ざまぁ！をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

- 謎多き執事の秘密ごと -

『補習授業終わりのお知らせと《婚約者》』

『……キッカケ、かどうかは分かりませんが。陰の月属性のドラゴンが大切にしていたものを人間に奪われたことにより、その怒りから憎しみへと変わり、やがて全てを閉ざし生きる者全てを氷漬けにしようとしたのを… 陽の太陽属性のドラゴンが止めに入ったと、そういった逸話もあるようです。

本当のところは… それがただの伝説なのか。はたまた本当のことなのか、それは神のみぞ知る… といったところでしょうか』


「……だから、今でいう氷属性のこの力も… 炎と同じように月属性のドラゴンの力の名残りなの？」

『ええ。そう言われています』


……でも、それならばなぜ敗れたドラゴンは臣下に降ったんだろう？

そんな僕の疑問に気付いたか、レオンがすぐに答えてくれた。

『なぜ、敗れたドラゴンが仲違いし、勝ったドラゴンの家臣に降ったのか…。そこが疑問なのですね？そうですね。これは私の憶測に過ぎませんが、そこはやはり一度は共に王国を築き、共に治めた… 旧知の仲、だからではないでしょうか？

あるいは、太陽属性のドラゴンが説得したのかもしれません。それはドラゴンにしかわからないことですよ』


『───さて、補習授業はこれで終わりですが。
ここから先は… ソフィアお嬢様と王太子殿下の婚約の話に移ります』


そう言って僕の髪を弄りながら、くすっと微笑んだレオンは続いて真剣な表情を向けてきた。