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片想いの時間
近くて遠い4
しおりを挟む「ずっと言いたかったことがあるんだ…
お前が言ってた いつか話す って言ってた話」
「……」
「言えないで苦しんでないかって…」
「たく….」
「今だってこうやって触れても嫌がらない
前よりも俺に寄ってきて人肌恋しいんじゃないのか?
気付くと俺を見てて助け求めてるんじゃないのか?」
拓也が好きだとは言えない。
ずっと一緒にいたいから
拓也には話せない
好きだからこれ以上寄り掛かるなんて出来ない
出来ないんじゃなくてしちゃいけない
でも拓也はずっとずっとオレが話すのを待って心配しててくれたんだ。
なのにオレはお気楽に拓也に恋しいて悩んで…
本当に自分勝手だよね
「拓也…心配してくれて本当にありがとう
気になってしかたないよな?
でも…オレ、やっぱり話せない
拓也に今より寄り掛かって悩ませるのが分かるから
でもね?今は話さなくても辛く無くなったのは本当だから
だからもう大丈夫。ごめんね」
ここで話さない事を伝えなくちゃいけない
話すか話さないかの葛藤も止め
拓也に甘え過ぎた。
オレの甘い考えの行動のせいで拓也をここまで悩ませて…
「そうか…」
「うん…本当に振り回しててごめん…」
「でも…何かあったら電話してこい…」
「うん…」
「して来ないんだろうな…お前は…」
拓也の手が離れた。
見抜かれてる。
でもそれも奈緒の時みたくきっとお守りになる。
花火を再開した時には
いつもの二人に戻る。
もう分かってた。
お互いちょっと無理に戻ってふざけてる。
前みたいに単純に絡まなくなってるの
オレのせいだってことも
でも…
「着て帰れよ
次会う時に返してくれればいいから」
ただじゃ連絡してこないのを知ってるから
拓也は会う口実を作ってくれる
その優しさがこそばゆい
「洗濯したら連絡するよ」
その優しさを素直に受け取れるのは
心配だったとしても思われてるのに安心するから
夏休みは入ったばかりだ。
約束をしない限り拓也とは会えない。
それはすごく残念で寂しいけど
どうしても会いたい時には服を返す電話をしよう。
拓也のおかげで弱くなったけど強くもなった。
拓也に会うのが今のオレの原動力になってるから
「んじゃお開きにして帰るか…
送ってくから乗ってきな?」
「楽しかったよ…ありがとう」
さぁ…帰ろう。
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