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- 謎多き執事の秘密ごと -

『執事の - 戯れ - 』

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     ムスッ…

「僕はもうそんな小さな子供じゃない」

そう告げるとレオンは目を瞬くと、おかしそうにまた笑いだした。そうして、ひとしきり笑うと改まって腰を折り、僕にカーテシーをする。……口角を上げて。

『これはこれは… アラン様にとんだ失礼を。そうですね。アラン様ももうご立派な大人の仲間入りですし、大人に対しての接し方に変えましょうか』


小さく笑みを作るレオンのその不敵に口角をつり上げる様に何故か背筋にゾクッと悪寒が走った

「え、や、あのー… れ、レオン?」

するり、と唇を指先で撫でられ僕の頬が引き攣る。

レオンの次の行動に思わず身構えたけれど、それ以上は何もして来なくて… 目を瞬いてるとレオンにくすりと笑われた

『…まったく、貴方は抜けてるというか、天然というか… そんなところもあまり変わってませんね。ある意味、嬉しいですが別の意味で心配ですよ』

困ったように笑うレオンはまるで懐かしむように僕の表情を見てそう言うけれど僕には心当たりがなくて…

「えーっと… レオン??」

困惑した表情を向けると、

『いいえ、こちらの話ですよ。…そうですね、あまり苛め過ぎて嫌われるのも困るので話しを戻しますか』


クシャリと雑に僕の髪をクシャクシャと撫でるレオンはウィンクして告げた。

『旦那様の先ほどの件の話ですが、そもそも旦那様ご自身はこの… と言うのには少し言葉に語弊がありますね。正しく訂正するならば当初の、王太子殿下とソフィアお嬢様の婚約には反対だったのですよ』

「───え?」

だって、それは昔まだ幼かった頃に姉上が強請って父上が王家に掛け合ってご縁を頂いたって話だったはず… それなのに、そもそも父上が姉上と王太子殿下との婚約に反対っていうのは… 

 「えっと。つまり、どういう…こと??」

幼かった姉上にせがまれたけれど、父上は反対だった…?
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