副会長様は平凡を望む

俺は極めて温厚な性格ですよ

「あぁん？てめぇ…ッ 誰がモドキだコラ！？あぁﾞ？」



「誰って‥ 今、目の前にいる金髪頭にですが」

「てンめぇッッ！！俺に喧嘩売ってんのか！？」


「変な言いがかりはやめて頂けませんか。俺は極めて温厚な性格です。大体、俺は面倒事は嫌いなので好き好んで喧嘩を売ったりなんてしませんよ。…だから、わざわざ前の学校から転校だってしたっていうのに…」



「そしたら、今度は義父から質問攻めです。学園で何があったのかと苛められたのかと散々聞いてき、しまいには勝手に勘違いして変な方向に考えて、

いきなり不甲斐ない義父でごめんって三日三晩、泣きながらの謝罪を受け、さらには仕事も放置して金魚のフンが如く俺に付きっきり…


……赤城くんのいう『ファザコン』とはこれに対し、少しうんざりしている俺に当てはまるんですよね？」



無表情で淡々と言う南、しかし赤城と黒瀬の二人は気付く。特に、後半の言葉に嫌味が含まれていることに一一

「あ、その… なんっつーか、悪かった」


あの赤城が自分から謝罪をした、そのことに黒瀬は驚く。

「ファザコンだと言ったことは謝るが、俺はまだテメェを信じちゃいねぇ」


非は認めたものの、南に対する警戒心を解こうとはせず、その真意を探るように南を見据える。


赤城の言葉に黒瀬はハラハラ。


……が、言われた南はというと特に気に障ったふうもなく、無表情のまま、あっけらかんと――― 言い放つ。


「いや、あの‥ 何か誤解しているようですが、別に信じなくて結構ですよ。そもそも俺は人と関わるつもりはないので」