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3部
184話 エドウィン家では
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診療所に足を運んだハローは、エドウィンと共に魔剣の解析をしていた。
調べれば調べる程、驚異的な機構をした剣だ。五百年前の技術力は凄まじく、二人は舌を巻くしかない。
「人間の魂を器物に結び付ける……ぶっとんだ発想を実現するだけあって、とんでもない構造をしてるもんだ。長く調べてるけど、毎日新しい発見が出てくるな」
「同時に、相当イカれた奴だったってのも分かってくるけどね。過去に飛んでぶん殴ってやりたいよ」
「ま、どっちみち碌な死に方はしてないだろうながっ」
話の最中、エドウィンに飛びつく双子が二人。彼の息子のガイとヴァンだ。
「とーちゃんあそんでー!」
「ハロおじちゃんも僕とお話しようよー」
「お前らな、僕らは真面目な話をしてんの、後で構ってやるからどっか行ってろ」
『えー……』
双子はふくれっ面になる。息ぴったりかつ動作がそっくりで、ハローは吹き出してしまった。
「こらこら二人とも、お父さんたちの邪魔をしてはいけませんよ」
奥からミネバが出てきて、双子を預かった。息子達はきゃいきゃいはしゃぎ、母親にしがみつく。
「全く、あいつら空気読まないんだから」
「子供なんだし元気が一番さ。遅れたけどミネバ、邪魔してるよ」
「いらっしゃいませ。お飲み物、ご用意しますね」
ミネバは美しい笑顔を見せた。結婚して以来、彼女は日に日に綺麗になっている気がする。当然ナルガの方が千倍、いや万倍、否億倍美しいが。
「お前今失礼な事考えただろ」
「さてね。それよりも、奥さん大事にしてるんだな」
「ええ、とても大切にされていますよ」
「コメントは控えさせてもらおうか」
ふくれっ面になるエドウィン。行動が息子達と同じで、ハローはまた吹き出した。
「ともかくだ、オクトが来るまでにこいつの構造を把握するぞ。上手くいけばシェリーを解放出来るかもしれないしな」
「シェリーが出てきたら、五人家族になるのか。うーん楽しみだな、娘が二人になるなんて、夢が広がるよ」
「思春期になった時地獄だろうがな。二人同時に「お父さんの服は別で洗って~」なんて言われたらどうすんだ?」
「……言われたら、多分丸一日寝込むだろうなぁ……」
娘に対しては打たれ弱いお父さんである。
調べれば調べる程、驚異的な機構をした剣だ。五百年前の技術力は凄まじく、二人は舌を巻くしかない。
「人間の魂を器物に結び付ける……ぶっとんだ発想を実現するだけあって、とんでもない構造をしてるもんだ。長く調べてるけど、毎日新しい発見が出てくるな」
「同時に、相当イカれた奴だったってのも分かってくるけどね。過去に飛んでぶん殴ってやりたいよ」
「ま、どっちみち碌な死に方はしてないだろうながっ」
話の最中、エドウィンに飛びつく双子が二人。彼の息子のガイとヴァンだ。
「とーちゃんあそんでー!」
「ハロおじちゃんも僕とお話しようよー」
「お前らな、僕らは真面目な話をしてんの、後で構ってやるからどっか行ってろ」
『えー……』
双子はふくれっ面になる。息ぴったりかつ動作がそっくりで、ハローは吹き出してしまった。
「こらこら二人とも、お父さんたちの邪魔をしてはいけませんよ」
奥からミネバが出てきて、双子を預かった。息子達はきゃいきゃいはしゃぎ、母親にしがみつく。
「全く、あいつら空気読まないんだから」
「子供なんだし元気が一番さ。遅れたけどミネバ、邪魔してるよ」
「いらっしゃいませ。お飲み物、ご用意しますね」
ミネバは美しい笑顔を見せた。結婚して以来、彼女は日に日に綺麗になっている気がする。当然ナルガの方が千倍、いや万倍、否億倍美しいが。
「お前今失礼な事考えただろ」
「さてね。それよりも、奥さん大事にしてるんだな」
「ええ、とても大切にされていますよ」
「コメントは控えさせてもらおうか」
ふくれっ面になるエドウィン。行動が息子達と同じで、ハローはまた吹き出した。
「ともかくだ、オクトが来るまでにこいつの構造を把握するぞ。上手くいけばシェリーを解放出来るかもしれないしな」
「シェリーが出てきたら、五人家族になるのか。うーん楽しみだな、娘が二人になるなんて、夢が広がるよ」
「思春期になった時地獄だろうがな。二人同時に「お父さんの服は別で洗って~」なんて言われたらどうすんだ?」
「……言われたら、多分丸一日寝込むだろうなぁ……」
娘に対しては打たれ弱いお父さんである。
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