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01_リトル
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皆さんは魔法を信じますか?
信じるにしても信じないにしても、俺たちの住むこの世界には魔法があるんです。
「リトル!」
「ん?」
俺、リトセクトルことリトルは全寮制男子校、コウリア学園の生徒だ。容姿、成績、魔力ともに平凡。入学してから一ヶ月経つが親友が親衛隊持ちのイケメンなことと同室者の1人が親衛隊持ちのイケメンなこと以外に問題はない。あれ、俺の周りイケメン多くない?
「今日は早いんだねリトル」
「今日は部屋が危険だからな…」
「そうなんだ…。あ、ご飯食べに行くなら一緒に行こうよ!」
「もちろん!俺もセルト誘おうと思ってたしな!」
俺がセルトと呼んだこいつが親衛隊持ちのイケメン親友だ。ふんわりとした雰囲気と柔らかな物腰。そして、天使のような容姿の綺麗系イケメンだ。入学して早々、こいつは人気者になった。そんな俺がどうしてこいつと仲良くなったかというといたって単純。席が近かったからだ。
「僕、セルトっていうんだ。よろしくね」
「え、嫌だ…はっ!」
しまったと思った。つい見た目で本音が出てしまった。
「いや、悪い!怒ったよな!?本当、ごめん!」
「ふふ、正直なんだね。僕のこと嫌い?」
「そんなことはないぞ!お前、いい奴だと思うし!ただ、俺、イケメンにいい思い出がなくてな…」
「そうなんだ…。僕のこと嫌いじゃないなら、友達になって欲しいな。君はなんか、安心する」
「こちらこそだ!俺はリトセクトル。リトルでいいよ」
かくして、俺はセルトと友達になった。実際にセルトはめちゃくちゃいい奴で今では親友と呼べるほど仲良くなった。それにセルトの親衛隊は温厚な奴が多く友人に手出しするようなことはしない。
「リトルと朝ごはん食べるの久しぶりだね!嬉しいな」
「セルト朝練あるし、俺は朝が苦手だからな…」
セルトは剣術が得意で学園の特別朝練を受けている。
「僕も朝練断われればいんだけどね…」
「いやいや、もったいねえよ」
「でも、リトルとご飯食べる方が絶対有意義だもん…」
しょんぼり…という効果音がつきそうなセルトはそれも様になっていた。見てみろ周りを。お前の悩ましげな顔にみんなやられてるぞ、イケメンめ。
「嬉しいけどさ、朝練は出た方がいいと思うぜ!俺も早起きできた日はセルトを誘うから!」
「ほんと…!絶対だよ!」
笑顔で俺の手を握ってくるセルト。セルトさん、周り見て!俺怖い!みんなの視線が怖いよ!
そんな視線に耐えながら(耐えてたのは俺だけだが)、俺たちは食堂についた。
『きゃああああ、セルト様ー!』
ついて早々、黄色い声援がセルトに飛んでくる。それはまぁ、男の声だが結構うるさい。
「みんなごめんね。ここ食堂だから、あんまり大きい声は良くないと思うんだ。だから、大きい声は止めようね」
『はい!』
まるで、子どもに教えるように優しく注意する。こいつは実は大物だと思う。てか、実際大物だ。セルトの親衛隊が温厚なのもこのためである。セルトの優しさが伝染しているというか、こいつは親衛隊の扱いが上手いんだ。
「リトル、何食べる?」
「俺、モーニングのA!」
「じゃあ、僕もそれにしよう!」
席に座り、魔力を少しタブレットに流す。すると、生徒認証がされる。俺たちの学校は魔力で買い物をする。まぁ、この学校は数少ない魔法学校でそれなりに大きいから食費や売店はタダ何だけどな。お金がいるとしたら酒やゲームなんかの娯楽だ。
『きゃああああ』
「また、なんか来たな、イケメンめ」
「誰だろうね?」
「どうせ、この騒ぎようじゃお前クラスのイケメンだよ。生徒会か風紀委員かS組」
この学校の生徒会、風紀委員、S組はモテる。まぁ、生徒会も風紀委員もほとんどS組なんだがな。メンバー全員が成績優秀者なのもあるが、その容姿。魔力が高い奴は容姿が良い奴が多い。イケメン揃いだ。もちろん、親衛隊持ち。
「俺、生徒会にジュース一本」
「じゃあ、僕は風紀委員に」
今日は自信あるぜ!何たって今日は生徒会メンバーを見かけたんだからな!俺たちは立ち上がって確認しようとする。見えない…。
「ミシェル先輩とルカ先輩だ」
「げっ!」
俺は少し背伸びをして確認する。背が低いから見えない…。セルトは何気に高いからな…162の俺には見えないものがお前には見えるんだろ!
お、見えた!マジで、ミシェル先輩とルカ先輩だ。ミシェル先輩は風紀委員副委員長…。ルカ先輩も風紀委員…。鋭い目にメガネ、知的クール系イケメンの2年生ミシェル先輩と同じく2年生の大きな目に笑顔が素敵なショタ系イケメンのルカ先輩。
「僕の勝ちだね」
そう言ってニコニコとしているセルト。
ちゅ
「ご褒美はこれね」
「ほほ、ほっぺにキ…//」
ほっぺにキスされた!ほっぺに手を当ててパクパクと金魚の口のように動かす俺、顔が真っ赤なのが自分でわかる。幸い、ミシェル先輩たちの登場のおかげで見られてないようだが。
「リトルは可愛いなぁ」
「可愛くねぇし!//」
俺は恥ずかしくなり、魔法で運ばれてきたモーニングセAを食べる。美味い。
「ふふ」
くそ、悔しいぞ。次は絶対勝つ!
信じるにしても信じないにしても、俺たちの住むこの世界には魔法があるんです。
「リトル!」
「ん?」
俺、リトセクトルことリトルは全寮制男子校、コウリア学園の生徒だ。容姿、成績、魔力ともに平凡。入学してから一ヶ月経つが親友が親衛隊持ちのイケメンなことと同室者の1人が親衛隊持ちのイケメンなこと以外に問題はない。あれ、俺の周りイケメン多くない?
「今日は早いんだねリトル」
「今日は部屋が危険だからな…」
「そうなんだ…。あ、ご飯食べに行くなら一緒に行こうよ!」
「もちろん!俺もセルト誘おうと思ってたしな!」
俺がセルトと呼んだこいつが親衛隊持ちのイケメン親友だ。ふんわりとした雰囲気と柔らかな物腰。そして、天使のような容姿の綺麗系イケメンだ。入学して早々、こいつは人気者になった。そんな俺がどうしてこいつと仲良くなったかというといたって単純。席が近かったからだ。
「僕、セルトっていうんだ。よろしくね」
「え、嫌だ…はっ!」
しまったと思った。つい見た目で本音が出てしまった。
「いや、悪い!怒ったよな!?本当、ごめん!」
「ふふ、正直なんだね。僕のこと嫌い?」
「そんなことはないぞ!お前、いい奴だと思うし!ただ、俺、イケメンにいい思い出がなくてな…」
「そうなんだ…。僕のこと嫌いじゃないなら、友達になって欲しいな。君はなんか、安心する」
「こちらこそだ!俺はリトセクトル。リトルでいいよ」
かくして、俺はセルトと友達になった。実際にセルトはめちゃくちゃいい奴で今では親友と呼べるほど仲良くなった。それにセルトの親衛隊は温厚な奴が多く友人に手出しするようなことはしない。
「リトルと朝ごはん食べるの久しぶりだね!嬉しいな」
「セルト朝練あるし、俺は朝が苦手だからな…」
セルトは剣術が得意で学園の特別朝練を受けている。
「僕も朝練断われればいんだけどね…」
「いやいや、もったいねえよ」
「でも、リトルとご飯食べる方が絶対有意義だもん…」
しょんぼり…という効果音がつきそうなセルトはそれも様になっていた。見てみろ周りを。お前の悩ましげな顔にみんなやられてるぞ、イケメンめ。
「嬉しいけどさ、朝練は出た方がいいと思うぜ!俺も早起きできた日はセルトを誘うから!」
「ほんと…!絶対だよ!」
笑顔で俺の手を握ってくるセルト。セルトさん、周り見て!俺怖い!みんなの視線が怖いよ!
そんな視線に耐えながら(耐えてたのは俺だけだが)、俺たちは食堂についた。
『きゃああああ、セルト様ー!』
ついて早々、黄色い声援がセルトに飛んでくる。それはまぁ、男の声だが結構うるさい。
「みんなごめんね。ここ食堂だから、あんまり大きい声は良くないと思うんだ。だから、大きい声は止めようね」
『はい!』
まるで、子どもに教えるように優しく注意する。こいつは実は大物だと思う。てか、実際大物だ。セルトの親衛隊が温厚なのもこのためである。セルトの優しさが伝染しているというか、こいつは親衛隊の扱いが上手いんだ。
「リトル、何食べる?」
「俺、モーニングのA!」
「じゃあ、僕もそれにしよう!」
席に座り、魔力を少しタブレットに流す。すると、生徒認証がされる。俺たちの学校は魔力で買い物をする。まぁ、この学校は数少ない魔法学校でそれなりに大きいから食費や売店はタダ何だけどな。お金がいるとしたら酒やゲームなんかの娯楽だ。
『きゃああああ』
「また、なんか来たな、イケメンめ」
「誰だろうね?」
「どうせ、この騒ぎようじゃお前クラスのイケメンだよ。生徒会か風紀委員かS組」
この学校の生徒会、風紀委員、S組はモテる。まぁ、生徒会も風紀委員もほとんどS組なんだがな。メンバー全員が成績優秀者なのもあるが、その容姿。魔力が高い奴は容姿が良い奴が多い。イケメン揃いだ。もちろん、親衛隊持ち。
「俺、生徒会にジュース一本」
「じゃあ、僕は風紀委員に」
今日は自信あるぜ!何たって今日は生徒会メンバーを見かけたんだからな!俺たちは立ち上がって確認しようとする。見えない…。
「ミシェル先輩とルカ先輩だ」
「げっ!」
俺は少し背伸びをして確認する。背が低いから見えない…。セルトは何気に高いからな…162の俺には見えないものがお前には見えるんだろ!
お、見えた!マジで、ミシェル先輩とルカ先輩だ。ミシェル先輩は風紀委員副委員長…。ルカ先輩も風紀委員…。鋭い目にメガネ、知的クール系イケメンの2年生ミシェル先輩と同じく2年生の大きな目に笑顔が素敵なショタ系イケメンのルカ先輩。
「僕の勝ちだね」
そう言ってニコニコとしているセルト。
ちゅ
「ご褒美はこれね」
「ほほ、ほっぺにキ…//」
ほっぺにキスされた!ほっぺに手を当ててパクパクと金魚の口のように動かす俺、顔が真っ赤なのが自分でわかる。幸い、ミシェル先輩たちの登場のおかげで見られてないようだが。
「リトルは可愛いなぁ」
「可愛くねぇし!//」
俺は恥ずかしくなり、魔法で運ばれてきたモーニングセAを食べる。美味い。
「ふふ」
くそ、悔しいぞ。次は絶対勝つ!
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