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154話 集い始める役者達
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リージョンの力で人間領に潜入し、僕達はヴェルガに到着した。
偵察しやすいよう、小高い丘に拠点を作り、城塞に囲まれた都市を見下ろした。
母さんが最後に倒れた街、結核になった場所。僕にとっては因縁の場所だ。もしも、パンデミックになっている病が、母さんのかかった病気なら……。
「病気を作った奴は、母さんの仇になるな……」
「ディック、落ち着いてよ」
シラヌイに背中をさすられ、僕は深呼吸をした。
ヴェルガへ潜入する前に、作戦会議だ。四天王と場を囲み、打ち合わせを始める。
「改めて目的を確認しよう。今作戦はヴェルガへ潜入し、パンデミックを起こした犯人の捜索と捕縛および、特効薬の捜索だ。状況からして、この街に犯人が居る可能性が高いからな」
リージョンの進行に僕らは頷いた。同時に、この作戦で潜入するのは。
「当初の予定通り、僕とシラヌイの二人で、ヴェルガに潜入するんだね」
「ディックは勿論だけど、人間に外見が似ているの、私だけだからね」
「その通りだ。俺達はこの位置でバックアップに回る、有事の際はすぐに行動できるよう待機しておくから、危なくなったらすぐに呼ぶといい」
『私が空から注視しておけば、連絡もスムーズになるはずだからな』
シルフィと四天王のバックアップなんて心強い物はない。遠慮なく頼らせてもらおうか。
メイライトが僕らに革製のマントを被せた。深いフードがついていて、被ると顔が上手く隠れるようになっている。
「このマントを被ってなさい。特にディックちゃんは人間側に顔を知られているんだから、一目見られたらアウトよ」
「うん、気を付けるよ」
「……刀も背負って隠しておくといい、特徴的な武器だからすぐに身元がばれてしまうぞ」
確かに、刀を使う剣士なんて人間領じゃ数少ない。オベリスクも目立つ武器だから、一旦リージョンに預けておくか。
「危なくなったら転移で届けてくれるかな?」
「無論だ。潜入ポイントは絞れたから、準備が出来次第すぐに転送できるぞ」
「ありがとう、それじゃシラヌイ」
「勿論、いつでも行けるわ。あんた達、よろしくお願いね」
四天王達は頷いて、リージョンがゲートを開く。
よし、行こう。母さんの無念を晴らすべく、ヴェルガに潜入だ。
◇◇◇
ヴェルガ内部は、外の情勢とは裏腹に穏やかな物だった。
病に冒されている人は誰もおらず、皆穏やかに過ごしている。僕とシラヌイは裏通りから様子を見つつ、街中へ入り込んだ。
頭上ではシルフィが様子を伺っている、彼女に分かるよう合図を送った後、僕達は調査を開始した。
酒場、冒険者ギルド、教会。情報が集まりそうな場所を重点的に当たってみるけども……。
「……何もないな」
「そうね、普通というか、穏やかすぎると言うか……」
シラヌイも眉をひそめていた。この街、何もなさすぎる。
街の人に話を聞いても、外の事なんか何も知らないと言うばかり。それどころか冒険者もだ。
情報が集まるはずの冒険者ギルドにすら、パンデミックの情報が一切届いていないのは不自然だ。まるでここだけ、時間の流れに取り残されたような違和感がある。
気配察知を使ってみても、特に嫌な気配は感じない。なんだここ……逆に不自然だぞ。
「なんだろう、この感じ。街の人全員から、異質な気配を感じる」
「そうね。なんていうか、ここにはある意味、何もないのがあるって感じ。無がある街だわ」
シラヌイも思わず呟いた。何か手掛かりでもあればいいのだけど、これではとっかかりもないな。
「そうだ。ディック、義母さんが受けたって依頼は覚えてない? 手がかりがないなら、イザヨイさんの過去を辿ってみましょう」
「確かに、病が人造の物なら、母さんが向かった先に何かがあるかもしれないな」
ヴェルガで母さんが受けた依頼は、魔物の討伐だったはずだ。ヴェルガの教会に魔物が巣を作ってしまったから、その討伐を依頼されたんだよな。
「でも、今思うと、変な依頼だよな」
当時の僕も、ちょっと疑問だった。ヴェルガは城塞に囲まれた街だ、魔物が容易に入ってこれるような場所じゃない。しかも巣を作ったのは、ラットタイプの魔物だという。
そんな魔物が、街の中央にある教会に、魔物が巣を作った? いくら何でも不自然だ。
立ち寄った場所だけど、もう一度教会に戻ってみよう。
「おや、先程の旅のお方。お忘れ物でしょうか」
さっき話を聞いた神父が出迎えてくれた。街の人と同じ笑顔で。…………。
「あの、聞き忘れた事があって。イザヨイという冒険者をご存じないですか?」
「イザヨイ? ああ! 刀を持った女性ですね、よく覚えています。それは見事な剣術でしたよ、あっという間に魔物を倒してしまいまして、その腕前にはほれぼれした物です。お知り合いなのですか? 彼女は今も元気にしているでしょうか」
「いえ、去年亡くなりました。病気にかかってしまって」
「なんと……それは、お気の毒に……」
「……病気は嫌ですね、大事な人を簡単に奪ってしまう、最悪の災害です。それが世にはびこっていると思うと、悔しくて仕方ありません」
「神に仕える者として、同じ意見です。どうかあなたの母様が安らかに眠れるよう、祈りを捧げましょう」
「……今なんて言った?」
咄嗟に僕は刀を抜いた。明らかな失言にシラヌイも杖を出し、突きつけた。
「おや、この刀はイザヨイ様の持っていた。貴方、イザヨイ様の御家族ですか?」
「しらばっくれるな、今お前はあなたの母様と言っただろう? 彼女とどんな関係なのか、僕は話していないぞ」
「随分粗いネタバレね、あからさますぎて思わず驚いちゃったわ。貴方、何者なの。いいや、この街は一体なんなの?」
「うふ、そうですねぇ。教えて差し上げてもいいですよ。貴方達が来るのを、それはもう首をながーくして待っていましたから」
神父の顔が、狂気の笑みに染まった。瞬間、教会の外に無数の気配が。
……成程、この街が無の理由が分かった。
「街全体がグルか!」
『その通りぃ!』
教会の窓を破り、街人が一斉に飛び込んできた。
さっきまでの穏やかな笑みではなく、目を剥きだして、口角を三日月のようにつりあげた、狂乱に満ち満ちた笑みだ。
居合切りで一斉に切り捨て、シラヌイが炎で焼き払う。だけど街人は恐れずとびかかってきて、キリがない。
「シルフィ!」
『声を張り上げるな馬鹿者! すでに通達している!』
シラヌイの呼び声に合わせ、ゲートが開いた。
同時に光線が飛んで人々の頭を吹き飛ばし、教会内の時間も止まる。魔王四天王の一斉攻撃だ。
「無事か二人とも!」
「どうにかね」
リージョン達に背中を守ってもらい、教会から脱出する。だけど街の人々からの襲撃は終わらない。
オベリスクも受け取り、二刀流でたたっきる。最初から全力戦闘か、派手な演出だ。
「ちっ、思ったより早く事が動いたな!」
「……どうやらここは、人間領でも魔王領でもなくなっているようだ。思わぬ収穫だな」
「でも話が早くていいじゃない、ようするにここに犯人が居るって事でしょう?」
「その通りよ、とっととふざけた茶番を仕掛けるクズを引きずり出しましょう!」
「ああ……母さんを苦しめた奴を、この手で絶対倒してやる!」
パンデミックの街、ヴェルガ。ここでの冒険が今、始まった。
偵察しやすいよう、小高い丘に拠点を作り、城塞に囲まれた都市を見下ろした。
母さんが最後に倒れた街、結核になった場所。僕にとっては因縁の場所だ。もしも、パンデミックになっている病が、母さんのかかった病気なら……。
「病気を作った奴は、母さんの仇になるな……」
「ディック、落ち着いてよ」
シラヌイに背中をさすられ、僕は深呼吸をした。
ヴェルガへ潜入する前に、作戦会議だ。四天王と場を囲み、打ち合わせを始める。
「改めて目的を確認しよう。今作戦はヴェルガへ潜入し、パンデミックを起こした犯人の捜索と捕縛および、特効薬の捜索だ。状況からして、この街に犯人が居る可能性が高いからな」
リージョンの進行に僕らは頷いた。同時に、この作戦で潜入するのは。
「当初の予定通り、僕とシラヌイの二人で、ヴェルガに潜入するんだね」
「ディックは勿論だけど、人間に外見が似ているの、私だけだからね」
「その通りだ。俺達はこの位置でバックアップに回る、有事の際はすぐに行動できるよう待機しておくから、危なくなったらすぐに呼ぶといい」
『私が空から注視しておけば、連絡もスムーズになるはずだからな』
シルフィと四天王のバックアップなんて心強い物はない。遠慮なく頼らせてもらおうか。
メイライトが僕らに革製のマントを被せた。深いフードがついていて、被ると顔が上手く隠れるようになっている。
「このマントを被ってなさい。特にディックちゃんは人間側に顔を知られているんだから、一目見られたらアウトよ」
「うん、気を付けるよ」
「……刀も背負って隠しておくといい、特徴的な武器だからすぐに身元がばれてしまうぞ」
確かに、刀を使う剣士なんて人間領じゃ数少ない。オベリスクも目立つ武器だから、一旦リージョンに預けておくか。
「危なくなったら転移で届けてくれるかな?」
「無論だ。潜入ポイントは絞れたから、準備が出来次第すぐに転送できるぞ」
「ありがとう、それじゃシラヌイ」
「勿論、いつでも行けるわ。あんた達、よろしくお願いね」
四天王達は頷いて、リージョンがゲートを開く。
よし、行こう。母さんの無念を晴らすべく、ヴェルガに潜入だ。
◇◇◇
ヴェルガ内部は、外の情勢とは裏腹に穏やかな物だった。
病に冒されている人は誰もおらず、皆穏やかに過ごしている。僕とシラヌイは裏通りから様子を見つつ、街中へ入り込んだ。
頭上ではシルフィが様子を伺っている、彼女に分かるよう合図を送った後、僕達は調査を開始した。
酒場、冒険者ギルド、教会。情報が集まりそうな場所を重点的に当たってみるけども……。
「……何もないな」
「そうね、普通というか、穏やかすぎると言うか……」
シラヌイも眉をひそめていた。この街、何もなさすぎる。
街の人に話を聞いても、外の事なんか何も知らないと言うばかり。それどころか冒険者もだ。
情報が集まるはずの冒険者ギルドにすら、パンデミックの情報が一切届いていないのは不自然だ。まるでここだけ、時間の流れに取り残されたような違和感がある。
気配察知を使ってみても、特に嫌な気配は感じない。なんだここ……逆に不自然だぞ。
「なんだろう、この感じ。街の人全員から、異質な気配を感じる」
「そうね。なんていうか、ここにはある意味、何もないのがあるって感じ。無がある街だわ」
シラヌイも思わず呟いた。何か手掛かりでもあればいいのだけど、これではとっかかりもないな。
「そうだ。ディック、義母さんが受けたって依頼は覚えてない? 手がかりがないなら、イザヨイさんの過去を辿ってみましょう」
「確かに、病が人造の物なら、母さんが向かった先に何かがあるかもしれないな」
ヴェルガで母さんが受けた依頼は、魔物の討伐だったはずだ。ヴェルガの教会に魔物が巣を作ってしまったから、その討伐を依頼されたんだよな。
「でも、今思うと、変な依頼だよな」
当時の僕も、ちょっと疑問だった。ヴェルガは城塞に囲まれた街だ、魔物が容易に入ってこれるような場所じゃない。しかも巣を作ったのは、ラットタイプの魔物だという。
そんな魔物が、街の中央にある教会に、魔物が巣を作った? いくら何でも不自然だ。
立ち寄った場所だけど、もう一度教会に戻ってみよう。
「おや、先程の旅のお方。お忘れ物でしょうか」
さっき話を聞いた神父が出迎えてくれた。街の人と同じ笑顔で。…………。
「あの、聞き忘れた事があって。イザヨイという冒険者をご存じないですか?」
「イザヨイ? ああ! 刀を持った女性ですね、よく覚えています。それは見事な剣術でしたよ、あっという間に魔物を倒してしまいまして、その腕前にはほれぼれした物です。お知り合いなのですか? 彼女は今も元気にしているでしょうか」
「いえ、去年亡くなりました。病気にかかってしまって」
「なんと……それは、お気の毒に……」
「……病気は嫌ですね、大事な人を簡単に奪ってしまう、最悪の災害です。それが世にはびこっていると思うと、悔しくて仕方ありません」
「神に仕える者として、同じ意見です。どうかあなたの母様が安らかに眠れるよう、祈りを捧げましょう」
「……今なんて言った?」
咄嗟に僕は刀を抜いた。明らかな失言にシラヌイも杖を出し、突きつけた。
「おや、この刀はイザヨイ様の持っていた。貴方、イザヨイ様の御家族ですか?」
「しらばっくれるな、今お前はあなたの母様と言っただろう? 彼女とどんな関係なのか、僕は話していないぞ」
「随分粗いネタバレね、あからさますぎて思わず驚いちゃったわ。貴方、何者なの。いいや、この街は一体なんなの?」
「うふ、そうですねぇ。教えて差し上げてもいいですよ。貴方達が来るのを、それはもう首をながーくして待っていましたから」
神父の顔が、狂気の笑みに染まった。瞬間、教会の外に無数の気配が。
……成程、この街が無の理由が分かった。
「街全体がグルか!」
『その通りぃ!』
教会の窓を破り、街人が一斉に飛び込んできた。
さっきまでの穏やかな笑みではなく、目を剥きだして、口角を三日月のようにつりあげた、狂乱に満ち満ちた笑みだ。
居合切りで一斉に切り捨て、シラヌイが炎で焼き払う。だけど街人は恐れずとびかかってきて、キリがない。
「シルフィ!」
『声を張り上げるな馬鹿者! すでに通達している!』
シラヌイの呼び声に合わせ、ゲートが開いた。
同時に光線が飛んで人々の頭を吹き飛ばし、教会内の時間も止まる。魔王四天王の一斉攻撃だ。
「無事か二人とも!」
「どうにかね」
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オベリスクも受け取り、二刀流でたたっきる。最初から全力戦闘か、派手な演出だ。
「ちっ、思ったより早く事が動いたな!」
「……どうやらここは、人間領でも魔王領でもなくなっているようだ。思わぬ収穫だな」
「でも話が早くていいじゃない、ようするにここに犯人が居るって事でしょう?」
「その通りよ、とっととふざけた茶番を仕掛けるクズを引きずり出しましょう!」
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