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ナイフ投げは必須科目でしたので。
しおりを挟む───そんな話、聞いていませんが?
いくら義父さんに進められたからと言って自分が入る予定の学園を下調べしなかった自分の不手際に思わず舌打ちする。
そもそも、なぜ最初に常識云々よりもこの件を黒瀬くんは教えてくれなかったのか。…いや、彼の場合。ただ単に忘れていただけのような気がします。
……彼、単純ですから。
現に、遠くに座る黒瀬くんと赤城くんにいろいろ恨みを含んだ眼差しをジッと向けると、黒瀬くんは両手を合わせて『めんご!』と口パクで謝っているのが見える。
「それにしても、さっきのアレは…!やはり、あなたも何か…」
隠し事をしても無駄ですよ?と勝ち誇ったように口角をつり上げる副会長に私は隣にいる誉をちらりと一瞥して口を開いた
「何かも何も… 何もありませんよ。何を期待しているのかわかりませんが。そもそもあのナイフ投げは授業の必須科目でしたので」
「ナイフ投げ、が必須科目だ…?そんなふざけた学園があるわけねぇだろ!」
淡々と告げる言葉に尚も疑う生徒会、面倒だと思いつつあったところに隣にいた誉がようやく口を開いた。
「───いや、そもそも中等部の卒業試験の必須単位に含まれてたから」
『『・・・は?』』
「「「ぇ゙」」」
生徒会メンバーと食堂にいた生徒の声が重なった。
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