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第十八話 婚約前の恋
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「さっさと吐け」
アレックスが借りた部屋に入って扉を閉めるなり、お兄様に睨みつけられた。そんな銀縁眼鏡の向こうからの鋭い視線には、私とアレックスは目をそらし、ロナードはにこにこと受け止めていたが。
なぜ、我が兄ながらこんなに猜疑心が強いのだろうか。そんなに私たち三人のイメージは兄の中で悪いのだろうか。……仕方ないかもしれないけれど。
「ねえ、リチャード兄ってさ、リンダの婚約者のヘンリーのこと、どう思ってんの?」
「嫌いだね」
兄からしたら突拍子もない質問だったはずのロナードからの問いかけに、思った以上にばっさりとした即答が返ってきた。それこそ間髪入れず。
「それってどうして?」
「あの軽薄なところも、自分を賢いと勘違いして傍若無人にふるまっているところもな。そんなやつが義弟になるのははなはだ嫌でしかないんだが、それを含めて父上が許しているから仕方がないんだが」
よほど嫌いらしい。しかし、兄はともかく、父がヘンリーの裏の顔を知っているような言い方に驚いた。
「え? お父様はわかっててヘンリー様と私を婚約させているんですか?」
「そりゃそうだろ。あの人が知らないわけないだろうからね」
確かに。そう考えた方が納得がいくのは確かだ。
となると、完全に自分は父の駒として扱われているのか。
この結婚がアナルトー家のための政略的なものだったのならまだ許せるのだが、父の趣味のための結婚だとしたら許せない。絶対に。
「お前は知らなかったみたいだったから言わなかっただけだが……気付いたのか?」
兄が差しているのは、ヘンリーの悪い噂のどれのことを言っているのだろう。わからなかったが、頷いておいた。
「はい」
「あの男を見捨てるというのなら、俺も協力するからな。あのくそオヤジに一泡吹かせてやりたいし」
凶悪な顔をしている兄に苦笑いしかできない。本当に父と兄は仲が悪い。知っていたけれど。
「ヘンリー様に一泡吹かせるだけではすまないです。社会的に抹殺したいですし」
私が笑顔でそう言えば、兄が何か見てはいけないものを見たような顔をして私を見ていた。
「……そ、そうか。死なない程度にな。……で、俺を巻き込むためだけに、ここで俺を張ってたのか? 何かまた、どうせ下らないこと仕掛けに来たんだろ」
実際、単なる口実に兄の名前を出しただけなのだが、一向に警戒を解いてくれない。運よく仲間に引き込めそうな状況にはなっただけで。
時間的にもそろそろここを離れた方がいいのではと思っていたら、ロナードが愛想よく笑って首を振っていた。
「ううん、そんなことはないよ。まさかリチャード兄にいい人がいるだなんて、僕たち気づいてないから安心してね。じゃあ、楽しんできて」
「なっ!」
ロナードのさりげない言葉をうっかり聞き逃しそうになって、数瞬後に気づいて振り返る。
え!?
そんな私をぐいぐいと、ロナードは扉の方に押しやる。私だけでなく、アレックスも追い立てられているが。
「じゃ、帰ろうか~。もう遅い時間だからね~」
「そんなに押すな。自分で歩ける。じゃあな、リチャード。部屋の鍵の返却は頼むぞ」
むっとしたような顔のアレックスだったが、持っていたこの部屋の鍵をドアの傍のテーブルに置くと、ロナードに押し出されるまま出ていった。
「なんでリチャードに恋人がいるってわかったんだ?」
「安定の鈍さだよね、アレックス……」
廊下を歩きながらたずねてくるアレックスに、ロナードがふぅ、とため息をつく。
アレックスだけでなく私も驚いているのは顔に出さず、わかっていたわよ、とばかりにすましてロナードの話に耳を傾けた。
「用事がないって言ってるのに、一緒に帰ろうっていったら拒むなんて、この後、用事があるからここに来たに決まってんじゃん。人に言えない用事なんだなーって思って。この後、デートする予定なんじゃないの? 相手が誰とかは知らないけど」
結構、ここ、男の園である馬術倶楽部を浮気などの隠れみのに使っている人は多いのは有名だ。ここにいるという風に装ってアリバイを作って、その後で逢引きに行くのだ。
そういうことは知っていても、まさか自分の兄がそういう利用をしているなんて、まるで思わなかった。
「あのお固いお兄様を落とした女性……将来の義姉になる人かしら」
「えー、まさかぁ。伯爵家に嫁入りするなら、ちゃんと正規の手続きを踏んでから交際するでしょ。あのリチャード兄の結婚前の情熱的な最後の恋ってやつじゃないの? ちょっと驚くけど」
「それ……ヘンリーもそうしてるってこと?」
最後の思い出作りの恋……それは本人たちにとっては麗しい記憶になるのかもしれないけれど、それに心を痛める存在がいると思わないのだろうか。
「リチャード兄はまだ誰とも婚約してないだろ? 婚約してから遊び出すのと、婚約前に好きな人がいるのは違う話だと思うけど」
「そりゃそうだけど」
しかし……婚約して、そして結婚しても、その最後の恋の相手が忘れられない存在になってしまってしまったら、たとえ結婚しても、誰も幸せにはなれないと思うのだけれど。
「僕はそういうのができないから、最初から結婚しないって決めたよ」
「……」
貴族の結婚は家の利益が最優先されるから。
確かに結婚という形をとるだけだったら、女性と結婚して家門を守ることを、ロナードだってできたはずだ。しかしそれができなかったから、彼は弟に家督を譲り、ある意味スキャンダルのような形をとってでも、自分の意思を通したのだ。
私とロナードの話を黙って聞いていたアレックスが口を開く。
「それなら、相手と結婚をすることにしがらみがなく、問題もない場合は、最初に好きになった相手と結婚するのが一番問題なく幸せになれるということじゃないか?」
「それが出来ればね。貴族の家督問題とか、派閥争いとか関係なければの話。それと、相手が自分のことを好きであるということが必要だけどね? そこわかってる?」
「なんでそんな当たり前のことを俺は言われているんだ……」
「アレックスは、そういうこと気づかなさそうだからじゃない?」
言い合う二人に首を突っ込むように私がからかうと、アレックスはふん、と鼻を鳴らす。そしてじっと私を見つめてきた。
「好きな相手に自分を好きになってもらうのはそんなに難しいことなのか?」
聞きようによってはものすごい自信家発言だ。しかし、彼の場合は天然も交じっているだろうと思う。実際彼が女性に人気があるのを知っている自分からしたら複雑なのだけれど。
アレックスが馬に乗っている姿はまるで飛んでいるかのようで、人目を奪っているのは事実だからだ。
「私に訊かないでよ」
私は一番、その質問に答えるのにふさわしい人間ではない。だってもう、アレックスを好きである人間は答えようがないではないか。
「それは相手によるでしょ。その人が他の誰かをどうしようもなく好きだったりしたらどうしようもないし」
「リンダにはそういう相手はいるのか?」
「……本当にいたりしたら、駆け落ちしてたかもしれないわね」
要するにいない、と暗に答えて。冗談っぽく乾いた笑いを立てたのに、なぜかアレックスが手で顔を隠している。
「どうしたの?」
「いや、……ほっとしただけだ」
「おーい、早く馬車に乗りなよ」
話し込んでしまった私たちに、ロナードが促す。ごめんごめんと謝りながら、ロナードの馬車に乗り込む頃には、もう先ほどしていた話など、私は忘れてしまっていた。
そして、話のネタにしているだけだった兄の恋人が、私の婚約破棄問題に大きく関わっていたなど、その時は誰も……兄本人も思っていなかったのだ。
アレックスが借りた部屋に入って扉を閉めるなり、お兄様に睨みつけられた。そんな銀縁眼鏡の向こうからの鋭い視線には、私とアレックスは目をそらし、ロナードはにこにこと受け止めていたが。
なぜ、我が兄ながらこんなに猜疑心が強いのだろうか。そんなに私たち三人のイメージは兄の中で悪いのだろうか。……仕方ないかもしれないけれど。
「ねえ、リチャード兄ってさ、リンダの婚約者のヘンリーのこと、どう思ってんの?」
「嫌いだね」
兄からしたら突拍子もない質問だったはずのロナードからの問いかけに、思った以上にばっさりとした即答が返ってきた。それこそ間髪入れず。
「それってどうして?」
「あの軽薄なところも、自分を賢いと勘違いして傍若無人にふるまっているところもな。そんなやつが義弟になるのははなはだ嫌でしかないんだが、それを含めて父上が許しているから仕方がないんだが」
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「え? お父様はわかっててヘンリー様と私を婚約させているんですか?」
「そりゃそうだろ。あの人が知らないわけないだろうからね」
確かに。そう考えた方が納得がいくのは確かだ。
となると、完全に自分は父の駒として扱われているのか。
この結婚がアナルトー家のための政略的なものだったのならまだ許せるのだが、父の趣味のための結婚だとしたら許せない。絶対に。
「お前は知らなかったみたいだったから言わなかっただけだが……気付いたのか?」
兄が差しているのは、ヘンリーの悪い噂のどれのことを言っているのだろう。わからなかったが、頷いておいた。
「はい」
「あの男を見捨てるというのなら、俺も協力するからな。あのくそオヤジに一泡吹かせてやりたいし」
凶悪な顔をしている兄に苦笑いしかできない。本当に父と兄は仲が悪い。知っていたけれど。
「ヘンリー様に一泡吹かせるだけではすまないです。社会的に抹殺したいですし」
私が笑顔でそう言えば、兄が何か見てはいけないものを見たような顔をして私を見ていた。
「……そ、そうか。死なない程度にな。……で、俺を巻き込むためだけに、ここで俺を張ってたのか? 何かまた、どうせ下らないこと仕掛けに来たんだろ」
実際、単なる口実に兄の名前を出しただけなのだが、一向に警戒を解いてくれない。運よく仲間に引き込めそうな状況にはなっただけで。
時間的にもそろそろここを離れた方がいいのではと思っていたら、ロナードが愛想よく笑って首を振っていた。
「ううん、そんなことはないよ。まさかリチャード兄にいい人がいるだなんて、僕たち気づいてないから安心してね。じゃあ、楽しんできて」
「なっ!」
ロナードのさりげない言葉をうっかり聞き逃しそうになって、数瞬後に気づいて振り返る。
え!?
そんな私をぐいぐいと、ロナードは扉の方に押しやる。私だけでなく、アレックスも追い立てられているが。
「じゃ、帰ろうか~。もう遅い時間だからね~」
「そんなに押すな。自分で歩ける。じゃあな、リチャード。部屋の鍵の返却は頼むぞ」
むっとしたような顔のアレックスだったが、持っていたこの部屋の鍵をドアの傍のテーブルに置くと、ロナードに押し出されるまま出ていった。
「なんでリチャードに恋人がいるってわかったんだ?」
「安定の鈍さだよね、アレックス……」
廊下を歩きながらたずねてくるアレックスに、ロナードがふぅ、とため息をつく。
アレックスだけでなく私も驚いているのは顔に出さず、わかっていたわよ、とばかりにすましてロナードの話に耳を傾けた。
「用事がないって言ってるのに、一緒に帰ろうっていったら拒むなんて、この後、用事があるからここに来たに決まってんじゃん。人に言えない用事なんだなーって思って。この後、デートする予定なんじゃないの? 相手が誰とかは知らないけど」
結構、ここ、男の園である馬術倶楽部を浮気などの隠れみのに使っている人は多いのは有名だ。ここにいるという風に装ってアリバイを作って、その後で逢引きに行くのだ。
そういうことは知っていても、まさか自分の兄がそういう利用をしているなんて、まるで思わなかった。
「あのお固いお兄様を落とした女性……将来の義姉になる人かしら」
「えー、まさかぁ。伯爵家に嫁入りするなら、ちゃんと正規の手続きを踏んでから交際するでしょ。あのリチャード兄の結婚前の情熱的な最後の恋ってやつじゃないの? ちょっと驚くけど」
「それ……ヘンリーもそうしてるってこと?」
最後の思い出作りの恋……それは本人たちにとっては麗しい記憶になるのかもしれないけれど、それに心を痛める存在がいると思わないのだろうか。
「リチャード兄はまだ誰とも婚約してないだろ? 婚約してから遊び出すのと、婚約前に好きな人がいるのは違う話だと思うけど」
「そりゃそうだけど」
しかし……婚約して、そして結婚しても、その最後の恋の相手が忘れられない存在になってしまってしまったら、たとえ結婚しても、誰も幸せにはなれないと思うのだけれど。
「僕はそういうのができないから、最初から結婚しないって決めたよ」
「……」
貴族の結婚は家の利益が最優先されるから。
確かに結婚という形をとるだけだったら、女性と結婚して家門を守ることを、ロナードだってできたはずだ。しかしそれができなかったから、彼は弟に家督を譲り、ある意味スキャンダルのような形をとってでも、自分の意思を通したのだ。
私とロナードの話を黙って聞いていたアレックスが口を開く。
「それなら、相手と結婚をすることにしがらみがなく、問題もない場合は、最初に好きになった相手と結婚するのが一番問題なく幸せになれるということじゃないか?」
「それが出来ればね。貴族の家督問題とか、派閥争いとか関係なければの話。それと、相手が自分のことを好きであるということが必要だけどね? そこわかってる?」
「なんでそんな当たり前のことを俺は言われているんだ……」
「アレックスは、そういうこと気づかなさそうだからじゃない?」
言い合う二人に首を突っ込むように私がからかうと、アレックスはふん、と鼻を鳴らす。そしてじっと私を見つめてきた。
「好きな相手に自分を好きになってもらうのはそんなに難しいことなのか?」
聞きようによってはものすごい自信家発言だ。しかし、彼の場合は天然も交じっているだろうと思う。実際彼が女性に人気があるのを知っている自分からしたら複雑なのだけれど。
アレックスが馬に乗っている姿はまるで飛んでいるかのようで、人目を奪っているのは事実だからだ。
「私に訊かないでよ」
私は一番、その質問に答えるのにふさわしい人間ではない。だってもう、アレックスを好きである人間は答えようがないではないか。
「それは相手によるでしょ。その人が他の誰かをどうしようもなく好きだったりしたらどうしようもないし」
「リンダにはそういう相手はいるのか?」
「……本当にいたりしたら、駆け落ちしてたかもしれないわね」
要するにいない、と暗に答えて。冗談っぽく乾いた笑いを立てたのに、なぜかアレックスが手で顔を隠している。
「どうしたの?」
「いや、……ほっとしただけだ」
「おーい、早く馬車に乗りなよ」
話し込んでしまった私たちに、ロナードが促す。ごめんごめんと謝りながら、ロナードの馬車に乗り込む頃には、もう先ほどしていた話など、私は忘れてしまっていた。
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