ざまぁ!をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

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- 謎多き執事の秘密ごと -

『謎が謎を呼ぶ… ヘンリーという人物』

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うーん…?

「あ、そういえば!」

『!何か思い出しましたか?』


レオンの声に僕は頷いた

「うん!確か…  どんな人にも善悪関わらず、困った人を見かけては手を差し伸べるヘンリー様は身分というものがないって。僕らみたいなお金や地位は無いよに困った人を見かけては手を差し伸べずにはいられない… 確か、そう言っていたよ」

『……なるほど。話を聞く限りはずいぶんよく出来た人間ですね』

出来すぎていて逆に怪しさ満点ですが、と鼻で笑うレオンに、頬を赤く染めて熱く語っていた姉上の顔が過ぎり、途端に僕は複雑な気持ちになる。

「それから、女の子を攫った人身売買の組織を壊滅させたりとか…。女の子の危機に窮地を救ってくれる… 平民に近いけど平民じゃない訳ありの人間だと確か言ってた気がする──。」

『人身売買の組織を壊滅…?一人で??』

「さあ?僕はそのへんは聞いてないから…
わからないけど、姉上の口からはヘンリー様の名前しか出て来なかったからたぶん、そのヘンリーっていう人、一人じゃないかな?」


しばらく顎先に手を添えて考え込んでいたレオンは壁に背を預けて凭れ始めた

『それに、地位も金もない平民に近いけど平民じゃない人間って… どんな人間ですか。それから、窮地を狙ったように毎回助けに入るのも可笑しな話では?
───…そもそも、人身売買の組織が壊滅したとなれば私の耳にも一報入りますよ』

これでも王家直属の執事なので情報には敏感なんですよ、と肩を竦めるレオンに僕は首を傾げる

(・・・ん?どういうこと??)

確か、姉上は… 前世が云々、この世界がその乙女ゲームの世界だと豪語していた挙げ句、ヘンリー様とやらがゲームの攻略対象者じゃなかったことを酷く悔やんでいた。
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