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第九話 くまのぬいぐるみ
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「アレックスの方はテレーゼに何かした?」
「人形が嫌いだと聞いたような気がしたから、人形を贈っておいた」
なるほど。人形を嫌う人は意外といるものだ。夜中に動き出しそうだからとかで、自分も幼い頃は苦手だったような気がする。特に生きているみたいに精巧すぎるビスクドールとかは今でも苦手だったり。
「なんの人形? どういうやつ選んだの?」
無骨なアレックスがどんな人形を選んだのかと思えば気になるので何気なく聞いたら。
「耳にタグついてる熊のやつ。結構いい値段したな」
「くま!? おい、それは人形ではなく、ぬいぐるみだよ!」
「そうなのか?」
ロナードと二人して頭を抱えた。人形とぬいぐるみの区別すらしてない人間がいるとは。
興味がなかったらそんなものかもしれないが。
「ぬいぐるみっていうのは、動物とかの形で、中に綿とか詰めてる布でできてるやつのことだよ。人形は人間の形してるやつ。ほら、肌が陶製でできてて飾るやつとかもあるだろ?」
「ほう、なるほど。全部同じに見えた」
くまと人が同じに見えるなら、それはもう病院に行った方がいいレベルの認識なのだけれど、ちゃんと説明しておかなかった自分たちも悪かったとため息をついた。
「やばいなー、そこのメーカーはコレクターアイテムとしても人気あるから、好感度上がっているかもな」
テレーゼが嫌うのが人形だけでなく、ぬいぐるみも嫌っていたり、いい歳して可愛いクマのぬいぐるみをもらったということに憤慨するタイプならいいのだけれど、そうであるとは限らないのが困る。
「テレーゼがヘンリーと手を切って何事もなかったかのように、アレックスの元に来られるのも不愉快よね」
私がそう言ったら、なぜかアレックスが無表情になってロナードが咳払いをしている。どうしたのだろう。
そうならないようにフォローをしなければ、と思えばロナードが髪をかき上げて、こうしよう、と言い出した。
「じゃあ、名前を伏せた贈り物だけれどヘンリーからっぽい感じの何かを、テレーゼに贈って、テレーゼのヘンリーへの好感度を無駄に稼いでおこうよ」
「そんなことして、テレーゼがヘンリーにお礼でも言ったらどうするんだ?」
その時点で、嘘がばれると心配そうな顔をするアレックスにロナードが指を振る。
「あいつだったら、誤解で喜ばれているのだとわかっても訂正しないで、ちゃっかり自分の功績だって風にするよ」
そう上手くいくだろうかといささか不安には思うものの、ロナードはなぜか自信たっぷりだ。
「それに、本当にヘンリーからも別口で何かを送らせるように仕向けて誤認させればいいんだしさ」
「どうやって?」
「ヘンリーは自分の恋人のテレーゼがアレックスの婚約者だと知ってるはずだろ。アレックスとヘンリーが入っている馬術倶楽部の集まりが今度あるから、そこで恋人たちに贈るのに向いた小物の移動販売店を出店させるよ。仲がいい人とか、お世話になっている人とかにも贈れるような簡単で可愛いものをさ。アレックスが隣でテレーゼに対して買ってるのを見たなら、見栄っ張りで対抗心の強いあの男なら、自分もテレーゼにも買うだろうし」
ロナードはちらっと私の方を見る。
「もしかしたら、テレーゼ以外にもヘンリーの女がいるかもしれないから、その買い方で他の女の存在がわかるかもしれない」
なるほど。自分にはそういう発想がなかったから、さすがだと思った。そして、ヘンリーがそこまでゲスだとしても全然なんとも感じないほど、彼に対してもう何とも思っていない自分の醒め方も怖かったが。
「アレックス、テレーゼが好きそうなものってわかるか?」
「いや、まったく……」
「そうだよな、お前はそういう奴だよな……聞いた僕がバカだった」
何度目かわからないようなため息をロナードがついている。
テレーゼの情報がないなら、ヘンリーが渡しそうなものをチョイスするのはいいのでは、と私は今まで彼から貰ったものを思い返してみた。
「そういえば、ヘンリーはこないだ私にガーベラの小じゃれたブーケくれたわよ。女性には花を贈るのが定番なのかも」
むしろ、女には花を贈っておけば喜ぶとでも思ってるパターンじゃないだろうか。
「じゃあ、ヘンリーらしさを出すためにも、花にしておくか?」
「それならちょっとお高めな珍しい薔薇の花を一本贈らない? 珍しい物は取り寄せないと見つからないかもしれないけれど。この花を見たら君の笑顔が思い浮かんだので贈ります、とかカードを添えて」
指をパチンと鳴らして、そうアイディアを出したら、アレックスは首を傾げている。
「そんなのでいいのか? 一本だけなんて地味じゃないか?」
「わかってないわねー。プレゼント自体は大したものじゃないのでいいのよ。それにプラスアルファでつける言葉が良ければ、ぐっとくるの。これのポイントは、常に相手のことを気にかけているから、事ある毎に思い出してしまっているってことを、暗に相手に伝えているのよ。しかも、珍しい薔薇なら花を見慣れている人なら1本でもいい値段するってわかるのよ。確かに花束に比べたら、大した値段じゃないけれど金額以上のインパクトあるわよ。物慣れてない人ならなおさら舞い上がるでしょうね」
「女の子ってそういうのがわかるもんなのか?」
「全員が全員そうとは言い切れないけれど、わかる人ならわかるでしょうね。分からなかったら諦めるしかないけど、ヘンリーから貰ったものだと彼女が誤解すればいいだけだからいいんじゃない?」
世の中には金額が高ければ高いほど喜ぶ世俗的な人間もいるが、ある程度身分のある貴族の娘なら、それなりのものを見慣れているだろうから、量より質を好むと踏んではいる。曲りなりにもテレーゼは貴族の娘なんだし。
「大事なのは、相手から想われているということが伝わることなのだから。いい物を事ある毎にプレゼントしてアピールをする。それが口説くコツよ」
そう言い切れば、アレックスにじっと顔を見つめられた。
「リンダはそういうのに慣れているのか?」
「え? 慣れているわけではないけど、例えばよ、例えば」
「そうか。でも、そういう風に好きだというのをアピールされる方がリンダはぐっとくるんだな」
「え……あ、うん、まぁ、ね」
なんだろう、アレックスが何かを考え込むような顔をしている。
その様子に、なんかそわそわしてしまった。
「覚えておく」
そう言ってアレックスは口をつぐんだ。
「人形が嫌いだと聞いたような気がしたから、人形を贈っておいた」
なるほど。人形を嫌う人は意外といるものだ。夜中に動き出しそうだからとかで、自分も幼い頃は苦手だったような気がする。特に生きているみたいに精巧すぎるビスクドールとかは今でも苦手だったり。
「なんの人形? どういうやつ選んだの?」
無骨なアレックスがどんな人形を選んだのかと思えば気になるので何気なく聞いたら。
「耳にタグついてる熊のやつ。結構いい値段したな」
「くま!? おい、それは人形ではなく、ぬいぐるみだよ!」
「そうなのか?」
ロナードと二人して頭を抱えた。人形とぬいぐるみの区別すらしてない人間がいるとは。
興味がなかったらそんなものかもしれないが。
「ぬいぐるみっていうのは、動物とかの形で、中に綿とか詰めてる布でできてるやつのことだよ。人形は人間の形してるやつ。ほら、肌が陶製でできてて飾るやつとかもあるだろ?」
「ほう、なるほど。全部同じに見えた」
くまと人が同じに見えるなら、それはもう病院に行った方がいいレベルの認識なのだけれど、ちゃんと説明しておかなかった自分たちも悪かったとため息をついた。
「やばいなー、そこのメーカーはコレクターアイテムとしても人気あるから、好感度上がっているかもな」
テレーゼが嫌うのが人形だけでなく、ぬいぐるみも嫌っていたり、いい歳して可愛いクマのぬいぐるみをもらったということに憤慨するタイプならいいのだけれど、そうであるとは限らないのが困る。
「テレーゼがヘンリーと手を切って何事もなかったかのように、アレックスの元に来られるのも不愉快よね」
私がそう言ったら、なぜかアレックスが無表情になってロナードが咳払いをしている。どうしたのだろう。
そうならないようにフォローをしなければ、と思えばロナードが髪をかき上げて、こうしよう、と言い出した。
「じゃあ、名前を伏せた贈り物だけれどヘンリーからっぽい感じの何かを、テレーゼに贈って、テレーゼのヘンリーへの好感度を無駄に稼いでおこうよ」
「そんなことして、テレーゼがヘンリーにお礼でも言ったらどうするんだ?」
その時点で、嘘がばれると心配そうな顔をするアレックスにロナードが指を振る。
「あいつだったら、誤解で喜ばれているのだとわかっても訂正しないで、ちゃっかり自分の功績だって風にするよ」
そう上手くいくだろうかといささか不安には思うものの、ロナードはなぜか自信たっぷりだ。
「それに、本当にヘンリーからも別口で何かを送らせるように仕向けて誤認させればいいんだしさ」
「どうやって?」
「ヘンリーは自分の恋人のテレーゼがアレックスの婚約者だと知ってるはずだろ。アレックスとヘンリーが入っている馬術倶楽部の集まりが今度あるから、そこで恋人たちに贈るのに向いた小物の移動販売店を出店させるよ。仲がいい人とか、お世話になっている人とかにも贈れるような簡単で可愛いものをさ。アレックスが隣でテレーゼに対して買ってるのを見たなら、見栄っ張りで対抗心の強いあの男なら、自分もテレーゼにも買うだろうし」
ロナードはちらっと私の方を見る。
「もしかしたら、テレーゼ以外にもヘンリーの女がいるかもしれないから、その買い方で他の女の存在がわかるかもしれない」
なるほど。自分にはそういう発想がなかったから、さすがだと思った。そして、ヘンリーがそこまでゲスだとしても全然なんとも感じないほど、彼に対してもう何とも思っていない自分の醒め方も怖かったが。
「アレックス、テレーゼが好きそうなものってわかるか?」
「いや、まったく……」
「そうだよな、お前はそういう奴だよな……聞いた僕がバカだった」
何度目かわからないようなため息をロナードがついている。
テレーゼの情報がないなら、ヘンリーが渡しそうなものをチョイスするのはいいのでは、と私は今まで彼から貰ったものを思い返してみた。
「そういえば、ヘンリーはこないだ私にガーベラの小じゃれたブーケくれたわよ。女性には花を贈るのが定番なのかも」
むしろ、女には花を贈っておけば喜ぶとでも思ってるパターンじゃないだろうか。
「じゃあ、ヘンリーらしさを出すためにも、花にしておくか?」
「それならちょっとお高めな珍しい薔薇の花を一本贈らない? 珍しい物は取り寄せないと見つからないかもしれないけれど。この花を見たら君の笑顔が思い浮かんだので贈ります、とかカードを添えて」
指をパチンと鳴らして、そうアイディアを出したら、アレックスは首を傾げている。
「そんなのでいいのか? 一本だけなんて地味じゃないか?」
「わかってないわねー。プレゼント自体は大したものじゃないのでいいのよ。それにプラスアルファでつける言葉が良ければ、ぐっとくるの。これのポイントは、常に相手のことを気にかけているから、事ある毎に思い出してしまっているってことを、暗に相手に伝えているのよ。しかも、珍しい薔薇なら花を見慣れている人なら1本でもいい値段するってわかるのよ。確かに花束に比べたら、大した値段じゃないけれど金額以上のインパクトあるわよ。物慣れてない人ならなおさら舞い上がるでしょうね」
「女の子ってそういうのがわかるもんなのか?」
「全員が全員そうとは言い切れないけれど、わかる人ならわかるでしょうね。分からなかったら諦めるしかないけど、ヘンリーから貰ったものだと彼女が誤解すればいいだけだからいいんじゃない?」
世の中には金額が高ければ高いほど喜ぶ世俗的な人間もいるが、ある程度身分のある貴族の娘なら、それなりのものを見慣れているだろうから、量より質を好むと踏んではいる。曲りなりにもテレーゼは貴族の娘なんだし。
「大事なのは、相手から想われているということが伝わることなのだから。いい物を事ある毎にプレゼントしてアピールをする。それが口説くコツよ」
そう言い切れば、アレックスにじっと顔を見つめられた。
「リンダはそういうのに慣れているのか?」
「え? 慣れているわけではないけど、例えばよ、例えば」
「そうか。でも、そういう風に好きだというのをアピールされる方がリンダはぐっとくるんだな」
「え……あ、うん、まぁ、ね」
なんだろう、アレックスが何かを考え込むような顔をしている。
その様子に、なんかそわそわしてしまった。
「覚えておく」
そう言ってアレックスは口をつぐんだ。
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