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3部
188話 平和ボケ
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風呂から出るなり、アマトがハローに飛びついた。
ハローは甘えてくる娘に目尻を下げ、優しく抱きかかえてやる。アマトはハローの胸に額をこすりつけた。
「父様! わたし綺麗になったよ!」
「おーすっごく見違えたぞー!」
こんな可愛い生き物、世界に二人と居ないだろう。愛しい妻に逞しく成長する義息子……俺はこの世で最も幸せな男だ。
ハローがそんな事を思っている隣では、ミコがリナルドにちょっかいを出していた。
「やー、リナルド君も上がったようだねー。どうかな? ん? 私に何か言う事ない?」
「アマトー、兄ちゃんにも綺麗になった姿見せてくれるかなー?」
「いいよー!」
「えっ、無視!? なんで妹に行くかなぁ!? 私に一言くれてもいいんじゃないの!?」
「美人さんになったなぁ、アマトは世界で一番可愛い女の子だ。で、何だよミコ。さっきからうるさいけど」
「こいつ……レディが風呂から上がったんだよ? だったら何か言う事ないわけ?」
「そんな貧相な体見せつけられても何にも思わないっての」
「あんだとぉ!?」
ミコはリナルドにヘッドロックを仕掛けた。リナルドはじたばたもがき、ミコの腕をタップした。
「私だって綺麗にしたんだからさぁ! 弟として誉め言葉くらいあってしかるべきなんじゃないかなぁ! ほら見ろ! 綺麗になったこの肉体を見ろぉ!」
「だったらうちの母さんくらい美人になってから言え馬鹿!」
取っ組み合いの喧嘩になる二人。もはや日常の光景となったじゃれ合いに、エドウィンは呆れて肩を竦めた。
「おい師匠二人、バカ弟子二人止めなくていいのか?」
「遊びの延長だし、別にいいでしょ。ねぇ母さん」
「うむ、木刀を持ちだしたら止めればいいだろう、父さん」
「お二人も仲の良いご夫婦で。負けてられませんねエド父さん」
「何張り合ってんの……母さんって呼ばれたいわけ?」
「はい♪」
なぜか機嫌のよい妻に、エドウィンは脱力した。子供が産まれてから、この三人は妙に明るくなった。ハローとナルガはより仲が深まっているし、ミネバもエドウィンに対してより親密に接するようになった。
まぁ、気持ちは分かる。子供達を育てるのは疲れるけど、苦労の分だけ心が晴れる気がする。子供の無邪気さほど、心の栄養になるものはない。
「とーちゃんだっこー」
「だっこしてー」
「わかったわかった」
息子二人を同時に抱え上げ、重さに成長を実感する。自分達は愛情に恵まれない子供時代を贈ったから、この子らには、沢山注いでやらないとな。
ハローは甘えてくる娘に目尻を下げ、優しく抱きかかえてやる。アマトはハローの胸に額をこすりつけた。
「父様! わたし綺麗になったよ!」
「おーすっごく見違えたぞー!」
こんな可愛い生き物、世界に二人と居ないだろう。愛しい妻に逞しく成長する義息子……俺はこの世で最も幸せな男だ。
ハローがそんな事を思っている隣では、ミコがリナルドにちょっかいを出していた。
「やー、リナルド君も上がったようだねー。どうかな? ん? 私に何か言う事ない?」
「アマトー、兄ちゃんにも綺麗になった姿見せてくれるかなー?」
「いいよー!」
「えっ、無視!? なんで妹に行くかなぁ!? 私に一言くれてもいいんじゃないの!?」
「美人さんになったなぁ、アマトは世界で一番可愛い女の子だ。で、何だよミコ。さっきからうるさいけど」
「こいつ……レディが風呂から上がったんだよ? だったら何か言う事ないわけ?」
「そんな貧相な体見せつけられても何にも思わないっての」
「あんだとぉ!?」
ミコはリナルドにヘッドロックを仕掛けた。リナルドはじたばたもがき、ミコの腕をタップした。
「私だって綺麗にしたんだからさぁ! 弟として誉め言葉くらいあってしかるべきなんじゃないかなぁ! ほら見ろ! 綺麗になったこの肉体を見ろぉ!」
「だったらうちの母さんくらい美人になってから言え馬鹿!」
取っ組み合いの喧嘩になる二人。もはや日常の光景となったじゃれ合いに、エドウィンは呆れて肩を竦めた。
「おい師匠二人、バカ弟子二人止めなくていいのか?」
「遊びの延長だし、別にいいでしょ。ねぇ母さん」
「うむ、木刀を持ちだしたら止めればいいだろう、父さん」
「お二人も仲の良いご夫婦で。負けてられませんねエド父さん」
「何張り合ってんの……母さんって呼ばれたいわけ?」
「はい♪」
なぜか機嫌のよい妻に、エドウィンは脱力した。子供が産まれてから、この三人は妙に明るくなった。ハローとナルガはより仲が深まっているし、ミネバもエドウィンに対してより親密に接するようになった。
まぁ、気持ちは分かる。子供達を育てるのは疲れるけど、苦労の分だけ心が晴れる気がする。子供の無邪気さほど、心の栄養になるものはない。
「とーちゃんだっこー」
「だっこしてー」
「わかったわかった」
息子二人を同時に抱え上げ、重さに成長を実感する。自分達は愛情に恵まれない子供時代を贈ったから、この子らには、沢山注いでやらないとな。
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