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プロローグ

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「早く行くぞ!」

友達が俺に話しかけて来た。こいつは自転車通学で共に帰る友達で軍オタ通の名嘉地秀二(なかち しゅうじ)だ。

「ああ!今行くよ!」

それに俺は大声で返事をして自転車をこぎ、追いかけた。



◇◆◇◆◇◆

「しっかし、今日宿題多いな~」

秀二はハンドルを片手で運転しながら数学のプリントを反対の手で持ちながら嘆いた。

「本当、本当。けどやらんわけにはいかんでしょう?秀二少佐?」

それに俺は少し嫌みに返す。すると秀二も少し嫌みに返してきた。

「それもそうですな。悠里少佐?」

「「ぷぷッ!ハハハ!」」

秀二がそう言い終わると二人は大声で笑った。
そしてその数分後。悠里達がいる歩道に一台の車が突っ込んで来た。

「なっ!グワッ!」

そして悠里に車は衝突したのだった。

ヤバイ…意識が…

薄れ行く意識の中で悠里はかけよってくる秀二が目に入った。

一言でも…最後に…!

そう意気込んだ悠里は最後の力を振り絞り声を発した。




































「俺、は…次の世は…」

言い切れぬまま意識が途切れた。

◇◆◇◆◇◆



やぁ、はじめまして。改めて自己紹介しようか、俺は若竹悠里(わかたけ ゆうり)だ。前世で天皇の位を蹴って皇族軍人として中将をしていたという記憶をもった“普通”の高校生の軍事オタクだ。
   さて、突然だが俺は“また”白い空間に来ていた。一度転生するときに来ているので二度目になるのだ。そしてしばらくすると悠里は小さくため息をつき、飽き飽きしたような声でここに呼び出した人物を呼んだ。

「アテネ?いい加減出てきてくれない?」

「ハッハッハッ!前の時みたいに動揺してくれてもいいんだよ?」

アテネが笑いながら現れた。いやさ、そんな毎回も動揺なんてしませんよ。

「ですよねー」

そりゃそうだわ!

「で、用件はなんですかアテネ?」

「また間違えて殺っちゃた」

ん?聞き間違いかな?

「で、何ですって?」

「また間違えて殺しちゃった☆」



━ブチッ━

 

何処からか何かが切れた音がした次の瞬間、悠里はアテネの胸ぐらをつかみ怒鳴り込んだ。

「何が『また間違えて殺しちゃった☆』だ!ふざけとんのか!それに何度も何度も転生先間違えやがって!それに性転換するってなんだよ!頭かちわるぞワレ‼」(怒

「だって、間違えちゃったんだもん…」

言い訳を言ったアテネを睨んで返す。

「ん?」ギロッ

「ひっ!ひィィィィ!」


~そして数十分後~



数十分叫び続けてから落ち着いたあとにアテネにこの後どうなるのかを改めて聞いた。

「俺ってこれからどうなるんだ?」

「ア、ハイ。一応こちらのミスなので別の世界に転生サセマス」

「ん?何だって?」ギロッ

アテネは悠里の眼光に怯みつつ転生先の説明をする。

「ひぇぇ…」

「じゃ、じゃあ説明するわよ。転生先はヴァルフェイムという世界で魔法や“科学が発展して宇宙戦艦”なんかがあるところね」

…え?

「科学に宇宙戦艦?魔法あるのに?」

悠里は引っ掛かった所を引っ張り聞いた。

「あー……実は昔はいろいろな世界があったのよ?だけど悠里を転生させた後にあった神同士の集まりで…」

「集まりで?」



























「ポーカーに負けて減っちゃったのよ!!」

ーズコ

「ポーカーて…アホだろ」

悠里はその理由に呆れて頭が痛くなった。

「だ、だって~」

アテネは泣きかけている。

「まぁいいや。アテネがアホゥなのは変わりないし」

「酷い!」

「だまらっしゃい!…で、転生先の身分は?まさか奴隷とかないよな?」

「え~と、悠里の転生先は星間国家の貴族ってなってるね」

「貴族か…まぁ、いいや。アテネ、そろそろ」

「わかったわ。転生一名様ご案内~!!」

アテネはそう言うと転生の扉をあけた。そしてその扉の扉の中に入ると直ぐに意識が持っていかれた。
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