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- 謎多き執事の秘密ごと -
『五大貴族と王家の関係』
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『───さて、アラン様の疑問を一つずつ解消していきましょう。先ずは一つ目。 氷属性の持ち主であるアラン様。本来ならば王家預かりとなるはずの貴方の身がなぜ、公爵家に置かれたままなのか──。それにはいくつか理由があります』
「理由…?」
『一つは、公爵家に跡取りがいなくなってしまう為、貴方のお父君がそれを理由に貴方の身を王家の庇護下に置くことを拒んだ為。本来ならば、王家の権力を持ってそれをも無視し押し通すことはできます。
しかし、
その権力を行使できない理由の二つ目が相手が公爵家ということ。今現在、我が王国は王家を支える五大貴族と呼ばれる公爵家や侯爵家の方々を筆頭に王家と共にこの王国を支えて頂いているのが現状です。
つまり、その五大貴族は王家と変わらない権威を持っているということ。そしてそれはこの王国を支えるにあたって必要不可欠。その五大貴族のどの家にも権力が偏ってはならない。…そういうことなんですよ』
「それって、つまり…」
『ええ、アラン様もお察しのとおりですよ。五大貴族が王家とほぼ同等の権力を持っている、それによりこの国の… 均衡は保たれているんです。王家が権力を独占し、独裁政治を強いることがないよう、ときに窘め、ときに助言をし、間違った方向へ進まぬことがないようストッパーの役目をも担う、それが五大貴族の役目の一つでもあるんです』
あまり知られていることではありませんが、と付け足すレオンだけど、王家直属の執事とはいえ、なぜそこまで詳しく知っているのか疑問を覚えたけれど、王家直属の執事だからこそ知っていることもあるのかとムリに自分を納得させる。
『───王家とほぼ同等の権威を持つ五大貴族の身内を王家の庇護下に置くということは場合によっては人質と考える者もいますし、またある者はノーチェルス公爵家が王家と結託し、繋がりを強めたと考える者もいるでしょう。……そういった点を踏まえ、王家は貴方の身を公爵家に置いたまま、氷属性を持つサポート役と婚約者となったソフィアお嬢様をサポートする王家直属の執事を派遣することにしたんです。
それが私とアレクなんですよ』
人差し指を立てたレオンは、にっと笑みを浮かべた。
「理由…?」
『一つは、公爵家に跡取りがいなくなってしまう為、貴方のお父君がそれを理由に貴方の身を王家の庇護下に置くことを拒んだ為。本来ならば、王家の権力を持ってそれをも無視し押し通すことはできます。
しかし、
その権力を行使できない理由の二つ目が相手が公爵家ということ。今現在、我が王国は王家を支える五大貴族と呼ばれる公爵家や侯爵家の方々を筆頭に王家と共にこの王国を支えて頂いているのが現状です。
つまり、その五大貴族は王家と変わらない権威を持っているということ。そしてそれはこの王国を支えるにあたって必要不可欠。その五大貴族のどの家にも権力が偏ってはならない。…そういうことなんですよ』
「それって、つまり…」
『ええ、アラン様もお察しのとおりですよ。五大貴族が王家とほぼ同等の権力を持っている、それによりこの国の… 均衡は保たれているんです。王家が権力を独占し、独裁政治を強いることがないよう、ときに窘め、ときに助言をし、間違った方向へ進まぬことがないようストッパーの役目をも担う、それが五大貴族の役目の一つでもあるんです』
あまり知られていることではありませんが、と付け足すレオンだけど、王家直属の執事とはいえ、なぜそこまで詳しく知っているのか疑問を覚えたけれど、王家直属の執事だからこそ知っていることもあるのかとムリに自分を納得させる。
『───王家とほぼ同等の権威を持つ五大貴族の身内を王家の庇護下に置くということは場合によっては人質と考える者もいますし、またある者はノーチェルス公爵家が王家と結託し、繋がりを強めたと考える者もいるでしょう。……そういった点を踏まえ、王家は貴方の身を公爵家に置いたまま、氷属性を持つサポート役と婚約者となったソフィアお嬢様をサポートする王家直属の執事を派遣することにしたんです。
それが私とアレクなんですよ』
人差し指を立てたレオンは、にっと笑みを浮かべた。
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