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片想いの時間
カミングアウト
しおりを挟む悩んでる間に夏休みは直ぐにやって来た。
拓也と奈緒、自分的には二人に少しギクシャクしたまま入ってしまう夏休み。
入って直ぐに皆で計画したキャンプでなんとか前のような仲になりたかった。
最初はグループ内で考えてた旅行が
海行きたい組と山行きたい組に別れてしまい
間をとってキャンプになった。
キャンプがある山から車で三十分しないで海に出れるし
食材以外は全部レンタルで気軽だったせいか
いつの間にか人数が増えてちょっとした団体様になってしまった。
「買い出し行ってる間に海行って来いよ」
テントを張り終えたら海に行こうと
テントを張っている最中でも既に水着になってる男子もいてハシャギながらの中
拓也が車にエンジンを掛けて皆の元に戻ってきた。
「拓也行かねぇの?」
「さっさと終わらせて直ぐに行くよ
海から帰ってからの買い出しの方がダルいし
光と行ってくるから」
「オレ?!」
「ご愁傷さま~!」
手を振って笑う皆を早々に車に戻って行く拓也を追いかけてオレも慌てて車に掛けた。
もしかして…
ドアを閉めると同時に拓也が皆から集めた軍資金の入った財布をオレの膝に投げる。
「買い出ししたらキャンプ場に戻ってこような」
「海行かないの?」
「行かないよ」
「ありがとう…」
「なんで?海入った後の砂の始末が嫌いなんだよ」
走り出した車で拓也が笑う。
オレが肌を見られたくないって
シャツ着てたって透けちゃうからでしょ?
海行く時になったら体調悪いと言ってキャンプ場にいるいつもりだった…
「拓也ってほんと優しいよな…」
「それに気づいてくれるお前もなかなか優しいよ」
ほらね?
オレの為なのに
あくまでも自分が行きたくって言ってくれたんだろ?
こんなの気付かない方がおかしいでしょ
こんなの好きにならないなんておかしいでしょ
ハンドルを握る拓也の手が大きくて
財布を握る自分の手が小さくて
その体格差で同じ男なのにと悲しい反面
カッコいいなぁとドキドキする…
今までの恋人はどれだけ拓也に抱きしめられて愛を貰えたのだろうと嫉妬する反面
手離すなんて馬鹿だなぁと安心する
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