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136話 最終局面の始まり。
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私達は人形 牢獄に囚われた人形
体を奪われ 心を壊され 全てを失った残骸達
誰か 私達を 助けてください 私を檻から 出してください
狭くて 暗くて 寒くて 心細くて もうこんな所から逃げ出したい
世界のどこかに おわします 心優しき 勇者様
私をどうか 助けてください 私を ここから出してください
そしてどうか 私を温かく 抱きしめてください
◇◇◇
「嫉妬の左手 『悶えろ』!」
五感を奪う能力で、僕の鼻が利かなくなる。
嗅覚を奪われたけど、その程度なら問題ない。どうやらフェイスも嗅覚を奪われたみたいだな。
魔女のくせとして、初手として嫉妬の能力を使う傾向にあるな。ランダム性の高い弱い力だから、けん制目的で放つようだな。
「へっ、そんな不安定な力で止められるかよ!」
「合わせろフェイス!」
四方八方から迫りくる腕を剣で斬りつける、けど……魔女の力が強すぎて圧し負けてしまう。人形の体には傷一つ付いていない。
錆びた剣じゃやっぱり力不足だ、ダメージがミリも入っていないぞ。
「くっそ! こんなゴミでどうしろってんだよ! つーかてめぇ、そのガラクタアンチ魔導具の力あんじゃねぇのか!」
「一個欠けてるから効力が弱まっているんだよ!」
ようやく嗅覚が戻ってきた。覚醒の力も使えないし、有効打が無い。
『あがくな 従え! 憤怒の咆哮 『虫けらが』!』
カウンターの憤怒が飛んでくる。音波攻撃が僕らを叩き、体が後ろにずれた。
でも威力は大したものじゃないな、こっちの攻撃力が低すぎるせいか。この武器である限り、憤怒の力は恐れなくてよさそうだ。
「おいほっとしてんじゃねぇ、逆に言えば俺らの攻撃が通じてないって事だからな」
「そっちも忘れるなよ、目的は後ろの武器を取る事、魔女を倒すのはそれからだ」
「わーってるよ、てめぇこそ忘れんなよ」
「作戦だろ、勿論さ」
憤怒の力がある以上、僕らに求められるのはただ一つ。
武器を取り返して、一撃で倒す。それだけだ。
「渡さない 渡さない渡さない渡さない! これを渡したら いなくなってしまう そんなのは嫌だ! 嫌だ嫌だいやぁぁぁぁぁ!!!」
魔女が発狂し、背中の大砲を発射してきた。
避けても爆風が襲い掛かり、壁に叩きつけられる。無数に増殖した手が伸びてきて、僕らをしたたかに打ち付けた。
骨身がきしみ、血を吐いた。意識が、遠のきかける……。
「シラヌイ……シラヌイ!」
まだだ、僕は死ぬわけにはいかない! 彼女に会うまで、死ぬものか!
一瞬の隙をついて攻撃を掻い潜ると、フェイスも脱出していた。すると魔女が右足を上げた。
『色欲 使わせたら 駄目だよ!』
「んな事わかってるよ!」
「接地させるな! 叩きあげるぞ!」
フェイスと一緒に剣を切り上げ、魔女の右足を跳ね上げた。
アプサラスから能力は聞いている、洗脳の右足だ。あれを使われたらまずい!
たたらを踏んだ魔女が左足を上げようとする。今度は怠惰か。それも同じように出だしを潰し、能力を発動させない。
魔女の能力は強力だけど、初見殺しの物ばかりだ。両足の能力は足を接地させないと使えないし、嫉妬は分かっていれば耐えられる。憤怒もダメージを与えなければ機能しない。
「傲慢の眼 『ひれ伏』」
「すのは!」
「お前だ!」
傲慢の力も、発動前に目を殴ってしまえば止められる!
フェイスと協力してどうにか凌いでいるけど、問題は暴食と強欲の能力か。
「うがああっ! 暴食の右手 『貪れ』!」
黒いオーラがたなびき、僕らに襲い掛かる。触れれば終わりの即死技は、ハヌマーンでしか防げない。僕が盾となって防いでいると、
「お前たちは ここに居ろ ここに居ろ! 居ろ居ろ居ろろろろろぉ!」
魔女本体が接近し、肉弾戦を仕掛けてきた! 強欲は純粋な強化能力、対処が単純に難しい能力だ。
「こっちは、俺がどうにかする! てめぇは暴食をどうにかしろ!」
「分かってる! 背中は任せたぞ!」
魔女はフェイスが止め、暴食の力は僕が止める。このままじゃじり貧だ、一刻も早く、刀を……魔女を一撃で倒せる武器を取らないと!
……こうなったら、一か八か!
フェイスに耳打ちし、体勢を入れ替える。僕一人で魔女を受け止め、暴食の力を防御する。
「うおらああああっ!」
そして僕を足場に、フェイスがジャンプ。魔女を飛び越え、武器を手に取った!
「渡さなあああい!」
だけどあと一歩のところで、魔女の剛腕がフェイスを薙ぎ払った。
僕とフェイスは倒れ伏した。ショートソードも折れて、武器がなくなる。
でも……フェイスは希望を残してくれていた。
◇◇◇
僕の前に、エンディミオンが落ちていた。
俺の前に、イザヨイの刀が落ちていた。
咄嗟に聖剣を握ると、冷たい感覚が襲い掛かる。触れているだけで虚無に飲まれそうな、底知れない闇が侵食してくる。
咄嗟に刀を握ると、暖かな感覚がしみ込んでくる。触れていると力が湧いてくるような、優しい感情があふれ出てくる。
「こんな……冷たい虚無を、フェイスはずっと味わっていたのか……?」
「こんな……優しい感情を、イザヨイはディックに向け続けていたのか」
エンディミオン、僕はお前の虚無に飲まれはしない。所有者としては失格だろう。でも、
イザヨイよ、俺はお前と出会った頃の俺じゃない。この刀を持つ資格はないさ。だが、
『魔女を倒すために、お前の力を貸せ!』
エンディミオンを無理やり握り、僕は魔女に切りかかった。
イザヨイから勝手に力を借りて、俺は魔女に斬りかかった。
◇◇◇
全身全霊を込めた一撃が、魔女の胴を捉えた。
魔女は壁に叩きつけられ、胴に十字の傷が付く。岩盤が崩壊して、魔女ががれきに押しつぶされていく。
僕らは互いの武器を返し、見つめ合う。
初めてフェイスと、心の通った時間を過ごした気がする。無意識に右手を上げると、フェイスは小さく笑って、左手をぶつけた。
もし出会い方が違っていたら、僕達は、いがみ合わなかったかもしれない。この一戦を通して、そう思った。
オベリスクとディアボロスも回収し、魔女の様子を伺う。まだ魔女は沈黙していない、この程度で終わる相手じゃ、ない。
「やーだ やーだ やーだ やーだ やーだやーだやーだ やだやだやだやだやだぁぁぁ」
予想通り、魔女の声が。すると魔女ががれきを吹き飛ばし、巨大化を始めた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
巨大化が止まらない、強欲の力を使って自身を強化し続けている。このままじゃ部屋が壊れてしまう。
『二人とも 上!』
アプサラスが天井を指さした。魔女の巨大化で穴が開き、脱出路が出来ていた。
フェイスと頷きあい、僕らは脱出を急いだ。
体を奪われ 心を壊され 全てを失った残骸達
誰か 私達を 助けてください 私を檻から 出してください
狭くて 暗くて 寒くて 心細くて もうこんな所から逃げ出したい
世界のどこかに おわします 心優しき 勇者様
私をどうか 助けてください 私を ここから出してください
そしてどうか 私を温かく 抱きしめてください
◇◇◇
「嫉妬の左手 『悶えろ』!」
五感を奪う能力で、僕の鼻が利かなくなる。
嗅覚を奪われたけど、その程度なら問題ない。どうやらフェイスも嗅覚を奪われたみたいだな。
魔女のくせとして、初手として嫉妬の能力を使う傾向にあるな。ランダム性の高い弱い力だから、けん制目的で放つようだな。
「へっ、そんな不安定な力で止められるかよ!」
「合わせろフェイス!」
四方八方から迫りくる腕を剣で斬りつける、けど……魔女の力が強すぎて圧し負けてしまう。人形の体には傷一つ付いていない。
錆びた剣じゃやっぱり力不足だ、ダメージがミリも入っていないぞ。
「くっそ! こんなゴミでどうしろってんだよ! つーかてめぇ、そのガラクタアンチ魔導具の力あんじゃねぇのか!」
「一個欠けてるから効力が弱まっているんだよ!」
ようやく嗅覚が戻ってきた。覚醒の力も使えないし、有効打が無い。
『あがくな 従え! 憤怒の咆哮 『虫けらが』!』
カウンターの憤怒が飛んでくる。音波攻撃が僕らを叩き、体が後ろにずれた。
でも威力は大したものじゃないな、こっちの攻撃力が低すぎるせいか。この武器である限り、憤怒の力は恐れなくてよさそうだ。
「おいほっとしてんじゃねぇ、逆に言えば俺らの攻撃が通じてないって事だからな」
「そっちも忘れるなよ、目的は後ろの武器を取る事、魔女を倒すのはそれからだ」
「わーってるよ、てめぇこそ忘れんなよ」
「作戦だろ、勿論さ」
憤怒の力がある以上、僕らに求められるのはただ一つ。
武器を取り返して、一撃で倒す。それだけだ。
「渡さない 渡さない渡さない渡さない! これを渡したら いなくなってしまう そんなのは嫌だ! 嫌だ嫌だいやぁぁぁぁぁ!!!」
魔女が発狂し、背中の大砲を発射してきた。
避けても爆風が襲い掛かり、壁に叩きつけられる。無数に増殖した手が伸びてきて、僕らをしたたかに打ち付けた。
骨身がきしみ、血を吐いた。意識が、遠のきかける……。
「シラヌイ……シラヌイ!」
まだだ、僕は死ぬわけにはいかない! 彼女に会うまで、死ぬものか!
一瞬の隙をついて攻撃を掻い潜ると、フェイスも脱出していた。すると魔女が右足を上げた。
『色欲 使わせたら 駄目だよ!』
「んな事わかってるよ!」
「接地させるな! 叩きあげるぞ!」
フェイスと一緒に剣を切り上げ、魔女の右足を跳ね上げた。
アプサラスから能力は聞いている、洗脳の右足だ。あれを使われたらまずい!
たたらを踏んだ魔女が左足を上げようとする。今度は怠惰か。それも同じように出だしを潰し、能力を発動させない。
魔女の能力は強力だけど、初見殺しの物ばかりだ。両足の能力は足を接地させないと使えないし、嫉妬は分かっていれば耐えられる。憤怒もダメージを与えなければ機能しない。
「傲慢の眼 『ひれ伏』」
「すのは!」
「お前だ!」
傲慢の力も、発動前に目を殴ってしまえば止められる!
フェイスと協力してどうにか凌いでいるけど、問題は暴食と強欲の能力か。
「うがああっ! 暴食の右手 『貪れ』!」
黒いオーラがたなびき、僕らに襲い掛かる。触れれば終わりの即死技は、ハヌマーンでしか防げない。僕が盾となって防いでいると、
「お前たちは ここに居ろ ここに居ろ! 居ろ居ろ居ろろろろろぉ!」
魔女本体が接近し、肉弾戦を仕掛けてきた! 強欲は純粋な強化能力、対処が単純に難しい能力だ。
「こっちは、俺がどうにかする! てめぇは暴食をどうにかしろ!」
「分かってる! 背中は任せたぞ!」
魔女はフェイスが止め、暴食の力は僕が止める。このままじゃじり貧だ、一刻も早く、刀を……魔女を一撃で倒せる武器を取らないと!
……こうなったら、一か八か!
フェイスに耳打ちし、体勢を入れ替える。僕一人で魔女を受け止め、暴食の力を防御する。
「うおらああああっ!」
そして僕を足場に、フェイスがジャンプ。魔女を飛び越え、武器を手に取った!
「渡さなあああい!」
だけどあと一歩のところで、魔女の剛腕がフェイスを薙ぎ払った。
僕とフェイスは倒れ伏した。ショートソードも折れて、武器がなくなる。
でも……フェイスは希望を残してくれていた。
◇◇◇
僕の前に、エンディミオンが落ちていた。
俺の前に、イザヨイの刀が落ちていた。
咄嗟に聖剣を握ると、冷たい感覚が襲い掛かる。触れているだけで虚無に飲まれそうな、底知れない闇が侵食してくる。
咄嗟に刀を握ると、暖かな感覚がしみ込んでくる。触れていると力が湧いてくるような、優しい感情があふれ出てくる。
「こんな……冷たい虚無を、フェイスはずっと味わっていたのか……?」
「こんな……優しい感情を、イザヨイはディックに向け続けていたのか」
エンディミオン、僕はお前の虚無に飲まれはしない。所有者としては失格だろう。でも、
イザヨイよ、俺はお前と出会った頃の俺じゃない。この刀を持つ資格はないさ。だが、
『魔女を倒すために、お前の力を貸せ!』
エンディミオンを無理やり握り、僕は魔女に切りかかった。
イザヨイから勝手に力を借りて、俺は魔女に斬りかかった。
◇◇◇
全身全霊を込めた一撃が、魔女の胴を捉えた。
魔女は壁に叩きつけられ、胴に十字の傷が付く。岩盤が崩壊して、魔女ががれきに押しつぶされていく。
僕らは互いの武器を返し、見つめ合う。
初めてフェイスと、心の通った時間を過ごした気がする。無意識に右手を上げると、フェイスは小さく笑って、左手をぶつけた。
もし出会い方が違っていたら、僕達は、いがみ合わなかったかもしれない。この一戦を通して、そう思った。
オベリスクとディアボロスも回収し、魔女の様子を伺う。まだ魔女は沈黙していない、この程度で終わる相手じゃ、ない。
「やーだ やーだ やーだ やーだ やーだやーだやーだ やだやだやだやだやだぁぁぁ」
予想通り、魔女の声が。すると魔女ががれきを吹き飛ばし、巨大化を始めた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
巨大化が止まらない、強欲の力を使って自身を強化し続けている。このままじゃ部屋が壊れてしまう。
『二人とも 上!』
アプサラスが天井を指さした。魔女の巨大化で穴が開き、脱出路が出来ていた。
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