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- 謎多き執事の秘密ごと -
『貴族のしがらみと五大貴族の均衡』
しおりを挟む『王族にどう取り入ろうかと… 自分の家のライバルになる相手をどう陥れようかと、夜会やパーティなんて催しも実際には貴族達による互いの腹の探り合い、というのが本当のところではないでしょうか』
───ま、一部例外がいるようですが。と漏らすレオンは小さく笑ってこっちを見る
『…五大貴族と王家の関わり、その件に関しては先ほども申しましたが。あくまで表向きに変わりありませんよ。口ではああ言っていても、実際のところ… そうとは限らない。実際、先代のときに婚約者候補の件で五大貴族の中からライバル貴族を狙った犯行が起きて、その婚約者候補にあった中の2名のご令嬢が重症を負い、その内1名が亡くなった…と聞いています』
「 ! 」
淡々と話すレオンはまるで自分のことのように痛ましげに表情を曇らせる
『───だからと言って伝説のこともあるので他国と婚姻を結ぶことが難しい。なので、王家との婚姻は慎重にかつ、厳重警備の体制で行われるんですよ』
「…僕はその話知らないんだけど」
『ええ、表向きには王族を狙っての犯行で反王族派の一派による襲撃としていますからね』
「え、どうして…」
『五大貴族の人間だからですよ。このことが表に出れば均衡が保たれている五大貴族が互いの関係が崩れる… 五大貴族の関係は元から良好とは言えませんが、それでも表立って対立することは皆、避けてきたと言うのが事実だからです』
貴族故の、しがらみ…か。いや、五大貴族だからこそ、というのが正しいのか…。
姉上はそういうのも嫌だったのだろうか?…ふと、そう感じた───。
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