ざまぁ！をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

- 謎多き執事の秘密ごと -

『僕の疑問と魔力の属性』

『確かに、最初はアラン様の言うようにレオンハルト王太子殿下の婚約者がソフィアお嬢様だったのですが、それはアラン様の属性がまだきちんと把握出来ていなかったからなのですよ』

───…僕の属性？

「ってどういうこと？それと、これが何の関係があるの？？」

まるで疑問だらけで、そんな僕にレオンはイヤな顔一つせず、一つ一つ丁寧に教えてくれる

『先ほどに申しましたが、この国にとって氷の属性持ちはそれはそれは慎重に扱われます。それは先ほどの補習授業で聞いたとおり、この国の二匹のドラゴンの神話… 伝説に関わるからです』

『…しかし、当時王太子殿下の婚約者としてソフィアお嬢様の名前が挙がったとき、貴方の属性が氷属性だと誰も把握していなかった故の事。貴方の属性がその時点では王家は疎か、旦那様、貴方のお父君も把握していなかった故のことでした』


……確か、王太子殿下と姉上の婚約が決まったのは二人の幼少期。姉上がお妃教育を受けるなら早いに越したことはないと確か陛下と父上の間で話が進められたと前に聞いた覚えがある。

『その頃のアラン様はまだ幼く、…と言ってもソフィアお嬢様と二つしか年は変わりませんが。幼い故に魔力もまだ安定していなかったこともあり、属性も定かでなかったのですよ。それ故に急ぐ必要もないかと。当時、陛下と貴方のお父君はそう判断されたのです。しかし、そこで想定外だったのが貴方がその二年後に氷属性の力を発揮したことにより、貴方の魔力が氷属性であることが判明したのです』


・・・それって、

「もしかして、僕の力が暴走したときの…」

いくら幼かったとは言え、あのときのことを覚えている僕は些か気まずくて目線を下へと下げた。