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第一章 ここは私の知らない世界
第20話 洗脳
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「リリアンヌ、小屋だけれど、使いたいって言ってる子がいるわ」
「はい、まいどあり」
邸内ラブホ……我ながらなんていうネーミングだとも思うけれど、いい言葉が思いつかないその商売は割合順調に進んでいる。
私が思ったより職場恋愛している人が多かった。
一応誰が使っているかはミレディから報告は受けている。聞いているのは依頼者のみで、その相手が誰かは知らないことになってはいるのだけれど。
あまり広まってほしくないという私の意図が分かっているのか、それとも元々そういうニーズしかなかったのか、使っているのは、基本、あまり表ざたにしたくないカップルたちばかりのようで。
こういうところで弱みを曝け出すなんて、随分と危ない人生を送っているんだなぁなんて思ってしまうのは私の性格が悪いせいだろうか。
現在はここの管理はほとんどミレディに一任している状況だ。私がやったことなんて園丁から小屋の使用許可をとって屋内を整えただけで、誰でも同じようなことを始められるはずなのに、真似して儲けようという人がまるで出ないのが驚いた。
あらかじめ使いたい人はミレディに言う。その時にミレディからその人専用の記号が発行される。
初めて使用する時はミレディから案内をされるが、ドアの裏のボードにカレンダーがあり、それに使用希望の時間帯とその人の記号を書いておけば、顔を合わせずに次回予約ができるという仕組みだ。金は先払いで、ミレディに払うし、ミレディは後で片付けなどもしてくれる。
私が彼女に一件当たりの成約手数料と部屋の片付けのアルバイト代、そしてあの部屋の使用割引を成果に合わせて払うということを申し出たら張り切って客を取ってきてくれるようになったのだ。
私は何もしていないのに金が懐に入ってくる。ミレディに言われるままに鍵を受け取ったり渡したりするだけで。
資本主義とはこのように成り立っているのか、となんかわかってしまった気がした。
鍵の管理は私がしているが、彼女も不正をしようとすればいくらでもできるようにしている。そしてそういう風に小銭を稼ごうとしたとしても、ある程度は目をつぶろうと思っていたのだけれど、そんな気配がまるっきりない。
ここで私の機嫌を損ねてしまったら損になるだけだとわかっているのだろうか。
確かに私が雇うのはミレディでなくても構わない。
この小屋を必要としている人のリストは私も握っているのだから、その中から選んでミレディの代わりに雇うことも可能だから。
それを見越して真面目に働いているというのなら賢いだろうけれどね。
しかし、そこまで賢いのならなんで、明らかに虐げられているメリュジーヌお嬢様を可哀想にと思わず、奥様の意地悪に加担するようなことをしているのだろうか。
この家で正しく公爵令嬢なのはメリュジーヌお嬢様だけ。
そのことを貴族であるエドガーですら正しく理解していなかったようなので、ただの使用人であるミレディが分かってないからというのはあるが、ただの使用人であるミレディが奥様の嫌がらせに加担して憂さ晴らしをするのは理解できない。
特にこの屋敷の侍女頭であるミリィ夫人が完全に中立派だからこそ、その娘が奥様の専属侍女とはいえ、そういうバランスの悪い思考をするのが理解できなくて。
お互いの鍵の受け渡しの打ち合せをして、そして彼女に報酬を渡すという彼女の機嫌がよくなるタイミングを見計らって聞いてみた。
「ミレディってメリュジーヌお嬢様のこと嫌いなの?」
「はぁ? 好きな人の方がおかしいでしょ?」
彼女はそう言えば、目の前の私ことリリアンヌがメリュジーヌお嬢様の乳母子だったことを思い出したのか、ごめん、と小さく謝った。それに驚いた。
人に対する好き嫌いはあるのはともかく、私とメリュジーヌお嬢様への関係に対して配慮して、謝ることもできる人間だったのかという驚きだ。
今まで、ミレディは奥様というこの家最高権力者におもねって、それで彼女に気に入られるためのゴマすりでお嬢様をいじめているのかと思っていた。
しかし、この人、お嬢様が本当に嫌いだからいじめているのか、ということに対する驚きだった。
話すのも嫌そうに顔をしかめながら、吐き捨てるようにしてミレディは続ける。
「私の方こそ驚くんだけど。なんでリリアンヌってメリュジーヌお嬢様にそこまで肩入れできるの? あの人、性格めっちゃ悪いじゃない」
「え? すごく優しい人だよ?」
「嘘でしょ、だって奥様がいつもメリュジーヌお嬢様は物を差し上げても好みが厳しくて、なんでもすぐに捨てたり誰かにあげたりしてしまうってお嘆きになってるもの。自らわざと粗末な格好をして、他人から哀れまれるようなひねくれるようなことをするって。顔は可愛らしいけど性格悪すぎでしょ。ぶりっこもいいところよね。エドガー様もそれにお気づきになったからこそ、婚約破棄なさったんだわ」
「はぁ?」
「この間も公爵家に伝わる素晴らしいドレスを勝手に部屋に持ち込んでいたというし。盗み癖もあるなんて、最悪最低じゃないの。リリアンヌもさっさと見切りをつけた方がいいわよ? 貴方は信じたくないかもしれないけれど」
「……」
ああ、これは何を言っても無駄だ。相当洗脳されている。
やり口が汚いというのを通り越して、奥様は老獪だな、上手いなと、感心すらしてしまう。
実際にお嬢様とやり取りをしていたり、シンシアのように少し長くいるものは、実際は奥様がお嬢様をいじめているという真実に気づいているが、そういう人は奥様側の派閥とやり取りをしないために、奥様側の人は本当のことに気づけないし気づこうとしない。
ミレディのように奥様寄りの侍女は奥様に優しくされているから奥様を信じるあまりに、メリュジーヌお嬢様を率先していじめるというわけだ。
そして、この家は使用人が辞める率が高く、人の入れ替わりが多いし早い。
一番力を持つ奥様の派閥が新人にメリュジーヌの悪口を吹き込んで囲いこめば、メリュジーヌが孤立していくのも当たり前だ。
「それ、ミリィ夫人も言っているの?」
ミリィ夫人は私ほどではないとはいえ、この家に雇われて長い方だ。真実に気づいているからこそお嬢様のいじめに加担していないと思っているのだが。
「ああ、お母様? 最近話してないわ。ここ何年もね」
「ええ?!」
どこか暗い笑みを浮かべたミレディに、ここの母子も複雑な関係なんだなぁと思った。
「はい、まいどあり」
邸内ラブホ……我ながらなんていうネーミングだとも思うけれど、いい言葉が思いつかないその商売は割合順調に進んでいる。
私が思ったより職場恋愛している人が多かった。
一応誰が使っているかはミレディから報告は受けている。聞いているのは依頼者のみで、その相手が誰かは知らないことになってはいるのだけれど。
あまり広まってほしくないという私の意図が分かっているのか、それとも元々そういうニーズしかなかったのか、使っているのは、基本、あまり表ざたにしたくないカップルたちばかりのようで。
こういうところで弱みを曝け出すなんて、随分と危ない人生を送っているんだなぁなんて思ってしまうのは私の性格が悪いせいだろうか。
現在はここの管理はほとんどミレディに一任している状況だ。私がやったことなんて園丁から小屋の使用許可をとって屋内を整えただけで、誰でも同じようなことを始められるはずなのに、真似して儲けようという人がまるで出ないのが驚いた。
あらかじめ使いたい人はミレディに言う。その時にミレディからその人専用の記号が発行される。
初めて使用する時はミレディから案内をされるが、ドアの裏のボードにカレンダーがあり、それに使用希望の時間帯とその人の記号を書いておけば、顔を合わせずに次回予約ができるという仕組みだ。金は先払いで、ミレディに払うし、ミレディは後で片付けなどもしてくれる。
私が彼女に一件当たりの成約手数料と部屋の片付けのアルバイト代、そしてあの部屋の使用割引を成果に合わせて払うということを申し出たら張り切って客を取ってきてくれるようになったのだ。
私は何もしていないのに金が懐に入ってくる。ミレディに言われるままに鍵を受け取ったり渡したりするだけで。
資本主義とはこのように成り立っているのか、となんかわかってしまった気がした。
鍵の管理は私がしているが、彼女も不正をしようとすればいくらでもできるようにしている。そしてそういう風に小銭を稼ごうとしたとしても、ある程度は目をつぶろうと思っていたのだけれど、そんな気配がまるっきりない。
ここで私の機嫌を損ねてしまったら損になるだけだとわかっているのだろうか。
確かに私が雇うのはミレディでなくても構わない。
この小屋を必要としている人のリストは私も握っているのだから、その中から選んでミレディの代わりに雇うことも可能だから。
それを見越して真面目に働いているというのなら賢いだろうけれどね。
しかし、そこまで賢いのならなんで、明らかに虐げられているメリュジーヌお嬢様を可哀想にと思わず、奥様の意地悪に加担するようなことをしているのだろうか。
この家で正しく公爵令嬢なのはメリュジーヌお嬢様だけ。
そのことを貴族であるエドガーですら正しく理解していなかったようなので、ただの使用人であるミレディが分かってないからというのはあるが、ただの使用人であるミレディが奥様の嫌がらせに加担して憂さ晴らしをするのは理解できない。
特にこの屋敷の侍女頭であるミリィ夫人が完全に中立派だからこそ、その娘が奥様の専属侍女とはいえ、そういうバランスの悪い思考をするのが理解できなくて。
お互いの鍵の受け渡しの打ち合せをして、そして彼女に報酬を渡すという彼女の機嫌がよくなるタイミングを見計らって聞いてみた。
「ミレディってメリュジーヌお嬢様のこと嫌いなの?」
「はぁ? 好きな人の方がおかしいでしょ?」
彼女はそう言えば、目の前の私ことリリアンヌがメリュジーヌお嬢様の乳母子だったことを思い出したのか、ごめん、と小さく謝った。それに驚いた。
人に対する好き嫌いはあるのはともかく、私とメリュジーヌお嬢様への関係に対して配慮して、謝ることもできる人間だったのかという驚きだ。
今まで、ミレディは奥様というこの家最高権力者におもねって、それで彼女に気に入られるためのゴマすりでお嬢様をいじめているのかと思っていた。
しかし、この人、お嬢様が本当に嫌いだからいじめているのか、ということに対する驚きだった。
話すのも嫌そうに顔をしかめながら、吐き捨てるようにしてミレディは続ける。
「私の方こそ驚くんだけど。なんでリリアンヌってメリュジーヌお嬢様にそこまで肩入れできるの? あの人、性格めっちゃ悪いじゃない」
「え? すごく優しい人だよ?」
「嘘でしょ、だって奥様がいつもメリュジーヌお嬢様は物を差し上げても好みが厳しくて、なんでもすぐに捨てたり誰かにあげたりしてしまうってお嘆きになってるもの。自らわざと粗末な格好をして、他人から哀れまれるようなひねくれるようなことをするって。顔は可愛らしいけど性格悪すぎでしょ。ぶりっこもいいところよね。エドガー様もそれにお気づきになったからこそ、婚約破棄なさったんだわ」
「はぁ?」
「この間も公爵家に伝わる素晴らしいドレスを勝手に部屋に持ち込んでいたというし。盗み癖もあるなんて、最悪最低じゃないの。リリアンヌもさっさと見切りをつけた方がいいわよ? 貴方は信じたくないかもしれないけれど」
「……」
ああ、これは何を言っても無駄だ。相当洗脳されている。
やり口が汚いというのを通り越して、奥様は老獪だな、上手いなと、感心すらしてしまう。
実際にお嬢様とやり取りをしていたり、シンシアのように少し長くいるものは、実際は奥様がお嬢様をいじめているという真実に気づいているが、そういう人は奥様側の派閥とやり取りをしないために、奥様側の人は本当のことに気づけないし気づこうとしない。
ミレディのように奥様寄りの侍女は奥様に優しくされているから奥様を信じるあまりに、メリュジーヌお嬢様を率先していじめるというわけだ。
そして、この家は使用人が辞める率が高く、人の入れ替わりが多いし早い。
一番力を持つ奥様の派閥が新人にメリュジーヌの悪口を吹き込んで囲いこめば、メリュジーヌが孤立していくのも当たり前だ。
「それ、ミリィ夫人も言っているの?」
ミリィ夫人は私ほどではないとはいえ、この家に雇われて長い方だ。真実に気づいているからこそお嬢様のいじめに加担していないと思っているのだが。
「ああ、お母様? 最近話してないわ。ここ何年もね」
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