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115 マッチョさん、エルフ国に着く
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「人間国の使者の方ですね?あれ?ルリさんですか。」
若いエルフの警備兵のようだった。いや、外見だけ若いのか。長命種という話だったな。
ルリさんが代表してエルフの警備兵と話をしている。ふーむ。全体的に厚みが無く体脂肪率が低くやせ形だな。やはり木の上を移動するとなると、軽いほうが実用的な肉体なのだろう。指数本で肉体を支えるとなると体重には上限があるのか。
いまの私の身体で木登りなどできるのかと心配していたが、樹上には板張りの道があった。妊婦や高齢のエルフもいれば、小さい子どものエルフもいるだろう。自由気ままに木から木へと飛び移って生活をしているものだと思っていたが、すべてのエルフの移動手段がそうだということでは無さそうだ。ルリさんが帰ってきた。
「とりあえず国王に謁見してから勇者探しかマッチョさんの治療ですね。」
細かいことはルリさんがやってくれるだろう。
ロキさんとジェイさんがどうにも落ち着かないようだ。
「ロキさん、どうかしましたか?」
「いえ。ちょっと木の多いところというのはあまり好きでは無いんです。ここなんて木の上ですし。」
「ドワーフ族というのは土や石がある場所を好むそうだ。我もここの雰囲気は苦手だな。高い場所に住むというのは水の気配からわざわざ遠ざかっているようでな。」
そういうものなのか。まぁ高い場所に住むというのはなかなかに慣れるものではないかもしれない。
ミャオさんは・・・なんか楽しい森のアトラクションに来たみたいな顔をしているな。
森というのは暗いものだと思っていたのだが、淡く発光する植物が辺りを照らしている。ツリーハウスのような家々を抜けた中心地に位置するエルフの王城は、城というよりもむしろ大き目の邸宅という感じだった。
肉体だけではなく住む場所すらもムダや虚勢を省こうというのか。ややストイックなところが私のトレーニーとしての精神に訴えかけるものがある。ろくに話もしていないが、私はエルフ族に勝手に好感を持った。
護衛はついていたが、エルフ王と王妃、それに大臣の三人だけが謁見に同席した。
勇者の三人は武装解除をされずに立ったまま、私はいつかのように膝をついて礼を示した。
ルリさんが今回の訪問についてあれこれとエルフ王と話している。
人間国との友好関係の構築、他の種族の勇者のお披露目、私の紹介となった。
「マッチョさん、ですか。ご高名は我らの耳にも届いております。」
「恐縮です。」
「我らエルフ族には勇者がまだ見つかっていませんでしてな。そこにおられる三勇者はすべてマッチョさんが居た時に勇者になられたと聞いています。」
「そうですね。なぜかそういう重要な場に居合わせます。」
エルフ王の顔を見ていると、なんだか引き込まれるものがある。これが長命種の威厳と余裕というものなのだろうか。それでいてあまり尊大な印象を受けない。どうにも人間王が苦戦した外交相手という感じでは無いなぁ。ふーむ。
「さて。客人を立たせておくわけにもいきません。謁見はこれで終わらせ、場所を変えてお話をしましょうか。」
応接間に通されて、お茶をご馳走になった。ツイグとスクルトさんは警備の名目で立ったままだ。やはり家具や椅子もすべて木製なのだな。簡素に見えるが贅沢な素材を使っているのかもしれない。
「勇者の方々にまで来ていただいて、人間国に貸しを作ったようですね。」
「いえ。精霊の恩寵に関わることですから僕たちも来ますよ。どういう仲間が生まれるのか知りたいですしね。」
「楽しい仲間だといいニャー。」
「それだけではありませぬ。どうにも精霊というものは、近くに勇者と縁があるものに反応するのです。我らがやって来たのはそういう事情もあります。」
「・・・気にはなっていたんだけれども、この森の先になんかあるみたいだニャー。」
「やっぱり感じますよね。僕もそういう感覚です。」
ふむ。とすると、やはり勇者か、祠か。もしくは武具か。
「あと・・・なんと言ったら言いニャラ・・・その手前に凄い圧を感じさせる人がいるニャー。ドロスよりも凄い圧って初めて感じるニャー。」
ふーむ、そんな凄い人がいるのか。
「ああ、やはり勇者というのは特別なのですね。お分かりになりますか。」
「エルフ国の最長老様でしょうね。私は可愛がられていてお話をさせていただいたこともありますよ。」
「ルリさんは特別ですからね。あのドロスさんの娘さんですし。弓の腕も我々と変わらないですからね。」
凄い人なのだが、誰もが会えるという人では無いらしい。
「さて。人間国や他国が魔王について重要視していることは既に承知しています。ですが、我々はやはり魔王の脅威というものを強く感じてはいないのですよ。我々にとっても魔王がいて勇者と戦ったのは祖母の時代の話です。他の国と違い、魔物災害自体も起きた記録がありません。どうにも魔王に対しての危機感が薄い分、軍事同盟といった話はなかなかエルフには受け入れづらいのです。」
勇者が出るほどの魔物の危機も無いのであれば、そういうものなのだろう。私はエルフに感じていた違和感の正体が分かった。エルフ王は別として、一般的なエルフは魔王にも他人種にも基本的には無関心なのだ。勇者を歓待する国民というものもいない。いつだったかエルフの言葉として、変わらぬ日常を愛せよ、という話をルリさんから聞いた気がする。エルフ国の人たちは変わらない事が大事なのだろう。
もうひとつ気になることがある。以前に魔物は野菜や果物を食べないが動物は食糧にするという話を聞いたことがある。エルフ族が肉を食べないのであれば、魔物とは共存に近い関係性にあるのかもしれない。食料がカチ合わないのだ。
エルフ王の話を聞きながら、お茶というかハーブティーをすすり、なんとなく食べたお茶請けが妙に腑に落ちた。これはもしや・・・
「このお菓子、なにか不思議な味がしますね。」
脂質が多めのクッキーのようなお菓子なのだが、甘さ控えめでイケるのだ。
「ああ、エルフ国内のみで用いる伝統的な保存食です。木の実を使っているのですが、他の地域ではこの木の実は獲れないらしいですね。製法もエルフ族秘伝でここでしか食べられません。」
「マッチョさんが言っていた、エルフの森の外に持ち出せないものですよ。私もこのお菓子スキなんですよね。いつ来てもお茶も美味しいですし。」
これがエルフにとってのタンパク源か。プロテインバーのようだが、脂質も多く感じる。これがタンパク質ですと言われて出されても、私には本当にタンパク質なのかどうか分からないな。
持ち出せないことは十分承知しているが、どういう木の実なのかは凄く気になる。サバスに続く携行用タンパク質になる可能性を秘めたアイテムが目の前にあるのだ。
若いエルフの警備兵のようだった。いや、外見だけ若いのか。長命種という話だったな。
ルリさんが代表してエルフの警備兵と話をしている。ふーむ。全体的に厚みが無く体脂肪率が低くやせ形だな。やはり木の上を移動するとなると、軽いほうが実用的な肉体なのだろう。指数本で肉体を支えるとなると体重には上限があるのか。
いまの私の身体で木登りなどできるのかと心配していたが、樹上には板張りの道があった。妊婦や高齢のエルフもいれば、小さい子どものエルフもいるだろう。自由気ままに木から木へと飛び移って生活をしているものだと思っていたが、すべてのエルフの移動手段がそうだということでは無さそうだ。ルリさんが帰ってきた。
「とりあえず国王に謁見してから勇者探しかマッチョさんの治療ですね。」
細かいことはルリさんがやってくれるだろう。
ロキさんとジェイさんがどうにも落ち着かないようだ。
「ロキさん、どうかしましたか?」
「いえ。ちょっと木の多いところというのはあまり好きでは無いんです。ここなんて木の上ですし。」
「ドワーフ族というのは土や石がある場所を好むそうだ。我もここの雰囲気は苦手だな。高い場所に住むというのは水の気配からわざわざ遠ざかっているようでな。」
そういうものなのか。まぁ高い場所に住むというのはなかなかに慣れるものではないかもしれない。
ミャオさんは・・・なんか楽しい森のアトラクションに来たみたいな顔をしているな。
森というのは暗いものだと思っていたのだが、淡く発光する植物が辺りを照らしている。ツリーハウスのような家々を抜けた中心地に位置するエルフの王城は、城というよりもむしろ大き目の邸宅という感じだった。
肉体だけではなく住む場所すらもムダや虚勢を省こうというのか。ややストイックなところが私のトレーニーとしての精神に訴えかけるものがある。ろくに話もしていないが、私はエルフ族に勝手に好感を持った。
護衛はついていたが、エルフ王と王妃、それに大臣の三人だけが謁見に同席した。
勇者の三人は武装解除をされずに立ったまま、私はいつかのように膝をついて礼を示した。
ルリさんが今回の訪問についてあれこれとエルフ王と話している。
人間国との友好関係の構築、他の種族の勇者のお披露目、私の紹介となった。
「マッチョさん、ですか。ご高名は我らの耳にも届いております。」
「恐縮です。」
「我らエルフ族には勇者がまだ見つかっていませんでしてな。そこにおられる三勇者はすべてマッチョさんが居た時に勇者になられたと聞いています。」
「そうですね。なぜかそういう重要な場に居合わせます。」
エルフ王の顔を見ていると、なんだか引き込まれるものがある。これが長命種の威厳と余裕というものなのだろうか。それでいてあまり尊大な印象を受けない。どうにも人間王が苦戦した外交相手という感じでは無いなぁ。ふーむ。
「さて。客人を立たせておくわけにもいきません。謁見はこれで終わらせ、場所を変えてお話をしましょうか。」
応接間に通されて、お茶をご馳走になった。ツイグとスクルトさんは警備の名目で立ったままだ。やはり家具や椅子もすべて木製なのだな。簡素に見えるが贅沢な素材を使っているのかもしれない。
「勇者の方々にまで来ていただいて、人間国に貸しを作ったようですね。」
「いえ。精霊の恩寵に関わることですから僕たちも来ますよ。どういう仲間が生まれるのか知りたいですしね。」
「楽しい仲間だといいニャー。」
「それだけではありませぬ。どうにも精霊というものは、近くに勇者と縁があるものに反応するのです。我らがやって来たのはそういう事情もあります。」
「・・・気にはなっていたんだけれども、この森の先になんかあるみたいだニャー。」
「やっぱり感じますよね。僕もそういう感覚です。」
ふむ。とすると、やはり勇者か、祠か。もしくは武具か。
「あと・・・なんと言ったら言いニャラ・・・その手前に凄い圧を感じさせる人がいるニャー。ドロスよりも凄い圧って初めて感じるニャー。」
ふーむ、そんな凄い人がいるのか。
「ああ、やはり勇者というのは特別なのですね。お分かりになりますか。」
「エルフ国の最長老様でしょうね。私は可愛がられていてお話をさせていただいたこともありますよ。」
「ルリさんは特別ですからね。あのドロスさんの娘さんですし。弓の腕も我々と変わらないですからね。」
凄い人なのだが、誰もが会えるという人では無いらしい。
「さて。人間国や他国が魔王について重要視していることは既に承知しています。ですが、我々はやはり魔王の脅威というものを強く感じてはいないのですよ。我々にとっても魔王がいて勇者と戦ったのは祖母の時代の話です。他の国と違い、魔物災害自体も起きた記録がありません。どうにも魔王に対しての危機感が薄い分、軍事同盟といった話はなかなかエルフには受け入れづらいのです。」
勇者が出るほどの魔物の危機も無いのであれば、そういうものなのだろう。私はエルフに感じていた違和感の正体が分かった。エルフ王は別として、一般的なエルフは魔王にも他人種にも基本的には無関心なのだ。勇者を歓待する国民というものもいない。いつだったかエルフの言葉として、変わらぬ日常を愛せよ、という話をルリさんから聞いた気がする。エルフ国の人たちは変わらない事が大事なのだろう。
もうひとつ気になることがある。以前に魔物は野菜や果物を食べないが動物は食糧にするという話を聞いたことがある。エルフ族が肉を食べないのであれば、魔物とは共存に近い関係性にあるのかもしれない。食料がカチ合わないのだ。
エルフ王の話を聞きながら、お茶というかハーブティーをすすり、なんとなく食べたお茶請けが妙に腑に落ちた。これはもしや・・・
「このお菓子、なにか不思議な味がしますね。」
脂質が多めのクッキーのようなお菓子なのだが、甘さ控えめでイケるのだ。
「ああ、エルフ国内のみで用いる伝統的な保存食です。木の実を使っているのですが、他の地域ではこの木の実は獲れないらしいですね。製法もエルフ族秘伝でここでしか食べられません。」
「マッチョさんが言っていた、エルフの森の外に持ち出せないものですよ。私もこのお菓子スキなんですよね。いつ来てもお茶も美味しいですし。」
これがエルフにとってのタンパク源か。プロテインバーのようだが、脂質も多く感じる。これがタンパク質ですと言われて出されても、私には本当にタンパク質なのかどうか分からないな。
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