なんてね、大人になってからでも叶うのよ。大人になってからやりたいこと見つければいいの」
「はぁ……」
父はともかく、母の見つけたやりたいこととはなんだろうか。
適当に入ったはずの大学で、そこで得た資格でもって母は今、仕事をしている。それは決してそれしかないからというようなネガティブな発想で選んだわけではないだろうに。
「子供のうちに夢を決めていたら、その夢にやりたいことが引っ張られて、挫折した時になにも残らないわよ?」
「そうなの?」
「だって考えてもみてよ。野球選手になりたいと思ったら野球ばっかりしちゃうでしょ? もしかしたらゴルフの方に才能あったかもしれない。絵を描く方が向いていたかもしれないのに、そっちに視界も思考も行かなくなっちゃう。なんでもかんでも貪欲にやってみて、そして最後にやりたいことを選ぶ、でいいんじゃないの?」
「でもさ、それだとスタートダッシュ遅くて遠回りじゃない? 早い段階で見つけてそれに邁進した方が結局近道なのでは?」
「あのねえ……」
母はわかってないわねえ、といわんばかりに首を振る。その態度はなかなかに腹が立つが。
「遅くて何が悪いの? 若いうちにスタートして衰えたら引退するのが多いアスリートの例えだからわかりにくいだけかもしれないけど、野球で食ってくのは何もプロの野球選手だけじゃないじゃない。野球に使う道具を売るでもよし、バッティングセンターの経営者になるでもよし。職業なんて単なる食べてく手段じゃないの? なんでそんな限定した夢持つ必要あるのよ。自分が好きなことに触れて食べていけばよくない?」
麦茶を飲み干すと母はグラスを手早く洗って手を拭いた。
「怠惰に生きるもよし、強欲に生きるもよし。なーんか世の中他人が決めてる生き方をそんなもんだと受け止めてる人多くない? 要領よく生きるやり方ばかりが蔓延してるけど、私はそういうのがすごく嫌よ。それを子供達に当たり前だと言わんばかりに押し付けてのも許せない……まぁ、学校の先生なんて、大体、教育学部出て教職取って採用試験通って先生になってんでしょ? 他の生き方知らないから、一番ハズレがなさそうな道を勧めてくれるんだろうけどね……」
それはそれで間違ってはないのだけれど、それがみんなの正解になるわけじゃない。
確かに母の言い分は間違ってはないが、先生に求めすぎている気がして、気の毒にもなる。
「そうじゃなくても生きていけるって、我が家には枠にとらわれない前例がいるからね」
「お父さんか」
「正解」
もう顔も朧気になってしまった実父の顔を思い浮かべてため息をついた。
「お母さん、結婚してからお父さんみたいにあんな我儘に生きてても世の中なんとかなるんだなって知ったんだもの。大人になって、結婚という経験を得て、ようやく知ったことだってあるわけなんだから、二十年も生きてないあんたがわからなくてもいいんじゃない? もっとも、適当な大学に入って企業に勤めて~というルートも悪いわけではないんだから。ただし」
そういうと母は私の肩をぽんと叩き、晴れやかに笑って言った。「向いてるかどうかは別」と。
「……なんか向いてないとでもいいそうなんだけど」
私が苦虫をかみつぶしたような顔で言っているのに。
「諦めなさい。貴方は克哉さんの娘よ」
母はとてもいい笑顔だ。
血の繋がりがあるのは理解しているが、理解したくない感情が出てくる。
「私はこの家の良心のつもりなんだけどな。それにお母さんの娘でもあるんだよ?」
「ならますます、何かの歯車になるのって向いてないじゃない」
母はそう言うと、自分のことわかってないわね、とケタケタ笑いながら書斎に入っていってしまった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。

〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる