84 / 207
2部
84話 まぐわい
しおりを挟む
ハローが帰宅すると、ナルガは既に帰っていた。ハローは大喜びでナルガを抱きしめ、枯渇した気力を充電した。
「すでに夕餉は出来ているぞ、早く席に付け」
「ありがとう! 今日は何だろうな」
「パスタだ。いい物が手に入ったのでな」
言うなり、ナルガは品を並べた。卵とチーズをふんだんに使ったカルボナーラにサラダだ。
いい物とやらが少し気になるが、ナルガが作った料理に間違いはなく、今日もやはり美味かった。のだけども、ナルガの視線が気になる。
ちらちらと、しきりにハローの様子を伺っているのだ。気恥ずかしくも、何やら含みを感じる。
「味はどうだ」
「凄く美味しいよ」
「うずらの卵を譲ってもらってな、使ってみた」
「へぇ、うずらの卵を」
「何か感じないのか」
「感じるって?」
「この卵を使った意味が何か分からんのかと聞いている」
ナルガはギロリとにらみつけてきた。意味が分からず、ハローは困惑した。
一方のナルガも、鈍感かつ無知なハローにいら立ちを隠せない。やはり含みを持たせた態度では、この男には通じぬようだ。
食後、ナルガはハローにデザートとしてクルミと松の実を出した。とにかく食え食えとせかしてくるナルガに圧され、ハローはとにかく食べまくった。
「えと、何? なんか今日恐いんだけど、どうしたのナルガ」
「単刀直入に言おう、ヤるぞハロー」
食べきるなり、ナルガはハローをベッドに押し倒した。
ハローは声にならぬ声を上げ、身動きが取れなくなる。ナルガに迫られたせいで、ハローの心は暴発寸前だ。
それに、いつもよりも体が熱くなっている気がする……いいや、気のせいではない。
「うずらの卵にクルミ、松の実。全部精を高める食品だ。皆から譲ってもらってな、旦那と成す際に必ず使っているそうだ」
「え!? は!?」
ナルガに馬乗りにされ、否応なしに体が反応してしまう。精力増強の料理を食べたせいか、身も心もナルガにメロメロになっていた。
「ちょっと待ったナルガ! 落ち着こう、一旦落ち着こう!」
「なぜそんなに拒む。やはりこんな、傷だらけの体では欲情しないか」
「そんな事ないよ、現にその、してるし……」
確かにハローの体は昂っていて、ナルガはほっとした。自分に女としての魅力がないのかと、密かに不安になっていたのだ。
「お前は子が欲しくないのか? 私はお前との子を強く求めているのだぞ」
「俺だって、欲しいさ。ナルガとの子供は、何度も夢見たくらいだ。本音を言えば、今すぐにでも君を、その……抱きたい」
「ならばなぜそうしない。どこか、幸福を拒むかのように見えるのだが」
「……俺は、キグナス島で多くの命を奪った。マックにミレイユも、俺の手で殺した……なのに俺は君と結婚できて、身に余る幸せを得ている。この上子供なんて授かったら、この上ない幸せだろう。でも、これ以上の幸せを享受するのは、果たして許されるんだろうか」
未だ、ハローは過去の鎖に囚われている。「自分は幸せになっていいのか」と、心にひっかかりを感じているようだ。
それでも、「自分も幸せになりたい」と、相反する想いがあるようだ。
「受けていいに決まっているだろう、でなければ私が幸せになれない。夫が不幸なまま、妻が幸福になれるとでも思っているのか」
ナルガは強引にハローにキスした。彼を縛る戒めを、破壊するために。
「お前が拒むなら、私が幸せにしてやる。お前がくれた恩を纏めて返済してやる。魔王の娘を娶ったのだ、骨の髄までしゃぶられる覚悟は、出来ているだろうな」
そこからは、有無を言わせぬナルガのペースだった。
魔王の娘だって? 天使の娘の間違いだろ。ハローは心からそう感じた。
「すでに夕餉は出来ているぞ、早く席に付け」
「ありがとう! 今日は何だろうな」
「パスタだ。いい物が手に入ったのでな」
言うなり、ナルガは品を並べた。卵とチーズをふんだんに使ったカルボナーラにサラダだ。
いい物とやらが少し気になるが、ナルガが作った料理に間違いはなく、今日もやはり美味かった。のだけども、ナルガの視線が気になる。
ちらちらと、しきりにハローの様子を伺っているのだ。気恥ずかしくも、何やら含みを感じる。
「味はどうだ」
「凄く美味しいよ」
「うずらの卵を譲ってもらってな、使ってみた」
「へぇ、うずらの卵を」
「何か感じないのか」
「感じるって?」
「この卵を使った意味が何か分からんのかと聞いている」
ナルガはギロリとにらみつけてきた。意味が分からず、ハローは困惑した。
一方のナルガも、鈍感かつ無知なハローにいら立ちを隠せない。やはり含みを持たせた態度では、この男には通じぬようだ。
食後、ナルガはハローにデザートとしてクルミと松の実を出した。とにかく食え食えとせかしてくるナルガに圧され、ハローはとにかく食べまくった。
「えと、何? なんか今日恐いんだけど、どうしたのナルガ」
「単刀直入に言おう、ヤるぞハロー」
食べきるなり、ナルガはハローをベッドに押し倒した。
ハローは声にならぬ声を上げ、身動きが取れなくなる。ナルガに迫られたせいで、ハローの心は暴発寸前だ。
それに、いつもよりも体が熱くなっている気がする……いいや、気のせいではない。
「うずらの卵にクルミ、松の実。全部精を高める食品だ。皆から譲ってもらってな、旦那と成す際に必ず使っているそうだ」
「え!? は!?」
ナルガに馬乗りにされ、否応なしに体が反応してしまう。精力増強の料理を食べたせいか、身も心もナルガにメロメロになっていた。
「ちょっと待ったナルガ! 落ち着こう、一旦落ち着こう!」
「なぜそんなに拒む。やはりこんな、傷だらけの体では欲情しないか」
「そんな事ないよ、現にその、してるし……」
確かにハローの体は昂っていて、ナルガはほっとした。自分に女としての魅力がないのかと、密かに不安になっていたのだ。
「お前は子が欲しくないのか? 私はお前との子を強く求めているのだぞ」
「俺だって、欲しいさ。ナルガとの子供は、何度も夢見たくらいだ。本音を言えば、今すぐにでも君を、その……抱きたい」
「ならばなぜそうしない。どこか、幸福を拒むかのように見えるのだが」
「……俺は、キグナス島で多くの命を奪った。マックにミレイユも、俺の手で殺した……なのに俺は君と結婚できて、身に余る幸せを得ている。この上子供なんて授かったら、この上ない幸せだろう。でも、これ以上の幸せを享受するのは、果たして許されるんだろうか」
未だ、ハローは過去の鎖に囚われている。「自分は幸せになっていいのか」と、心にひっかかりを感じているようだ。
それでも、「自分も幸せになりたい」と、相反する想いがあるようだ。
「受けていいに決まっているだろう、でなければ私が幸せになれない。夫が不幸なまま、妻が幸福になれるとでも思っているのか」
ナルガは強引にハローにキスした。彼を縛る戒めを、破壊するために。
「お前が拒むなら、私が幸せにしてやる。お前がくれた恩を纏めて返済してやる。魔王の娘を娶ったのだ、骨の髄までしゃぶられる覚悟は、出来ているだろうな」
そこからは、有無を言わせぬナルガのペースだった。
魔王の娘だって? 天使の娘の間違いだろ。ハローは心からそう感じた。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる