ざまぁ！をされるつもりが… こんな展開、聞いてないっ

- 謎多き執事の秘密ごと -

『アレクとレオン、二人の執事』

アレクはレオンと同じく王家から派遣された執事の一人だ。なんの偶然か、レオンと同じく、レオンは王太子殿下の愛称でこちらはアレクセイ王弟殿下の愛称と同じ名前だ。

現国王陛下の弟君で陛下とは年の離れた兄弟でいらっしゃるアレクセイ王弟殿下は王太子と兄弟と言われてもしっくりくるほどその端正な顔立ちは似ている。後ろに撫で付けた金髪。年の功か、王太子殿下よりも長く生きているアレクセイ王弟殿下はその理知的な顔はご兄弟と言われていることだけあって陛下とその面影は重なる───。

……さらに言えば、その人気は容姿端麗な上、独身で王太子と並んで世の令嬢方からは熱い視線を送られるほどだ。アレクセイ王弟殿下のその美麗な顔とレオンハルト王太子殿下の見目麗しい姿は城下町などでその人気ぶりから姿絵が売られているほどだ。

そんなアレクセイ王弟殿下の愛称と同じ名前を持つのは先ほどレオンが言っていた王家から派遣されたもう一人の執事だ。アレクセイ王弟殿下と違って、アレクはプラチナブロンドの髪をバックに撫で付けている。


二人は親戚らしいけど、それ以上のことは何も聞いていない僕は二人の関係性を知らないけれど、二人は見る感じとても仲が良さそうだ。

『そうですね…。アラン様はそもそも何故氷属性の人間が王家の庇護下に置かれるかご存知ですか？』


王家から派遣されている為、レオンと交互に王家への報告と公爵家を行ったり来たりするレオンとアレクはとにかく忙しい。仕えると言ったって王家から派遣されているため、随時その報告に登城するのに会えないときも度々ある。そんなときは唯一の自由な時間だけども───。

アレクとレオンのことを振り返っていると、唐突にそう切り出したレオンに首を傾げた。

「え？だって、それは… 力の暴走とか。権力に関係する、とか？」

いきなり振られた質問にそう答えるとレオンは首を横に振った。