82 / 88
- 謎多き執事の秘密ごと -
『執事の - 戯れ - 』
しおりを挟むムスッ…
「僕はもうそんな小さな子供じゃない」
そう告げるとレオンは目を瞬くと、おかしそうにまた笑いだした。そうして、ひとしきり笑うと改まって腰を折り、僕にカーテシーをする。……口角を上げて。
『これはこれは… アラン様にとんだ失礼を。そうですね。アラン様ももうご立派な大人の仲間入りですし、大人に対しての接し方に変えましょうか』
小さく笑みを作るレオンのその不敵に口角をつり上げる様に何故か背筋にゾクッと悪寒が走った
「え、や、あのー… れ、レオン?」
するり、と唇を指先で撫でられ僕の頬が引き攣る。
レオンの次の行動に思わず身構えたけれど、それ以上は何もして来なくて… 目を瞬いてるとレオンにくすりと笑われた
『…まったく、貴方は抜けてるというか、天然というか… そんなところもあまり変わってませんね。ある意味、嬉しいですが別の意味で心配ですよ』
困ったように笑うレオンはまるで懐かしむように僕の表情を見てそう言うけれど僕には心当たりがなくて…
「えーっと… レオン??」
困惑した表情を向けると、
『いいえ、こちらの話ですよ。…そうですね、あまり苛め過ぎて嫌われるのも困るので話しを戻しますか』
クシャリと雑に僕の髪をクシャクシャと撫でるレオンはウィンクして告げた。
『旦那様の先ほどの件の話ですが、そもそも旦那様ご自身はこの… と言うのには少し言葉に語弊がありますね。正しく訂正するならば当初の、王太子殿下とソフィアお嬢様の婚約には反対だったのですよ』
「───え?」
だって、それは昔まだ幼かった頃に姉上が強請って父上が王家に掛け合ってご縁を頂いたって話だったはず… それなのに、そもそも父上が姉上と王太子殿下との婚約に反対っていうのは…
「えっと。つまり、どういう…こと??」
幼かった姉上にせがまれたけれど、父上は反対だった…?
4
お気に入りに追加
1,384
あなたにおすすめの小説
皇帝の立役者
白鳩 唯斗
BL
実の弟に毒を盛られた。
「全てあなた達が悪いんですよ」
ローウェル皇室第一子、ミハエル・ローウェルが死に際に聞いた言葉だった。
その意味を考える間もなく、意識を手放したミハエルだったが・・・。
目を開けると、数年前に回帰していた。
残虐悪徳一族に転生した
白鳩 唯斗
BL
前世で読んでいた小説の世界。
男主人公とヒロインを阻む、悪徳一族に転生してしまった。
第三皇子として新たな生を受けた主人公は、残虐な兄弟や、悪政を敷く皇帝から生き残る為に、残虐な人物を演じる。
そんな中、主人公は皇城に訪れた男主人公に遭遇する。
ガッツリBLでは無く、愛情よりも友情に近いかもしれません。
*残虐な描写があります。
真冬の痛悔
白鳩 唯斗
BL
闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。
ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。
主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。
むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。
学園生活は意外と大変
白鳩 唯斗
BL
毎年恒例の親族達の日帰り旅行で、事故が起きた。家族を全員失った魁星は、葬式に参加する。
そこで、唯一生き残った親族、はとこの雪人の存在を知ることになる。
権利争いが起きないようにと、魁星が雪人を養子に迎えることになり、父親になってしまう。
15歳の魁星は高校に通いながら、6歳のはことの面倒を見ることになる。
面倒見の良い優しい主人公です。
シリアスは少なめかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる