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- 謎多き執事の秘密ごと -

『過去のトラウマと - 白銀の世界 - 』

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「……一瞬の出来事だったんだ。自分に目掛けて下ろされる刃の先に、怖くて動けなくて目を閉じて… そしたら影ができたと思ったら気づいたら暖かい温もりに包まれていて、痛みはいくら待っても来なくて。

恐る恐る目を開けたら、その温もりは姉上の抱擁で。姉上は僕を庇って斬り付けられたんだ…っ」


何も出来なくて、無力だったあのときの自分をこれまで幾度と呪ったか、もうわからなかった。

「姉上は『大丈夫よ…っ』って言って、自分も怖いはずなのに姉上は恐怖で動けない僕を微笑んで宥めて、だけど、掴んだ姉上の腕はぬるりと濡れていて… 見たら赤い血がべったり付いていて… っ それから力なく崩れ落ちる姉上の腕をリーダー格の男が掴んだ瞬間、嫌悪感と憎しみの感情が沸き起こって気づいたら──…」

魔力の暴走する爆発音に、一瞬で全ての景色が真っ白に変わった。

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