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第一章 ここは私の知らない世界
第18話 婚約の意図
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「私は浅学ゆえ知らなかったのですが、その公爵の相続の仕方は、有名な話なのですか?」
「貴族法はともかく、公爵の相続方法が特別なのはあまり知られてないと思います。現在この国の中で公爵家は5つしかないですし、法が制定されてから実際に女系で公爵が伝わったことがあるのはこの家だけですから」
それをなぜ、セイラ先生は知っているの。先生って何者?
ちょっと調べたくらいで、そんな埋もれたような法律って出てこないと思うのだけれど……。
この間忘れていった本といい、相当学問レベルが高いと思うのだけれど。
玄関からそれでは、と頭を下げて出ていこうとしたセイラ先生を思わず引き留めた。
「セイラ先生、お話とお願いがあります」
これが男と女とかなら、とぅんく、とか誤解されるシーンだったかもしれないけれど、私の鬼気迫る顔にセイラ先生も何かを察したようだ。小さく頷くとわかりました、と呟き、視線で私のエプロンのポケットを指す。
どうやら、彼女からもらった手紙の中に、次に会える時間が既に書かれているようだ。
了解、と目で合図して、私は深々と頭を下げる。
「今日も本当にありがとうございました」
シシリーの授業へのお礼というより、私へもらった情報へのお礼を多くのせてのお辞儀となったのだけれど。
階段をのぼりながら、頭の中には「やばい」の字ばかりがぐるぐると回る。
思ったより自分には時間が残されていないかもしれない。
エドガーとメリュジーヌお嬢様の婚約は、二人が幼い頃にもう決まっていたはずだ。
よく考えればまだ、メリュジーヌお嬢様のお母様が存命の頃だったかもしれない。それなのにもうお相手が決まっていたというのは意図的な気がする。
なかなか他の公爵家には生まれない女の子。どうしたって立場的に王族として我が国に嫁いでくる正妃には敵わず、しかし王家を支えるための存在として側妃として嫁がなければならない自分の娘。
将来的に側妃になることが運命づけられるかもしれない娘を危惧して、せめてもの逃げ道として側妃のお達しを断れるかもしれない細い命綱として、エドガーとの婚約を決めていたのかもしれない。
「シシリーお嬢様、エドガー様がいらっしゃっているようですよ」
シシリーの部屋に戻ると、授業が終わり、恒例のお茶をしているみんなに報告をする。
「本当に!? 私、ご挨拶してくるわ」
ぱっと顔を輝かせて、今にも走り出していきそうなシシリーを止めて、腰を浮かせようとするレベッカ達、他の専属メイドを押しとどめた。
「あ、私が行ってくるから、二人はそのままお茶してていいわよ」
休憩してて、と軽くウィンクしながらそう言えば、二人の目に感謝の色が上がった。
そうなんだよ。専属メイドって意外と気を使うんだよ。四六時中、主に目を配らなければいけないからね。
シシリーの後について、エルヴィラの部屋の方に行くが、シシリーはスキップでもしそうな勢いだ。
あんな風なのに、エドガーってここの家の女性陣に好かれているんだよね。なんで?
どこがいいの、あんなのの。
シシリーがメリュジーヌのこと嫌ってるのって、もしかしてエドガーの婚約者だったからとかあるのかなぁ、と思う。
そういうシシリーにはまだお相手が決まっているわけではないが。
この家に出入りする男がアレしかいないから、格好よく見えてるんだろうか。こういう女所帯で父親すら滅多にいないような家では、自分と釣り合う身分の男を見せて合わせておかないと、使用人の男と駆け落ちなんてことにならないだろうかと思う。
メリュジーヌお嬢様に限っては、接触すら稀なので、ありそうにないのだけれど。しかし、エドガーにそっけなかったので、案外男を見る目はあるのではという安心感はあるかな。
「エドガー様、いらっしゃってるって本当?」
ノックとほぼ同時にドアを開けるというお行儀の悪いことをシシリーがする。
中でお茶を飲んでいた二人が、同時にこちらを向いて、エルヴィラの専属メイドが慌ててこちらに飛んでくる。
「まぁ、シシリー、お行儀が悪いわよ」
エルヴィラがじろっと睨んで妹を窘める。
シシリーはごめんなさい、とおどけたように謝るが、このお行儀の悪さはちょっと演技ではないかと睨んでいる。
子供っぽい妹の立場で婚約者同士の二人を邪魔しているのではないかな、というゲスな推理、いわゆるゲ推理かもしれないけど。
「いいじゃないか、少しお話しようよ。おいで、シシリー」
純粋な慕う姿にほだされているのか、エドガーはにこにこしているが、エルヴィラは面白くなさそうな顔をしている。
「リリアンヌ、貴方がシシリーをちゃんと教育しないとダメじゃない。この子ももう13なのよ?」
エルヴィラに八つ当たりをされてしまった。
「申し訳ございません」
あれをどうやって止めろというのか、しかし、ここは頭を下げておこう。
しかし、もしシシリーがエドガーを異性として意識していたとしても、エドガーはあくまでも妹としてしか見ていないようなのは見てわかるが。
「あら、素敵な懐中時計ですね」
シシリーがエドガーの時計の紐から、目ざとく何かを見つけると引っ張る。こらこら、と笑うようにしてエドガーは時計を外すとシシリーに見せてやっていた。
あれ?
図書館で見た目録の中でこの時計を見たような?
やはり、その記憶を裏付けするかのように蓋の裏に、最近よく見る模様が彫られているのを見た。
「ああ、これは公爵夫人からいただいたんだ。エルヴィラとの婚約記念にね」
「公爵家の紋が入っていますのね」
「アンティークの逸品だよ。これだけ細かい細工のものは今の技術ではもう作れない」
エドガーが得意そうに見せびらかしている。それを引き取ってエルヴィラが続けた。
「エドガー様のためにあるようなものですね。とてもお似合いですよ。メリュジーヌだったら渡せるものでもないですし」
つまり、自分と結婚するからいい物が渡せたんだと言いたいのだろう。でもそれ、公爵家のものであるから勝手に渡してはいけないんじゃないのか?
それを分かっているのかいないのか、エドガーも頷いているが。
「ああ、メリュジーヌと結婚しても、なんのいいこともないからね。彼女は昔から笑顔もロクに見せなくてつまんないし。悪い人じゃないんだけれどねえ」
それはお前がつまんない男だからだろうが。ほんっと腹立つなこの男。
上から目線での悪口言いたい放題で、しかし、悪い人じゃないといって悪口言ってないアピールがあざとすぎる。小心者だな、と呆れたけれど無視することにした。
「エルヴィラお姉さまとエドガー様の婚約式はいつ頃されるご予定なのですか?」
シシリーがそう訊ねると、二人は顔を見合わせて微笑む。
「うーん、どうだろう。いつ頃かね」
「ドロテア姉様が王太子妃となるのが先よね」
「そうだね」
「いいなぁ……。私も早く大人になりたいな」
その声は憧れというよりどこか焦りを帯びたようなものに聞こえたが、それにエドガーは気づいていないのだろう。もし、気付いていたとしたら、このような残酷な態度は取れないだろうから。
「焦る必要なんかないんだよ。俺がエルヴィラと結婚して公爵位を継ぐから、シシリーはゆっくり大きくなって、伯爵位を継いでくれる好きな誰かと結婚すればいいんだよ」
言ってることは無茶苦茶だけれど、エドガーはシシリーには優しい。それこそ兄が妹に言うかのように。メリュジーヌに対する態度と差がありすぎて、本当に同一人物なのかと思ってしまう。
しかし、その優しさは毒だ。それが分かって言っているのだろうか。
「……そうですね」
明らかに傷ついたような顔をしているシシリーの強張った顔に、さすがに気の毒に思えて。
しかしそんな妹を、冷たい目で見ているエルヴィラの態度の方が気になった。
「貴族法はともかく、公爵の相続方法が特別なのはあまり知られてないと思います。現在この国の中で公爵家は5つしかないですし、法が制定されてから実際に女系で公爵が伝わったことがあるのはこの家だけですから」
それをなぜ、セイラ先生は知っているの。先生って何者?
ちょっと調べたくらいで、そんな埋もれたような法律って出てこないと思うのだけれど……。
この間忘れていった本といい、相当学問レベルが高いと思うのだけれど。
玄関からそれでは、と頭を下げて出ていこうとしたセイラ先生を思わず引き留めた。
「セイラ先生、お話とお願いがあります」
これが男と女とかなら、とぅんく、とか誤解されるシーンだったかもしれないけれど、私の鬼気迫る顔にセイラ先生も何かを察したようだ。小さく頷くとわかりました、と呟き、視線で私のエプロンのポケットを指す。
どうやら、彼女からもらった手紙の中に、次に会える時間が既に書かれているようだ。
了解、と目で合図して、私は深々と頭を下げる。
「今日も本当にありがとうございました」
シシリーの授業へのお礼というより、私へもらった情報へのお礼を多くのせてのお辞儀となったのだけれど。
階段をのぼりながら、頭の中には「やばい」の字ばかりがぐるぐると回る。
思ったより自分には時間が残されていないかもしれない。
エドガーとメリュジーヌお嬢様の婚約は、二人が幼い頃にもう決まっていたはずだ。
よく考えればまだ、メリュジーヌお嬢様のお母様が存命の頃だったかもしれない。それなのにもうお相手が決まっていたというのは意図的な気がする。
なかなか他の公爵家には生まれない女の子。どうしたって立場的に王族として我が国に嫁いでくる正妃には敵わず、しかし王家を支えるための存在として側妃として嫁がなければならない自分の娘。
将来的に側妃になることが運命づけられるかもしれない娘を危惧して、せめてもの逃げ道として側妃のお達しを断れるかもしれない細い命綱として、エドガーとの婚約を決めていたのかもしれない。
「シシリーお嬢様、エドガー様がいらっしゃっているようですよ」
シシリーの部屋に戻ると、授業が終わり、恒例のお茶をしているみんなに報告をする。
「本当に!? 私、ご挨拶してくるわ」
ぱっと顔を輝かせて、今にも走り出していきそうなシシリーを止めて、腰を浮かせようとするレベッカ達、他の専属メイドを押しとどめた。
「あ、私が行ってくるから、二人はそのままお茶してていいわよ」
休憩してて、と軽くウィンクしながらそう言えば、二人の目に感謝の色が上がった。
そうなんだよ。専属メイドって意外と気を使うんだよ。四六時中、主に目を配らなければいけないからね。
シシリーの後について、エルヴィラの部屋の方に行くが、シシリーはスキップでもしそうな勢いだ。
あんな風なのに、エドガーってここの家の女性陣に好かれているんだよね。なんで?
どこがいいの、あんなのの。
シシリーがメリュジーヌのこと嫌ってるのって、もしかしてエドガーの婚約者だったからとかあるのかなぁ、と思う。
そういうシシリーにはまだお相手が決まっているわけではないが。
この家に出入りする男がアレしかいないから、格好よく見えてるんだろうか。こういう女所帯で父親すら滅多にいないような家では、自分と釣り合う身分の男を見せて合わせておかないと、使用人の男と駆け落ちなんてことにならないだろうかと思う。
メリュジーヌお嬢様に限っては、接触すら稀なので、ありそうにないのだけれど。しかし、エドガーにそっけなかったので、案外男を見る目はあるのではという安心感はあるかな。
「エドガー様、いらっしゃってるって本当?」
ノックとほぼ同時にドアを開けるというお行儀の悪いことをシシリーがする。
中でお茶を飲んでいた二人が、同時にこちらを向いて、エルヴィラの専属メイドが慌ててこちらに飛んでくる。
「まぁ、シシリー、お行儀が悪いわよ」
エルヴィラがじろっと睨んで妹を窘める。
シシリーはごめんなさい、とおどけたように謝るが、このお行儀の悪さはちょっと演技ではないかと睨んでいる。
子供っぽい妹の立場で婚約者同士の二人を邪魔しているのではないかな、というゲスな推理、いわゆるゲ推理かもしれないけど。
「いいじゃないか、少しお話しようよ。おいで、シシリー」
純粋な慕う姿にほだされているのか、エドガーはにこにこしているが、エルヴィラは面白くなさそうな顔をしている。
「リリアンヌ、貴方がシシリーをちゃんと教育しないとダメじゃない。この子ももう13なのよ?」
エルヴィラに八つ当たりをされてしまった。
「申し訳ございません」
あれをどうやって止めろというのか、しかし、ここは頭を下げておこう。
しかし、もしシシリーがエドガーを異性として意識していたとしても、エドガーはあくまでも妹としてしか見ていないようなのは見てわかるが。
「あら、素敵な懐中時計ですね」
シシリーがエドガーの時計の紐から、目ざとく何かを見つけると引っ張る。こらこら、と笑うようにしてエドガーは時計を外すとシシリーに見せてやっていた。
あれ?
図書館で見た目録の中でこの時計を見たような?
やはり、その記憶を裏付けするかのように蓋の裏に、最近よく見る模様が彫られているのを見た。
「ああ、これは公爵夫人からいただいたんだ。エルヴィラとの婚約記念にね」
「公爵家の紋が入っていますのね」
「アンティークの逸品だよ。これだけ細かい細工のものは今の技術ではもう作れない」
エドガーが得意そうに見せびらかしている。それを引き取ってエルヴィラが続けた。
「エドガー様のためにあるようなものですね。とてもお似合いですよ。メリュジーヌだったら渡せるものでもないですし」
つまり、自分と結婚するからいい物が渡せたんだと言いたいのだろう。でもそれ、公爵家のものであるから勝手に渡してはいけないんじゃないのか?
それを分かっているのかいないのか、エドガーも頷いているが。
「ああ、メリュジーヌと結婚しても、なんのいいこともないからね。彼女は昔から笑顔もロクに見せなくてつまんないし。悪い人じゃないんだけれどねえ」
それはお前がつまんない男だからだろうが。ほんっと腹立つなこの男。
上から目線での悪口言いたい放題で、しかし、悪い人じゃないといって悪口言ってないアピールがあざとすぎる。小心者だな、と呆れたけれど無視することにした。
「エルヴィラお姉さまとエドガー様の婚約式はいつ頃されるご予定なのですか?」
シシリーがそう訊ねると、二人は顔を見合わせて微笑む。
「うーん、どうだろう。いつ頃かね」
「ドロテア姉様が王太子妃となるのが先よね」
「そうだね」
「いいなぁ……。私も早く大人になりたいな」
その声は憧れというよりどこか焦りを帯びたようなものに聞こえたが、それにエドガーは気づいていないのだろう。もし、気付いていたとしたら、このような残酷な態度は取れないだろうから。
「焦る必要なんかないんだよ。俺がエルヴィラと結婚して公爵位を継ぐから、シシリーはゆっくり大きくなって、伯爵位を継いでくれる好きな誰かと結婚すればいいんだよ」
言ってることは無茶苦茶だけれど、エドガーはシシリーには優しい。それこそ兄が妹に言うかのように。メリュジーヌに対する態度と差がありすぎて、本当に同一人物なのかと思ってしまう。
しかし、その優しさは毒だ。それが分かって言っているのだろうか。
「……そうですね」
明らかに傷ついたような顔をしているシシリーの強張った顔に、さすがに気の毒に思えて。
しかしそんな妹を、冷たい目で見ているエルヴィラの態度の方が気になった。
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