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98話 心の時計屋さん
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コピー聖獣どもは俺様一人でぶっ飛ばしてやったよ。一方的過ぎてダイジェストにすらならないぜ。
街はウロボロスに守ってもらったから問題なし。いやー、俺様がちこっと力出しちまうと余波で街が壊れちまうからなぁ。ウロボロス様様だぜ。
―う、うおろろろ……
「ってどうしたよ、そんな怯えて」
「あんたがやりすぎたからじゃない? レベル700越えのバケモン全員ミンチにしたわけだし」
「へへ、今夜の夕飯はミートボールで決まりだな。ビオラちゃんは好きかい?」
「…………」
うーむ、やっぱりエルマーのショックで抜け殻みたいになってんなぁ。……これはチャンスなのでは?
そんじゃあ遠慮なく小さく引き締まったお尻を堪能しましょうかねぇ♡
「……あら? どうしてハワードが地面にめり込んでいるの?」
「彼、穴掘りをするのが好きなんです。ねぇ、ハワード」
「はいそのとーりですはい……」
触る前にアマンダたんの拳骨で地面に埋め込まれちまった。この俺様にたんこぶ作るとは、腕を上げたねぇ。
「一度、屋敷に戻りましょう。貴方たちももし宿が決まっていないなら、遠慮なく泊まっていっていいからね」
「よろしいのですか?」
「エルを止めてって無茶を聞いてくれているんだもの、それくらいはさせて」
「ありがたいね。特に君は運がいい、生きる勝利フラグに依頼をしたのだから」
「格好つけるなら、いい加減地面から出てきたら?」
「はーいそうしまーす」
ずるりと地面から俺様復活ってな。なんかタケノコみたいだな俺様、炊き合わせでも作ってみっかね。
なんてふざけてる間に屋敷に到着。キントラが顔を青くしてお出迎えしてくれたよ。
「ビオラ! 怪我は、無事なのか!?」
「ええ、賢者ハワードが守ってくれたから」
「おお……やはり、先の聖獣達を倒したのは貴方の……! 感謝しますぞ、賢者様」
「だぁからおっさんのお礼なんざいらねぇよ、ウロボロスにくれてやるさ。いっちゃん先に助けてくれたのもあいつだしな」
―おるるっ?
窓からすっとぼけるウロボロスが見える。事実を話しただけだぜ俺様は。嘘ついたら鼻が伸びちまうからよ。
「……ビリーは、やはり私に対して怒りを覚えているのだろう……無理もないな。彼の左目を抉った挙句、権力に任せて冒険者ギルドから除名までさせてしまったから……」
「そんな事してたのかよ、報復されて当然って奴だな。人の横っ面ぶん殴っといて、やり返されても文句は言えねぇぜ?」
「ああ、本当にそうだな……彼の人生を根底から狂わせたのだ、到底許される事ではない……だから、謝罪したいのだ。何年も、彼への悔恨で苛んできたのだから……」
随分な焦燥具合だな。人間一人を徹底的につぶそうとした奴とは思えねぇ変わりようだ。……どんな手を使ったのよビオラちゃん、自分の親に対して容赦なさすぎでしょ。
「賢者ハワード、私からも頼みたい。ビリーの凶行を止めてくれ。私が言えた義理ではないが、これ以上彼の罪を重ねさせるわけにはいかないんだ」
「あー残念だがすでにビオラちゃんから同じ依頼を受けていてね、そもそも野郎からの依頼は受けない主義だ、俺様は俺様で勝手に動くとしますさ」
キントラを後に、用意された客間へ通される。んでもって直後にリサちゃんからお叱りを受けちゃう俺様。
「だからあんたね、もうちょっと言葉選べっての! 失礼極まりないでしょうが!」
「俺様は昔のキントラに言ってやっただけさ、エルマーを生み出した直接の原因だしな」
「だとしてもさぁ……あんたと一緒に居ると悪い意味でドキドキするわね……」
「今に始まった事ではありませんので諦めるしかないかと。それとハワード、お客様のようですが」
「ああ丁度よかった、ケバブのデリバリーを頼んでいた所でね」
優雅に扉を開ければ、おいでますはビオラちゃん。わざわざ俺様に会いに来てくれるとは嬉しいねぇ。
「様子を見に来たのだけど、どうかしら。もし気に入らなかったら別の部屋か、宿のいいルームでも手配するけど」
「平気平気! 居心地良すぎて立ったまま寝れそうだよ。よければどう? 今夜俺様と一発」
皆まで言わさずアマンダたんからチョークスリーパーを食らっちまった。けど進化したFカップを押し付けられてハッピーな気分になれたぜ♡
「こんな姿を見るとただの変態親父にしか見えないわね」
「いえ、事実変態親父ですのでお気になさらず」
「ヤキモチやいて可愛いねぇアマンダたーん。それよりも、別の用事があるんじゃないかな?」
「おっと、忘れるところだった。時計のお礼を言うのを忘れていたから、改めてしようと思って」
そう言って、エルマーの時計を出す。彼女にとっちゃ、大事な宝物のようだな。
「その時計は、どんな由来がある舶来物なのかな」
「互いの名前を刻んだ時計を、二人で贈りあったのよ。これからもずっと、一緒の時を刻んでいこうって。いつでも愛している人と一緒に居られるようにって。そんな願いを込めてね」
「では、ビオラ様もお持ちなのですね」
「ええ、これよ」
ビオラちゃんは同型の懐中時計を出した。「B・E」とイニシャルが彫られた時計は、エルマーの物と違って時を刻み続けていた。
「多分、お父様に追い出された時に壊れたんでしょうね。彼の時間はずっと、あの頃から止まったまま、という事なのかもね……」
「ねぇ、よかったら私が直そうか? 時計の修理なら仕事で何度かやってるし、すぐにできるよ」
「じゃあ、お願いできるかしら。せめて私が贈った時計だけでも……前に進んでほしいから」
リサちゃんの手によって、エルマーの時計の修理が始まった。俺様が出るのはお門違いだからな、ここは引っ込んでモブに徹するとしますさ。
「しかし、まるで二人を象徴するかのようですね。片や、愛する人のために前進し続けている。片や、愛する人を諦め立ち止まっている」
「詩人だねぇ、まさにその通りだ。時計は修理すれば動くが、壊れた関係は修理しても動かない。難儀なもんだ」
「ですが、簡単に直せる人がここにいらっしゃるのでは?」
「全幅の信頼、重くて心地いいね」
ビオラちゃんの背中はどこか弱弱しい。だが何年もエルマーへの愛を貫き続ける彼女の姿は、美しくすらあるな。
任せておきな、エルマーの止まった時は俺様が動かしてやるよ。
あの野郎の心のギアを、この俺様が交換してやるさ。
街はウロボロスに守ってもらったから問題なし。いやー、俺様がちこっと力出しちまうと余波で街が壊れちまうからなぁ。ウロボロス様様だぜ。
―う、うおろろろ……
「ってどうしたよ、そんな怯えて」
「あんたがやりすぎたからじゃない? レベル700越えのバケモン全員ミンチにしたわけだし」
「へへ、今夜の夕飯はミートボールで決まりだな。ビオラちゃんは好きかい?」
「…………」
うーむ、やっぱりエルマーのショックで抜け殻みたいになってんなぁ。……これはチャンスなのでは?
そんじゃあ遠慮なく小さく引き締まったお尻を堪能しましょうかねぇ♡
「……あら? どうしてハワードが地面にめり込んでいるの?」
「彼、穴掘りをするのが好きなんです。ねぇ、ハワード」
「はいそのとーりですはい……」
触る前にアマンダたんの拳骨で地面に埋め込まれちまった。この俺様にたんこぶ作るとは、腕を上げたねぇ。
「一度、屋敷に戻りましょう。貴方たちももし宿が決まっていないなら、遠慮なく泊まっていっていいからね」
「よろしいのですか?」
「エルを止めてって無茶を聞いてくれているんだもの、それくらいはさせて」
「ありがたいね。特に君は運がいい、生きる勝利フラグに依頼をしたのだから」
「格好つけるなら、いい加減地面から出てきたら?」
「はーいそうしまーす」
ずるりと地面から俺様復活ってな。なんかタケノコみたいだな俺様、炊き合わせでも作ってみっかね。
なんてふざけてる間に屋敷に到着。キントラが顔を青くしてお出迎えしてくれたよ。
「ビオラ! 怪我は、無事なのか!?」
「ええ、賢者ハワードが守ってくれたから」
「おお……やはり、先の聖獣達を倒したのは貴方の……! 感謝しますぞ、賢者様」
「だぁからおっさんのお礼なんざいらねぇよ、ウロボロスにくれてやるさ。いっちゃん先に助けてくれたのもあいつだしな」
―おるるっ?
窓からすっとぼけるウロボロスが見える。事実を話しただけだぜ俺様は。嘘ついたら鼻が伸びちまうからよ。
「……ビリーは、やはり私に対して怒りを覚えているのだろう……無理もないな。彼の左目を抉った挙句、権力に任せて冒険者ギルドから除名までさせてしまったから……」
「そんな事してたのかよ、報復されて当然って奴だな。人の横っ面ぶん殴っといて、やり返されても文句は言えねぇぜ?」
「ああ、本当にそうだな……彼の人生を根底から狂わせたのだ、到底許される事ではない……だから、謝罪したいのだ。何年も、彼への悔恨で苛んできたのだから……」
随分な焦燥具合だな。人間一人を徹底的につぶそうとした奴とは思えねぇ変わりようだ。……どんな手を使ったのよビオラちゃん、自分の親に対して容赦なさすぎでしょ。
「賢者ハワード、私からも頼みたい。ビリーの凶行を止めてくれ。私が言えた義理ではないが、これ以上彼の罪を重ねさせるわけにはいかないんだ」
「あー残念だがすでにビオラちゃんから同じ依頼を受けていてね、そもそも野郎からの依頼は受けない主義だ、俺様は俺様で勝手に動くとしますさ」
キントラを後に、用意された客間へ通される。んでもって直後にリサちゃんからお叱りを受けちゃう俺様。
「だからあんたね、もうちょっと言葉選べっての! 失礼極まりないでしょうが!」
「俺様は昔のキントラに言ってやっただけさ、エルマーを生み出した直接の原因だしな」
「だとしてもさぁ……あんたと一緒に居ると悪い意味でドキドキするわね……」
「今に始まった事ではありませんので諦めるしかないかと。それとハワード、お客様のようですが」
「ああ丁度よかった、ケバブのデリバリーを頼んでいた所でね」
優雅に扉を開ければ、おいでますはビオラちゃん。わざわざ俺様に会いに来てくれるとは嬉しいねぇ。
「様子を見に来たのだけど、どうかしら。もし気に入らなかったら別の部屋か、宿のいいルームでも手配するけど」
「平気平気! 居心地良すぎて立ったまま寝れそうだよ。よければどう? 今夜俺様と一発」
皆まで言わさずアマンダたんからチョークスリーパーを食らっちまった。けど進化したFカップを押し付けられてハッピーな気分になれたぜ♡
「こんな姿を見るとただの変態親父にしか見えないわね」
「いえ、事実変態親父ですのでお気になさらず」
「ヤキモチやいて可愛いねぇアマンダたーん。それよりも、別の用事があるんじゃないかな?」
「おっと、忘れるところだった。時計のお礼を言うのを忘れていたから、改めてしようと思って」
そう言って、エルマーの時計を出す。彼女にとっちゃ、大事な宝物のようだな。
「その時計は、どんな由来がある舶来物なのかな」
「互いの名前を刻んだ時計を、二人で贈りあったのよ。これからもずっと、一緒の時を刻んでいこうって。いつでも愛している人と一緒に居られるようにって。そんな願いを込めてね」
「では、ビオラ様もお持ちなのですね」
「ええ、これよ」
ビオラちゃんは同型の懐中時計を出した。「B・E」とイニシャルが彫られた時計は、エルマーの物と違って時を刻み続けていた。
「多分、お父様に追い出された時に壊れたんでしょうね。彼の時間はずっと、あの頃から止まったまま、という事なのかもね……」
「ねぇ、よかったら私が直そうか? 時計の修理なら仕事で何度かやってるし、すぐにできるよ」
「じゃあ、お願いできるかしら。せめて私が贈った時計だけでも……前に進んでほしいから」
リサちゃんの手によって、エルマーの時計の修理が始まった。俺様が出るのはお門違いだからな、ここは引っ込んでモブに徹するとしますさ。
「しかし、まるで二人を象徴するかのようですね。片や、愛する人のために前進し続けている。片や、愛する人を諦め立ち止まっている」
「詩人だねぇ、まさにその通りだ。時計は修理すれば動くが、壊れた関係は修理しても動かない。難儀なもんだ」
「ですが、簡単に直せる人がここにいらっしゃるのでは?」
「全幅の信頼、重くて心地いいね」
ビオラちゃんの背中はどこか弱弱しい。だが何年もエルマーへの愛を貫き続ける彼女の姿は、美しくすらあるな。
任せておきな、エルマーの止まった時は俺様が動かしてやるよ。
あの野郎の心のギアを、この俺様が交換してやるさ。
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