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朝食ができるまで時間がかかりそうだったので、ベッドの上でサーシャの話を詳しく聞いてみたらどうやら本当に初めて達したようだ。信じづらいけれどもどうにも嘘を言っているようには見えない。
「あんまり女性に聞くことじゃないけれど、君はいろんなところに行って男性と関係を結ぶ仕事じゃないの?」
「そうなのですが、ああいうのは経験がありません・・・」
この世界の男はセックスがヘタクソなのか?
「というよりも、その、アラヒト様のものはとても長いので・・・あまり刺激されたことが無い部分をずっと刺激されてしまいました・・・」
長いって言っても、15cmも無いぞ。普通だろう。・・・ん?
「サーシャ。今までに相手した男で一番長かったのはだいたいどれくらいだった?」
「ええと・・・長くてもアラヒト様にずっと攻められ続けたところに先が当たるくらいです」
カリで引っかけながらこすったから、だいたい最長で12cm程度か。ちょっと短いけれども奥でイカせるには物足りない長さだな。
ん?いや。これ、使えるんじゃないか?
俺を籠絡しようと他国から女性が献上されたら、ガッツリイカせまくって他国の情報を吸いだすことができるんじゃないだろうか?
いや、もっと面白い使い方もあるな。
サーシャの口ぶりだと、諜報員として働いている女性はほとんど快感を知らないままに抱かれているのか。それなりの長さがあれば男の努力次第で達せられるように諜報員の訓練をすれば、かなり深いところまで情報を取れるようになるんじゃないだろうか。それこそ国家機密とか。
自分は女性をイカせられるのだと思い込むと、男は勝手に男としての自信をつける。優越感というか万能感というか。うまく利用すれば敵国の国王を傀儡にして弱体化させるところまでできるかもしれないな。
昨日サーシャから聞いた話の通りだとすると、この国はほっといたらいずれ別の国に滅ぼされるか吸収される。
他国に比べてあまりに国力が無く、資源も人も足りない。
自分の身の上だけを考えるのであれば別にそれでも構わない。どうやら異世界人はどこに行っても厚くもてなさせるようだし、俺だけ他の国に亡命するのもいいだろう。
ただこの世界の文明の程度を鑑みるに、おそらくこの国が亡ぶ時、女性は襲われ奪われ殺されるだろう。
これだけの美貌の女性たちが犯され殺されるというのは・・・ちょっと俺の中では無い話だ。
せっかく異世界に来たんだから一旗あげてやろうとか、そういうのは無い。
でもまぁ美しい女性をたっぷりと抱けるというのであれば、危険を承知でこの国に貢献することも悪くないだろう。女性を抱いて利用するというのはあんまり気分のいいものでは無いけれども、まぁ国が滅びて殺されるよりはマシだろ。
「・・・どうなされました?アラヒト様」
「いや、考えてみればやりようはあるって思っただけだよ」
自分以外の人間の生存方法まで考えられるというのは、少し状況に慣れて余裕が出て来たのだろう。
「朝食はこちらでお召し上がりになりますか?」
そういやこっちに来てから何も食べてないや。
「この部屋で食べるよ」
「では失礼して、私は朝食を持って来させます」
少し窓を開けると朝日と外気が入ってきた。たしかにサーシャの言う通り朝は寒いな。
わずかに風が入ってきてサーシャの肩甲骨を覆い隠す長い髪が朝日に照らされながら揺れた。俺って本当に金髪が好きだったんだなぁ。こんなにいい気分になるとは思ってもみなかった。
黒パンにハチミツとジャム。緑黄色野菜のサラダに白いソーセージ。紅茶。
サーシャは紅茶にたっぷりとジャムを入れてご満悦だ。どうやらジャムやハチミツはこの世界では高級品らしい。俺は甘いものは苦手だったので、ストレートで紅茶を飲んだ。うん、淹れた人間は紅茶というものが分かっているな。きちんと香りが開いて、渋みや苦みも残っている。
「ジャムは召し上がらないのですか?」
「甘いものは苦手でね。できれば腸詰め以外の肉か魚もついてくれば嬉しいな」
「ではそのように伝えておきますね」
食事も済んだのでぼーっとサーシャの顔を見つめながら紅茶を飲む。美しい女性の顔を見ているとタバコが欲しくなるな。ライターと一緒にジャケットの中に数本残っていた気がする。
「・・・どうかなされましたか?」
「いや・・・綺麗だなと思って」
「・・・もういい年の行き遅れですから。正直抱いていただけないかと思っていました」
声が本気っぽいな。
そういえば数百年前の日本でも昔は十代で結婚していたのだ。
肉体が武器になる年齢というのも、所が変われば違ってくるか。
「今日は王妃様のみが謁見されたいそうです」
急に現実に引き戻された。
そういえば昨日の謁見、ちょっと妙だったな。
「サーシャ。この国で一番偉いのは誰だ?」
「国王様です」
「では実際に国を動かしているのは誰だ?」
「・・・それは」
即答しないという時点で国として問題を抱えているということだ。
「王妃様と宰相様です」
こちらの王の方が傀儡だったか。いや、たんに統治能力が低い人間が据え置かれたのか?
いずれにせよいい話では無いな。
「もう一杯分くらい、紅茶まだ残っているかな?」
「ありそうですね。どうぞ」
今日の予定を埋めていたということは、さっき朝食を持ってくるついでに俺のことを上に報告したのだろうな。
気分がいいものではないけれど、置かれた状況を考えると監視もつくか。
「あんまり女性に聞くことじゃないけれど、君はいろんなところに行って男性と関係を結ぶ仕事じゃないの?」
「そうなのですが、ああいうのは経験がありません・・・」
この世界の男はセックスがヘタクソなのか?
「というよりも、その、アラヒト様のものはとても長いので・・・あまり刺激されたことが無い部分をずっと刺激されてしまいました・・・」
長いって言っても、15cmも無いぞ。普通だろう。・・・ん?
「サーシャ。今までに相手した男で一番長かったのはだいたいどれくらいだった?」
「ええと・・・長くてもアラヒト様にずっと攻められ続けたところに先が当たるくらいです」
カリで引っかけながらこすったから、だいたい最長で12cm程度か。ちょっと短いけれども奥でイカせるには物足りない長さだな。
ん?いや。これ、使えるんじゃないか?
俺を籠絡しようと他国から女性が献上されたら、ガッツリイカせまくって他国の情報を吸いだすことができるんじゃないだろうか?
いや、もっと面白い使い方もあるな。
サーシャの口ぶりだと、諜報員として働いている女性はほとんど快感を知らないままに抱かれているのか。それなりの長さがあれば男の努力次第で達せられるように諜報員の訓練をすれば、かなり深いところまで情報を取れるようになるんじゃないだろうか。それこそ国家機密とか。
自分は女性をイカせられるのだと思い込むと、男は勝手に男としての自信をつける。優越感というか万能感というか。うまく利用すれば敵国の国王を傀儡にして弱体化させるところまでできるかもしれないな。
昨日サーシャから聞いた話の通りだとすると、この国はほっといたらいずれ別の国に滅ぼされるか吸収される。
他国に比べてあまりに国力が無く、資源も人も足りない。
自分の身の上だけを考えるのであれば別にそれでも構わない。どうやら異世界人はどこに行っても厚くもてなさせるようだし、俺だけ他の国に亡命するのもいいだろう。
ただこの世界の文明の程度を鑑みるに、おそらくこの国が亡ぶ時、女性は襲われ奪われ殺されるだろう。
これだけの美貌の女性たちが犯され殺されるというのは・・・ちょっと俺の中では無い話だ。
せっかく異世界に来たんだから一旗あげてやろうとか、そういうのは無い。
でもまぁ美しい女性をたっぷりと抱けるというのであれば、危険を承知でこの国に貢献することも悪くないだろう。女性を抱いて利用するというのはあんまり気分のいいものでは無いけれども、まぁ国が滅びて殺されるよりはマシだろ。
「・・・どうなされました?アラヒト様」
「いや、考えてみればやりようはあるって思っただけだよ」
自分以外の人間の生存方法まで考えられるというのは、少し状況に慣れて余裕が出て来たのだろう。
「朝食はこちらでお召し上がりになりますか?」
そういやこっちに来てから何も食べてないや。
「この部屋で食べるよ」
「では失礼して、私は朝食を持って来させます」
少し窓を開けると朝日と外気が入ってきた。たしかにサーシャの言う通り朝は寒いな。
わずかに風が入ってきてサーシャの肩甲骨を覆い隠す長い髪が朝日に照らされながら揺れた。俺って本当に金髪が好きだったんだなぁ。こんなにいい気分になるとは思ってもみなかった。
黒パンにハチミツとジャム。緑黄色野菜のサラダに白いソーセージ。紅茶。
サーシャは紅茶にたっぷりとジャムを入れてご満悦だ。どうやらジャムやハチミツはこの世界では高級品らしい。俺は甘いものは苦手だったので、ストレートで紅茶を飲んだ。うん、淹れた人間は紅茶というものが分かっているな。きちんと香りが開いて、渋みや苦みも残っている。
「ジャムは召し上がらないのですか?」
「甘いものは苦手でね。できれば腸詰め以外の肉か魚もついてくれば嬉しいな」
「ではそのように伝えておきますね」
食事も済んだのでぼーっとサーシャの顔を見つめながら紅茶を飲む。美しい女性の顔を見ているとタバコが欲しくなるな。ライターと一緒にジャケットの中に数本残っていた気がする。
「・・・どうかなされましたか?」
「いや・・・綺麗だなと思って」
「・・・もういい年の行き遅れですから。正直抱いていただけないかと思っていました」
声が本気っぽいな。
そういえば数百年前の日本でも昔は十代で結婚していたのだ。
肉体が武器になる年齢というのも、所が変われば違ってくるか。
「今日は王妃様のみが謁見されたいそうです」
急に現実に引き戻された。
そういえば昨日の謁見、ちょっと妙だったな。
「サーシャ。この国で一番偉いのは誰だ?」
「国王様です」
「では実際に国を動かしているのは誰だ?」
「・・・それは」
即答しないという時点で国として問題を抱えているということだ。
「王妃様と宰相様です」
こちらの王の方が傀儡だったか。いや、たんに統治能力が低い人間が据え置かれたのか?
いずれにせよいい話では無いな。
「もう一杯分くらい、紅茶まだ残っているかな?」
「ありそうですね。どうぞ」
今日の予定を埋めていたということは、さっき朝食を持ってくるついでに俺のことを上に報告したのだろうな。
気分がいいものではないけれど、置かれた状況を考えると監視もつくか。
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