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3部
171話 おかあさんとベリー摘み
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とある日、ナルガはアマトをハローに預け、リナルドの手を引いた。
「では、アマトの世話は任せたぞ」
「任された。二人とも、気を付けてな」
「う、うん」
ナルガと手を繋いだリナルドは、頬をほんのり赤らめた。
今日は農婦とその子供達森でベリーを摘みに行くのだが、なんとアマトはお留守番だ。いつもならナルガがおんぶして一緒に行くけど、ハローがアマトの面倒を見てくれるそうだ。
望外の事に驚きと喜びがごちゃ混ぜになる。ナルガを独り占めできるなんて、アマトが産まれて以来久しぶりだ。
気分が高まりすぎて、ついついスキップしてしまう。ナルガも口元が綻んでいた。
「可愛い奴だ。そんなに慌てなくとも、ベリーは逃げんぞ」
「だって、凄く嬉しいんだ。お母さんとお出かけできるの、凄く嬉しいの」
「なんと母想いな子だ。よし、ご褒美に抱っこしてやろう」
ナルガはひょいとリナルドを抱え上げ、高い高いをしてあげた。ぎゅっと抱きしめたら、リナルドも抱き返してくる。
最近全然甘えられなかったから、リナルドは全力で甘えた。
久々にリナルドを抱っこしたが、随分重たくなったものだと、ナルガは思った。出会った当初はやせっぽちで、心配になるくらい軽かったのに。
毎日ご飯を食べて、すくすく育っている証拠だ。と、リナルドはナルガから下りた。気づけば森の入り口、ミコ達が待つ場所に着いていた。
「おはよー! いっぱいベリー採りに行こうねー!」
「うん!」
リナルドはいつになくはしゃいでいた。ナルガの手をぐいぐい引っ張って、ベリーの群生地に向かっていく。
今日はナルガに甘えていいんだ。そう判断したリナルドは、遠慮しなかった。ナルガと一緒に夢中になってベリーを採り、篭いっぱいに詰めていく。
「一つくらいならよかろう、リナルド、口を開けろ」
「んあ?」
言われた通りにしたら、ナルガが口にベリーを放り込んだ。
母に食べさせて貰った。リナルドは頬に手を当て足をばたつかせた。嬉しすぎて、どうにかなってしまいそうだ。
「ねね、お母さん。このベリーどうするの?」
「ジャムにする。パンにたっぷり付けると美味いぞ」
「お母さんの作るジャム美味しいもんね」
「当然だろう、ハローより調理の腕前は上だ。楽しみにしていろ、頬が落ちる程の逸品を作ってやるからな」
ナルガはリナルドの頬をくすぐった。もちもちとした感触が気持ちよく、つい夢中になってしまう。
リナルドはこそばゆくて、きゃっきゃと笑い続ける。ナルガが手を離すと、「やってやって」と裾を引っ張った。
義息子のはしゃぐ姿なんて暫くぶりに見た。改めて思う、リナルドは可愛い子だ。
「どちらが多く採れるか、競ってみるか?」
「うん! 負けないよ!」
リナルドは張り切ってベリーを採っていく。ナルガは微笑ましく見守っていた。
「では、アマトの世話は任せたぞ」
「任された。二人とも、気を付けてな」
「う、うん」
ナルガと手を繋いだリナルドは、頬をほんのり赤らめた。
今日は農婦とその子供達森でベリーを摘みに行くのだが、なんとアマトはお留守番だ。いつもならナルガがおんぶして一緒に行くけど、ハローがアマトの面倒を見てくれるそうだ。
望外の事に驚きと喜びがごちゃ混ぜになる。ナルガを独り占めできるなんて、アマトが産まれて以来久しぶりだ。
気分が高まりすぎて、ついついスキップしてしまう。ナルガも口元が綻んでいた。
「可愛い奴だ。そんなに慌てなくとも、ベリーは逃げんぞ」
「だって、凄く嬉しいんだ。お母さんとお出かけできるの、凄く嬉しいの」
「なんと母想いな子だ。よし、ご褒美に抱っこしてやろう」
ナルガはひょいとリナルドを抱え上げ、高い高いをしてあげた。ぎゅっと抱きしめたら、リナルドも抱き返してくる。
最近全然甘えられなかったから、リナルドは全力で甘えた。
久々にリナルドを抱っこしたが、随分重たくなったものだと、ナルガは思った。出会った当初はやせっぽちで、心配になるくらい軽かったのに。
毎日ご飯を食べて、すくすく育っている証拠だ。と、リナルドはナルガから下りた。気づけば森の入り口、ミコ達が待つ場所に着いていた。
「おはよー! いっぱいベリー採りに行こうねー!」
「うん!」
リナルドはいつになくはしゃいでいた。ナルガの手をぐいぐい引っ張って、ベリーの群生地に向かっていく。
今日はナルガに甘えていいんだ。そう判断したリナルドは、遠慮しなかった。ナルガと一緒に夢中になってベリーを採り、篭いっぱいに詰めていく。
「一つくらいならよかろう、リナルド、口を開けろ」
「んあ?」
言われた通りにしたら、ナルガが口にベリーを放り込んだ。
母に食べさせて貰った。リナルドは頬に手を当て足をばたつかせた。嬉しすぎて、どうにかなってしまいそうだ。
「ねね、お母さん。このベリーどうするの?」
「ジャムにする。パンにたっぷり付けると美味いぞ」
「お母さんの作るジャム美味しいもんね」
「当然だろう、ハローより調理の腕前は上だ。楽しみにしていろ、頬が落ちる程の逸品を作ってやるからな」
ナルガはリナルドの頬をくすぐった。もちもちとした感触が気持ちよく、つい夢中になってしまう。
リナルドはこそばゆくて、きゃっきゃと笑い続ける。ナルガが手を離すと、「やってやって」と裾を引っ張った。
義息子のはしゃぐ姿なんて暫くぶりに見た。改めて思う、リナルドは可愛い子だ。
「どちらが多く採れるか、競ってみるか?」
「うん! 負けないよ!」
リナルドは張り切ってベリーを採っていく。ナルガは微笑ましく見守っていた。
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