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110話 子供の謎

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 仮眠をとった後、ハロー達は再び集まった。
 一晩で多くの問題が湧いてきたが、ハロー達は一つ一つを片付ける事にした。

「まずリナルドだけど、俺達で保護しよう」
「そうだな。いつまた怪物が襲ってくるかもわからん、我らで預かるのが安全だろう」

 ハローとナルガはリナルドと目線を合わせ、肩を叩いた。

「安心してよ、君は俺達が責任をもって守るから。でも代わりに、この剣は預からせてもらうよ。これがないと、怪物に対抗できないからね」
「うん、いいよ」

「もう一度聞くが、本当にこの剣について、覚えていないんだな?」
「うん……気が付いたらね、森の中に居て、傍にこれが落ちてたの。そしたら、あの怪物が出てきて……それで、逃げようとしたんだけど、その剣を持たないとって、思って、それで……」
「慌てないでいいよ。そっか、何となく、手放せなかったんだね」

 リナルドは頷いた。言葉足らずで状況が掴めないものの、まだ五歳ほどの子供に詳しい話をしろと言っても難しいだろう。

「剣に関しては、私が調べてみます。聖剣と繋がりがある以上、私も無関係ではいられません。何かしらの文献も残っているはずですし、分かり次第連絡します」
「ありがとう、オクト。この剣について分かれば、怪物への対応もしやすくなる」

 ハローとしても気になっていた。元勇者として、折れた剣と聖剣の関係性は是非とも知りたいところだ。

「では、私は帰ります。先代、またお会いできる日を楽しみにしていますね」
「俺もだよ。道中気を付けて」

 オクトは一礼すると、都へと帰っていった。
 ハローとナルガは改めて、リナルドと向き合った。

「村長には僕から話しておく、ミネバにも連絡して、教会方面とも連携できるようにしておくよ」
「いつもありがとう」
「乗り掛かった舟だ。今日は栄養あるもの食わせて休ませとけ、まずは体力を戻すのが先だ」
「そうさせてもらおう」

 リナルドはまだ、ハローとナルガを警戒しているようだ。今まで誰にも頼れず、独りぼっちで逃げ続けていたからかもしれない。
 と、リナルドの腹の虫が鳴った。

「まずはごはんから、だね」
「スープを作ってやろう。その痩せようを見るに、ろくな物を食べてこなかっただろうからな」
「それと、そのボロ布も着替えないといけないね」
「……いいの?」
「子供が遠慮なんかするなよ。大丈夫、大人に任せておきな」

 ハローはリナルドを抱き上げた。
 分からない事は多いなれど、子供はちゃんと、守らないとな。
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