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4話 ゲームスタートしたらラスボスが居た件
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『あなたはこちらの手違いで死んでしまいました、本当に申し訳ありません』
アテナがテンプレ台詞を吐いて、転生者を送り込もうとしていた。
異世界の運営室にてその様子を眺めていた僕は、苦々しい表情を浮かべた。
自分で殺したくせに、いけしゃあしゃあとよく言えるもんだ。まぁいい、アテナは完全に調子に乗っている、その顔を歪ませる瞬間が今から楽しみだ。
『お詫びとして、スキルを与えましょう。貴方の向かう世界できっと役に立つはずです』
来ました、お決まりチート能力付与。今回は異世界転移をするみたいだな。
という事で始めましょうか、神への反逆を!
転移者は意気揚々と異世界へ転移したけど、その先は……魔王城。しかもスポーンした時点で百人の魔王に囲まれた状態でスタートだ。
転移者はあっけにとられ、ぽかんとしている。そんな彼の前に、僕は仮面をつけた姿で出ていった。
「どうもこんにちは、死ね!」
という事で、率先して転移者をボコり始める。僕に続いて魔王達も一斉に襲い掛かり、転移者はチート能力を使う間もなくやられていく。
「ぎゃああ! な、なにす、あぎゃっ! そ、そうだ、スキルを!」
「使ってみなよ! 女神様から渡されたチートとやらをさぁ!」
転移者は早速使おうとするけど、使い方も分からない能力をいきなり使いこなせるはずがない。物語後半ならともかく、始まりの時点ならば転移者は一般人も同然。
つまり、僕でも戦う事が出来るってわけだ。
「おるああああああっ!」
魔王達と力を合わせて転移者を捻り潰した僕は、急いで異世界から離脱した。
運営室に戻ると、シズナとエスペランサに迎えられた。アテナの様子はというと、案の定驚愕の表情となっていて、
『な、な、な、なんじゃあこりゃあ!?』
予想通りの反応を見せ、僕達は大爆笑した。
ああ気持ちいい! ざまぁみろクソ女神め。
「これがお前の策か、神の作った異世界を滅茶苦茶に荒らして、成り立たないようにする。こちらに出来る最大限の抗議活動だな」
シズナが感心したように頷いた。異世界には、神達は最低限の干渉しか出来ない。過度な干渉は異世界その物を崩壊させかねないからだ。
だから、異世界で暴れても神達は僕達に手を出せない。世界の裏ルールを突いた計画だ。
「さっきも言った通り、一部の神は異世界に収入を依存している。それを成り立たないようにしてやれば、あいつらに一泡吹かせられるってわけさ」
「でも、大丈夫かしら……その気になれば私達を全部消し去って、元の運営体制に戻すんじゃ……」
「それは出来ないよ。調べたら、異世界で収益を得る仕組みを作るのに相当な時間と資金がかかったみたいでさ。リセットしたら立て直す資金は誰が出すの? 元通りになるまでの収入は? 奴らの生活に直結している以上、僕らを消し去る事は出来ない。奴らの懐を握りしめた、僕達に利がある戦いだ」
恫喝して修正しに来るのが精一杯だけど、最早その程度では止まりはしない。神への怒りが爆発した僕らには、恐怖なんて無意味なものだ。
そしてこの波は、発起人の僕を殺しても収まらない。僕が死んでも次のリーダーが、遺志を継いでくれる。
命を投げ出す決意をした者は、神すら凌駕するんだ。
「言い出しっぺになった以上、僕が全責任を負う。皆だけに任せず、僕も前に出る。神の理不尽な暴力に耐える必要はない、あいつらから人権を得るまで、最後まで戦い抜くぞ!」
僕に賛同してくれる人たちが一斉に応えてくれた。
今に見ていろよアテナめ、お前のくそったれた異世界の物語は、徹底的に荒らしまくってやる。今後まともな収益が得られると思わない事だな。
アテナがテンプレ台詞を吐いて、転生者を送り込もうとしていた。
異世界の運営室にてその様子を眺めていた僕は、苦々しい表情を浮かべた。
自分で殺したくせに、いけしゃあしゃあとよく言えるもんだ。まぁいい、アテナは完全に調子に乗っている、その顔を歪ませる瞬間が今から楽しみだ。
『お詫びとして、スキルを与えましょう。貴方の向かう世界できっと役に立つはずです』
来ました、お決まりチート能力付与。今回は異世界転移をするみたいだな。
という事で始めましょうか、神への反逆を!
転移者は意気揚々と異世界へ転移したけど、その先は……魔王城。しかもスポーンした時点で百人の魔王に囲まれた状態でスタートだ。
転移者はあっけにとられ、ぽかんとしている。そんな彼の前に、僕は仮面をつけた姿で出ていった。
「どうもこんにちは、死ね!」
という事で、率先して転移者をボコり始める。僕に続いて魔王達も一斉に襲い掛かり、転移者はチート能力を使う間もなくやられていく。
「ぎゃああ! な、なにす、あぎゃっ! そ、そうだ、スキルを!」
「使ってみなよ! 女神様から渡されたチートとやらをさぁ!」
転移者は早速使おうとするけど、使い方も分からない能力をいきなり使いこなせるはずがない。物語後半ならともかく、始まりの時点ならば転移者は一般人も同然。
つまり、僕でも戦う事が出来るってわけだ。
「おるああああああっ!」
魔王達と力を合わせて転移者を捻り潰した僕は、急いで異世界から離脱した。
運営室に戻ると、シズナとエスペランサに迎えられた。アテナの様子はというと、案の定驚愕の表情となっていて、
『な、な、な、なんじゃあこりゃあ!?』
予想通りの反応を見せ、僕達は大爆笑した。
ああ気持ちいい! ざまぁみろクソ女神め。
「これがお前の策か、神の作った異世界を滅茶苦茶に荒らして、成り立たないようにする。こちらに出来る最大限の抗議活動だな」
シズナが感心したように頷いた。異世界には、神達は最低限の干渉しか出来ない。過度な干渉は異世界その物を崩壊させかねないからだ。
だから、異世界で暴れても神達は僕達に手を出せない。世界の裏ルールを突いた計画だ。
「さっきも言った通り、一部の神は異世界に収入を依存している。それを成り立たないようにしてやれば、あいつらに一泡吹かせられるってわけさ」
「でも、大丈夫かしら……その気になれば私達を全部消し去って、元の運営体制に戻すんじゃ……」
「それは出来ないよ。調べたら、異世界で収益を得る仕組みを作るのに相当な時間と資金がかかったみたいでさ。リセットしたら立て直す資金は誰が出すの? 元通りになるまでの収入は? 奴らの生活に直結している以上、僕らを消し去る事は出来ない。奴らの懐を握りしめた、僕達に利がある戦いだ」
恫喝して修正しに来るのが精一杯だけど、最早その程度では止まりはしない。神への怒りが爆発した僕らには、恐怖なんて無意味なものだ。
そしてこの波は、発起人の僕を殺しても収まらない。僕が死んでも次のリーダーが、遺志を継いでくれる。
命を投げ出す決意をした者は、神すら凌駕するんだ。
「言い出しっぺになった以上、僕が全責任を負う。皆だけに任せず、僕も前に出る。神の理不尽な暴力に耐える必要はない、あいつらから人権を得るまで、最後まで戦い抜くぞ!」
僕に賛同してくれる人たちが一斉に応えてくれた。
今に見ていろよアテナめ、お前のくそったれた異世界の物語は、徹底的に荒らしまくってやる。今後まともな収益が得られると思わない事だな。
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