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- 王国の陰りと忌まわしき魔女の呪い -
※R15〜18指定『快楽と調教と - 覚醒 - 』②※2/2
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「舐めろ、お前が出したモノだろう?ほら、私の指を綺麗にしろ」
逆らえば… もっと酷い目に遭わせるというジキルドにオーディットは嫌々ながら苦痛に顔を歪ませてジキルドの指を舐める…
『は、ふぅ!ン…ッ、』
けれど、それを面白がるようにオーディットの口の中でジキルドはその指先で舌を弄り、弄ぶ。口を閉じることも許されず、涎が零れ落ちると、それをジキルドが舐めとる。
『ん……っ!?』
尻穴をもう片方の手が攻める。生暖かい温度、適度な太さのジキルドの指先がそこを攻め弄る。
『や、ふあぁ…ッ!』
グチュグチュと媚薬の液体で慣らされた尻穴にジキルドの指先はスムーズに呑み込まれていく。
「淫乱め… もうこんなに感じて、そろそろ解放されたいか?」
リボンで固く縛られ、膨張し膨らんだそこは痛そうで、けれどジキルドはそこを指先で軽く弾く
「ぁあんッ」
や、やぁぁあ!と啼くオーディットの声を…
───… 隔離された何もない空間に本当のジキルドはそこにいた。いや、閉じ込められていた。
向こうとこちらを隔たるのはガラスの壁。拳を握りしめ、ガンガンッ!とガラスを割る勢いで殴りつけるも、魔法で強化されたガラスを割ることができない。鈍い音だけが、自分が無力なのだと思い知らされる──。
目の前で弟を… オーディットを残酷に犯す己の写し身を睨み据える。
ー ガンッ!
「オーディット…っ」
あの日、守ると言ったのに、現に悪夢に犯されるこの状況を… 自分の無力さを恨んだ。
そのときだった。
何かに噛まれたあの手にズキリと痛みが走ったのは───。
「!?」
『星降る夜に…』
あの日、オーディットに誓った言葉の一節が頭に響く
《忘れるな。お前が誇り高きドラゴン族の王であるということを───。星降る夜の一節はお前も知っているだろう?あれは古代、まだ神話と呼ばれていた時代に陰の神子が陽の巫女に贈った祝福の言葉…。古き血を受け継ぐ我らドラゴン族にとってそれは何より神聖な誓い。
お前も大切な守りたいものが出来たとき相手に祝福の言葉を贈れ。ドラゴンは古より生きるモノ───。
その流れる血は特別なモノ…。忘れるな、誇り高き意思を───。》
そして共に聞こえた声は… 懐かしい父の声で。亡くなる前に父の部屋に個別に呼び出された私が父に酒の入った杯を渡され、親子水入らずの酒の席に渋々 付き合わされたあの日の出来事が不意に記憶として蘇る…。
「ほ、こり……たかき、いし…!」
ズキズキと痛む手を見つめる。
《主の御前において、星の雨が降りし朝も、陽が失われし昼も、闇が訪れぬ夜も、分かち合い、共に過ごすことを今ここに誓う。たとえ、この世界が終わりを迎えようと、この身が朽ち果てようとも…
我が身が闇に堕ちようと… 心が魔に侵されようとも、我が心は御身の心、汝がためにこの身を捧げ…》
あの日の誓いが唐突に甦る──。
あの日、自身が何を想って誓いを口にしたのか。大切なあの子を守るための自分自身への戒めの為ではなかったのか。
フツフツと怒りが込み上がる。
絶望し、一度は抗うことを放棄しようとした自分自身に…。無力だと思い込んだ己自身を、誇り高き意思を忘れていた己自身を… 叱咤する。仄暗かった瞳には生気が宿る…
そこにはもう、
絶望に塗れた王はいない。
バチッ!バチ、バチバチッとジキルドの周りで小さな稲妻が… 走る。
静謐な夜の空気を纏う…
漆黒の、濡れたように艶めく腰まで伸びた黒い髪は、カールが掛かったように緩やかにうね、黒から金色に輝く髪へと変わる。輝く金の髪は気品と、何もかもを見抜くような細い瞳は力強く生気が宿る。兼ね合わせた装飾が施されたドラゴン国での王族服がより一層、王の威厳を与えていた。
【───…もう、この悪夢に振り回されはしない】
誇り高き意思を取り戻したドラゴン族の王が… そこに立っていた。
逆らえば… もっと酷い目に遭わせるというジキルドにオーディットは嫌々ながら苦痛に顔を歪ませてジキルドの指を舐める…
『は、ふぅ!ン…ッ、』
けれど、それを面白がるようにオーディットの口の中でジキルドはその指先で舌を弄り、弄ぶ。口を閉じることも許されず、涎が零れ落ちると、それをジキルドが舐めとる。
『ん……っ!?』
尻穴をもう片方の手が攻める。生暖かい温度、適度な太さのジキルドの指先がそこを攻め弄る。
『や、ふあぁ…ッ!』
グチュグチュと媚薬の液体で慣らされた尻穴にジキルドの指先はスムーズに呑み込まれていく。
「淫乱め… もうこんなに感じて、そろそろ解放されたいか?」
リボンで固く縛られ、膨張し膨らんだそこは痛そうで、けれどジキルドはそこを指先で軽く弾く
「ぁあんッ」
や、やぁぁあ!と啼くオーディットの声を…
───… 隔離された何もない空間に本当のジキルドはそこにいた。いや、閉じ込められていた。
向こうとこちらを隔たるのはガラスの壁。拳を握りしめ、ガンガンッ!とガラスを割る勢いで殴りつけるも、魔法で強化されたガラスを割ることができない。鈍い音だけが、自分が無力なのだと思い知らされる──。
目の前で弟を… オーディットを残酷に犯す己の写し身を睨み据える。
ー ガンッ!
「オーディット…っ」
あの日、守ると言ったのに、現に悪夢に犯されるこの状況を… 自分の無力さを恨んだ。
そのときだった。
何かに噛まれたあの手にズキリと痛みが走ったのは───。
「!?」
『星降る夜に…』
あの日、オーディットに誓った言葉の一節が頭に響く
《忘れるな。お前が誇り高きドラゴン族の王であるということを───。星降る夜の一節はお前も知っているだろう?あれは古代、まだ神話と呼ばれていた時代に陰の神子が陽の巫女に贈った祝福の言葉…。古き血を受け継ぐ我らドラゴン族にとってそれは何より神聖な誓い。
お前も大切な守りたいものが出来たとき相手に祝福の言葉を贈れ。ドラゴンは古より生きるモノ───。
その流れる血は特別なモノ…。忘れるな、誇り高き意思を───。》
そして共に聞こえた声は… 懐かしい父の声で。亡くなる前に父の部屋に個別に呼び出された私が父に酒の入った杯を渡され、親子水入らずの酒の席に渋々 付き合わされたあの日の出来事が不意に記憶として蘇る…。
「ほ、こり……たかき、いし…!」
ズキズキと痛む手を見つめる。
《主の御前において、星の雨が降りし朝も、陽が失われし昼も、闇が訪れぬ夜も、分かち合い、共に過ごすことを今ここに誓う。たとえ、この世界が終わりを迎えようと、この身が朽ち果てようとも…
我が身が闇に堕ちようと… 心が魔に侵されようとも、我が心は御身の心、汝がためにこの身を捧げ…》
あの日の誓いが唐突に甦る──。
あの日、自身が何を想って誓いを口にしたのか。大切なあの子を守るための自分自身への戒めの為ではなかったのか。
フツフツと怒りが込み上がる。
絶望し、一度は抗うことを放棄しようとした自分自身に…。無力だと思い込んだ己自身を、誇り高き意思を忘れていた己自身を… 叱咤する。仄暗かった瞳には生気が宿る…
そこにはもう、
絶望に塗れた王はいない。
バチッ!バチ、バチバチッとジキルドの周りで小さな稲妻が… 走る。
静謐な夜の空気を纏う…
漆黒の、濡れたように艶めく腰まで伸びた黒い髪は、カールが掛かったように緩やかにうね、黒から金色に輝く髪へと変わる。輝く金の髪は気品と、何もかもを見抜くような細い瞳は力強く生気が宿る。兼ね合わせた装飾が施されたドラゴン国での王族服がより一層、王の威厳を与えていた。
【───…もう、この悪夢に振り回されはしない】
誇り高き意思を取り戻したドラゴン族の王が… そこに立っていた。
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