4 / 116
4話 勇者パーティを引退したのに、勇者が連れ戻そうと追いかけ回してくるんだが
しおりを挟む
好物の辛口ケバブを片手にヘルバリアをぶらりと回っているが、いやはや、落ち着いて回ると面白い場所だぜ。
魔法に関する最先端の都市ともあって、魔法使い垂涎の魔導書や杖、ローブが並んでいる。俺様も魔法を多用するから、ここの品物にはついつい目移りしちまうなぁ。
「ついでに、ちょいと驚かしちゃおうかなぁ」
いたずら心が働いちゃったんで、市場に向かう。ヘルバリアはリサイクル精神にあふれた街でな、読み終えたり使い終わった古本を集め、市場で売っているんだ。
そん中で、美人のねーちゃんが売り子の店を狙って近寄る。うふふ、下心満載で近づいちゃいますよん。
「そこのお嬢さん? 私めに魔導書を一冊見せていただけますか?」
「え? あ、はぁ……」
ふっ、俺様があまりにイケメン過ぎて見惚れてるな。さてさて中身は……成程、水と氷の魔法か。俺様の得意とする魔法だ。
なんてな、俺様に苦手な魔法なんかない。この最強賢者ハワードは、全属性の魔法が大得意な天才だ。
まずは掌から水を出し、空中に留める。そしたらそいつを凍らせてぇ、麗しきレディそっくりな氷像を作り出す。
そしたらそいつを、空気中の水分を超高速で凝固、分解を繰り返し、まるで生きているかのように動かしてやる!
『おおおっ!?』
へへ、どうだいギャラリー達。繊細な魔力コントロールが出来なきゃこんな芸当出来ないぜ?
氷像と華麗にダンスを披露して、観客の目をくぎ付けにしてやる。あちこちから拍手喝采が沸き起こり、一躍大賑わいだ。
露店の姉ちゃんも笑顔で拍手を送っているし、タイミングは今しかねぇな。
「いかがでしょうかお嬢さん、この私めの超絶美技は。もし貴方さえよろしければこの後、ヘルバリアを一望できるホテルにて素敵な一夜を過ごしませんか? というか辛抱溜らんので今すぐ一発お願いします」
「天誅!」
あと一歩で口説けるって時に斧が俺様の頭に直撃し、哀れハワードは潰されてしまった。
突然の大惨事に観衆どもが一目散に逃げてしまう。勿論俺様の獲物のねーちゃんも。
「ってあり? なんだか味わい慣れた殴られ心地……」
「元勇者パーティの一員がナンパなんてみっともない事しているんじゃありません」
「あんれま、この聞き覚えのある声は……もしかしてアマンダたん?」
「その通りです。全く、こんな所に来て何をしているのですか貴方は」
俺様を見下ろす麗しき美女は、元従者のアマンダたんだ。けどいつものシスター服じゃなくて、カジュアルな私服になっている。白シャツにロングスカートとか、下心をそそられる清楚な服装だねぇ。どでかい鞄を背負ってんのが気になるけど。
「何してるって、そいつは俺様のセリフだぜ? お前さん、教会はどうしたよ。と言うか何その服装、シスター服じゃないとだめじゃないの?」
「教会なら辞めてきました。それで急いで貴方を追いかけてきたのです」
「それどゆこと?」
ぽかんとする俺に、アマンダたんは肩をすくめた。
「【転移】の魔法を使ってよかったです。貴方って人はブレーキ役がいないとすぐこれですから」
「Hey、俺様の質問に答えてねぇぞ。教会を辞めた? 俺様を追いかけた? おいおいどうしてだい? つーかどうして俺様の場所が分かったの?」
「そのメダル、何か感じませんか?」
「言われてみれば……意識しないと気付かないくらい、微弱な魔力が出ているな。これ発信機か。おいおい、これを使って探してくれたわけ? どんだけ俺様の事が大好きなんだよ」
「貴方のような男性を野放しにしていたら大変です、誰かが監視していないと。だから神の手を振り切って追いかけてきました。教会に居たら、思うように動けませんから」
「いやー、意外と熱狂的なハワードファンだな。……カインに場所、教えてないだろうな?」
「勿論。でもカイン君、物凄く必死に探していますよ」
「マジかよ。コハクとヨハンもか?」
「というより、三人で貴方をパーティに連れ戻そうと追いかけています。まだ居場所は特定できていないようですけれども」
「やれやれ……甘えん坊の勇者とか前代未聞だぜ。そんなに俺様と旅行したいなら、咥えているおしゃぶりを外してからにしてほしいもんだな」
勇者パーティを引退したのに、勇者が連れ戻そうと追いかけ回してくるんだが。
そんなに俺様を連れ戻したいんだろうが、そう簡単に俺様に追いつけると思うなよ。
この俺様はお前らがママの腹の中にいる頃から賢者をやってる世界最強の男だ。お前ら三人が束になろうと、ハワード・ロックに勝てるはずがないのさ。
「勇者パーティと最強賢者の追いかけっこか。くくっ、何の刺激もないスローライフもつまらねぇからな。精々俺様の玩具として踊ってもらうとするか。……セリフがまんま悪役だぜ」
「これだけ目立っていてはすぐに追いつかれるのでは?」
「逃げ切れる自信があるから目立ってるのさ。というより、アマンダたんもいいわけ? 教会を辞めてまで俺ちゃん追いかけるなんて、自分が何してるかわかっているのかい?」
「ええ、痛いほど。ですが……私は神に仕えるより、貴方と一緒に居たいのです」
「俺様と人生一緒にすんのは結構ハードだぜ? 何しろ俺様、根っからのトラブル体質&それを楽しんじゃう系おじさんだからな」
「知っています。それを覚悟で来ましたから、文句は言わせません。それに傍に居れば、貴方の毒牙にかかる女の子も減らせますから」
「毒牙とは失礼しちゃうなぁ、俺様は魔法だけじゃなく、ベッドテクも超一流なんだぜ?」
「そういう所が心配なんですよ」
「んもぅ、いけずぅ♡」
ただまぁ、退職してまで俺様を追いかけてきた気概、汲まないと男として失格だぜ。旅は道連れってな。一人で駆け回るより楽しくなりそうだ。
「夢のツアーへお一人様、ご招待ってな。せいぜいうなされないよう、枕を整える事だな」
「願ったりですよ。……少しは私の気持ちに気づいてくださいよ、馬鹿……」
ふくれっ面も可愛いねぇ。……ま、お前さんの気持ちにゃ、一応気づいているけどな。
「ところで、その腕はどうされたのですか?」
「お洒落だろ? ここでおニューの腕を作ろうと思ってな。頼れる職人に注文してんのさ」
「義手ですか。そうですね、腕が無いと不便だし、私みたいに心配する人もいますから」
「心配してくれてあんがとさん。しかし嬉しいもんだね、誰かに気に掛けられるってのは」
カイン達に追いかけられるのも、悪い気分はしねぇしな。
◇◇◇
アマンダたんがコンパニオンガールになったんで、お祝いにカフェでコーヒーを堪能する事にした。
俺様は結構コーヒーにはうるさいんだ。蠱惑的な香りに爽やかな苦味と酸味、コクの深さとボディの強弱を楽しめるのが大人の男って奴よ。
「これから先はどうするのですか?」
「そだねぇ、冒険者ギルドにでも登録してみるかな。コーンフレークより軽い味の依頼しかないだろうが、暇つぶしにはなるだろう。ただし、美女の依頼しか受けないがね」
「貴方らしい活動方針ですね」
アマンダたんが呆れたようにため息ついちゃった。悪いが、野郎の依頼を受けるほどお人よしじゃあないのさ。
「さてと、そんじゃ早速ギルドにでも行ってみるか。アマンダたんも登録する?」
「その方が便利そうですし、そうしましょう」
って時にだ。ふと目に留まった裏路地に、ちょろちょろっと動く影が見えた。
なぁんか気になるな、ちょっと見てみるか。
って事で、アマンダたんに事情を話しててってこ近寄ってみたらだ。女二人の前に、ローブを被った男が立っていた。
女二人は酷く焦燥した顔で、ぜひぜひと妙な呼吸をしていた。顔色も悪い。
「早く、早く頂戴……もう、限界なの……!」
「お金なら用意したから……早く……!」
「いいだろう、ではこれがブツだ」
女が大金を渡すなり、男が懐から紙包みを出した。なぁるほど、全部分かったぜ俺ちゃん。
アマンダたんに女を抑えるよう目配せする。多分あれ、禁断症状で暴れるだろうな。
「悪いがそこまでだ、現行犯逮捕ぉ!」
「なっ!?」
三人が驚いている間に、男を思い切り右腕で殴り飛ばした。あ、やべ。こっちマネキンの腕だった。
「ぐはぁっ!?」
男は壁にめり込み、気絶したみたいだな。こいつはいいとして、右腕どうなったかな?
……あっちゃあ、やっぱり折れちゃった。力いっぱい殴っちまったからなぁ、俺様のパワーに耐え切れなかったか。
「ひでぇ粗悪品だぜ……まぁいっか、あとで考えよっと」
問題はこっちだ。男の懐をまさぐると、大量の紙包みが出てくる出てくる。
微かだが甘い香りがする、こいつは麻薬だな。やっぱりこいつ、ドラッグの売人だったか。女を食い物にして金巻き上げるとは、男の風上にもおけねぇや。
「アマンダたん、そっちどうよ?」
「気絶させました、その方が早いので」
「意外と過激だよねぇ。んで、どうよ?」
「冷や汗に痙攣、顔面蒼白。違法薬物の禁断症状が出ています。危険な状態ですね」
「だろうな、でもだいじょーぶ、この俺ちゃんにお任せあれ」
気絶している女二人に治癒魔法をかけてやる。体をドラッグに侵される前の、正常な状態に戻してやったぜ。
「こんなもんかな。目を覚ましたら健康な体に驚くだろうなぁ、流石は俺様だぜ」
「色々反則ですね……ハワードだから仕方ありませんか。ともかく、憲兵に通報しましょう」
「そーだわね。後始末はまかせちゃいますか」
俺らは憲兵に通報し、男を突き出した後、一旦リサちゃんの所に戻る事にした。
魔法に関する最先端の都市ともあって、魔法使い垂涎の魔導書や杖、ローブが並んでいる。俺様も魔法を多用するから、ここの品物にはついつい目移りしちまうなぁ。
「ついでに、ちょいと驚かしちゃおうかなぁ」
いたずら心が働いちゃったんで、市場に向かう。ヘルバリアはリサイクル精神にあふれた街でな、読み終えたり使い終わった古本を集め、市場で売っているんだ。
そん中で、美人のねーちゃんが売り子の店を狙って近寄る。うふふ、下心満載で近づいちゃいますよん。
「そこのお嬢さん? 私めに魔導書を一冊見せていただけますか?」
「え? あ、はぁ……」
ふっ、俺様があまりにイケメン過ぎて見惚れてるな。さてさて中身は……成程、水と氷の魔法か。俺様の得意とする魔法だ。
なんてな、俺様に苦手な魔法なんかない。この最強賢者ハワードは、全属性の魔法が大得意な天才だ。
まずは掌から水を出し、空中に留める。そしたらそいつを凍らせてぇ、麗しきレディそっくりな氷像を作り出す。
そしたらそいつを、空気中の水分を超高速で凝固、分解を繰り返し、まるで生きているかのように動かしてやる!
『おおおっ!?』
へへ、どうだいギャラリー達。繊細な魔力コントロールが出来なきゃこんな芸当出来ないぜ?
氷像と華麗にダンスを披露して、観客の目をくぎ付けにしてやる。あちこちから拍手喝采が沸き起こり、一躍大賑わいだ。
露店の姉ちゃんも笑顔で拍手を送っているし、タイミングは今しかねぇな。
「いかがでしょうかお嬢さん、この私めの超絶美技は。もし貴方さえよろしければこの後、ヘルバリアを一望できるホテルにて素敵な一夜を過ごしませんか? というか辛抱溜らんので今すぐ一発お願いします」
「天誅!」
あと一歩で口説けるって時に斧が俺様の頭に直撃し、哀れハワードは潰されてしまった。
突然の大惨事に観衆どもが一目散に逃げてしまう。勿論俺様の獲物のねーちゃんも。
「ってあり? なんだか味わい慣れた殴られ心地……」
「元勇者パーティの一員がナンパなんてみっともない事しているんじゃありません」
「あんれま、この聞き覚えのある声は……もしかしてアマンダたん?」
「その通りです。全く、こんな所に来て何をしているのですか貴方は」
俺様を見下ろす麗しき美女は、元従者のアマンダたんだ。けどいつものシスター服じゃなくて、カジュアルな私服になっている。白シャツにロングスカートとか、下心をそそられる清楚な服装だねぇ。どでかい鞄を背負ってんのが気になるけど。
「何してるって、そいつは俺様のセリフだぜ? お前さん、教会はどうしたよ。と言うか何その服装、シスター服じゃないとだめじゃないの?」
「教会なら辞めてきました。それで急いで貴方を追いかけてきたのです」
「それどゆこと?」
ぽかんとする俺に、アマンダたんは肩をすくめた。
「【転移】の魔法を使ってよかったです。貴方って人はブレーキ役がいないとすぐこれですから」
「Hey、俺様の質問に答えてねぇぞ。教会を辞めた? 俺様を追いかけた? おいおいどうしてだい? つーかどうして俺様の場所が分かったの?」
「そのメダル、何か感じませんか?」
「言われてみれば……意識しないと気付かないくらい、微弱な魔力が出ているな。これ発信機か。おいおい、これを使って探してくれたわけ? どんだけ俺様の事が大好きなんだよ」
「貴方のような男性を野放しにしていたら大変です、誰かが監視していないと。だから神の手を振り切って追いかけてきました。教会に居たら、思うように動けませんから」
「いやー、意外と熱狂的なハワードファンだな。……カインに場所、教えてないだろうな?」
「勿論。でもカイン君、物凄く必死に探していますよ」
「マジかよ。コハクとヨハンもか?」
「というより、三人で貴方をパーティに連れ戻そうと追いかけています。まだ居場所は特定できていないようですけれども」
「やれやれ……甘えん坊の勇者とか前代未聞だぜ。そんなに俺様と旅行したいなら、咥えているおしゃぶりを外してからにしてほしいもんだな」
勇者パーティを引退したのに、勇者が連れ戻そうと追いかけ回してくるんだが。
そんなに俺様を連れ戻したいんだろうが、そう簡単に俺様に追いつけると思うなよ。
この俺様はお前らがママの腹の中にいる頃から賢者をやってる世界最強の男だ。お前ら三人が束になろうと、ハワード・ロックに勝てるはずがないのさ。
「勇者パーティと最強賢者の追いかけっこか。くくっ、何の刺激もないスローライフもつまらねぇからな。精々俺様の玩具として踊ってもらうとするか。……セリフがまんま悪役だぜ」
「これだけ目立っていてはすぐに追いつかれるのでは?」
「逃げ切れる自信があるから目立ってるのさ。というより、アマンダたんもいいわけ? 教会を辞めてまで俺ちゃん追いかけるなんて、自分が何してるかわかっているのかい?」
「ええ、痛いほど。ですが……私は神に仕えるより、貴方と一緒に居たいのです」
「俺様と人生一緒にすんのは結構ハードだぜ? 何しろ俺様、根っからのトラブル体質&それを楽しんじゃう系おじさんだからな」
「知っています。それを覚悟で来ましたから、文句は言わせません。それに傍に居れば、貴方の毒牙にかかる女の子も減らせますから」
「毒牙とは失礼しちゃうなぁ、俺様は魔法だけじゃなく、ベッドテクも超一流なんだぜ?」
「そういう所が心配なんですよ」
「んもぅ、いけずぅ♡」
ただまぁ、退職してまで俺様を追いかけてきた気概、汲まないと男として失格だぜ。旅は道連れってな。一人で駆け回るより楽しくなりそうだ。
「夢のツアーへお一人様、ご招待ってな。せいぜいうなされないよう、枕を整える事だな」
「願ったりですよ。……少しは私の気持ちに気づいてくださいよ、馬鹿……」
ふくれっ面も可愛いねぇ。……ま、お前さんの気持ちにゃ、一応気づいているけどな。
「ところで、その腕はどうされたのですか?」
「お洒落だろ? ここでおニューの腕を作ろうと思ってな。頼れる職人に注文してんのさ」
「義手ですか。そうですね、腕が無いと不便だし、私みたいに心配する人もいますから」
「心配してくれてあんがとさん。しかし嬉しいもんだね、誰かに気に掛けられるってのは」
カイン達に追いかけられるのも、悪い気分はしねぇしな。
◇◇◇
アマンダたんがコンパニオンガールになったんで、お祝いにカフェでコーヒーを堪能する事にした。
俺様は結構コーヒーにはうるさいんだ。蠱惑的な香りに爽やかな苦味と酸味、コクの深さとボディの強弱を楽しめるのが大人の男って奴よ。
「これから先はどうするのですか?」
「そだねぇ、冒険者ギルドにでも登録してみるかな。コーンフレークより軽い味の依頼しかないだろうが、暇つぶしにはなるだろう。ただし、美女の依頼しか受けないがね」
「貴方らしい活動方針ですね」
アマンダたんが呆れたようにため息ついちゃった。悪いが、野郎の依頼を受けるほどお人よしじゃあないのさ。
「さてと、そんじゃ早速ギルドにでも行ってみるか。アマンダたんも登録する?」
「その方が便利そうですし、そうしましょう」
って時にだ。ふと目に留まった裏路地に、ちょろちょろっと動く影が見えた。
なぁんか気になるな、ちょっと見てみるか。
って事で、アマンダたんに事情を話しててってこ近寄ってみたらだ。女二人の前に、ローブを被った男が立っていた。
女二人は酷く焦燥した顔で、ぜひぜひと妙な呼吸をしていた。顔色も悪い。
「早く、早く頂戴……もう、限界なの……!」
「お金なら用意したから……早く……!」
「いいだろう、ではこれがブツだ」
女が大金を渡すなり、男が懐から紙包みを出した。なぁるほど、全部分かったぜ俺ちゃん。
アマンダたんに女を抑えるよう目配せする。多分あれ、禁断症状で暴れるだろうな。
「悪いがそこまでだ、現行犯逮捕ぉ!」
「なっ!?」
三人が驚いている間に、男を思い切り右腕で殴り飛ばした。あ、やべ。こっちマネキンの腕だった。
「ぐはぁっ!?」
男は壁にめり込み、気絶したみたいだな。こいつはいいとして、右腕どうなったかな?
……あっちゃあ、やっぱり折れちゃった。力いっぱい殴っちまったからなぁ、俺様のパワーに耐え切れなかったか。
「ひでぇ粗悪品だぜ……まぁいっか、あとで考えよっと」
問題はこっちだ。男の懐をまさぐると、大量の紙包みが出てくる出てくる。
微かだが甘い香りがする、こいつは麻薬だな。やっぱりこいつ、ドラッグの売人だったか。女を食い物にして金巻き上げるとは、男の風上にもおけねぇや。
「アマンダたん、そっちどうよ?」
「気絶させました、その方が早いので」
「意外と過激だよねぇ。んで、どうよ?」
「冷や汗に痙攣、顔面蒼白。違法薬物の禁断症状が出ています。危険な状態ですね」
「だろうな、でもだいじょーぶ、この俺ちゃんにお任せあれ」
気絶している女二人に治癒魔法をかけてやる。体をドラッグに侵される前の、正常な状態に戻してやったぜ。
「こんなもんかな。目を覚ましたら健康な体に驚くだろうなぁ、流石は俺様だぜ」
「色々反則ですね……ハワードだから仕方ありませんか。ともかく、憲兵に通報しましょう」
「そーだわね。後始末はまかせちゃいますか」
俺らは憲兵に通報し、男を突き出した後、一旦リサちゃんの所に戻る事にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,057
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる