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3部
最終話 苗木を植えよう、新たな未来のために
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ラコ村に、木刀を打ち合う乾いた音が響き渡る。
激しい応酬をしているのは、青年と壮年の男性二人だ。
時に暗具を使い、罠にかけ、訓練と言えど実戦さながらの攻防だ。青年は必死に糸口を探し、もう片方は余裕を見せつつ青年を捌いていた。
と、青年が足払いを掛けられた。バランスを崩し、倒れる彼に対し、男が木刀を振り下ろす。
青年は食いしばり、左手で体を支えると、強引に体勢を立て直した。木刀を回避し、驚く男へ水面蹴りを返す。
今度は男が倒れた。青年は男の喉元へ木刀を突きつけ、長い息を吐いた。
「参った、降参だ! やられたよリナルド、強くなったな!」
「はぁっ! はぁっ! ……ありがとう、ございましたっ!」
リナルドは呼吸を整え、ハローに深々と礼をした。
魔神の一件から八年。リナルドは十七歳となり、立派な青年に成長していた。色気づいたのか髪を伸ばし、うなじで纏めている。精悍な面立ちから、かつての幼さは感じられなかった。
観戦していたシェリーは拍手すると、にやっと目を細くした。
「へいへーい、初勝利おめでとーリナルド。でもまだお父さんの方が強いねぇー、全然息切れてないし、リナルドと違って余裕じゃーん」
「うっさいなぁ、勝ちは勝ちだろ?」
「その前に何回負けたっけ?」
「……十回」
「ぶっぶー、十三回でしたー。さば読みしてもバレバレだぞー、お姉ちゃんは見てたんだから」
「喧し! あと都合のいい時だけ姉貴面するなよ、年下のくせに!」
「実年齢では上だもんねーだ」
喧嘩する二人に苦笑し、ハローは「まぁまぁ」と間に入った。
しかしシェリーも美人に育ったものだ。成長した義娘は目を見張る美女となり、ラコ村は勿論近隣の村の男達からもアプローチを受け続けていて、ここ一帯のマドンナになっていた。
俺の目が黒いうちは、半端な男に渡す気はないけどな。
「父さんさぁ、聖剣の力が無くなったのになんでそんなに強いわけ?」
「母さんへの愛、かな」
「よくまぁ臆面もなく言えるよなそんな台詞……」
リナルドは肩を竦めた。
「そういや、ぼちぼちお母さんとアマトが帰ってくる頃じゃない?」
「そうだった! 急ごう父さん! 迎えに行かないと!」
「がってんだ!」
今日は日曜学校の日である。ナルガとミコが子供達の送り迎えに出ているのだ。
片やナルガのため、片やアマトのため、教会方面へ走り出す。ハローの愛妻加減は勿論、リナルドのシスコン具合も年々強化され、今では天下無敵の馬鹿親子となっていた。
「のうアマトや、これ私ら、お嫁に行けるんかねぇ……」
自分とアマトの未来を想像し、シェリーは頬を掻いた。
とりあえず二人の後を追うと、エドウィンとミネバに鉢合わせた。
「よう、アホ二人が物凄い勢いで走ってったけど、ちゃんと手綱握れてんのか」
「いやー無理ですねーと言うかお父さんとリナルドに手綱なんて付けられると思いますー?」
「無理だな、引き千切って脱走する光景しか思い浮かばねぇ」
「ふふっ、お元気なんですから、なによりじゃないですか」
「元気過ぎて困り物ですけどね、そっちはヴァン君とガイ君のお迎えで?」
「まぁな。こっちもこっちでやんちゃ盛りで困ってるよ、毎日悪戯ばかり繰り返すからな」
そう言うエドウィンはまんざらでもなさそうである。話している間に、教会から子供達が帰ってきた。
「兄様ーっ!」
「おかえりアマトーっ!」
十一歳になったアマトがリナルドに飛びついた。思いっきり義妹を抱え上げ、リナルドはぐるんぐるんと回った。
「今日もちゃんとお勉強してきました!」
「そうだな、偉いな! 凄いぞアマト!」
満面の笑みでアマトを撫でまわす義兄。兄妹仲は最高である。
アマトはナルガに似て美少女になった。こちらもシェリー同様、同年代の子供達から人気者となっている。
一方の両親はと言うと、お帰りのハグを交わしていた。結婚して十三年、仲が冷える気配は一切ない。
「お疲れナルガ。道中大丈夫だった?」
「問題なしだ。そっちは……成程、ようやく勝てたようだな」
ハローの表情の僅かな変化で全てを察する妻。リナルドは照れくさそうに髪を掻いた。
その空気を破って、一人の女性が割って入って来た。勝気な顔つきで、髪をサイドで纏めている。
「んで? 勝つまで何回負けたのかな?」
「十回……いや、十三回……」
「ありゃまぁ、私は今のとこ五回に一度は勝てるようになったよー? 私を抜かすのはいつになるのやらねー?」
「うるっせぇ! お前相手なら三回に一回は勝ってんだぞ、そんな差はないだろが!」
「ミコ、あまりリナルドを煽るな」
ナルガはため息交じりに二人を仲裁した。
二十歳になったミコはリナルドよりも強くなり、最盛期のナルガに迫る腕前になっていた。あと二年もすれば、全盛期のナルガを超えるだろう。
リナルドもハローに勝てるようになったし、将来が楽しみだ。
「お二人とも、喧嘩は止めてくださいな! みっともないですよ」
「あーごめんなアマトぉ、この通りだ」
アマトに一喝され、すぐにへにゃへにゃになるリナルド。この男最大の弱点である。
「その元気は、私が村長になった時に使ってください。兄様とミコ姉様のお力も、私の計画に必要なのですから」
「アマトは将来村長になるんだもんなぁ」
「そうなのです! 私はラコ村一帯の村々を纏め、この国一番の豪農になるのが夢なのです! そのための一歩として、まずは十六歳でラコ村の村長の座を強奪するのです」
アマトはカバンから計画表を出した。十一歳の娘が作り出した、壮大な物語だ。
「村長の座を奪った後は近隣の村の長を、私の息のかかった者達に挿げ替えて、私の意見を通りやすいように仕向けるのです。そのために日曜学校で多くの者達とパイプを繋げていますし、近隣の村に交流に行って、住民全員の弱味も握っています。しかも! 隣国への流通を円滑にする手段も既に手にしています。計画は順調なのです!」
「いや恐いから、十一歳の思考じゃねぇから! てかなんで隣国の流通網を確保してんだよこいつ!」
「ああ、私に伝手があるからな。ガンバ達に話をしてあるのさ」
ナルガは腕を組み、国境を見やった。
復讐を止めたガンバ達は、商人として再起していた。今では国同士を股に掛け、手広く商売をしている。
農産物の取引にラコ村を訪れる事もあり、その際にナルガは娘を紹介していた。彼はミックとの間に子供も設けていて、ようやく自分の幸せを見つけたようだ。
……ガンバ達が無事に再起してくれて、本当に良かったよ。
「何より! ラコ村には他の村には無い最大の強み! 診療所があります! 医療を握るのは生殺与奪権を握るも同義。医療面を牛耳れば、他の村々はこちらにひれ伏さざるを得なくなります。活かさない手はないですよね、叔父様!」
「僕に振るなよ……てか僕が現役で居られる時間なんてそう長くないぞ?」
「大丈夫です、叔父様には後継者が二人もいらっしゃるじゃないですか。ねぇ?」
「そうだぜ親父」
「俺らワイズナー兄弟が診療所を継いでやるぜ親父」
エドウィンの息子、ガイとヴァンが自信満々に応えた。
アマトはお調子者二人を言葉巧みに焚きつけて、エドウィンの後継になるよう誘導している。アマトに惚れている二人は見事に乗せられて、医師になるべく猛勉強をしているのだ。
……おかげで頭良くなってくれたけど、こうまで単純だと心配になるな……。
「い、医者になったら、アマトちゃん俺と結婚してくれるんでしょ?」
「ええ勿論。二人のお嫁さんになるのもやぶさかではないですよ」
「お、おおっし! 頑張ろうな兄貴!」
「っしゃあ!」
「一妻多夫制導入する気かよ……」
「まぁ、素敵じゃないですか」
「素敵じゃないから。権力で制度変える気満々じゃねぇかこの小娘」
自身の容姿を自覚しているためか、アマトは男を操る術を既に習得している。しかも女子人気も高い上、教養高い振る舞いのおかげで大人受けもいい。加えて勇者と魔王四天王の血を引くサラブレッドなため腕っぷしも強く、十一歳にしてハローから帯剣を許可される心の強さも持ち合わせている。
圧倒的なカリスマ性と文武両道を地で行く様は、よもや魔王である。ラコ村周辺の一帯は、アマトに支配される運命にあった。
「なぁ、お前らん所の教育どうなってんの? 娘に国盗りさせるつもりか?」
「いやぁ、俺達は子供達の自主性に任せてるからさ」
「豪農になりたいと言ったのはアマト自身だ。ならば我らは後押しするのみ」
「後押ししちゃダメな奴だぞあれ、一番権力握らせちゃいけない奴だぞあれ」
「まーそうかもしれないですねー。でもあれで可愛げあるんですよ? 家じゃあお父さんの膝に座るのが好きな甘えん坊ですから」
「違いますよ姉様。私が父様を好きなのではありません。父様が私の事をとっても大好きですから、仕方なくお膝に乗っているんです。間違えてはいけませんよ」
シェリーにしっかり釘を刺す、お父さん大好きっ子な十一歳児であった。
「それより……ガイ、ヴァン。アマトを嫁にしたいそうだね」
ハローはリナルドと共に、笑顔で二人に木刀を突き付けた。
「許しませんよ。お父さんは絶対に許しませんよ。例えエドのせがれと言えど、俺の可愛い娘をお前らごときに渡しませんよ」
「アマトが欲しけりゃ、まず俺らと話し合おうや。身内のよしみであばら全部へし折る程度に手加減してやっからさぁ」
「人の息子に何脅迫してんだ馬鹿親子!」
アホ二人の頭をぶん殴り、エドは一発KOした。ナルガは呆れてため息をつき、父子の首根っこを掴んで引き摺って行く。
「うふふ、親子仲がよろしいようで」
「ミネバ、君さぁ、年々天然具合が増してない?」
「だっていいじゃないですか。くだらない事ではしゃげる程、平和な証拠なのですから」
「……まぁな」
エドウィンは小さく笑った。
聖剣を失った世界は、驚く程何もない。ただただ、穏やかな時間が続いている。
災いの源が消えうせたように、世界はとても、凪いでいた。
☆☆☆
十四になった頃から、リナルドはハローと共に木こり仕事を始めている。
毎日里山の管理をしなければならない大変な仕事だが、刻一刻と変化し続ける山での仕事はやり甲斐がある。精を出す義息子をハローは心強く感じていた。
でも、この所リナルドは物思いにふけるようになっていた。どこか迷いを抱えているようにも見える。
「リナルド、何か悩みでもあるのか?」
「ん? いや、まぁ……ちょっとな」
リナルドは鼻を掻いた。同時にアマトらの元気な声が聞こえてくる。そういえば、丁度昼飯時だ。
「兄様ー! お食事持ってきましたわよー!」
「ってミコも一緒か……アマトの声真似するなよ、俺の妹はもっと清らかな声してんだから」
リナルドは露骨に嫌な顔をした。ミコはむっとし、彼にデコピンした。ドゴン! と鈍い音が響く。
「私の声のどこが濁ってるってんだい? ええ言ってみろやぁ!」
「ってぇな!? 首から上が消し飛んだかと思ったぞメスゴリラ!」
「うら若い乙女をゴリラ呼ばわりたぁ偉くなったもんだねぇアンポンタン!」
喧々諤々に暴れ回る二人。もはやいつもの事なので放置するハロー達である。
「はいお父さん、お昼ごはん。馬鹿二人はほっといて食べよっか」
「今日は私と姉様で作ったんですよ。ご賞味ください」
「ありがとーシェリー、アマトー。二人とも上手になったなぁ」
「筋がいいから教え甲斐があるぞ。あやつらはいい加減どうにかならないものか」
「喧嘩する程なんとやらさ。それに、言い争うのは人前だけだしね」
「ふっ……確かにな」
ハローとナルガは、義息子とミコの関係を見透かしていた。あの様子だと、そろそろ報告に来るんじゃないだろうか。
「ぼちぼち喧嘩止めろー、飯にするぞー」
「分かった……覚えとけよ、すぐに泣き見せてやるからな」
「やれるもんならやってみろっての、いつになるか分からないけどね」
「今日中だよばーか」
ミコは「へっ?」と赤らんだ。怯んだ彼女をよそに、リナルドはおもむろに石を拾い上げ、こちらを覗き込んでいる野盗に向けて投げつけた。
樹木の幹を抉り、野盗達が青ざめる。リナルドはもう一つ石を握ると、
「頭もぎ取られたくなければさっさと帰れ」
「ひ、ひぃぃぃ!」
リナルドの威嚇に全員逃げ出した。ハローに敵わないとはいえ、リナルドの実力は達人級だ。並大抵の腕前では、彼に掠りすらさせられない。
ナルガからは家事や炊事と言った生活の術を教えられ、いつでも独り立ちできる状態だ。
……寂しいけど、時期が来たんだろうな。
「なぁ父さん、今日さ、皆で夕飯食わないか? その、ミコの両親も誘って。俺……あの話を受けようと思っているんだ」
「そうか、とうとう腹を決めたんだな」
「エド達にも声を掛けておくか。彼らにとっても、他人事ではあるまい」
ハローとナルガは、リナルドの胸中を察した。
その日の夜は、ミコの一家も招いての食事会となった。夕飯は和やかに進み、皆の腹が膨れる頃。リナルドは話を切り出した。
「あーその、報告があります。親達にはもう話を通してあるけど、俺とミコ、結婚します」
リナルドの報告に、その場に居る皆が拍手した。表では喧嘩ばかりしている二人だが、裏では交際していたのだ。
でも、二人は隠していたつもりだが、全員にはバレバレである。
「ねぇ、なんで誰も驚かないわけ? せめてアマトくらいはびっくりしてほしいんだけど」
「ずっと前から知ってましたよ。兄様とミコ姉様が森の奥で逢瀬を重ねていたの、何度も見ていますし」
「見てた!? いや待て、俺のアマトがそんなはしたない真似をするはずが……姉さんだなぁ!?」
「そりゃああんなバレッバレなデートしてたらついて行くに決まってるでしょ」
「アマトも一緒に連れていく必要ないだろ!?」
「たはー、なんか締まらないと言うか……こんな感じですけど、息子さんを貰っていきます」
「うむ。リナルドが契りを結ぶのは母として寂しいが、ミコならば安心だ」
「俺達の義息子、大事にしてくれよ」
ミコははにかんだ。リナルドは咳払いすると、両手を握り合わせた。
「それで、もう一つ……俺達、結婚を機に村を、出ようと思うんだ」
「村を出る? 都に行くつもりか」
エドウィン達は驚いていた。ハローとナルガは知っていたから、何も言わない。
「実は、オクトさんから声を掛けられてるんだ。自分の下で働いてみないかって。正直、凄く悩んだよ。ラコ村の生活に不満はないし、ずっとここで暮らしたいとも思ってる。でも、同じくらいオクトさんの話にも、興味があるんだ。見た事ない世界に飛び込んで、自分の力を試したいって……思っているんだよ」
「……お父さんと、お母さんは何て?」
「俺達から言う事は何もないよ。リナルドが決めたのならば、俺達は背中を押すだけだ」
「以前も話しただろう、私達はお前達の足かせにはなりたくない。やりたい事があるならば、挑戦しろ」
「そっか。なら私も、反対しないよ。お互い何百年も剣の中に縛り付けられてたんだ、解放された以上、自由にしないとね」
「でも……兄様、居なくなっちゃうのでしょう? 私……嫌です……」
アマトはリナルドの手を引っ張った。義兄は微笑み、義妹を撫でた。
「休みの時にはちゃんと帰るよ。約束する」
「絶対ですよ? 絶対戻ってきてください!」
リナルドは頷き、アマトを抱き上げた。
ハローとナルガは目を合わせ、気づかれないように、涙を拭った。
一週間後、リナルドとミコは旅立ちの支度を整えた。
村人総出で若い夫婦の門出を祝い、惜しみ、別れを交わす。ハローとナルガはその様子を見守り、ぐすと鼻を鳴らした。
エドウィンは肩を竦め、ハローの肩を叩いた。
「死に別れるわけじゃないんだ、あいつなら問題ないさ。お前ら二人で鍛え上げた自慢の息子だろ? 声掛けてきな」
「ああ……そうだな」
ハローとナルガはリナルドへ歩み寄り、二人で抱きしめた。
両親の温もりを感じ、リナルドは涙をこらえて、抱き返す。
「俺、忘れないから。父さんと母さんが俺を、守ってくれた事。一人前になるまで、育ててくれた事……心の底から、愛してくれた事……絶対、忘れないから」
「……辛くなったら、いつでも戻って来いよ。どんな事があっても、俺達はリナルドの味方だ」
「どれだけ遠く離れようとも、我らは家族だ。心は常に、共にある。ゆめ忘れるでないぞ」
「うん……俺を、息子にしてくれて……本当にありがとうございました……!」
息子を乗せた馬が、離れていく。ナルガは見えなくなるまで、ずっと手を振り続けた。
「嬉しくも、悲しいものだな……子供の、巣立ちは」
「……大丈夫だよ、また会える。ここには、家族で植えた苗木があるんだ。リナルドの、未来のために植えた木だ。あの木がある限り、離れ離れになったりしない。だから俺達で守ろう、子供達が悲しい未来を背負わないように」
「我らの悲劇を繰り返さぬように、だな」
ハローは頷き、ナルガの肩を抱いた。
この悲しみも、いつかは薄れ、大きな幸せを運んでくる。芽吹いた若木が、新たな命と共に戻ってくるから。
その時のために、苗木を育てよう。さらに遠くの、未来のために。
ハローとナルガの旅路もまた、新たな始まりを迎えていた。
激しい応酬をしているのは、青年と壮年の男性二人だ。
時に暗具を使い、罠にかけ、訓練と言えど実戦さながらの攻防だ。青年は必死に糸口を探し、もう片方は余裕を見せつつ青年を捌いていた。
と、青年が足払いを掛けられた。バランスを崩し、倒れる彼に対し、男が木刀を振り下ろす。
青年は食いしばり、左手で体を支えると、強引に体勢を立て直した。木刀を回避し、驚く男へ水面蹴りを返す。
今度は男が倒れた。青年は男の喉元へ木刀を突きつけ、長い息を吐いた。
「参った、降参だ! やられたよリナルド、強くなったな!」
「はぁっ! はぁっ! ……ありがとう、ございましたっ!」
リナルドは呼吸を整え、ハローに深々と礼をした。
魔神の一件から八年。リナルドは十七歳となり、立派な青年に成長していた。色気づいたのか髪を伸ばし、うなじで纏めている。精悍な面立ちから、かつての幼さは感じられなかった。
観戦していたシェリーは拍手すると、にやっと目を細くした。
「へいへーい、初勝利おめでとーリナルド。でもまだお父さんの方が強いねぇー、全然息切れてないし、リナルドと違って余裕じゃーん」
「うっさいなぁ、勝ちは勝ちだろ?」
「その前に何回負けたっけ?」
「……十回」
「ぶっぶー、十三回でしたー。さば読みしてもバレバレだぞー、お姉ちゃんは見てたんだから」
「喧し! あと都合のいい時だけ姉貴面するなよ、年下のくせに!」
「実年齢では上だもんねーだ」
喧嘩する二人に苦笑し、ハローは「まぁまぁ」と間に入った。
しかしシェリーも美人に育ったものだ。成長した義娘は目を見張る美女となり、ラコ村は勿論近隣の村の男達からもアプローチを受け続けていて、ここ一帯のマドンナになっていた。
俺の目が黒いうちは、半端な男に渡す気はないけどな。
「父さんさぁ、聖剣の力が無くなったのになんでそんなに強いわけ?」
「母さんへの愛、かな」
「よくまぁ臆面もなく言えるよなそんな台詞……」
リナルドは肩を竦めた。
「そういや、ぼちぼちお母さんとアマトが帰ってくる頃じゃない?」
「そうだった! 急ごう父さん! 迎えに行かないと!」
「がってんだ!」
今日は日曜学校の日である。ナルガとミコが子供達の送り迎えに出ているのだ。
片やナルガのため、片やアマトのため、教会方面へ走り出す。ハローの愛妻加減は勿論、リナルドのシスコン具合も年々強化され、今では天下無敵の馬鹿親子となっていた。
「のうアマトや、これ私ら、お嫁に行けるんかねぇ……」
自分とアマトの未来を想像し、シェリーは頬を掻いた。
とりあえず二人の後を追うと、エドウィンとミネバに鉢合わせた。
「よう、アホ二人が物凄い勢いで走ってったけど、ちゃんと手綱握れてんのか」
「いやー無理ですねーと言うかお父さんとリナルドに手綱なんて付けられると思いますー?」
「無理だな、引き千切って脱走する光景しか思い浮かばねぇ」
「ふふっ、お元気なんですから、なによりじゃないですか」
「元気過ぎて困り物ですけどね、そっちはヴァン君とガイ君のお迎えで?」
「まぁな。こっちもこっちでやんちゃ盛りで困ってるよ、毎日悪戯ばかり繰り返すからな」
そう言うエドウィンはまんざらでもなさそうである。話している間に、教会から子供達が帰ってきた。
「兄様ーっ!」
「おかえりアマトーっ!」
十一歳になったアマトがリナルドに飛びついた。思いっきり義妹を抱え上げ、リナルドはぐるんぐるんと回った。
「今日もちゃんとお勉強してきました!」
「そうだな、偉いな! 凄いぞアマト!」
満面の笑みでアマトを撫でまわす義兄。兄妹仲は最高である。
アマトはナルガに似て美少女になった。こちらもシェリー同様、同年代の子供達から人気者となっている。
一方の両親はと言うと、お帰りのハグを交わしていた。結婚して十三年、仲が冷える気配は一切ない。
「お疲れナルガ。道中大丈夫だった?」
「問題なしだ。そっちは……成程、ようやく勝てたようだな」
ハローの表情の僅かな変化で全てを察する妻。リナルドは照れくさそうに髪を掻いた。
その空気を破って、一人の女性が割って入って来た。勝気な顔つきで、髪をサイドで纏めている。
「んで? 勝つまで何回負けたのかな?」
「十回……いや、十三回……」
「ありゃまぁ、私は今のとこ五回に一度は勝てるようになったよー? 私を抜かすのはいつになるのやらねー?」
「うるっせぇ! お前相手なら三回に一回は勝ってんだぞ、そんな差はないだろが!」
「ミコ、あまりリナルドを煽るな」
ナルガはため息交じりに二人を仲裁した。
二十歳になったミコはリナルドよりも強くなり、最盛期のナルガに迫る腕前になっていた。あと二年もすれば、全盛期のナルガを超えるだろう。
リナルドもハローに勝てるようになったし、将来が楽しみだ。
「お二人とも、喧嘩は止めてくださいな! みっともないですよ」
「あーごめんなアマトぉ、この通りだ」
アマトに一喝され、すぐにへにゃへにゃになるリナルド。この男最大の弱点である。
「その元気は、私が村長になった時に使ってください。兄様とミコ姉様のお力も、私の計画に必要なのですから」
「アマトは将来村長になるんだもんなぁ」
「そうなのです! 私はラコ村一帯の村々を纏め、この国一番の豪農になるのが夢なのです! そのための一歩として、まずは十六歳でラコ村の村長の座を強奪するのです」
アマトはカバンから計画表を出した。十一歳の娘が作り出した、壮大な物語だ。
「村長の座を奪った後は近隣の村の長を、私の息のかかった者達に挿げ替えて、私の意見を通りやすいように仕向けるのです。そのために日曜学校で多くの者達とパイプを繋げていますし、近隣の村に交流に行って、住民全員の弱味も握っています。しかも! 隣国への流通を円滑にする手段も既に手にしています。計画は順調なのです!」
「いや恐いから、十一歳の思考じゃねぇから! てかなんで隣国の流通網を確保してんだよこいつ!」
「ああ、私に伝手があるからな。ガンバ達に話をしてあるのさ」
ナルガは腕を組み、国境を見やった。
復讐を止めたガンバ達は、商人として再起していた。今では国同士を股に掛け、手広く商売をしている。
農産物の取引にラコ村を訪れる事もあり、その際にナルガは娘を紹介していた。彼はミックとの間に子供も設けていて、ようやく自分の幸せを見つけたようだ。
……ガンバ達が無事に再起してくれて、本当に良かったよ。
「何より! ラコ村には他の村には無い最大の強み! 診療所があります! 医療を握るのは生殺与奪権を握るも同義。医療面を牛耳れば、他の村々はこちらにひれ伏さざるを得なくなります。活かさない手はないですよね、叔父様!」
「僕に振るなよ……てか僕が現役で居られる時間なんてそう長くないぞ?」
「大丈夫です、叔父様には後継者が二人もいらっしゃるじゃないですか。ねぇ?」
「そうだぜ親父」
「俺らワイズナー兄弟が診療所を継いでやるぜ親父」
エドウィンの息子、ガイとヴァンが自信満々に応えた。
アマトはお調子者二人を言葉巧みに焚きつけて、エドウィンの後継になるよう誘導している。アマトに惚れている二人は見事に乗せられて、医師になるべく猛勉強をしているのだ。
……おかげで頭良くなってくれたけど、こうまで単純だと心配になるな……。
「い、医者になったら、アマトちゃん俺と結婚してくれるんでしょ?」
「ええ勿論。二人のお嫁さんになるのもやぶさかではないですよ」
「お、おおっし! 頑張ろうな兄貴!」
「っしゃあ!」
「一妻多夫制導入する気かよ……」
「まぁ、素敵じゃないですか」
「素敵じゃないから。権力で制度変える気満々じゃねぇかこの小娘」
自身の容姿を自覚しているためか、アマトは男を操る術を既に習得している。しかも女子人気も高い上、教養高い振る舞いのおかげで大人受けもいい。加えて勇者と魔王四天王の血を引くサラブレッドなため腕っぷしも強く、十一歳にしてハローから帯剣を許可される心の強さも持ち合わせている。
圧倒的なカリスマ性と文武両道を地で行く様は、よもや魔王である。ラコ村周辺の一帯は、アマトに支配される運命にあった。
「なぁ、お前らん所の教育どうなってんの? 娘に国盗りさせるつもりか?」
「いやぁ、俺達は子供達の自主性に任せてるからさ」
「豪農になりたいと言ったのはアマト自身だ。ならば我らは後押しするのみ」
「後押ししちゃダメな奴だぞあれ、一番権力握らせちゃいけない奴だぞあれ」
「まーそうかもしれないですねー。でもあれで可愛げあるんですよ? 家じゃあお父さんの膝に座るのが好きな甘えん坊ですから」
「違いますよ姉様。私が父様を好きなのではありません。父様が私の事をとっても大好きですから、仕方なくお膝に乗っているんです。間違えてはいけませんよ」
シェリーにしっかり釘を刺す、お父さん大好きっ子な十一歳児であった。
「それより……ガイ、ヴァン。アマトを嫁にしたいそうだね」
ハローはリナルドと共に、笑顔で二人に木刀を突き付けた。
「許しませんよ。お父さんは絶対に許しませんよ。例えエドのせがれと言えど、俺の可愛い娘をお前らごときに渡しませんよ」
「アマトが欲しけりゃ、まず俺らと話し合おうや。身内のよしみであばら全部へし折る程度に手加減してやっからさぁ」
「人の息子に何脅迫してんだ馬鹿親子!」
アホ二人の頭をぶん殴り、エドは一発KOした。ナルガは呆れてため息をつき、父子の首根っこを掴んで引き摺って行く。
「うふふ、親子仲がよろしいようで」
「ミネバ、君さぁ、年々天然具合が増してない?」
「だっていいじゃないですか。くだらない事ではしゃげる程、平和な証拠なのですから」
「……まぁな」
エドウィンは小さく笑った。
聖剣を失った世界は、驚く程何もない。ただただ、穏やかな時間が続いている。
災いの源が消えうせたように、世界はとても、凪いでいた。
☆☆☆
十四になった頃から、リナルドはハローと共に木こり仕事を始めている。
毎日里山の管理をしなければならない大変な仕事だが、刻一刻と変化し続ける山での仕事はやり甲斐がある。精を出す義息子をハローは心強く感じていた。
でも、この所リナルドは物思いにふけるようになっていた。どこか迷いを抱えているようにも見える。
「リナルド、何か悩みでもあるのか?」
「ん? いや、まぁ……ちょっとな」
リナルドは鼻を掻いた。同時にアマトらの元気な声が聞こえてくる。そういえば、丁度昼飯時だ。
「兄様ー! お食事持ってきましたわよー!」
「ってミコも一緒か……アマトの声真似するなよ、俺の妹はもっと清らかな声してんだから」
リナルドは露骨に嫌な顔をした。ミコはむっとし、彼にデコピンした。ドゴン! と鈍い音が響く。
「私の声のどこが濁ってるってんだい? ええ言ってみろやぁ!」
「ってぇな!? 首から上が消し飛んだかと思ったぞメスゴリラ!」
「うら若い乙女をゴリラ呼ばわりたぁ偉くなったもんだねぇアンポンタン!」
喧々諤々に暴れ回る二人。もはやいつもの事なので放置するハロー達である。
「はいお父さん、お昼ごはん。馬鹿二人はほっといて食べよっか」
「今日は私と姉様で作ったんですよ。ご賞味ください」
「ありがとーシェリー、アマトー。二人とも上手になったなぁ」
「筋がいいから教え甲斐があるぞ。あやつらはいい加減どうにかならないものか」
「喧嘩する程なんとやらさ。それに、言い争うのは人前だけだしね」
「ふっ……確かにな」
ハローとナルガは、義息子とミコの関係を見透かしていた。あの様子だと、そろそろ報告に来るんじゃないだろうか。
「ぼちぼち喧嘩止めろー、飯にするぞー」
「分かった……覚えとけよ、すぐに泣き見せてやるからな」
「やれるもんならやってみろっての、いつになるか分からないけどね」
「今日中だよばーか」
ミコは「へっ?」と赤らんだ。怯んだ彼女をよそに、リナルドはおもむろに石を拾い上げ、こちらを覗き込んでいる野盗に向けて投げつけた。
樹木の幹を抉り、野盗達が青ざめる。リナルドはもう一つ石を握ると、
「頭もぎ取られたくなければさっさと帰れ」
「ひ、ひぃぃぃ!」
リナルドの威嚇に全員逃げ出した。ハローに敵わないとはいえ、リナルドの実力は達人級だ。並大抵の腕前では、彼に掠りすらさせられない。
ナルガからは家事や炊事と言った生活の術を教えられ、いつでも独り立ちできる状態だ。
……寂しいけど、時期が来たんだろうな。
「なぁ父さん、今日さ、皆で夕飯食わないか? その、ミコの両親も誘って。俺……あの話を受けようと思っているんだ」
「そうか、とうとう腹を決めたんだな」
「エド達にも声を掛けておくか。彼らにとっても、他人事ではあるまい」
ハローとナルガは、リナルドの胸中を察した。
その日の夜は、ミコの一家も招いての食事会となった。夕飯は和やかに進み、皆の腹が膨れる頃。リナルドは話を切り出した。
「あーその、報告があります。親達にはもう話を通してあるけど、俺とミコ、結婚します」
リナルドの報告に、その場に居る皆が拍手した。表では喧嘩ばかりしている二人だが、裏では交際していたのだ。
でも、二人は隠していたつもりだが、全員にはバレバレである。
「ねぇ、なんで誰も驚かないわけ? せめてアマトくらいはびっくりしてほしいんだけど」
「ずっと前から知ってましたよ。兄様とミコ姉様が森の奥で逢瀬を重ねていたの、何度も見ていますし」
「見てた!? いや待て、俺のアマトがそんなはしたない真似をするはずが……姉さんだなぁ!?」
「そりゃああんなバレッバレなデートしてたらついて行くに決まってるでしょ」
「アマトも一緒に連れていく必要ないだろ!?」
「たはー、なんか締まらないと言うか……こんな感じですけど、息子さんを貰っていきます」
「うむ。リナルドが契りを結ぶのは母として寂しいが、ミコならば安心だ」
「俺達の義息子、大事にしてくれよ」
ミコははにかんだ。リナルドは咳払いすると、両手を握り合わせた。
「それで、もう一つ……俺達、結婚を機に村を、出ようと思うんだ」
「村を出る? 都に行くつもりか」
エドウィン達は驚いていた。ハローとナルガは知っていたから、何も言わない。
「実は、オクトさんから声を掛けられてるんだ。自分の下で働いてみないかって。正直、凄く悩んだよ。ラコ村の生活に不満はないし、ずっとここで暮らしたいとも思ってる。でも、同じくらいオクトさんの話にも、興味があるんだ。見た事ない世界に飛び込んで、自分の力を試したいって……思っているんだよ」
「……お父さんと、お母さんは何て?」
「俺達から言う事は何もないよ。リナルドが決めたのならば、俺達は背中を押すだけだ」
「以前も話しただろう、私達はお前達の足かせにはなりたくない。やりたい事があるならば、挑戦しろ」
「そっか。なら私も、反対しないよ。お互い何百年も剣の中に縛り付けられてたんだ、解放された以上、自由にしないとね」
「でも……兄様、居なくなっちゃうのでしょう? 私……嫌です……」
アマトはリナルドの手を引っ張った。義兄は微笑み、義妹を撫でた。
「休みの時にはちゃんと帰るよ。約束する」
「絶対ですよ? 絶対戻ってきてください!」
リナルドは頷き、アマトを抱き上げた。
ハローとナルガは目を合わせ、気づかれないように、涙を拭った。
一週間後、リナルドとミコは旅立ちの支度を整えた。
村人総出で若い夫婦の門出を祝い、惜しみ、別れを交わす。ハローとナルガはその様子を見守り、ぐすと鼻を鳴らした。
エドウィンは肩を竦め、ハローの肩を叩いた。
「死に別れるわけじゃないんだ、あいつなら問題ないさ。お前ら二人で鍛え上げた自慢の息子だろ? 声掛けてきな」
「ああ……そうだな」
ハローとナルガはリナルドへ歩み寄り、二人で抱きしめた。
両親の温もりを感じ、リナルドは涙をこらえて、抱き返す。
「俺、忘れないから。父さんと母さんが俺を、守ってくれた事。一人前になるまで、育ててくれた事……心の底から、愛してくれた事……絶対、忘れないから」
「……辛くなったら、いつでも戻って来いよ。どんな事があっても、俺達はリナルドの味方だ」
「どれだけ遠く離れようとも、我らは家族だ。心は常に、共にある。ゆめ忘れるでないぞ」
「うん……俺を、息子にしてくれて……本当にありがとうございました……!」
息子を乗せた馬が、離れていく。ナルガは見えなくなるまで、ずっと手を振り続けた。
「嬉しくも、悲しいものだな……子供の、巣立ちは」
「……大丈夫だよ、また会える。ここには、家族で植えた苗木があるんだ。リナルドの、未来のために植えた木だ。あの木がある限り、離れ離れになったりしない。だから俺達で守ろう、子供達が悲しい未来を背負わないように」
「我らの悲劇を繰り返さぬように、だな」
ハローは頷き、ナルガの肩を抱いた。
この悲しみも、いつかは薄れ、大きな幸せを運んでくる。芽吹いた若木が、新たな命と共に戻ってくるから。
その時のために、苗木を育てよう。さらに遠くの、未来のために。
ハローとナルガの旅路もまた、新たな始まりを迎えていた。
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お疲れさまでした。
感想ありがとうございます!
ここまで応援していただきありがとうございました!また次回作もよろしくお願いします!
毎回楽しく読んでます。
シェリーが解放されてよかった、そして束の間でも父親と話が出来て良かった。
そろそろ完結しそうなのが寂しいです。
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今後ともよろしくおねがいします!