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- 謎多き執事の秘密ごと -

『僕の困惑と - 考察 - 』

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『ま、その件も踏まえた上で一度城に持ち帰って情報を改めて参りたいと思いますので』

私は一旦このへんで、と頭を下げて下がろうとするレオンに待った!をかける。


『アラン様?』

「いや、姉上の婚約の件なんだけど…」


困った表情で引き止めると、レオンは思い出したように目を僅かに大きく開けた

『ああ!申し訳ありません。そちらのお話がまだ途中でしたね…』

『しかし、本当に聞いていらっしゃいませんか?貴方の姉君でいらっしゃるソフィアお嬢様の正式な婚約者は… レオンハルト王太子殿下ではなく、王弟のアレクセイ殿下ですよ』


・・・・・は?

「え、ぇえ!?ちょっと待って。それ初耳なんだけど!?」

『そんなはずは… そもそも、旦那様はこの婚約の件をご存知のはずですが』


おかしいですね…と首を傾げるレオンに僕はわからなくなる。いや、だって女装して姉上のフリをして婚約破棄を狙えって言ったのは父上なんだけど。え… どういうこと?

う、うーん…?と顎先に手を添えて考え込んでみるけれど、さっぱりわからない。首を傾げる僕を見たレオンはもしかしたら…と言葉を続けた


『……先ほどにも申しましたが、五大貴族と王族の関係はとても扱いが難しいのです。しかし、伝説故にその力を悪用されてはならない。だから王族は五大貴族の中から婚約者を選ぶのが通例となっていますが、この婚約者選びも、この関係を崩さない為にも慎重にならなければなりません。このことは五大貴族の当主は皆、ご存知になる話なので。

その上で旦那様がアラン様に何かご指示を出されているのならば… もしかすると、旦那様には何か別の考えがあるかもしれません』

別の… 考え?父上が…?


ここまで来ると、姉上の乙女ゲーム云々話を仮に事実と仮定した上で考察してみる。やはり、これは悪役令嬢である姉上が役目を放棄した故のバクになるのだろうか?
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