9 / 15
第九話 陛下の召喚状
しおりを挟む
公務の参加の拒否を決め込み、王宮に行かずに自宅でのんびりすること一週間。
その間にも毎日のようにセリス殿下から、手紙が届いていた。内容は開かなくてもわかるから放置するが。
大体、本当に困りそうなものだけは、ちゃんとセリス様に引き継いだのだ。あの時に人の話を聞いてなかったのは彼が悪い。
私が城に出向かなくて困っているというのなら、彼が私の元に来ればいい。なのに一度たりとも彼が屋敷に来ないのは、お父様が怖いのだろう。少々のきまり悪さもあるのかもしれないが。
婚約はしていても、あくまでも結婚するまでは私は当家の娘という態度を崩させず、セリス殿下に対しても、父は馴れなれしい態度をとらせることを許さなかった。父の目の届く範囲内では。
礼儀正しくはあっても厳しい公爵閣下に幼い頃から圧力を掛けられていて、王太子といえど、セリス様はいまだに父に苦手意識があるようだ。
具合が悪いなどと言って、他の誘いに関してものらりくらりと侍女に代筆をさせていたが、とうとう王宮から呼び出しを受けた。
王の名も書かれ、父にも同席を求めている正式な書簡での召喚状で、玉璽の印も押されている。
陛下から直接の呼び出しに、はしたなくも、にやりと笑ってしまった。
ようやく狙っていた獲物がかかった、と。
私が完全に王宮に顔を出さなくなったということで、公式行事の運営や予定されていた公務に不都合も発生しだしたのだろう。
女性の方が向いている公務もある。それなのにこの国の王室はただでさえ人数が少なく、その上一人はほとんど仕事をしない。私の穴は大きいはずなのを承知の上でのボイコットだったのだから。
城下に広まる噂に黙っていられなくなったのかもしれないが、たった一週間で音を上げたのかと思えば情けない。
呼ばれた日時を確認すれば、父とも相談をし、了承したと返事をしたためる。
もっともどんな用事よりも優先されることなので、父の意思とは関係がない部分もあるのだが。
「お忙しい陛下のお時間を使うのですもの。ちゃんと結果を出さないとね」
こんなに心躍り、時がたつのが待ちきれないのはいつぶりだろうか、と弾んだ気持ちでいっぱいになった。
*********
王に呼ばれた当日。
慣れた足取りで王宮に入るが、広い謁見の間に足を運ぶのは、久しぶりだ。
毎日のように訪れていた王宮でも、普段は私的な空間に出入りする方が多かったから、このような公的な場所に入るのは公務の時に諸外国の外交官を受け入れる時くらいだろうか。
それくらい王宮は私には第二の家のようなものだった。
今回はいつものようにはいかないので、王からの召喚状を見せ、見知った近衛騎士の先導を受けて入っていくが。真面目腐ったような彼らの顔を見て、ちゃんと仕事してるわね、と上から目線で思ってしまった。
父を後ろに従えて歩いていれば、先に謁見の間に入っていた人が振り返り、それがセリスだとすぐにわかる。
やはり、セリス殿下も呼ばれていたらしい。
頭を下げて挨拶をするが、憤懣やるかたないといった顔で睨んでくる。
しかし父が隣にいることで、いつものように私に怒りをぶつけることもできずにいるようだ。
「ここ最近はゆっくりと邸宅で過ごしていたようだね、ラナ。さぞかし疲れもとれたことだろう」
よく言えば素直、悪く言えば直情な彼にしては婉曲的な嫌味を言ってくる。しかし、そんなのは私には通じない。
「ええ、とってものんびりとさせていただきましたわ。何年もずっと私がしなくてもいい仕事までしていましたからね。やはり、自分のことは自分でやるという当然のことを覚えないと人は成長いたしませんわね、セリス様」
私がいう露骨な当てこすりに、お父様が「ん?」と私とセリス様を見つめるが、なんでもない、とほほ笑んで交わす。
父の視線を意識しつつも、セリス様は小さな声で続けて話しかけてきた。
「最近皆が冷たいんだが、そなたが何か私の悪口でも言って回っているのか?」
「そんな品のないことを、公爵家の娘の私がするとでも? 大体私はここのところはずっと自邸にいましたし。私がいなくなって、本当の殿下というものを皆が知っただけでしょうね、きっと」
「なんの話だ?」
「全然気づいてないでしょうからね、殿下は」
露骨にため息をついて見せるが、そのため息の嫌味すらも分からずにいるのだろう。
殿下の直接すぎる言葉や、思いやりに欠けた言葉に傷ついた友人や家臣に、本当の殿下のお気持ちはこうなのですよとフォローしたり、殿下はああいいますが、本当は貴方を信頼していますよ、とか、そういう取り成しをしていたのは誰だと思っているのだろう。陰で摩擦が起きないよう配慮し、どれだけ気を使っていたことやら。
その後でもきっちりと、殿下に注意をしていたのだけれど、聞き流されていたようだ。
「今までは私には殿下の未来に責任が少なくともございました。しかし、その責任がなくなった今、殿下のその尻ぬぐいをするのは私の役目ではないのですからね」
「尻ぬぐい……、そなたは今まで私のことをそう思っていたのか」
「それ以外のなんだと思っていたのですか?」
ああ、あんなに何度も注意するように言っていたのに、わかってなかったのだ、と思うとそれだけで疲労が増す。王太子として貴族以上に人から見られているという意識を持てと教えていたのに。
もう彼と話す気も失せてしまい、この謁見の間に呼ばれているのは他に誰だろうと想像をすることにした。
王の座する場に近いところに配置された人の方が身分が高くなる。入口近くは下座。左右に分かれて王の入場を待つ。
次に入ってきた者たちが、ドアに近いところに立っているので、貴族にしては身分の低いものとわかり、状況からしてエレーナ嬢とその父の男爵だろうと思われる。
噂のエレーナ嬢。長い見事な赤毛に白い肌に甘い顔立ちかと思えばきりっとしたきつめな目元。
評判では聞いていたけれど、遠目から見てもやはり美しい娘だなと思う。
どちらかというと、自分の魅せ方を心得ているというか。
聞いた限りでは派手な服装を好むと思われていたが、今日は濃紺の拡がりの少ないドレスで、大人しい服装だと思わされた。
彼女は目線を床に落として固まったように身じろぎ一つしなかった。
その後にも文官や近衛兵が数人入ってきた後に、王と王妃が入場された。
その間にも毎日のようにセリス殿下から、手紙が届いていた。内容は開かなくてもわかるから放置するが。
大体、本当に困りそうなものだけは、ちゃんとセリス様に引き継いだのだ。あの時に人の話を聞いてなかったのは彼が悪い。
私が城に出向かなくて困っているというのなら、彼が私の元に来ればいい。なのに一度たりとも彼が屋敷に来ないのは、お父様が怖いのだろう。少々のきまり悪さもあるのかもしれないが。
婚約はしていても、あくまでも結婚するまでは私は当家の娘という態度を崩させず、セリス殿下に対しても、父は馴れなれしい態度をとらせることを許さなかった。父の目の届く範囲内では。
礼儀正しくはあっても厳しい公爵閣下に幼い頃から圧力を掛けられていて、王太子といえど、セリス様はいまだに父に苦手意識があるようだ。
具合が悪いなどと言って、他の誘いに関してものらりくらりと侍女に代筆をさせていたが、とうとう王宮から呼び出しを受けた。
王の名も書かれ、父にも同席を求めている正式な書簡での召喚状で、玉璽の印も押されている。
陛下から直接の呼び出しに、はしたなくも、にやりと笑ってしまった。
ようやく狙っていた獲物がかかった、と。
私が完全に王宮に顔を出さなくなったということで、公式行事の運営や予定されていた公務に不都合も発生しだしたのだろう。
女性の方が向いている公務もある。それなのにこの国の王室はただでさえ人数が少なく、その上一人はほとんど仕事をしない。私の穴は大きいはずなのを承知の上でのボイコットだったのだから。
城下に広まる噂に黙っていられなくなったのかもしれないが、たった一週間で音を上げたのかと思えば情けない。
呼ばれた日時を確認すれば、父とも相談をし、了承したと返事をしたためる。
もっともどんな用事よりも優先されることなので、父の意思とは関係がない部分もあるのだが。
「お忙しい陛下のお時間を使うのですもの。ちゃんと結果を出さないとね」
こんなに心躍り、時がたつのが待ちきれないのはいつぶりだろうか、と弾んだ気持ちでいっぱいになった。
*********
王に呼ばれた当日。
慣れた足取りで王宮に入るが、広い謁見の間に足を運ぶのは、久しぶりだ。
毎日のように訪れていた王宮でも、普段は私的な空間に出入りする方が多かったから、このような公的な場所に入るのは公務の時に諸外国の外交官を受け入れる時くらいだろうか。
それくらい王宮は私には第二の家のようなものだった。
今回はいつものようにはいかないので、王からの召喚状を見せ、見知った近衛騎士の先導を受けて入っていくが。真面目腐ったような彼らの顔を見て、ちゃんと仕事してるわね、と上から目線で思ってしまった。
父を後ろに従えて歩いていれば、先に謁見の間に入っていた人が振り返り、それがセリスだとすぐにわかる。
やはり、セリス殿下も呼ばれていたらしい。
頭を下げて挨拶をするが、憤懣やるかたないといった顔で睨んでくる。
しかし父が隣にいることで、いつものように私に怒りをぶつけることもできずにいるようだ。
「ここ最近はゆっくりと邸宅で過ごしていたようだね、ラナ。さぞかし疲れもとれたことだろう」
よく言えば素直、悪く言えば直情な彼にしては婉曲的な嫌味を言ってくる。しかし、そんなのは私には通じない。
「ええ、とってものんびりとさせていただきましたわ。何年もずっと私がしなくてもいい仕事までしていましたからね。やはり、自分のことは自分でやるという当然のことを覚えないと人は成長いたしませんわね、セリス様」
私がいう露骨な当てこすりに、お父様が「ん?」と私とセリス様を見つめるが、なんでもない、とほほ笑んで交わす。
父の視線を意識しつつも、セリス様は小さな声で続けて話しかけてきた。
「最近皆が冷たいんだが、そなたが何か私の悪口でも言って回っているのか?」
「そんな品のないことを、公爵家の娘の私がするとでも? 大体私はここのところはずっと自邸にいましたし。私がいなくなって、本当の殿下というものを皆が知っただけでしょうね、きっと」
「なんの話だ?」
「全然気づいてないでしょうからね、殿下は」
露骨にため息をついて見せるが、そのため息の嫌味すらも分からずにいるのだろう。
殿下の直接すぎる言葉や、思いやりに欠けた言葉に傷ついた友人や家臣に、本当の殿下のお気持ちはこうなのですよとフォローしたり、殿下はああいいますが、本当は貴方を信頼していますよ、とか、そういう取り成しをしていたのは誰だと思っているのだろう。陰で摩擦が起きないよう配慮し、どれだけ気を使っていたことやら。
その後でもきっちりと、殿下に注意をしていたのだけれど、聞き流されていたようだ。
「今までは私には殿下の未来に責任が少なくともございました。しかし、その責任がなくなった今、殿下のその尻ぬぐいをするのは私の役目ではないのですからね」
「尻ぬぐい……、そなたは今まで私のことをそう思っていたのか」
「それ以外のなんだと思っていたのですか?」
ああ、あんなに何度も注意するように言っていたのに、わかってなかったのだ、と思うとそれだけで疲労が増す。王太子として貴族以上に人から見られているという意識を持てと教えていたのに。
もう彼と話す気も失せてしまい、この謁見の間に呼ばれているのは他に誰だろうと想像をすることにした。
王の座する場に近いところに配置された人の方が身分が高くなる。入口近くは下座。左右に分かれて王の入場を待つ。
次に入ってきた者たちが、ドアに近いところに立っているので、貴族にしては身分の低いものとわかり、状況からしてエレーナ嬢とその父の男爵だろうと思われる。
噂のエレーナ嬢。長い見事な赤毛に白い肌に甘い顔立ちかと思えばきりっとしたきつめな目元。
評判では聞いていたけれど、遠目から見てもやはり美しい娘だなと思う。
どちらかというと、自分の魅せ方を心得ているというか。
聞いた限りでは派手な服装を好むと思われていたが、今日は濃紺の拡がりの少ないドレスで、大人しい服装だと思わされた。
彼女は目線を床に落として固まったように身じろぎ一つしなかった。
その後にも文官や近衛兵が数人入ってきた後に、王と王妃が入場された。
324
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします
ほーみ
恋愛
その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。
そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。
冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。
誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。
それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。
だが、彼の言葉は、決定的だった。
「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」
「身分が違う」って言ったのはそっちでしょ?今さら泣いても遅いです
ほーみ
恋愛
「お前のような平民と、未来を共にできるわけがない」
その言葉を最後に、彼は私を冷たく突き放した。
──王都の学園で、私は彼と出会った。
彼の名はレオン・ハイゼル。王国の名門貴族家の嫡男であり、次期宰相候補とまで呼ばれる才子。
貧しい出自ながら奨学生として入学した私・リリアは、最初こそ彼に軽んじられていた。けれど成績で彼を追い抜き、共に課題をこなすうちに、いつしか惹かれ合うようになったのだ。
「婚約破棄だ」と笑った元婚約者、今さら跪いても遅いですわ
ゆっこ
恋愛
その日、私は王宮の大広間で、堂々たる声で婚約破棄を宣言された。
「リディア=フォルステイル。お前との婚約は――今日をもって破棄する!」
声の主は、よりにもよって私の婚約者であるはずの王太子・エルネスト。
いつもは威厳ある声音の彼が、今日に限って妙に勝ち誇った笑みを浮かべている。
けれど――。
(……ふふ。そう来ましたのね)
私は笑みすら浮かべず、王太子をただ静かに見つめ返した。
大広間の視線が一斉に私へと向けられる。
王族、貴族、外交客……さまざまな人々が、まるで処刑でも始まるかのように期待の眼差しを向けている。
【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。
西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。
私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。
それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」
と宣言されるなんて・・・
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる